ドラえもんのび太の地球開放記   作:ジャックノルテ

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□21~□22

□21 太陽系 アステロイドベルト某惑星 SSS―ZY―997894

 

 

静香「ここからなら天上人にも分からないと思うわ」

 

 静香がどこでもドアを開いた先はねじ巻き都市にあるエッグハウスのある小さな丘だった。

 ねじ巻き都市は火星と木星の間にあるアステロイドベルトの中にシールドで隠された植物と生きたぬいぐるみ達の街である。

 

 ドラえもんのび太とねじ巻き都市冒険記より

 

 その周囲は無数の意志を持った植物に囲まれ自然豊かな場所だった。

 静香が前に来てからねじ巻き都市は前よりも発展しながらも自然との調和を保っていた。

 

ドラミ「確かねじ巻き都市ね。お兄ちゃんから聞いているわ」

 

パルパル「ここは一体?それにこの空気は・・・・・。こんなに澄んでいる空気は天上州でも感じた事が無いわ・・・・・」

 

ドラミ「話すと長くなるけど火星と木星の間にある星なのよ」

 

静香「そう。それにこの星は植物との共生を掲げている星なの。空気や水、土を汚さない様に配慮している素晴らしい星なの」

 

パルパル「火星と木星の間にこんな星が・・・・・。それになんて自然が豊かなの・・・・・」

 

 そこへ都市の方から二人のぬいぐるみが様子見にやって来た。

 ブタのぬいぐるみであり市長でもあるピーブと妹のプピーが気付いてやって来た。

 

ピーブ「あれ?静香さんじゃないですか」

 

プピー「久しぶりね!今日はどうちたの?」

 

パルパル(ぬいぐるみが喋った!?)

 

静香「ピーブ。プピー久しぶりね。訳を説明している時間が無いんだけど頼みを聞いての欲しいの」

 

ピーブ「頼みとは何ですか?」

 

静香「急なんだけど今から私はこの二人と持って来たロケットに乗ってこの星から飛ぶ事を許して欲しいの」

 

ピーブ「静香さんの頼みならお安い御用です。この丘なら周囲に家はありませんからどうぞ」

 

静香「ありがとう。ピーブ。いえ。ピーブ市長」

 

ピーブ「静香さん達にはこの星を救って貰いましたから」

 

プピー「後でにゃにがあったかおちえてね」

 

静香「ドラミちゃん」

 

ドラミ「任せて!宇宙救命ボート!」

 

 ドラミは四次元ポケットから宇宙救命ボートを取り出した。

 

ドラミ「さあ!これに乗ってニムゲ星に向かいましょう!」

 

静香「ピーブ!プピー!みんなによろしく伝えて!」

 

ピープ「分かりました。僕が代表して伝えて置きます」

 

プピー「バイバイ!」

 

 ピーブとプピーの目の前で宇宙救命ボートは飛び上がった。

 直ぐに成層圏を抜けるとワープに入った。

 ワープ空間を進む宇宙救命ボート。

 

ドラミ「座標の方は大丈夫だから直ぐに付くわ。でも二人共疲れているでしょう」

 

静香「もうヘトヘトよ」

 

パルパル「私も・・・・・」

 

ドラミ「そんな時は時門!ワープ空間の中ならこの道具を調整して使う事が出来るから宇宙救命ボートの中の時間だけをゆっくりさせる事できるわ。これで6時間程、休憩を取りましょう」

 

静香「良かったわ。実はずっと食べて無いからお腹がペコペコで」

 

ドラミ「しっかりとした休養を今の内に取っておきましょう」

 

 ドラミは言いながらグルメテーブルかけを出していた。

 

パルパル「そうね。これからはきっと休憩なんて考えられないだろうから」

 

 3人はグルメテーブルかけを使って食事を済ませた。

 

静香「ねえドラミちゃん。お風呂ってあったりしないの?」

 

ドラミ「それなら壁紙ハウスの銭湯版!これでお風呂に入れるわよ」

 

静香「ドラミちゃん。ありがとう」

 

パルパル「私は今の内に仮眠を取りたいんだけど」

 

ドラミ「それならみの虫式ねぶくろ!これで快適に眠れるわよ」

 

パルパル「ありがとう。それじゃ私は休ませて貰うわ」

 

静香「私はお風呂に」

 

ドラミ「私も一緒に行くわ」

 

 静香とドラミが壁紙ハウスの銭湯から出ると既にパルパルは眠っていた。

 

静香「パルパルさんは疲れていたのね」

 

ドラミ「無理も無いわ。二人共、この数時間は本当に大変な事をしているじゃない」

 

静香「でもドラミちゃんも時空乱流に巻き込まれて大変だったんでしょう?」

 

ドラミ「大変だったけど助けてくれた人がいたのよ」

 

静香「そう言えばタイムパトロールとのび太さんの知り合いに助けて貰ったって」

 

ドラミ「そうよ。まさかあの人たちに助けて貰うとは思わなかったわ」

 

 ドラミはこの時代に来るまでの事を回想する。

 

 

 

 回想 時空間

 

 

 時空間の中を進むドラミのチューリップ型のタイムマシン。

 

ドラミ「もー。お兄ちゃんたら。タイムテレビで通話が出来ない位、壊れているのなら直ぐに交換しないと様子が分からないのに」

 

 ドラミは兄であるドラえもんのいい加減な所を呆れながらも新品のタイムテレビを持ってドラえもんのいる時間へタイムマシンを向かわせていた。

 その時、時空間の中に電流が迸る。

 

ドラミ「何!?」

 

 思わずタイムマシンを急停止するドラミの目の前に時空乱流から生じたタイムラビリンスとねじれゾーンが壁の様に立ちはだかった。

 

ドラミ「これは!?タイムラビリンスにねじれゾーン!?この二つが同時に時空乱流から生じるなんてあり得ないわ!?」

 

 だがドラミの脳裏にこの現象に対する一つの答えが提示されていた。

 

ドラミ「まさかお兄ちゃん達のいる時間が特異点になったと言うの!?」

 

 歴史の特異点が生じると時空間の中にも様々な現象が生じる。

 普段は余り生じない時空乱流からタイムラビリンスとねじれゾーンと言う特異な現象が起きてしまうのだ。

 

ドラミ「これじゃお兄ちゃんの時代に近付けない・・・・・・。前にも事件が起きた事にタイムテレビで気が付いてお兄ちゃんを助けに行こうとした時も二回しか突破出来なかった・・・・・。きっとお兄ちゃんもピンチの筈だわ。どうしたら」

 

??「恨めしや・・・・・」

 

ドラミ「声?」

 

 ドラミの耳に声が聞こえた。

 老女の様な声だがハッキリとドラミの耳に聞こえて来たのだ。

 

??「恨めしや・・・・・。お前からは奴らとの縁を感じる」

 

ドラミ(奴ら?この声はあたしに向かっている!?)

 

??「恨めしやー!!」

 

 時空間に電流が迸ると同時にそこには白塗りに目の周りに隈取をして鶏冠のような髪型をして無数の装飾品を付けた神官の様な老女が時空間の中で半透明に霊体して具現化した!

 

ドラミ「あなたは一体!?」

 

??「私・・・・・。私はレディナ・・・・・。マヤナ国の神官。お前と縁のある存在に全てを奪われた者」

 

ドラミ「確かお兄ちゃんからタイムホールでマヤナって国に行ったって」

 

??=レディナ「私から奪った全てを返せー!」

 

 レディナの掲げた水晶ドクロから電流が走るとドラミのタイムマシンに向かって来る。

 

ドラミ「きゃっ!?」

 

 ドラミはタイムマシンを急旋回して電流を回避する。

 

レディナ「おのれ・・・・・!? そうか。お前は!!」

 

 レディナは突如としてドラミを見て何かに気付いた様だった。

 

レディナ「お前は、あ奴の!?ゆ~る~さ~ん!」

 

 すると突如として顔にヒビが入り崩れるレディナの霊体。

 後に残った水晶のドクロが突如として輝くと同時にドクロから無数の蛇が出て来ると同時に恐ろしい形相で鋭い爪を生やした者が霊体となって表れていた。

 

ドラミ「まるで悪魔族」

 

レディナ「そ~う~だ。思~い~出~し~た~ぞ。オオ~ン。私~は~。悪魔メジューサ!」

 

ドラミ「まさか!?」

 

 無意識の内にドラミは相手の正体を見破っていた。

 それは悪魔メジューサ。

 かつてドラえもん達が、もしもボックスで生み出した魔法の世界に存在する悪魔で時空間を超えてドラえもんとのび太を石像にした悪魔だったのだ。

 それが何故、マヤナ国のレディナの霊体から現れたのか。

 実はメジューサはドラえもんとのび太を石にした後で魔界に帰還する途中でタイムラビリンスに迷い込み並行世界マヤナ国の神官レディナの身体を乗っ取っていたのだ。

 しかしタイムラビリンスを無事に抜けた副作用か記憶を失っていたのだ。

 

レディナ=メジューサ「感~じ~る~ぞ!デマオン様~を~倒~し~た~な~。感~じ~る~ぞ~。お~前~達~へ~の~恨~み~。怨~念~を~!」

 

 メジューサが両手を空に掲げると同時に何かのエネルギーが流れ込んで行く。

 

メジューサ「今~こ~そ~恨~み~晴~ら~す~時~!」

 

 するとメジューサの周囲に次々と何かが具現化して行く。

 

ドラミ「一体何が起こって」

 

メジューサ「奴~ら~の~元~へ~行~か~せ~な~い!」

 

 その声と同時にメジューサは爆発四散したが同時に周囲で新たな霊体が具現化して行く。

 

??2「良くやったぞ!メジューサよ!」

 

ドラミ「この声はまさか」

 

 その威厳のある声はドラミも聞き覚えのある声だった。

 

??2「フハハハハハ!わしは大魔王デマオンなり!」

 

 ドラミの目の前には、魔法の世界で戦ったあの大魔王デマオンの霊体が出現していた。

 

ドラミ「あなたは死んだ筈じゃ!?」

 

デマオン「そうだ。だがメジューサの生贄魔法によって怨念を依り代として蘇ったのだ。貴様は確かあの地球人の仲間だったな!地球人への怨念よ!今こそ恨みを果たす時ぞ!」

 

 デマオンが叫ぶと同時にデマオンの周囲から更に無数の霊体が具現化して増殖して行く。

それは無数のロボットで構成される鉄人兵団。

形状記憶セラミック土偶のツチダマ。

妖怪牛魔王、羅刹女、金角、銀角。

チャモチャ星を支配していたナポギストラー一世と配下のロボット軍。

妖霊大帝オドロームとその部下であるスパイドル将軍、ジャンボス将軍、トリホー。

風の怪物マフーガ。

バードピアの怪物フェニキア。

ドラえもん達が今までの冒険で戦った強敵たちの怨念を霊体として具現化させたのだ!

怨念たちには自意識は無いが全てドラえもん達への恨みを原動力に増殖して行った。

 

ドラミ「まさか特異点が原因じゃ・・・・・」

 

デマオン「貴様をこの先には行かせん!そしてあの地球人を!」

 

 デマオンの攻撃がドラミに迫る!

 

ドラミ「きゃー!?」

 

 だがドラミのタイムマシンの後方から鋭い光線が放たれてデマオンに命中した。

 

ドラミ「あれは!?タイムパトロール!」

 

 時空間の異変を察知してタイムパトロールの潜水艦型のタイムマシン、タイムマリンが続々とこの場に集結していた。

 

タイムパトロール隊長「全艦!あの霊体に一斉攻撃!これ以上、時空間で増殖をさせては何が起きるか分からん!」

 

タイムパトロール隊長の号令によってタイムマリンから次々と光線が発射されデマオンの霊体から増殖する怨念を食い止める。

 

デマオン「おのれ・・・・・!だが奴だけは!」

 

 デマオンの手から雷がドラミのタイムマシンに迫る!

 

??3「怨念の雷よ!去れ!」

 

 雷はドラミのタイムマシンを避けて行く。

 

ドラミ「一体何が!?」

 

??4「間に合って良かった」

 

??3「久しぶりね。ドラミさん」

 

ドラミ「あなた達は!?満月博士に美夜子さん!?」

 

 それは大魔王デマオンと戦った魔法世界にいる満月博士と娘の美夜子が空飛ぶ絨毯に乗ってこの時空間に現れたのだ。

 だが二人は本来この時空では無くもしもボックスで作られた並行世界の存在でここに居る事自体が異例と言えた。

 ドラえもんのび太の魔界大冒険より

 

 

ドラミ「どうしてここに!?」

 

??4=美夜子「水晶の予言に導かれたのよ!」

 

??3=満月博士「運命がワシらをここに導いたのだ!君を助ける為に!」

 

 満月博士と美夜子は二人で一つの水晶を掲げる。

 

満月博士、美夜子「時を見つめる水晶よ!今こそかの怨念を倒す正しき思いをここへ集わせよ!」

 

 満月博士と美夜子が掲げた水晶が光り輝くと同時に水晶から伸びる一筋のピンク色の光に先導される様に思いが実体化した光の霊体が次々とデマオンと怨念に向かって行く。

 フタバスズキリュウ。

 無数の恐竜や古代生物。

 ウンバホと言う日の国の勇者率いる民。

 空飛ぶ機械馬に乗るアラビアの船乗り。

 妖精が乗る白金の剣士の愛馬ユニコザウルスとユミルメの竜とクマの親子。

 隻眼の船長に率いられた海賊船とそのクルー達。

 マヤ文明の様な石仮面を付けた太陽の王とその臣下と臣民。

 台風に包まれた光る竜のぬいぐるみ。

 人のように立ち上がれる様になった犬と猫達。

 

デマオン「なっなんだこれは!?」

 

 それはかつてドラえもん達が冒険の中で出会った人や命の思いとも言えるモノだった。

 満月博士の水晶を通して怨念と対をなす人々を慈しむ思いが怨念を砕く為に現れたのだ。

 デマオンも思わぬ相手に驚きを隠せなかった。

 

満月博士「見たか!デマオン!これこそが」

 

美夜子「慈しみの心よ!」

 

ドラミ「今の内に何とかお兄ちゃんの所に行かないと」

 

 ドラミのタイムマシンの背後から新たな光線が放たれるとドラミのタイムマシンの前方に穴が開いて抜け道が示される。

 

ドラミ「これは!?」

 

ビタノ「この抜け道を使えばあなたの行きたい場所へ行けますよ」

 

ドラミ「えっ?」

 

 ドラミが背後を振り返るとそこにはイモムシ型のタイムマシンが現れていた。

 イモムシ型のタイムマシンのブリッジにはカマキリ型の虫人とハチ型の虫人ビタノがいた。

 

ドラミ「あなたは一体?」

 

ビタノ「ぼくの事は良いんです!あなたは行かなきゃいけないのでしょう?」

 

ドラミ「でも」

 

ビタノ「今こそ我らが神に恩を返す時なんです!」

 

ドラミ「分かりました!」

 

 ドラミはタイムマシンを抜け道に突っ込ませようとした。

 

デマオン「行かせんぞ!」

 

 デマオンの身体から漏れ出る怨念がドラミのタイムマシンに迫る。

 

ドラミ「!!」

 

 その時、22世紀における六つの場所で6人のネコ型ロボットが何かを感じ取って光るカードを握り締めて空に掲げていた!

 スペイン、サウジアラビア、ロシア、ブラジル、アメリア、中国でロボットでありながら直感で危機を感じ取っていたのだ!

 

6人のネコ型ロボット「親友テレカ!!」

 

 親友テレカから溢れる友情の光は時空を超えてドラミのタイムマシンを包み込み防護壁の役割を果たしていた。

 ドラミのポケットの内部に入っているカードも光り輝いていた。

 光はデマオンの雷を弾いてしまう。

 

ドラミ「この光は!?今なら!!」

 

 友情の光に守られたドラミはタイムマシンを抜け道へ突入させた!

 

ビタノ「さあ!新たに結ばれた並行世界時間協定に基づいてぼくらもタイムパトロールに協力してあの怨念を倒すんだ!」

 

エモドラン「並行世界大使としての初仕事がこれじゃ先が思いやられるよ」

 

ビタノ「仕方ないだろ。ぼくの行動が並行世界と並行世界を繋げちゃったんだから」

 

エモドラン「だからボクは君の所に来たんだけどね」

 

ビタノ「分かってるよ。さあ!もう一息だ!」

 

 ビタノの指揮の元でイモムシ型のタイムマシンもデマオンの怨念に立ち向かう。

 

満月博士「デマオン!諦めろ!お主の野望は潰えた!」

 

美夜子「あなたはただの怨念に過ぎないのよ!」

 

デマオン「黙れ!我は今度こそ悪魔の世界を」

 

 その時、時空間が歪むと同時に突如としてアラビアの黄金宮がビンの魔神が持ち上げて飛んで来た。

 ビンの魔神が持ち上げる黄金宮は空飛ぶ馬に乗るアラビアの船乗りの持つ剣が差すデマオンに真っすぐ向かって行く。

 

デマオン「なんだ!?」

 

満月博士「いかん!回避!」

 

 満月博士と美夜子の乗る魔法の絨毯は寸での所で黄金宮を回避した。

 ビンの魔神が持つ黄金宮は電撃を浴びて吸収すると同時にデマオンに激突した!

 デマオンの霊体に大きな亀裂が走る!

 

デマオン「ギャアアアアアアアアアア!?」

 

タイムパトロール隊長「今だ!ギガゾンビから押収した亜空間破壊装置を局地的に使用するんだ!」

 

ルフィン隊員(了解しました!)

 

 特殊なカプセルに入ったイルカのタイムパトロール隊員ルフィンはその通信能力を構成する周囲の状況を正確に把握する能力でデマオンの怨念の核を探し当てていた。

 

タイムパトロール隊長「ルフィン!君の優れた感知能力ならばタイミングと場所を見誤る事は無い筈だ!」

 

ルフィン隊員(任せて下さい!今です!)

 

 タイムマリンから発射された亜空間破壊装置から放たれた強力な光線が遂にデマオンに止めを刺した!

 

デマオン「おのれ!!」

 

 破れかぶれにデマオンは無茶苦茶に電撃を放ち怨念たちもそれに習う。

 放たれた電撃は一隻のタイムマリンに命中してしまった。

 白亜紀から帰還中だったタイムマリンの内部にある留置場には恐竜を捕らえていた恐竜ハンターである黒い男と極悪人の大富豪ドルマンスタインが囚われていた。

 

黒い男「牢が空いたぞ!」

 

 電撃のショックで留置場の牢が開いてしまった。

 他のタイムマリンの乗組員は全員ブリッジに向かって留守だった。

 

ドルマンスタイン「今なら脱出できるぞ!」

 

黒い男「確かこっちに押収されたタイムマシンが!」

 

ドルマンスタイン「こんな所で捕まってたまるか!」

 

 黒い男とドルマンスタインはこの隙を付いて翼竜型のタイムマシンに乗り込んで未来へと逃亡した。

 逃亡先の2112年でとある切っ掛けを起こすのは別の話でもある。

 その騒動を余所にビンの魔神は黄金宮を持って未来に向かって時空間を飛び去って行った。

 

満月博士「わしらに出来るのはここまでだ」

 

美夜子「ええ。もう時間が・・・・・」

 

 満月博士と美夜子の姿が薄れて消えて行ってしまった。

 

ビタノ「彼らは無理に並行世界を超えて来たのか。だから姿が消えてしまったのか」

 

エモドラン「でもあの様子なら元の世界に帰るだけだろう?」

 

ビタノ「ああ。無事だと良いんだが・・・・・」

 

 イモムシ型のタイムマシンからビタノとエモドランは消えてしまった満月博士と美夜子の事を生きている事は分かっていたが心配していた。

 その頃、元の世界に戻った満月博士と美夜子は消耗して膝を付いていた。

 

美夜子「のび太さん達は大丈夫でしょうか?」

 

満月博士「きっと大丈夫だろう。わしらの世界を救った彼らなら」

 

 

 

 6つの光に守られて進むドラミのタイムマシン。

 

ドラミ「出口は・・・・・・」

 

 その時、ドラミのタイムマシンの前方にピンク色の光が一つの穴を差した。

 何故かドラミの瞳はピンク色の光に目を奪われたいた。

 

ドラミ「ここに行けって言っているの?」

 

 何故かドラミには意志を持たない筈のピンク色の光が頷いた様に感じ取れた。

 まるで自身と同じロボットの様にピンク色の光に親近感を得てドラミはピンク色の光に沿って穴に入って行く。

 

ドラミ「お兄ちゃん!待ってて!」

 

 ドラミは意を決しタイムマシンを穴に突入させた!

 これこそドラミがこの時代に来るまでの経緯だった。

 やっとの思いでのび太の机の入り口に辿り着いたドラミ。

 

ドラミ「やっと着いたわ・・・・・。でも特異点になっていると言う事は、お兄ちゃん達は何処かに冒険に・・・・・。タイムマシンがあるからお兄ちゃんはこの時代にいる筈だけど」

 

 ドラミがのび太の机の引き出しから出て見るとその場にドラえもん達はいなかった。

 

ドラミ「お兄ちゃん達は何処にいるのかしら?そうだわ!特異点になっていてもタイムテレビで確定している過去を見る事は可能な筈!」

 

 ドラミはタイムテレビを取り出してドラえもん達の行動を見た。

 

ドラミ「大変!直ぐにお兄ちゃん達の所に行かないと!」

 

 ドラミはどこでもドアを出してドラえもん達のいる南極へ向かった。

 これがドラミの南極まで来た経緯だった。

 

 

 

□22 アラビア 790年台 砂漠 黄金宮

 

 

 黄金宮の主であるシンドバッドの命は尽きようとしていた。

 椅子に座る彼の表情は既に精魂が尽きようとしていた。

 

シンドバッド「ランプの精よ・・・・・。アブジル達は改心したか?」

 

ランプの精「いーえ。全然懲りてません」

 

シンドバッド「そうか・・・・・。もうよい。あの4人を解放して黄金宮の外に出してやれ」

 

ランプの精「良いんですか!?」

 

シンドバッド「よい。その前に4人をここへ」

 

ランプの精「分かりました!」

 

 ランプの精はアブジル、カシムと手下二人の両手を縛り上げた状態でシンドバッドの前に連れて来た。

 

シンドバッド「4人共、改心する気はあるか?」

 

アブジル「これだけの宝を見て改心する訳があるか!!」

 

カシム「そうだ!俺たちは悪党だからな!」

 

手下A、B「・・・・・・・・・」

 

シンドバッド「そうか。お前達を牢から出してやる。水と食料もくれてやる。ラクダも返してやろう」

 

アブジル「何のつもりだ?」

 

シンドバッド「アブジル。気付いているだろう。わしはもうすぐ死ぬ」

 

アブジル「・・・・・・。だろうな。俺も伊達に奴隷商人をしてた訳じゃない。あんたの顔色じゃあ、もういつ死んでもおかしく無いだろ」

 

シンドバッド「この黄金宮の秘密を知るそなたも最後の秘密だけは知らんだろう」

 

アブジル「最後の秘密?」

 

シンドバッド「この黄金宮はわしが死ぬと同時に太陽に向かって飛び立つのだ」

 

アブジル「何だと!?」

 

シンドバッド「コレクションの悪用を防ぐ為じゃ。前にこの黄金宮を乗っ取った時にわしを殺さなくて良かったな。わしを殺したらその瞬間に黄金宮は飛び立っていたぞ」

 

カシム「はったりだろ」

 

アブジル「そうとも言い切れないぞ」

 

シンドバッド「そろそろだな。もうわしは眠りたい。そろそろ黄金宮を出た方が身のためだぞ」

 

 シンドバッドが目を閉じた瞬間に黄金宮全体が振動し始める。

 

アブジル「なんだ!?」

 

カシム「おい!見て来い!」

 

手下A、B「「へい!」」

 

 手下A、Bは縛られた状態で城壁から外を見た。

 

手下A、B「「大変です!?黄金宮が浮かび上がってます!?」」

 

カシム「何だと!?」

 

アブジル「ヤバいぞ!?黄金宮は操縦しなければ浮かばない筈!?」

 

シンドバッド「だから言っているだろう。太陽に向かうと」

 

アブジル「冗談じゃない!?おい!逃げるぞ!」

 

カシム「宝なんかいらねえ!?さっさと逃げるぞ!」

 

手下A、B「「親分!!待ってくれー!?」」

 

 アブジルとカシムと手下A、Bは慌てて黄金宮の外へと飛び出した。

 門までの道は予め通りやすい様にされており、入り口にはラクダと食料と水をランプの精が用意していた。

 アブジル達が門から出た瞬間に黄金宮は浮かび上がった。

 

アブジル「黄金宮が!?」

 

カシム「飛んで行く」

 

手下A、B「「たっ助かった!!」」

 

 アブジル達4人の眼前で黄金宮はビンの魔神が持ち上げて浮かび上がる黄金宮を茫然と見上げていた。

 

 

 

 黄金宮の中でシンドバッドは寝所で横になっていた。

 

シンドバッド「ランプの精よ。後は頼んだぞ」

 

ランプの精「ご主人様・・・・・」

 

シンドバッド「今まで良く仕えてくれた」

 

 ランプの精は何も言えない様子で寝所を出て行った。

 寝所で眠るシンドバッドは懐にけん玉と絵本抱いた。

 これは未来から来た5人の若者から貰った物だった。

 特に絵本は自らの活躍が描かれて世界中の子供たちのスターになっていると聞いて特に気に入った品物だった。

 

 ワーキャーヒー!

 ワーキャーヒー!

 ワーキャーヒー!

 

シンドバッド(? どうして胸さわぎのブローチが?じゃなわしはもう・・・・・)

 

 シンドバッドの意識は闇に沈んで行く。

 音も感覚も全てが遠のく。

 抗う事も出来ない。

 絶対の死と言う現象にシンドバッドの意識は落ちて行く。

 落ちながらシンドバッドの意識は今までの人生を振り返っていた。

 7回に渡る冒険と航海。

 タイムトラベラーを名乗る男を助け出して黄金宮を貰った事。

 そして未来から来た5人の若者との出会い。

 シンドバッドは今までの人生の走馬灯を見ていた。

 

シンドバッド(彼らを見ていると若い頃を思い出す・・・・・。じゃがどうして胸騒ぎがするのじゃろう・・・・・・)

 

 シンドバッドは死ぬ前になりだした胸さわぎのブローチの事を思い出していた。

 

シンドバッド(何かが起きていたのだろうか?しかしわしはもう・・・・・)

 

 最早、死の闇に沈んでいる自身に出来る事は無いと歯噛みする事しか出来なかった。

 

 

 

満月博士、美夜子「時を見つめる水晶よ!今こそかの怨念を倒す思いをここへ集わせよ!」

 

 

 

 その時、死んでいる筈のシンドバッドの耳にハッキリと声が響いた。

 男性と女性の合わさった声だった。

 その声に滲む必死な思いをシンドバッドも感じ取っていた。

 

シンドバッド(どうしてわしに声が届いたんじゃ?)

 

 その時、死した筈のシンドバッドの目の前で横切って動くモノがあった。

 それは首長竜。

 毛皮に石槍を持った男。

 妖精が乗る羽根の生えた馬と竜とクマの親子。

 隻眼の船長に率いられた海賊船とそのクルー達。

 石仮面を付けた太陽の王。

 風に包まれた光る竜の様なモノ。

 無数の恐竜と二足歩行する野良猫や野良犬たち。

 

シンドバッド(あれは一体!?)

 

 彼らはシンドバッドの前を通り過ぎならピンク色の光が差す一つの方向に向かって行く。

 その方向をシンドバッドが見た時に何かの情報が頭の中に入って来た。

 シンドバッドにはその情報の全ては分からなかったが分かった事は一つだけあった。

 

シンドバッド(これは!? そうか。彼らに危機が!? ならばわしも行かなければ!)

 

 既にシンドバッドは目の前を横切ったモノは未来から来た5人を助ける為に動き出した事を悟っていた。

 シンドバッドは走っていた。

 いつの間にか空飛ぶ機械馬に跨り愛用の剣を構えて横切ったモノに並んでいた。

 

シンドバッド(今こそ彼らに恩を返す時なのだ。彼らに知られても知られなくても良い。今この時に動かねばならぬ時が来たのだ)

 

 シンドバッドの魂は思いと共に声に導かれた先へ向かって行った。

 

 

 

 22世紀の未来の某屋敷。

 ここには商人でありいずれ時間犯罪者となるMrキャッシュの拠点の一つだった。

 

Mrキャッシュ「さあて・・・・・。改造生物を取り扱う拠点も出来た。次は・・・・・」

 

 Mrキャッシュが計画を練りながらパソコン画面を見ていると突如として警報が鳴った。

 直ぐにMrキャッシュは警備員に連絡を取った。

 

Mrキャッシュ「どうした?」

 

警備員「それが黄金の宮殿が敷地内に着陸しました!魔神と一緒に」

 

Mrキャッシュ「黄金の宮殿? まさか!!」

 

 Mrキャッシュが広大な敷地内のあるコレクションの保管場所を見に行った。

 そこには様々なコレクションが並べられており中には大型タイムマシンもあった。

 長年空けていたスペースに黄金宮が着陸していた。

 役目を終えた巨大な魔神は黄金宮内部に戻って行く。

 Mrキャッシュは神妙な顔で黄金宮へ入ろうとした。

 警備員も続こうとする。

 

Mrキャッシュ「お前たちはここで待て」

 

警備員「分かりました」

 

 Mrキャッシュは構造を熟知している黄金宮故に直ぐに寝所に辿り着いた。

 そこには安らかな顔をして息を引き取ったシンドバッドの姿があった。

 傍らにはランプの精が涙を流している。

 

Mrキャッシュ「シンドバッド・・・・・・。亡くなったのか・・・・・」

 

ランプの精「前のご主人様!ご主人様がお亡くなりに・・・・・」

 

Mrキャッシュ「分かっている。今日からまた私が黄金宮の主だ。今は二人にしてくれ」

 

ランプの精「分かりました・・・・・」

 

 ランプの精が出て行くとMrキャッシュは沈痛な表情をシンドバッドに見せていた。

 

Mrキャッシュ「シンドバッド・・・・・。命の恩人であるあなたも死んでしまったのか」

 

 かつてMrキャッシュは未来で新たなテーマパーク作る為の実地考証の為に過去の世界を調べていた事があった。

 その時に予期せずに遭難して命を落としかけた所を助けてくれたのがシンドバッドだったのだ。

 命の恩人であるシンドバッドにお礼がしたいと考えたMrキャッシュはシンドバッドから夢の事を聞き出して未来世界から夢を実現させるコレクションを与えたのだった。

 黄金宮の隠し場所に関してはMrキャッシュが過去世界における拠点候補として違法に作った場所だったが。

 シンドバッドとは彼が死去した際にはコレクションが太陽を経由して未来に戻ると伝えており黄金宮がこの時代に戻ったと言う事はシンドバッドが死亡した事を証明していたのだった。

 

Mrキャッシュ「安心してくれ。この黄金宮は私が管理しておこう。動物達もこのまま世話をさせる。安心して眠ってくれ。友よ」

 

 Mrキャッシュは死亡したシンドバッドの手を握った。

 その時、シンドバッドの胸にけん玉と船乗りシンドバッドの絵本がある事に気が付いた。

 

Mrキャッシュ(そう言えば最後に会いに行った時に私以外のタイムトラベラーに会ったと言っていたな。未来で自分が多くの人のスターになっていると喜んでいたな)

 

 Mrキャッシュは部屋を出ると警備員に黄金宮をそのままにする様に指示をした。

 シンドバッドの遺体は黄金宮の地下室の棺に納められて埋められた。

 その後、黄金宮は博物館として解放され多くの人々が訪れる場所となった。

 砂クジラや砂イルカと言った生き物も砂漠の動物園で多くの人々を楽しませていた。

 やがてMrキャッシュが逮捕されても博物館の利益は高く独立して存続する事が出来た。

 

 

 

 




 未来にいると思われる6人のネコ型ロボットの名前を出さなかったのは今回の話の主軸があくまでドラえもんとのび太達だからです。

 レディナとメデューサが同一存在なのも独自設定。

 フタバスズキリュウはのび太の恐竜のピー助
 無数の恐竜や古代生物はのび太と竜の騎士でのび太達が助けた恐竜達。
 ウンバホと言う日の国の勇者率いる民は日本誕生に登場したクルルが大人になった姿で大長編の漫画版に登場します。
 空飛ぶ機械馬に乗るアラビアの船乗りはドラビアンナイトのシンドバッドです。
 妖精が乗る白金の剣士の愛馬ユニコザウルスとユミルメの竜とクマの親子は夢幻三剣士のユミルメ国にいた住人です。
 隻眼の船長に率いられた海賊船とそのクルー達は南海大冒険のキャプテンキッドとコルト率いる海賊団です。
 マヤ文明の様な石仮面を付けた太陽の王とその臣下と臣民は太陽王伝説ティオとマヤナ国の臣民です。
 台風に包まれた光る竜のぬいぐるみは、ふしぎ風使いのフー子。
 人のように立ち上がれる様になった犬と猫達はワンニャン時空伝の犬と猫達です。


 タイムマシンに捕まっていたドルマンスタインと黒い男はのび太と恐竜でタイムパトロールに捕まった密猟者です。
 ここから脱出して2112年のマツシバロボット工場に向かったのでは?と言うイメージです。

 ビタノとエモドランはのび太の創生日記に登場したキャラですが当初は登場予定が無かったのですがこのタイミングしかないとみて登場させました。
 イルカのタイムパトロール隊員ルフィンは南海大冒険からです。
 ドラミを導いたピンク色の光はもしかしたら鉄人兵団の彼女かも知れません。

 シンドバッドに黄金宮を与えたタイムトラベラーが南海大冒険のMrキャッシュなのも独自解釈と勝手な展開です。
 
 ねじまき都市の番号は漫画ではSSS―ZY―997894。
 劇場版ではSSS-BC-333です。
 
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