□34 ニムゲ星系 ニムゲ星 メインコンピューター《クロノス》から
ニムゲ星系。
そこは銀河の中心から外れた辺境の地と言える場所と言えた。
ワープを用いても銀河の中心からは50年の距離があったのだ。
銀河の中心において様々な生命が誕生する中でこのニムゲ星系においても惑星ニムゲにおいて知的生命体が誕生していた。
惑星ニムゲにて進化した知的生命体ニムゲ人は恐竜の様な巨大生物の存在する環境下で巨大生物に対抗する為に進化したのだ。だが余りにも多い巨大生物の数に常に命の危険と隣り合わせだったニムゲ人は自然と砦を作り要塞都市を建造してより多くの巨大生物を殺す為に科学力を重視し始めていた。
ニムゲ人の社会はコンピューターによる制御社会であり、メインコンピューター《クロノス》とその末端コンピューターが制御役を担っていた。
地球の歴史と比べれば早い段階で科学文明に到達したニムゲ人によって人工衛星や戦車や飛行機と言った兵器を使用して次々と巨大生物は駆逐されて巨大生物は絶滅した。
それによって惑星ニムゲの生態系が崩壊してしまい惑星ニムゲの環境に多大なダメージを与えて疫病や異常気象の発生を招いてしまった。
またニムゲ星の政府も軍部を頂点にしたピラミッド型の階級構造を独裁体制によって政府への不満を押さえ込んでいた。
その時点で既にニムゲ人は宇宙進出を果たしてワープ航法を実現していたが、ニムゲ星系から他の星系に向かう為には通常のワープ航法を用いても惑星ニムゲから50年掛かる事が判明してしまった。
既に星系内部にある資源を使い果たしかけていたニムゲ人は、その優れた科学文明を駆使してこの行き詰まった状態を解消しようとした。
自然とニムゲ人は科学者階級と労働者階級に分かれて効率的に科学を発展させようとしていた。
惑星ニムゲ全ての科学力を結集してこの行き詰まった状態を解消しようと様々な試みが行われていく中で一つの発明があった。
それがワープガスだった。
科学者達がワープ航法に変わる別の移動手段を模索する中で偶然作り上げた物だった。
当初作られたワープガスは比較的近距離にしか入り口と出口が生じなかったが実験の最中、別の惑星にワープガスの出口が通じてしまった。
そう。それが今から六万八千年前に起こった地球と惑星ニムゲの出会いだった。
自然溢れる豊かな惑星地球をニムゲ人は支配した。
既に地球に発生した人類を用いて様々な地球上の動物や植物を捕獲して惑星ニムゲへと移送する事で惑星ニムゲの生態系の再生を図ったのだ。
地球の表面を支配したニムゲ人だったが地底にいる竜人の事は竜人達が地表に出る技術を持たなかった事もあり気付かれる事は無かった。
またこのワープガスで惑星ニムゲと地球を安定して繋げる事に成功した事でニムゲ人は前線基地として地上基地及び地球の上空に最初の天上州ノア州を作り出した。
同時に南極のハンプトン山に地球基地用のメインコンピューター《レテ》を配置された。
更に地球から運び出した資材を元に木星の外宇宙探査の為の宇宙要塞を建造した。
実は地球から外宇宙を観測した事によってニムゲ人は初めて無数の宇宙文明が存在する事に初めて気が付いたのだった。
更に地球という前線基地からならば短時間のワープで他の宇宙文明との接触が可能だとも判明した。
この時にニムゲ人は極めて攻撃的かつ利己的な精神性を持っており自分達、ニムゲ人こそがこの宇宙において最も優れた知的生命体と信じ切っていた。
それ故にニムゲ人はこの宇宙全てを支配しようと目論み侵略戦争を目論んでいた。
戦争をする為には情報が必要となる。密かにニムゲ人による偵察部隊が組織されて他の宇宙に対する潜入任務が行われた。
潜入任務は比較的簡単に行えていた。
何故ならこの宇宙にはニムゲ人=人間と比較的近い見た目をした知的生命体が多数存在しており星間貿易も活発に行われており未知の種族が現れると言う事も普通に起こりうる事と言う事で政府や商人以外は気にする事無く紛れ込む事も容易だったのだ。
全ての宇宙知的生命体を知っている種族等ありはしないと言う事でもある。
また既に幾つかの知的生命体の政府が星間連盟と言われる組織を作り宇宙には一定の秩序が既に存在していた。
星間連盟と言う社会ネットワークがある以上、そこからあぶれ出る犯罪者や逃亡者もいると言う事だった。
そうした犯罪者や逃亡者に狙いを定めて次々と異星人を捕らえたニムゲ人は異星人から洗いざらいの星間連盟や出身惑星に関する情報を入手すると人体実験を行い、生き延びた物だけを洗脳して兵隊にした。
また洗脳した地球人にも爆弾を持たせて自爆テロを行わせていた。
そして数十年の時を費やして宇宙征服の準備を整えると行動を開始した。
最初に木星に建設した宇宙要塞を少しずつ密かに星間連盟の星系へと移動させ星間連盟への攻撃拠点として用いようとしていた。
また秘密裏にニムゲ星系と他の宇宙を繋ぐワームホールを開発するがワームホールはいざと言う時の為に隠匿されたのだった。
次の行動は洗脳した宇宙人を利用してのワープガスを使った自爆テロだった。
これは面白い様に上手く行っていた。
何故なら星間連盟発足後に大規模な宇宙戦争など一度も起きていなかったからだ。
宇宙に進出した種族の危機意識が低下していた証とも言えた。
そうして生じた混乱の最中にニムゲ人は全宇宙に宣戦布告した。
だが地球やニムゲ星の所在を隠ぺいした上で星間連盟内部に大規模な戦争を引き起こす為に洗脳した兵士を用いてワープガスを使った自爆テロを引き起こし続けたのだ。
宇宙は恐怖に包まれていた。
何時何処で自爆テロが起こるのか分からないと言う状況。
それは星同士の繋がりを破壊しかねなかったのだ。
自爆テロによって交易ルートの途絶えた星々において起きる経済の停滞。
更にはやむを得ない理由によって他の星から重要物資を補充している星において危機的な状況が起こっていた。
星間連盟や様々な星々で広がる混乱を見てニムゲ人は狙いが的中したと思っていた。
何度もワープガスを使って自爆テロを続けて行く内に自爆用の爆弾が故障して爆発せずにいた洗脳された兵士が誤って宇宙要塞に帰還して来たのだ。
それだけでなく今回の事態を受けて動いていた過去のバード星の戦士達が洗脳された兵士に発信機を取り付けていたのだ。
ニムゲ人の宇宙要塞の位置を知ると過去のバード星の戦士達が率いる星間連盟を初めとした星々の連合軍を組織してニムゲ人の宇宙要塞に攻撃を仕掛けたのだ。
その奇襲は瞬く間にニムゲ人の宇宙要塞の機能を停止させてしまっていた。
早々にニムゲ人は宇宙要塞を自爆させて星間連盟内部から手を引いた。
幸いにも宇宙要塞には洗脳した兵士と僅かな監視役のニムゲ人と洗脳された地上人しかおらず、監視役のニムゲ人は直ぐにワープガスで早々に逃亡していた。
要塞内に残る洗脳された地球人の死体が持つ未知のDNAからこれこそ侵略者ニムゲ人の死体だと過去のバード星の戦士達はデータを収集して保管されていたのだ。
過去のバード星の戦士達も宇宙要塞の自爆に巻き込まれて生き残ったのは数人でありニムゲ人に関する詳細な情報を得る事は出来ずに戦争は終わってしまった。
星間連盟は侵略者のニムゲ人を退治する事には成功したが、ニムゲ人が何者なのか正体を調べる事は出来ずに戦いは終わってしまったのだった。
これこそが宇宙において語り継がれるニムゲ戦争と言われる事になる戦争だった。
ニムゲ戦争によって宇宙の情勢も大きく変化した。
星間連盟はこのニムゲ戦争及び戦後に起こった星同士の不和が引き起こした幾つかの戦争を求心力の急激な低下によって星間連盟は解体されて星間連合へと再編成された。
ニムゲ人による最初の戦争は失敗に終わったがニムゲ人側はこの失敗を反省し新しい侵攻計画を立てていた。
短期的な侵略計画の失敗によって長期的な侵略計画が必要と考えていたのである。
更にこの星間連盟崩壊によって星同士の不和、異星人の排斥運動もあり一時的な撤退は規定事項とも言えた。
平行して一方で惑星ニムゲにおいて地球から連れて来た動植物の養殖実験が行われていたが、汚染され尽くした惑星ニムゲの環境に上手く適合出来ずに動植物の繁殖は失敗に終わっていた。
そこで科学者達は月=後のアニマル星に小型だが地球環境を再現したテラフォーミング施設を建築し、そこで地球の動植物の品種改良及び養殖を試みようとしていた。
なおテラフォーミング施設は特に機密性が高かった為に月の表面には偽装の映像が映し出されてアニマル星の様子がニムゲ星から知る事は出来ない様にされていた。
地球から連れて来られた動植物はまず一時的に惑星ニムゲの秘密施設に保管されていた。
またこのニムゲ星系内部においても他の惑星のテラフォーミング実験が行われていた。
それも下層階級とされたニムゲ人を次々と使い潰す事で不満を強引に抑える事で行えた。
だがここで惑星ニムゲにおいても政変が発生する。
軍部を頂点にしたピラミッド構造による階級社会による独裁体制に遂に下層階級とされた市民達の積年の不満が爆発して内乱が勃発したのだ。
激しい内乱は軍部の内部対立と政権奪取への筋道を付けてしまい横流しされた核兵器を使った都市部へのテロにまで発展してしまった。
この情勢を見たニムゲ星の上層階級は早々にニムゲ星を捨てる事を選択した。
既に地球にはノア州を初めとして十分な拠点が出来ていた。
上層階級のニムゲ人が地球に避難、ではなく本拠地を地球に移したした時点で地球と惑星ニムゲのワープガスとの接続は断たれた。
残されたニムゲ人同士の壮絶な争いは続いて行く。
そんな中でと地球生物の品種改良を行っていた科学者グループはこの内乱を知って軍部に協力していた自分達も殺されかねない上に全ての研究が無に帰す事を恐れてとある行動を開始した。
まずは研究所周辺に人の意識を失わせる特殊音波を照射する事で研究所周辺の安全を確保する。
科学者のみは特殊音波から身を守る《お守り》を付けた事で難を逃れて準備を続けた。
動植物をアニマル星へ移送する準備だった。
幸いにも科学者達は試作型のワープガス生成装置があり、それを使って月=アニマル星にあるテラフォーミング施設まで動植物を移送する事に成功した。
なおこのワープガス発生装置には地球の座標も仕込まれていた。
これらの成果が行えた背景には科学者グループには専属の作業用ロボットの尽力もあったからだった。
テラフォーミング施設は内乱勃発時に反逆者の拠点となる事を防ぐ為に上層階級のニムゲ人の遠隔操作によって強制的に施設内の酸素を放出されて施設にいたニムゲ人は死亡して無人状態となっていた。
しかしテラフォーミング施設の建造にも関わり内部構造を熟知していた科学者グループによって速い段階で修理が施されて程なくテラフォーミング施設は再起動した。
アニマル星において科学者グループは既にニムゲ人に見切りを付けてこのテラフォーミング施設を引き継ぐに足る種族を作ると言う事で一致していた。
地球より連れて来た動植物の品種改良実験が活かされた。
科学者グループは内乱で疲弊するニムゲ星を尻目に動植物の品種改良によって様々な動物人間を作り出す事に成功していた。
科学者グループは惑星ニムゲから脱出の際に自分達の施設を自爆させた為に科学者グループは自殺したと多くのニムゲ人は思っていたが僅かなアニマル星に関する資料が残されて後の時代におけるニムゲ同盟の内部で語り継がれる伝説の礎となった。
その頃、ニムゲ星では遂に全ての主要都市で核爆発が起きて死の灰が惑星全体に降り注ぎ遂にニムゲ星での内乱は終わった。
これ以上の戦争が無意味だと全ての生き残ったニムゲ人に知らしめる結果となったのだ。
生き残ったニムゲ人達は二つの派閥に分かれた。
一つは惑星ニムゲを捨てて星系内部にある資源採掘用惑星にある基地へ移住しようとするニムゲ連合派。
そしていま一つは故郷である惑星ニムゲに残り故郷に残る事を選んだニムゲ同盟派。
ニムゲ連合は資源採掘用惑星の基地を拡張しながら少しずつ社会の再出発を行っていた。
ニムゲ同盟の方は惑星ニムゲにおいて破壊された科学技術の産物をリサイクルしながら細々と生き残り続けていた。
地球にいる上級ニムゲ人の人口もそんなに多くは無かった。
天上世界でも人口子宮を用いてDNAを組み替えたニムゲ人が役割別に生殖行為を経ずに必要な数が生産されて行った。
ニムゲ人は雲の上に新たな政府、天上連邦を創設と同時に地球管理をする天に住む格上の存在。つまり天上人を名乗る様になった。
そして再度の宇宙戦争計画を練りながら地球から宇宙の情勢を見定めて宇宙を支配する天上から生命を見下ろす存在、天上人になろうとしていた。
その過程で天上人のDNAは地球を祖とする様に巧妙に遺伝子操作が成された。
逆に地上人=人間には惑星ニムゲを発祥とする様に遺伝子操作が成されて将来の宇宙征服計画の捨て駒、囮役として使う為に。
その頃、アニマル星においては遂にテラフォーミング計画が実を結ぶと同時に動物人間達によってリサイクルや環境への配慮が行われた社会が形作られて行った。
この時には多くの科学者は世を去っていたが、一人生き残った老科学者はアニマル星で行える事はもう無いと判断して作業用ロボットを連れてアニマル星を去ろうとした。
去り際に老科学者は何かを呟きアニマル星を去って行く。
アニマル星の状況が分かったのはアニマル星の衛星軌道上に隕石に偽装された監視衛星が配置されたからだった。
これがニムゲ人の真実だった。
惑星ニムゲから端に発した全ての争いの発端だったのだ。
ヘブ長官「馬鹿な!?こんな事を全て・・・・・」
機動要塞の内部でヘブ長官が狼狽して叫んでいたが全ては既に手遅れだった。
既にこのニムゲ星系にいる全ての人々がこの情報を見てしまったのだ。
ヘブ長官「そうか。秘匿していた我々のワームホールの情報もピリカ星人によって筒抜けだったと言う事か・・・・・。だから奴らはニムゲ星系に・・・・・」
ズル木「ちっ父上!?」
ヘブ長官「全て・・・・・。終わった」
その頃、ドロイド宮において全ての情報を見ていたキー坊大使達。
キー坊大使「チャペック博士。今の映像は」
キー坊大使はこのドロイド宮の仕組みに精通しているチャペック博士に声を掛ける。
チャペック博士「勿論全て録画してある」
キー坊大使「ジャンヌ王女。よろしいですか?」
ジャンヌ「分かっている。チャペック博士。今の映像を全て星間連合内部の非常星間通信網へ送信するんだ!」
チャペック博士「分かった」
ヘブ長官通信「よせ!?そんな事をしたら!?」
ドロイド宮と機動要塞とは通信が繋がったままでありヘブ長官は必死に訴えていた。
キー坊大使「いいえ。これは全ての宇宙の人々が知るべき事です!」
ドロイド宮から衛星や様々な宇宙船を経由して今見た全ての惑星ニムゲの真実が送信されて行った。
直ぐに多くの星間連合に近しい人々が惑星ニムゲの真実を目撃していた。
ヘブ代表「もはやこれまでか・・・・・」
通信を切ると機動要塞の中でヘブ代表は頭を抱えていた。
ヘブ代表「息子よ。脱出しろ」
ズル木「父上!?何を」
ヘブ代表「暗黒星団へ向かえ。そこには私の用意した秘密基地がある」
ズル木「父上!!」
ヘブ代表「お前が私の・・・・・。天上人が宇宙を支配する夢を継ぐのだ」
ズル木「!!」
ヘブ代表「行け!!息子よ!!脱出用のワープガスは非常口に設置している」
ズル木「分かりました・・・・・。父上の夢は僕が継ぎます!」
そう言ってズル木は非常口に設置された脱出用のワープガスを使い脱出した。
ヘブ代表「私は夢を託したぞ。ならばするべき事は一つのみ!」
ヘブ代表は機動要塞内部に搭載されたコア破壊装置を暴走させた。
その反応は直ぐにキー坊大使達にも判明した。
キー坊大使「ヘブ代表!!何をするつもりです!?」
キー坊大使は慌てて機動要塞に通信を送る。
ヘブ代表「全ての真実が知れた以上、最早趨勢は決したのだろう。だったら私がするべき事は・・・・・。この星を破壊して貴様らを道連れにするだけだ!」
一方的に通信を切るとヘブ代表は機動要塞をニムゲ星へ突っ込んだ。
リーベルト大使「まずいです!コア破壊装置を暴走させています!もし爆発したら惑星ニムゲ全体に致死量の放射線が!?」
惑星ニムゲに高速で落下する機動要塞!!
バードマン「やらせん!」
その時、惑星ニムゲで戦っていた全てのバードマン達が集結して全員が手を繋いだ。
バードマン「バードタッチだ!」
バードマン達「バードタッチ!!」
バードマンを先頭に無数のバードマン達は手を繋ぐと機動要塞に手を押し当てて落下する機動要塞を成層圏で押し返そうとした!
機動要塞の落下する勢いをバードタッチをしたバードマン達の勢いは互角だった。
だが生命である以上、バードマン達には限界があった。
バードマン「成層圏を突破されたら終わりだ!」
ヘブ代表「バードマンめ!?ならばここで!!」
機動要塞から湧き上がるエネルギー反応に気が付くバードマン。
バードマン「ここで自爆させるつもりか!?」
ヘブ代表「最早何も望めぬのならせめて貴様らを!」
バードマン「これでは・・・・・」
その時、宇宙の彼方から黄金の光が飛んで来ると黄金の鎧武者へと変化するとバードマン達と共に機動要塞を押し返す!
小型宇宙船からその光を見た静香は叫ぶ。
静香「あの光はねじ巻き都市で見た!?」
かつて静香はのび太がねじ巻き都市において太陽系に命の元を撒いた存在と出会いねじ巻き都市を建築した小惑星を託された事を聞いていた。
バードマン「まさかあなたが来てくれるとは!種まく者!」
まるで旧知の仲にあった様に嬉しさを隠さないバードマン。
種まく者(惑星ニムゲの真実を聞いて私も君達を助けたくなった)
テレパシーで答える種まく者の協力によって機動要塞は惑星ニムゲやアニマル星からも離されて行く。
ヘブ長官「最も優れた天上人が・・・・・。我々が全てを支配すべきだ!!」
それがヘブ長官の最後の言葉となった。
直後に要塞内部で爆発が起きてヘブ長官はその身を炎に包まれて即死した。
同時にバードマン達と種まく者は機動要塞から手を放した。
機動要塞はニムゲ星系から出るコースを取りつつ内部から連続して爆発を起こしながら自爆自戒して行った。
それはニムゲ星からもアニマル星からもニムゲ星系全てから見える火柱となった。
多くの人々がその火柱を見た。
ニムゲ総長を初めとした惑星ニムゲの人々も。
アニマル星でも多くの人々が見ていた。
ニムゲ連邦の開拓惑星においても。
それは愚かな争いへの楔の様な火柱だと思わせる光だった。
バードマン「これでこの星系を救う事が出来ました。ありがとうございます」
種まく者(そうだな。それと私は一つ確かめたい事がある)
そう言って種まく者は惑星ニムゲの表面に降り立った。
チッポ「あれは」
ワンゲル「黄金の巨人・・・・・」
地下の避難所から出て来たチッポ達の眼前に立つ黄金色の鎧武者姿をした種まく者。
ジッとニムゲ星の大地を見つめる種まく者。
ニムゲ総長「一体彼は何をしているんだ?」
連邦警察隊長「分からん。敵ではないのは確かなようだが」
ニムゲ総長と連邦警察隊長も警戒しながら近づいて行った。
種まく者(!!)
何かに気付き思わずかがみ込む種まく者。
チッポ「あ!?待って!?」
思わず駆け出すチッポ。
ワンゲル「チッポ!?」
父親であるワンゲルの止める間も無い。
チッポ「その場所はぼくたちがこの星に植えた木の種があるんだ!一生懸命に浄化して耕した土と水で大切に育てた木があるんだ!」
その種は惑星ニムゲの旧政府関係の施設に経緯は不明だが保管されていた惑星ニムゲ純正の植物の種だったのだ。
種まく者(・・・・・・)
チッポ「あっ!?」
ワンゲル「チッポ!! こっこれは」
足元を見て驚くチッポとワンゲル。
チッポ「芽が出てる!」
連邦警察隊長「何だって!?」
ワンゲル「芽が出ています。この星はまだ死んでいないんです!!」
ニムゲ総長「我々の努力は無駄では無かったのか・・・・・・」
種まく者(そうだ。私は長い時の中で初めて死にかけた星に再び生命力を取り戻させたのを見たのだ)
種まく者(これまでの長い宇宙の歴史の中で生命力を失った星々を人々が捨てる事は多々あった)
種まく者のテレパシーはこの星系全域に届いていた。
星を捨てたと言う言葉を聞いてマズーラ議長やリアン達、銀河少年騎士団、銀河漂流船団の人々は表情を引き締める。
種まく者(だが星を捨てるのでは無く生き返らせると言う長き苦悶と苦しみの果てに奇跡を起こしたのだ。そう。君達とこの星の存在こそが奇跡その物なのだ)
ふわりと空中に浮かび上がる種まく者。
チッポ「え!?何処へ行くの?」
種まく者(私は種まく者。命の種を宇宙や惑星に広め、この宇宙に命の光を広げなければならない。だが・・・・・。私も死にかけた星を。いや。生きようとする星の手助けをしても良いかも知れない)
同時にメインコンピューター《クロノス》のある建物から出て来たパルパルの脳裏に種まく者のテレパシーが響く。
種まく者(君達にはまだ地球でなすべき事がある筈だ)
パルパル「!!」
頷くパルパルを見て種まく者はそのままニムゲ星から旅立って行った。
バードマンはそれを見て思わず手を振っていた。
小型宇宙船の中では今のテレパシーを静香達も聞いていた。
静香「そうだわ。地球ではのび太さん達が」
ドラミ「お兄ちゃん達も」
フレイヤ「それなら私たちが地球に」
その時、静香達の乗る小型宇宙船とパルパルは突如としてその場から消失した。
気が付くと静香達の乗る小型宇宙船とパルパルは大きな倉庫の様な場所にいたのだ。
傍にはパルパルもいる。
リアン「これは一体!?」
ゴロゴロ「ゴロゴロ!!」
ログ「ビビ!ドウヤラ転送サレタミタイビビ!」
フレイヤ「何処かの部屋に転送されたみたいだけど」
キー坊大使「どうやら無事に来れたようですね」
チャペック博士「改良した電送マシンなら簡単な事じゃ」
部屋に入り口にはキー坊大使とチャペック博士が立っていた。
静香「キー坊!?それにチャペック博士!?」
キー坊大使「お久しぶりです。静香さん。まさかニムゲ星にいるとは思いませんでした」
チャペック「久しぶりじゃのう」
静香「一体どうして」
キー坊大使「鏡でニムゲ星の真実が映し出される直前に静香さん達の姿も映っていたんです。何処にいるのかは一緒にいたリーベルト大使が教えてくれました」
パルパル「私達をここに連れて来たと言う事は」
キー坊大使「はい。種まく者が言った様に私があなた達を地球に連れて行きましょう」
パルパル「お願いします。それが私の使命を果たす事なのですから」
静香「パルパルさん・・・・・。あなたは」
パルパル「ええ。私は普通の天上人じゃないわ。私は使命を果たす為にメインコンピューター《レテ》が作り出した特別な天上人なのよ」
ドラミ「だから《レテ》や《クロノス》があなたに反応したのね」
パルパル「だから行きましょう。地球へ」
キー坊大使「惑星ニムゲへの援助は銀河漂流船団とマール星とハルカ星の艦隊に頼んであります。だから行きましょう。のび太さん達のいる地球へ」
種まく者はねじ巻き都市において登場したドラえもん世界における生命誕生を促した神秘の存在と言えます。