□4 地球 バウワンコ王国 王宮 王の間 晴れの日の午後
かつてのび太達が救ったバウワンコ王国。
(ドラえもん のび太の大魔境より)
王の間には玉座に座るクンタック王子否、バウワンコ109世とその脇には忠臣である親衛隊長ブルススが控えていた。
バウワンコ109世の眼前には反逆者である元大臣であるダブランダーが拘束されて座らされていた。
バウワンコ109世「ダブランダー。今度こそ白状して貰おう。どうして人間世界の侵略を目論んだんだ」
ダブランダー「・・・・・・・・・・」
ブルスス「答えぬか!」
バウワンコ109世「ダブランダー。お前がただの野心でそんな事をしたとは到底思えない。僕は人間の世界の事は身を持って知った。お前も密偵を放って人間世界を調査していたのだろう?」
ダブランダー「・・・・・・・・・・」
バウワンコ109世「だから断言できる。お前がただの野心だけで人間世界の征服を考えたとは思えない。人間世界が総力を上げればバウワンコ王国はひとたまりも無いだろう」
ダブランダー「・・・・・・・・・・。そうだ。最初はただ私が権力を得れれば良かった。だが・・・・・・」
バウワンコ109世「だが?」
ダブランダー「先代の・・・・・。お前の父親が神に歯向かったからこそ私はお前の父を殺さなければならなかったのだ」
ブルスス「どういう事だ!?」
ブルススは怒りダブランダーの胸倉を掴んでいた。
ダブランダー「ブルスス。お前も王家の責務を知っているのだろう?神に対する献身を」
ブルスス「それは言い伝えに」
ダブランダー「言い伝えでは無い!!バウワンコ王国がこれまで人間に発見されなかったのは天上の神々による守りがあったからだ!」
バウワンコ109世「それが事実だとして何故、父上は神に歯向かったのだ?」
ダブランダー「そうか。お前は知らないのか。なら教えよう。20年前の住民失踪事件を知っているか?」
バウワンコ109世「ウワサで聞いた事がある。確か7つの村の住民全てが突如として何の痕跡も残さずに行方不明になった大事件だった筈」
ブルスス「それが何の関係がある!?」
ダブランダー「分からぬか?この国は天上の神々の求めに応じて多くの生贄を捧げたからこそ保たれ人間たちから守られたのだ。なのにお前の父は住民を生贄にする事を拒否した。だからこそ天上の神々は私にお前の父を暗殺せよと指令を下したのだ!」
バウワンコ109世「神の命で父を殺したと言うのか!」
ダブランダー「そうだ!そうして軍で国を支配しなければ私が殺されていた!」
ブルスス「そんな戯言!!」
ダブランダー「戯言では無い!!この王の間で神々は我らに声を下すのだ!!」
ブルスス「まだ言うか!?」
?の声「その者の言う事は間違いではない」
突如として王の間に響く声。その場にいる3人以外の声だった。
ブルスス「これは!?」
バウワンコ109世「まさか」
ダブランダー「そうだ!これが神の声だ!」
?の声「そうだ。我らが天上の神だ。このバウワンコ王国を庇護する者なり」
ダブランダー「神よ!此度は何の為の神託を」
神の声「バウワンコ109世よ。我らに忠誠を尽くすのであれば人間社会への進軍を始めるのだ。その為のトンネルはダブランダーが用意している」
バウワンコ109世「人間社会への進軍!?」
神の声「我らに忠誠を尽くせ。さもなければバウワンコ王国は滅びる。こんな事も出来るぞ」
王の間の外から轟音が響いた。
ブルスス「何だ!?衛兵!何が起きた!」
王の間を飛び出したブルススが外に控える衛兵に声を掛ける。
衛兵「申し上げます!突然動き出した巨神像から発射された落雷が宮殿に落ちて火が付きました!」
ブルスス「馬鹿な!巨神像の入り口は封鎖されたて動けない筈!」
衛兵「しかし事実です」
バウワンコ109世「これが神の意志だと言うのか」
神の声「そうだ。王族に伝わるペンダントも巨神像も我らが与えた物だ。決心の時間は必要だろう。いずれ返事を聞こう」
神の声は聞こえなくなった。
ダブランダー「王よ。悪い事は言わん。神に従え。従わねばどうなるか分からんぞ」
バウワンコ109世「何故そこまで神を恐れる?」
ダブランダー「私は20年前に見たのだ。神の御業を。神が村から人を一人残らずに天上の光へ連れ去って行く様をな!!」
ダブランだーの顔は恐怖に歪んでいた。
その表情はダブランだーの言う事を否応なく真実だと告げていた。
□5 地球 日本 練馬区 学校の裏山奥
出木杉「降伏するんだ。のび太君。ドラえもん君。僕は君達をなるべく傷つけたくない」
いつもと同じ笑みを浮かべながら天上人の服装をした出木杉英才が銃を構えてUFOの影から姿を現した。
天上人の服装をして頭には西遊記の孫悟空の様に金輪の様なリングが付けられていた。
ドラえもん「卑怯だぞ!真剣勝負の最中に横槍を入れるなんて!」
出木杉「いや。それは僕じゃないよ。僕はずっとUFOの影から様子は見ていたよ。木鳥君が失敗したら僕の出番だったからね」
ドラえもん「じゃあ誰が撃ったって言うんだ!?」
のび太「ぼくには分かってる。ズル木と早撃ち勝負した瞬間にぼくは攻撃を受けたんだ。その方向をぼくは見ていたよ」
ドラえもん「えっ!?」
のび太の視線の先をドラえもんも見た。
その先には小型の銃を握る震える手が見えていた。
振るえる手の先には。
ドラえもん「スネ夫!どうして!?」
スネ夫「・・・・・。仕方ないんだ」
スネ夫は悲痛な表情でそう言った。
スネ夫「僕がこうしないと・・・・・」
出木杉「成程。木鳥君はスネ夫君にそんな事を頼んでいたのか。木鳥君らしいね。肉を切らせて骨を断つと言う事だね」
スネ夫「でもそれも上手く行かなかった」
出木杉「?」
スネ夫「のび太は僕に撃たれた瞬間に身を捻って避けたんだ。本当なら直撃だった筈なのに」
出木杉「でも上出来だよ。もうのび太君は僕達を撃てない」
出木杉の銃が片膝を付いているのび太に付き付けられる。
そしてスネ夫の銃はドラえもんを狙っていた。
ドラえもん「!!」
スネ夫「ドラえもん・・・・・。動かないでくれ」
ドラえもん「・・・・・。君がジャイアンや静香ちゃんを気絶させたんだね?」
スネ夫「そうだよ。僕が彼女を見つけたジャイアンと静香ちゃんを気絶させたんだ」
ドラえもん「じゃあ彼女も君が」
スネ夫「あれはズル木だ。ボクはじゃない。ボクの役割は君達をおびき寄せる事だったんだ」
ドラえもん「何の為にこんな事を」
スネ夫「・・・・・・・」
出木杉「話はここまでだよ」
出木杉の銃がのび太に向けられたその時、突如として突風が吹いたと思うと無数の落ち葉が出木杉とスネ夫の視界を塞いだ。
出木杉「これは!?」
この現象の正体をのび太は直ぐに悟っていた。
のび太(裏山が助けてくれたんだ)
ドラえもん(まだ心の土の効果が残っていたんだ)
裏山にはドラえもんが心の土と言う道具を撒いた事によってのび太達の味方だった。
ドラえもん「今だ!」
ドラえもんとのび太はパルパルと静香の元へ向かう!
スネ夫「!!」
思わず銃を向けるスネ夫。
ジャイアン「うぉおおおおおおおお!」
だが気絶していた筈のジャイアンが目覚めると同時にスネ夫にタックルした!
手を拘束されたジャイアンにスネ夫は押しつぶされる形となった。
のび太「ジャイアン!?」
ジャイアン「二人を連れて逃げろ!速く!」
ドラえもん「のび太君!」
ドラえもんは咄嗟にタケコプターをのび太に渡すとのび太と共に静香とパルパルを抱えてその場を離れた。
銃を向けた出木杉だったがその度に舞い上がる落ち葉に邪魔されていた。
出木杉(これじゃ狙撃は無理だな)
出木杉は狙撃を諦めてジャイアンとスネ夫に向き直った。
出木杉「それにしても・・・・・。剛田君が気絶していないのは驚いたよ」
ジャイアン「初めは気絶してたさ。けど途中で気が付いたんだ・・・・・。スネ夫。まさかお前が裏切るなんてな・・・・・」
スネ夫「仕方ないんだ・・・・・・。こうしないと・・・・・」
ジャイアン「スネ夫?」
スネ夫の様子がおかしい事にジャイアンは直ぐに気が付いていた。
出木杉「さて・・・・・。じゃあ君の処分はどうしようか」
出木杉が銃を改めてジャイアンへと向ける。
ジャイアン「何を考えてるか知らないが、のび太とドラえもんがいれば何とかなるだろ!」
出木杉「どうかな?地球全土が一度に洪水に飲まれてもドラえもんは何とか出来るのかな?」
ジャイアン「!? まさか・・・・・・・」
スネ夫「・・・・・・」
出木杉「そうだった。君達は知っていたんだね。ノア計画の事を」
□2に出て来た縛られた少年はスネ夫です。
銃を突き付けているのはズル木を想定しています。