ドラえもんのび太の地球開放記   作:ジャックノルテ

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□28~□29

□28 地球 北極 ガッケル海嶺上空 ノア州

 

 

 ドラえもん達の乗った神さま雲を引っ張って天上人のUFOはノア州へと帰還していた。

 神さま雲の中からノア州を見つめるドラえもん達。

 三角形に作られたノア州の中には様々な工場が乱立して改良されたバトルフィッシュや鉄騎隊が空を飛べる様に改造されて周辺の警戒をしているのが見えた。

 その合間をロボッターで作られた雲ロボットが忙しく動いている。

 

タガロ「凄い要塞だ・・・・・」

 

ジャイアン「アトランティスの鉄騎隊もいるぞ」

 

ドラえもん「ボクの道具を回収してこんな事に使うなんて」

 

のび太「じゃあぼく達でこのノア州を」

 

ドラえもん「何とかするしかないね」

 

 天上人のUFOが空港にある隅にある空いている場所へ着陸した。

 

ドラえもん「よし。僕らも」

 

 その時、突如としてUFOが爆発を起こした!

 周囲に他のUFOは無かったが神さま雲も吹き飛ばされて透明ペンキが剥がれてしまう。

 

ドラえもん「まずい!透明ペンキが」

 

ジャイアン「くそ!バレたか」

 

のび太「こうなったら」

 

 のび太とジャイアンが空気砲を構える。

 

タガロ「みんな待って!何か来るよ」

 

 そこへ一体の雲ロボットが両手にモニターを持って近付いて来る。

 モニターの画面には出木杉の顔が映った。

 

のび太「出木杉!?」

 

出木杉「僕の予想通りだったね。君達はあの城を囮にする事で、このノア州に侵入してくると思ったよ。念の為にドローンタイプのUFOを使用して良かったよ」

 

ドラえもん「バレてるなら仕方ない!みんな!出よう!」

 

 武器を構えてドラえもんに続いて外に出る3人。

 

出木杉(ふむ。静香ちゃんとパルパルさんはいないか・・・・・)

 

出木杉「4人でこのノア州に乗り込んだ勇気には敬意を表するよ。君達は本当の勇気を持っているよ」

 

ドラえもん「こうなったら雲戻しガスを使って一気に」

 

 ドラえもんはそう言って手をポケットに入れる。

 

のび太(あれ!?雲戻しガスは無いんじゃ?)

 

ジャイアン(そうか!騙そうって事か)

 

出木杉「成程。確かにそれをやられてたら大変だ。でも雲戻しガスを使ったら地上が滅びるけど良いのかな?」

 

ドラえもん「何だって!?」

 

出木杉「このノア州の雲が構造を保てなくなると同時に地上に向かって鬼角弾が発射される様にしているからね」

 

のび太「鬼角弾だって!?」

 

出木杉「君達は《ポセイドン》と戦って鬼角弾の恐ろしさは聞いているんだろう?」

 

 ドラえもん達は鬼角弾の恐ろしさを海底人のエルから直に聞いていた。

 

ジャイアン「くそ!」

 

出木杉「ふふ。これで君達が雲戻しガスを持っていようといまいと使う事は出来ないね。最も鬼角弾は20分後には地球のどこかに発射される手筈だよ。君達は次に鬼角弾を何とかしようとする。だから鬼角弾の設置場所を教えよう」

 

のび太「えっ!?」

 

出木杉「勿論、親切心で教える訳じゃ無いよ。このノア州は三角形に作られてその角3カ所に鬼角弾が設置されている。これで君達は鬼角弾のある場所に分散して行かなければならなくなった。これが地図だよ」

 

 雲ロボットの持つモニターに地図が表示される。

 親切にドラえもん達のいる位置も分かりやすく表示されていた。

 

ドラえもん「確かに鬼角弾を何としないと・・・・・」

 

出木杉「その場に行けば簡単に鬼角弾のスイッチはオフに出来る。だからこそ君達は必ず鬼角弾の元へ行かなければならない。何故ならここは北極。ここで鬼角弾が爆発すれば津波だけじゃなく汚染物質も地球全体に広がるからね」

 

タガロ「それじゃぼくの家族が・・・・・」

 

のび太「大丈夫だよ!僕たちで鬼角弾のある場所に行こう!」

 

出木杉「僕もそれをお勧めするよ。鬼角弾の解除スイッチは部屋に入れば直ぐに分かる様にしてある。それと鬼角弾の元へ行くのなら速い方が良いよ。何故なら鬼角弾の傍には人質がいるからね。彼の様に」

 

 モニターの出木杉の顔が消えるとそこに現れたのは牢に閉じ込められた小人族のホイの姿が写った。

 

のび太、タガロ「ホイ君!?」

 

出木杉「彼は1番目の鬼角弾の近くに捕らえている」

 

 雲ロボットの持つモニターに地図が表示されて一つ目の角が点滅していた。

 

タガロ「ホイ君を巻き込むことは無いじゃないか!」

 

出木杉「残念だけど彼はのび太君やドラえもん君と関係がある。人質としての価値はあると言わざるを得ないね。ホイ君はこの先の角にいるよ」

 

 モニターを持った雲ロボットがモニターに映る一つの角を示す。

 

出木杉「そしてもう2番目の角にはスネ夫君がいる」

 

ジャイアン「スネ夫だって!?」

 

 雲ロボットが持つモニターにスネ夫の姿が浮かぶ。

 

出木杉「最後の3番目の角は僕が直々に守っているよ」

 

のび太「出木杉君が直接・・・・・」

 

ドラえもん「こうなったら・・・・・。危険だけどバラバラに行動しよう」

 

タガロ「ぼくはホイ君を助けに行くよ」

 

ジャイアン「俺はスネ夫の元へ行くぜ」

 

のび太「ならぼくは出木杉君の所に」

 

出木杉「最後に一つ。良い事を教えるよ。このノア州は今、移動を開始している。一時間後にあるポイントに到達すると同時にノア計画の為の準備に入るよ」

 

ドラえもん「ならボクはこのノア州の動きを止められないかやってみるよ」

 

出木杉「どうやら方針は決まったようだね。これを持って行くと良いよ」

 

 出木杉の言葉と同時に雲ロボットは数字の1から3と書かれ矢印が書かれた円形の物を手に出した。

 

出木杉「君達に迷われるのは僕にとっても困るからね。この案内装置の矢印に合わせれば番号に書かれた鬼角弾の元へ案内してくれるよ」

 

ジャイアン「どうしてそこまでするんだ?」

 

 雲ロボットから2の案内装置を受け取りながら抱いた疑問をジャイアンはストレートにぶつけていた。

 

出木杉「君達を固まったままでなく分散させるのが目的だよ。さあ案内装置を受け取ったのなら君達も準備が済んだようだし攻撃を初めさせて貰うよ!」

 

 モニターの出木杉がそう言って雲ロボットが離れた瞬間に周囲を鉄騎隊が取り囲もうとした。

 

ドラえもん「みんな!一旦ここを離れよう!」

 

 ドラえもんがタケコプターを渡すと4人は飛び上がって、その場を離れて近くにあった倉庫に逃げ込んだ。

 鉄騎隊は追って来なかったが倉庫の周囲を回っていた。

 

ドラえもん(出木杉君に誘導されたんだろうけど今は仕方ない・・・・・)

 

ドラえもん「ここなら少し時間が稼げる。みんな。ボク達4人だけじゃ絶対に勝ち目が無い。だからまず分身ハンマーで分身を作ろう。まだエネルギーは残っているから各自4人は欲しいなあ」

 

のび太「良いよ!叩いて!」

 

ジャイアン「頼むぜ!」

 

タガロ「痛そうだけど我慢するよ」

 

ドラえもん「行くよ!」

 

 ドラえもんは分身ハンマーでのび太、ジャイアン、タガロ、自身を叩いて4人の分身を作り出した。

 

ドラえもん「ちょうどハンマーのエネルギーが切れちゃった。ボクの分身は攪乱の為に周辺で暴れて!のび太君とジャイアン、タガロ君の分身は先に鬼角弾のある角に向かって敵を蹴散らして!」

 

 分身たちは直ぐにドラえもんの指示を受けて動き始めた。

 直ぐに爆発音がし始めた。

 鉄騎隊やバトルフィッシュと分身たちが戦闘を開始したのだ。

 

ドラえもん「これで少しは敵の動きが分散する筈だよ」

 

のび太「ドラえもん。他に貸して欲しい道具があるんだけど」

 

ジャイアン「俺も一つ貸して欲しいのがある」

 

ドラえもん「何だい?」

 

 のび太とジャイアンから説明を聞いてドラえもんは道具を出して二人に渡した。

 

ドラえもん「二人に道具を貸したからタガロ君にも一つ便利な道具を渡しておくよ。使い道は・・・・・・」

 

 ドラえもんはタガロに道具の使い方を説明した。

 

タガロ「ありがとう。何とか使ってみるよ」

 

ドラえもん「生憎とフエルミラーのエネルギーも切れたからもう道具を増やせない。だから僕たちも行動を開始しよう!」

 

のび太「その前にちょっといい?タガロ君。さっきの出木杉君の事だけど・・・・・・」

 

タガロ「えっ?」

 

のび太「出木杉君は洗脳されているんだ。だから出木杉君を恨まないで欲しい」

 

ジャイアン「のび太!?」

 

ドラえもん「のび太君・・・・・」

 

タガロ「・・・・・。そっか。彼もぼくの様に洗脳されているのか。分かった。ぼくは彼を恨まないよ。恨むと言うより許せないのはこんな風に人を洗脳する天上人だ!だからのび太。彼を助けてあげるんだ。ぼくを助けた様に」

 

のび太「任せて!」

 

ジャイアン(スネ夫・・・・・。待ってろよ)

 

タガロ(ホイ君・・・・・)

 

ドラえもん「よし。じゃあみんな散開!」

 

 ドラえもんの言葉を聞いて4人はそれぞれ分かれて進んだ。

 出木杉のいる角へ向かうのび太。

 スネ夫のいる角へ向かうジャイアン。

 ホイ君の囚われた角へ向かうタガロ。

 ドラえもんは更なる攪乱の為にその場に残った。

 

ドラえもん「絶対にノア計画を阻止して見せるぞ!ドラ・で・カイト!とカチンカチンライトにビッグライト!」

 

 ドラえもんはその場に巨大な凧であるドラ・で・カイトを取り出してカチンカチンライトをとビッグライトを照射した。

 ドラ・で・カイトは硬質化して巨大化して行く。

 

ドラえもん「それと無生物催眠メガホン!君は翼竜だ!飛び回って暴れるんだ!」

 

 ドラえもんの指示を受けて硬質化して巨大化したドラ・で・カイトは近付いて来たバトルフィッシュや鉄騎隊との戦闘を開始した!

 

ドラえもん(ボクもこのノア州をコントロールする場所を探さないと!これだけ大きいなら必ずある筈だよ)

 

 ドラえもんは透明マントを身に纏うとその場から姿を消した。

 

 

 

□29 地球 絶滅動物保護州 数時間前

 

 

 絶滅動物保護州に作られた新ドンジャラ村で小人族たちは平穏に暮らしていた。

 この絶滅動物保護州には世界中の小人族や絶滅動物が集められており地球のエデンと言える場所だった。

 別の場所にある現存生物研究州と合わせれば地球にいる天上人の把握している生き物が全て保護されていたのだ。

 絶滅動物保護州には小人族の村は数カ所作られ、そこでは自給自足の生活が行われていた。

 万能手綱と言う道具によって小人族たちは動物達から容易に力を借りる事が出来て生活に支障はなかった。

 今日もホイはドンジャラ村での日課である麦畑の整備をドードー鳥やメガテリウムの力を借りて行っていた。

 畑で麦を作っているのは自分達が食べる為もあるが、ドンジャラ村の様子を見に来る天上人にパンと言った料理を振舞う為でもあった。

 他には小人族による畑使用の研究と言う側面も存在していた。

 

ホイ「これで大丈夫かな。メガテリウム君。今日はもう大丈夫だよ」

 

 ホイの言葉を聞いて麦の収穫を手伝っていたメガテリウムは森の中に帰って行った。

 

ホイ「じゃあ僕も」

 

 ホイもドードー鳥に十分な麦を積み込むと新ドンジャラ村に戻った。

 

ホイの父「おーい。ホイ!」

 

ホイ「父さん」

 

ホイの父「グリオさんがお前を呼んでいるぞ」

 

ホイ「グリオさんが?」

 

ホイの父「村の入り口で待っているよ」

 

ホイ「分かった。じゃあ父さん。ドードー鳥君をお願い」

 

 ホイはドードー鳥を父親に預けると村の入り口へと向かった。

 入り口には絶滅動物管理官であるグリオが予め設営されていたUFOの発着場に止められたUFOの前にいた。

 

グリオ「久しぶりだね。ホイ君」

 

ホイ「久しぶりです。何か僕に用ですか?」

 

グリオ「ああ。君に少し手伝って貰いたい仕事があるんだ」

 

ホイ「分かりました。何をすればいいんですか?」

 

グリオ「それは管理宿舎に付いたら話そう。長くなるからね」

 

ホイ「じゃあ僕は両親に説明して来ます」

 

グリオ「分かった」

 

 ホイは両親にグリオの仕事を手伝う為に留守にする事を説明して了承を得るとグリオと共にUFOに乗り込んで管理宿舎へと向かった。

 

グリオ「ホイ君。ここからの移動はこの移動用のケースに乗ってくれないか?」

 

ホイ「分かりました」

 

 グリオの示した小人族の移動用ケースにホイは疑問を抱く事無く乗り込んだ。

 この移動用ケースは小人族や小動物を輸送する為の物であり内部には衝撃を緩和する措置もされておりホイは手慣れた様子でケース内部にある折り畳み式の椅子を広げた。

 前方は透明になっており内部からは外の様子も見えているので閉じ込められていると言う不安を抱く事は無かった。

 その瞬間に煙がケースの内部に蔓延した。

 

ホイ「えっ!?」

 

 驚くホイだったが瞬く間に意識を失った。

 

 

 

 ホイが目を覚ますとそこは移動用のケースの中だった。

 だがケースの周囲は薄暗い機械のある部屋でホイの知らない場所だった。

 

ホイ「ここは一体?」

 

 ホイは移動用ケースから出ようとしたが出れなかった。

 緊急用の非常口も機能しなかった。

 

ホイ「ここは何処なんだ!?グリオさん!」

 

グリオ声「気が付いた様だね。ホイ君」

 

ホイ「グリオさん!?ここは何処ですか?」

 

グリオ声「ここはノア計画を行うノア州にある鬼角弾の配置された部屋だ」

 

ホイ「どうして僕をここに閉じ込めたんですか!?」

 

グリオ声「これからここに君の友人である地上人が来る。彼らに対する人質として君には来て貰った」

 

ホイ「まさか・・・・・」

 

 ノア計画と言う言葉と友人である地上人と言う言葉でホイはのび太とドラえもん、その友人たちと絶滅動物保護州で出会ったタガロ一家の姿が脳を過った。

 

ホイ「まさかノア計画を行うつもりなんですか!?」

 

グリオ声「そうだ。我々天上人は下らない争いで地上を汚す地上人を裁かねばならない」

 

ホイ「そんな勝手な事が許される訳が」

 

グリオ声「許す?これは天上人が地上人に対して行う当然の裁きだ。天上人から見れば地上人も動物と変わりない。地上人がペットを飼うのと同じ事だ。君達が万能手綱で動物を使役する事ともな」

 

ホイ「僕たちは動物たちを使役するなんて思ってません!」

 

グリオ声「絶滅寸前の動物である君達、小人族からすれば地上人が滅びれば地上に戻れるかも知れないんだぞ?」

 

ホイ「僕たちは動物じゃありません!それに地上人にだってのび太さん達のような良い人がいます!」

 

グリオ声「黙れ!地上人は所詮、野蛮人だ!でなければいつまでも戦争を続ける訳が無い!それが分からないお前達、小人族は所詮、動物に過ぎん」

 

ホイ「・・・・・。グリオさんの言う事は正しいのかも知れません。けれど、あなたみたいになる事が正しかったとしても僕は天上人の様になりたくはありません」

 

グリオ声「動物の戯言にこれ以上は付き合うつもりは無い。だが君の身の安全は保障しよう。何せ小人族は絶滅動物だからな」

 

 そう言ってグリオの声は聞こえなくなった。

 

ホイ「のび太さん・・・・・。一体、何が起きてるんですか?」

 

 ホイは地上人である友人の事を思う事しか出来なかった。

 

 

 

 ノア州にある司令室において通信を終えたグリオの表情は無表情だった。

 

グリオ「所詮は動物か。だから感情に流される。だが地上人では無い絶滅動物だからこそ我ら天上人の元でそうした行動が許されるのだ」

 

スネツグ「その通りにございます。グリオ司令」

 

 傍らに待機していた天上人の姿をしたスネツグが答える。

 スネツグの頭にも出木杉と同じ様な金輪が付けられて名誉天上人として洗脳されていた。

 

グリオ「君も立派な名誉天上人として活動して手柄を立てる事が出来れば家族を協力者から名誉天上人にして身の安全を図る事が出来る」

 

スネツグ「その通りでございます。家族の為にもぼくは名誉天上人として恥じない行動をして見せます」

 

グリオ「ふむ。君は立派な名誉天上人だ。君の両親を初めとする協力者や労働者、別の人質はこれから安全の為に閉鎖された流刑州へ移送する」

 

スネツグ「家族の身の安全を取り計らって貰いありがとうございます」

 

グリオ「君の名誉天上人としての働きは十分な物だ。これはその行動に対する対価と考えれば良い。それに君の働きを見ればお兄さんもより協力的になるだろう」

 

スネツグ「兄にもぼくと共に名誉天上人になって欲しいと思います」

 

グリオ「君の兄が本心から忠誠を誓えばいずれはなれるだろう」

 

 

 

 




グリオ司令は名誉天上人を纏める役を担っています。
出木杉とスネツグはグリオ司令の部下と言う事です。
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