ドラえもんのび太の地球開放記   作:ジャックノルテ

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□23~□25

□23 北極 ガッケル海嶺近郊上空 ノア州 数時間前

 

 

 北極の上空にあるノア州に帰還した出木杉の乗るUFO。

 基地に帰還したUFOから降りた出木杉は真っすぐに司令室へと向かった。

 司令室にはノア計画の司令官であるグリオとスネ夫が待機していた。

 

出木杉「時間稼ぎに成功しました。これで時間は稼げる筈です」

 

グリオ「やはり奴らは生きていると思うのか?」

 

出木杉「はい。彼らがあの程度で死ぬとは思いません。必ずこのノア州に攻めて来る筈です」

 

グリオ「ふむ。ならば彼らが攻めて来たらは君に任せよう。私はノア計画の方に集中する」

 

出木杉「分かりました。ズル木君は何処に?」

 

グリオ「彼は惑星ニムゲ破壊部隊に加わりたいと志願したのでヘブ代表のいる艦隊に向かって貰った」

 

出木杉「そうですか」

 

グリオ「君に助けられた事で焦って手柄を立てようとしているんだろう」

 

出木杉「私は名誉天上人としての仕事を行ったまでです」

 

グリオ「そうだ。君はもう立派な名誉天上人だ。骨川は君に預けよう。好きに使いたまえ」

 

出木杉「分かりました。行こう。骨川君」

 

スネ夫「・・・・・・・・」

 

 出木杉はスネ夫を連れて司令室を出た。

 

スネ夫「・・・・・・。出木杉。君は本当にこれで良いと思っているのかい?」

 

出木杉「何を言っているんだい?これは全て地球の為なんだよ。授業やテレビでも散々に地球環境の為にリサイクルを推進しているだろう?」

 

スネ夫「地上にいる人や動物、植物はどうなるだい?」

 

出木杉「我々天上人が選別した上で有益な物や優秀な者は地上に残されることが許されるだろう。我々天上人の協力者として」

 

スネ夫「許されない者はどうなるんだい?」

 

出木杉「劣った地上人は他の惑星に労働力として提供される。動物や植物にも利用価値はあるから輸出や加工する事で外貨となるだろう。地上の各地から回収した核兵器も輸出すれば必ず役に立つ」

 

スネ夫「そんな勝手が許されると」

 

出木杉「何を言っているんだい?我々は天上人だ。僕は天上連邦に選ばれて名誉天上人として天上連邦の為に行動する。これは地球の為の行動であり許されない事なんてない」

 

スネ夫「君も地球の歴史を知ったんだろう?」

 

出木杉「ああ。キミとズル木君のボディカメラを通して僕も地球の歴史を知っている。だからこそ言える。天上人こそ地球の為に正しい行動をしているとね」

 

スネ夫「・・・・・・・・・」

 

出木杉「君も手柄を立てて僕の様な名誉天上人になると良いよ。名誉天上人となった弟や従兄もノア計画に協力している。人質にしている家族の為にも地上人の事は忘れるんだ」

 

スネ夫(・・・・・。忘れられる訳ないだろう)

 

 

 

□24 北極 ガッケル海嶺近郊 流氷の上

 

 

 どこでもドアで人が乗れるサイズの巨大な流氷の上に出たドラえもん、のび太、ジャイアン、タガロの4人。

 

のび太「うわぁ―寒い」

 

タガロ「こっ凍えそうだよ!?」

 

ジャイアン「ドラえもん!なんかないのか!?」

 

ドラえもん「まずこれを使おう。テキオー灯とあべこべクリーム!」

 

 ドラえもん以外の3人はテキオー灯とあべこべクリームで環境対策を済ませた。

 

ジャイアン「それでこれからどうするんだ?」

 

ドラえもん「向こうはもうボクたちの事に気が付いているに違いない。だからここは目立っておこう。風雲ドラえもん城二代目!」

 

 ドラえもんはかつて竜人との戦いで使用した城を出した。

 

のび太「これまだあったの?」

 

ドラえもん「中古で安売りしていてついね」

 

タガロ「聞いてはいたけど凄い道具を持っているね!?」

 

 タガロはのび太達の冒険の事を雲の上から脱出する途中で聞いていた。

 

ドラえもん「これで囮は出来た。天上人は必ず攻撃に来るからこの城を囮にしてノア州へ乗り込もう。後はボク達の準備が必要だ。まずはハツラツン。これを飲んで眠気を覚ましておこう。それとレスキューボトルの栄養ドリンク。これを飲んで栄養を取っておこう」

 

ジャイアン「それも良いけどよ。何か食わせてくれよ!」

 

ドラえもん「それは後。他にもやる事があるからね」

 

 ドラえもん達は直ぐに幾つか準備を整えるとまた神さま雲に乗り込んで様子を見ていた。

 

ドラえもん「必ず天上人は攻撃して来る。だから攻撃して来た相手を追ってノア州に潜入しよう!」

 

ジャイアン「そんな事せずにしらみつぶしに雲にぶつかったら良いんじゃないか!」

 

ドラえもん「北極は広い。それに雲は動くから逃げられるかもしれない。もし逃亡して時間稼ぎをされたらどうにもならないよ」

 

ジャイアン「それもそうか」

 

ドラえもん「だから待つ間に食事をしよう」

 

 ドラえもんはそう言ってグルメテーブルかけを出した。

 

ドラえもん「このテーブルかけを使えば食べたい物が何でも出て来るよ」

 

ジャイアン「俺はかつ丼!」

 

ドラえもん「ボクはどら焼き」

 

のび太「カレーライス」

 

タガロ「凄いな。えーと。僕はナシ・ウドゥック」

 

 4人はそれぞれ食べたい物を出して食事を始めた。

 

ジャイアン「みんな!食べながらで良いから聞いてくれ。スネ夫の事だ」

 

のび太「何か分かったの?」

 

ジャイアン「ああ。スネ夫は弟を人質に取られてる。だから裏切ったんだ」

 

ドラえもん「まさか!?」

 

のび太「スネツグ君を!?」

 

ジャイアン「ああ。もしかしたら両親も人質に取られているのかも知れねえ」

 

タガロ「僕と同じだ。何て事を」

 

ジャイアン「みんなに頼みがある。スネ夫の事は俺に任せてくれないか?」

 

のび太「どうするの?」

 

ジャイアン「決まってるだろ。俺がアイツの目を覚ましてやるんだ」

 

 その時にジャイアンが見せた表情は完全な捕食者と言えるモノだった。

 

ドラえもん「じゃあスネ夫の事は任せるよ。ボク達3人はノア州の司令室を占拠しよう!」

 

のび太「分かった!」

 

タガロ「ノア州さえ占拠すればノア計画は行えない筈」

 

 ドラえもんが神さま雲の中にあるモニターから風雲ドラえもん城二代目に向かって来る五台の天上人UFOの姿を捕らえていた。

 天上人UFOが熱線を風雲ドラえもん城に放つ。

 だが火と煙があがるも意に介する事無く風雲ドラえもん城二代目からも空気砲が撃たれる。

 

ドラえもん「分身ハンマーの分身が反撃を開始したね」

 

ジャイアン「じれったいな。全然当たらないぞ」

 

ドラえもん「当てるのが目的じゃないから良いんだよ」

 

 その時、天上人UFOから次々と熱線が撃たれる。

 爆発する風雲ドラえもん城二代目。

 遂に崩れ落ちて流氷ごと海底に沈んで行った。

 

ジャイアン「分身ハンマーの分身たちは」

 

ドラえもん「事故や火災に合えば消滅するから大丈夫だよ。それよりボク達も」

 

 ドラえもんは既に神さま雲を天上人UFOの一隻の背後に移動させていた。

 

ドラえもん「よし。透明ペンキを塗ったノビールハンドで!」

 

 ドラえもんは透明ペンキを塗ったノビールハンドを伸ばして天上人UFOの背部を掴んだ。

 

ドラえもん「これでノア州に連れてってくれるよ」

 

ジャイアン「よし。俺たちも道具の準備をしようぜ」

 

のび太「うん」

 

タガロ「僕も協力するよ」

 

 ジャイアンとのび太と共にタガロは秘密道具の準備をしながら使い方を学んで行った。

 

ジャイアン「スネ夫。待ってろよ!」

 

 

□25 ワンニャン星 首都 議事堂内 神殿

 

 

 かつて3億年程前の地球には犬人と猫人の国ワンニャン国があった。

 その国にいる犬人と猫人はのび太達が現代の世界から連れて来た野良犬や野良猫が進化退化放射線源を使う事によって僅か1000年で他の星へ移住する事が出来るまで進化していた。

 隕石衝突による地球環境の変化を察知したワンニャン国の住民は別の惑星へと移住した。

 

 ドラえもんのび太のワンニャン時空伝より

 

それこそがワンニャン星系にあるワンニャン星。

 ここは2億9999万9000年前に地球から移住したワンニャン国の住民達が開拓した惑星だった。

 人口を増やして星系内部の開拓を進める内に他の種族と遭遇して星間連合に加入する程の発展を遂げていた。

 

 

 そんな発展の中で母なる星である地球の情報は秘匿されていた。

 一つにはネコジャラ一族に伝わる闇の黙示録上巻の写しと残された下巻に記された内容を2億9999万9000年前の大統領が検分。

 更にネコジャラ一族の一人シャミー。

 そしてワンニャン初代大統領が時の箱舟=タイムマシンの事故によって若返ったイチ=ハチが自分達の先祖がいた未来に影響を与えない為に地球の座標は秘匿された。

 闇の黙示録の内容から先祖のいる未来世界の侵略を考えたネコジャラ一族の長、ネコジャラ左ヱ門之丞景虎と言った愚か者の行動を防ぐ為でもあった。

 そもそもこの闇の黙示録はネコジャラ一族の先祖ズブが書き残した個人的な日記の様な物であり子孫への指針を示す様な物では無かった。

 ズブ本人はこの様な記録を残しながらもこの記録に意味は無いと最初のページにハッキリと書いていた。

 イヌやネコをペットとして飼いながらも自分勝手に捨てる人間を憎む気持ちは持っていたが、安全な世界である過去の地球に連れて来たのもまた人間であるのび太達だった。

 人間は嫌いだったがのび太を憎めない自分が抱いた矛盾にズブは長い間苦しみを抱いていた。

 ズブと言うのび太に名付けられた名前を終生名乗り続けていたのも複雑な思いがあるからだった。

 初代大統領となったイチとワンニャン国の運営を続けのび太を神とする神殿を作る事にもズブは反対しなかった。

 やがて政治家を引退したイチがタイムマシンの研究を始めると様々な商売を始めていたズブはその資金援助を行った。

 成果があるとも思わなかったが、イチがタイムマシンの試作品にのって行方不明となった事を知るとタイムマシンの研究設備を保管はした。

 その後のタイムマシンの研究に関してはイチ自身の優れた頭脳ありきだった事もあって余り発展をする事はなかった。

 それでも保管したのはいずれ何らかの役に立つと思えたからだ。

 その間にズブにも家族が出来て子供を育てる内に人間への憎しみは消えないがのび太への複雑な思いはのび太への尊敬へと変化していた。

 異なる種族であり敵意をむき出した自分を助けてくれたのび太にネコジャラは老年期には尊敬の想いを抱いていた。

 こうした闇の黙示録に書かれた未来から自分達の先祖が来たと言う情報故に地球に関する情報は秘匿されたのだった。

 

 

 

 ワンニャン星が発展する中で母なる星、地球の事は歴史の片隅にあった。

 しかしそれでも伝説の母なる地球に思いを馳せる人々もいた。

 ハチの子孫であるハッピャクイチは有志を募り母なる星、地球を探す為に艦隊を編成して旅立って行った。

 ハッピャクイチの艦隊から暫くは連絡があったがやがて連絡が途切れて行方不明になった。この広い銀河の中で行方不明の宇宙船を探すのは砂漠の中に落ちた一粒の金を探す様な物だった。

 

 

 

 それから数万年の時が流れて星間連合においても古参種族となったワンニャン族。

 今のワンニャン国の指導者はシャミーを中興の祖とするネコジャラ一族の子孫である温厚なネコジャラ雨之丞義政(あめのじょうよしまさ)が大統領となっていた。

 やがて星間連合に植物星人を通じて天上人が星間連合に加入した。

 その際に天上人が公開した地球の位置座標から天上人の住まう地球こそがワンニャン族の母なる星地球だとワンニャン国の大統領を含む一部の政府高官は気付いていたが天上人との間に無用な領土紛争を起こさない為に秘匿する事が内密に決定されワンニャン国と地球の関係は一部の政府関係者だけが知る事になった。

 しかしワンニャン国政府としても地球の事は気になっていた。

 その為に地球に関する調査を行おうとする過程で自らが地球出身だと発表したキー坊大使から地球に関する情報を得ていた。

 これにはキー坊大使とネコジャラ大統領が親しかった事も関係していた。

 キー坊大使から地球の事を聞いたネコジャラ大統領はキー坊大使から未来から来たネコ型ロボットのドラえもんやのび太達の事を聞いて彼らこそが神話において描かれた自分達の先祖を過去に送ったのび太神その人ではと確信を持った。

 キー坊大使も神殿を訪れてのび太神こそがのび太その人だと確信していた。

 この出来事があってからキー坊大使はそれまでよりも精力的に様々な惑星を渡り歩いてドラえもん達との関わりを探した。

 やがてコーヤコーヤ星やピリカ星、チャモチャ星、銀河漂流船団、キングダム星を訪れてドラえもんと出会った人々と出会って行ったのだ。

 ネコジャラ大統領は神殿でのび太神への祈りを支えていた。

 

ネコジャラ大統領「キー坊大使が無事だと良いのですが・・・・・」

 

ハッセンイチ「大統領。ここにいましたか」

 

 神殿に秘書であるハッセンイチが入って来る。

 彼はハチの子孫の一人であり期待の若手として今はネコジャラ大統領の秘書を務めていた。先祖の因縁を考えれば複雑とも言えるが。

 

ネコジャラ大統領「何かあったのですか?」

 

ハッセンイチ「はい。まずキー坊大使ですが未だに面会謝絶です。それと大統領に秘密裏にお会いしたいと言う方がいらっしゃいました」

 

ネコジャラ大統領「こんな時に?」

 

ハッセンイチ「はい。キー坊大使の件で秘密裏にお会いしたいと」

 

ネコジャラ大統領「相手は?」

 

ハッセンイチ「私がお会いするのは初めてですが信用できる方です」

 

ネコジャラ大統領「では通しなさい」

 

ハッセンイチ「どうぞ。こちらに」

 

 ハッセンイチに促されて一人の人物が部屋に入って来た。

 

ネコジャラ大統領「あなた!?お噂はかねがね。今日は一体?」

 

 現れた訪問者は何かをネコジャラ大統領に耳打ちするとある物を手渡して、その場を退出した。

 ネコジャラ大統領の顔は先程までと異なり引き締まっている。

 

ネコジャラ大統領「ハッセンイチ君。どうやら我々も動く時が来たようです」

 

ハッセンイチ「出来る事は全て準備してあります」

 

ネコジャラ大統領「よろしい。ここからは時間との勝負です」

 

 

 

 




ワンニャン星の事は完全にオリジナルの独自解釈です。
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