ドラえもんのび太の地球開放記   作:ジャックノルテ

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□35前編

□35 地球 北極 ガッケル海嶺上空 ノア州

 

 

 

 空中に浮かぶノア州の大地において巨神像に乗り込み戦うバウワンコ109世とジャイアン、スネ夫、スネツグ、ドラえもん。

 地下にあるノア計画の要である反応炉の元へ向かうトロリンを使い液状となったのび太。

 ノア州の下部にある海原では海底人、地底人、犬人の連合軍がクローンリバイアサンとの戦いが続いている。

 上空においてはクローンフェニキアと風の民の風の船とイカロス率いる渡り鳥パトロール隊が戦いを繰り広げていたがどちらも決め手に欠けて攻めあぐねていた。

 だが彼らの優れた戦力があるからこそ戦いの拮抗は維持できていたのだ。

 

イカロス「どうしても一手足りないか」

 

 風の民の船からの援助を受けても渡り鳥パトロール隊だけではクローンフェニキアとの戦いを決する事は出来ずにいてイカロスは少し焦りを感じていた。

 その時、突如としてエリマキを付けたムカシダイダラアホウドリが飛んで来る。

 

グースケ「何でここに渡り鳥が!?」

 

 驚くグースケの眼前にムカシダイダラアホウドリの背には一人の人間が乗っていた。

 

イカロス「人間!?何をする気だ!?」

 

タガロ「あの怪物は僕に任せて!」

 

 ムカシダイダラアホウドリの背に乗っていたタガロがクローンフェニキアとすれ違い様に飛び降りるとクローンフェニキアの首に付けられたエリマキに飛び移ろうとする!!

 だがフェニキアもそれを予想して身体を急上昇する事でタガロを回避してしまう。

 

タガロ「しまった!?」

 

 落下するタガロをイカロスが咄嗟に抱えて落下するのを防いだ。

 イカロスの近くをムカシダイダラアホウドリが旋回している。

 

イカロス「大丈夫か?君は天上人では無いのか?」

 

タガロ「はい。僕は地上人です。それより僕をあの怪物の首にあるエリマキに連れて行って欲しいんです」

 

イカロス「エリマキ?」

 

タガロ「首のエリマキがアイツをコントロールしているんです」

 

イカロス「エリマキでコントロールしているとしてどうするつもりだ?」

 

タガロ「非常用に手動でコントロールする方法があるんです」

 

イカロス「なに!?本当か!?」

 

タガロ「はい。それにあのノア州には僕の友人が捕らえられているんです」

 

 タガロの目を見て嘘を言っていないとイカロスは判断した。

 

イカロス「分かった!渡り鳥パトロール隊!これよりフェニキアを攪乱するんだ!隙を付いて私が取り付く!」

 

グースケ「了解!」

 

テムジン「ぼく達も手伝います!」

 

 そこへ風の民の船からテムジン達がカゼスビーに乗り駆け付けて来る。

 

イカロス「ヤーク殿から話は聞いている!支援を頼む!」

 

テムジン「分かりました!」

 

 テムジン達風の民による四方八方からのブンブンによる攻撃に加え隙を見て攻撃する渡り鳥パトロール隊に対してクローンフェニキアも一度に対処が行えずにいた。

 火を吐き爪や尻尾を振り回しても周囲にいる敵の数が多く決定打を与えられなかったのだ。やがて隙が生じそれを歴戦の勇者イカロスは見逃さなかった。

 

イカロス「今だ!」

 

 一気に加速してクローンフェニキアの背中の首筋に近付いたイカロスに抱えられたタガロがエリマキの手綱に手を掛けた!

 

タガロ「止まってくれ!!」

 

 タガロが必死に手綱を握り締めるとクローンフェニキアは暴れるもやがてクローンフェニキアは戦闘行為を止めて大人しく飛ぶだけになった。

 

イカロス「信じられん・・・・・」

 

グースケ「フェニキアを止めてしまうなんて」

 

 クローンフェニキアとクローンリバイアサンはクローンであるが故に自身の生物としての立ち位置や常識を学ぶ事が出来なかったが従順性を高めさせられていた。

 グリオによって秘密裏に飼育されドンジャラ村の人々を騙して新種の生物として育てる事で万能手綱による指示を覚える事が出来ていたのだ。

 

タガロ「これで後は海にいる奴を止めれば」

 

 タガロの目は海にいるクローンリバイアサンに向いていた。

 

ホイ「あれはぼくが止めるよ」

 

タガロの肩に乗るホイが答える。

 

ホイ「それとアホウドリくーん。もう帰って良いよ!」

 

 ムカシダイダラアホウドリは返事の代わりに一声鳴くとそのまま飛び去って行った。

 

 

 

 少し時間は遡る。

 鬼角弾の収められた部屋に閉じ込められたタガロとホイ。

 部屋はホイを救助した瞬間に防護壁が降ろされると同時に切り離されて絶滅動物保護州へ送られていた。

 

タガロ「ホイ君。まだ手はあるよ」

 

ホイ「え?」

 

タガロ「ドラえもんから預かったこの道具があるから」

 

タガロ「一回しか使えないけどこのショートカッターを使えばこの部屋から脱出出来るよ!」

 

ホイ「良かった。じゃあ」

 

タガロ「これでのび太君達と合流」

 

ホイ「待って!それなら良い考えがあるよ。援軍を呼ぼう!」

 

タガロ「援軍?どうするんだい?」

 

ホイ「ショートカッターで絶滅動物保護州に先回り出来ないかな?そうすれば絶滅動物保護州にいる仲間達にも天上人の計画を伝えれば・・・・・」

 

タガロ「やってみよう!ドンジャラ村へショートカット!」

 

 タガロはドラえもんに教わった通りにショートカッターを使用しドンジャラ村へのショートカットの穴を作るその穴を潜り抜けた。

 ショートカットの穴はドンジャラ村の入り口に通じていた。

 

タガロ「上手く行った」

 

ホイ「みんなー!!」

 

ホイの父「ホイじゃないか?」

 

ホイ「実は・・・・・・」

 

 ホイとタガロは天上人が再びノア計画を目論んでいる事を全てドンジャラ村の人々に話した。

 

ホイの父「何て事を・・・・・。天上人はまだ懲りていなかったのか」

 

ホイ「だから父さん。ぼくたちは」

 

ホイの父「そうだ。ノア計画を阻止する為、我々の身を守る為にも戦わねば」

 

ホイ「だから父さんたちは動物たちや他の村にこの事を」

 

タガロ「ぼくとホイ君はのび太君達を助けに戻ります」

 

ホイの父「どうやってノア州まで戻るんだね?」

 

ホイ「ムカシダイダラアホウドリ君に乗せて貰います。今の絶滅動物保護州からの位置は北極に近いから大丈夫です」

 

ホイの父「分かった。それと二人に伝えたい事がある。実は・・・・・。天上人に依頼されて私は万能手綱を使って危険な生物をコントロールする研究をしていたんだ」

 

ホイ「えっ!?」

 

ホイの父「グリオさんが言うには、保護した新種の生物を安全に誘導する為に必要な措置だと言っていたがアレは明らかに生物を思いのままにコントロールする為の実験だった。私達の万能手綱はあくまで他の生物の力を貸して貰う為の物だったのに・・・・・・」

 

ホイ「父さんが暫く留守にしていたのはそう言う事だったのですね」

 

ホイの父「天上人がノア計画を進めるならあの二体を使うに決まっている。空の生物フェニキアと海の生物リバイアサンと言う凶暴な生物だ。けど万が一の事を考えてグリオさんとも協議して万能手綱には非常用の手動でのコントロールが可能な様にしてある」

 

ホイ「じゃあ」

 

ホイの父「危険だがフェニキアやリバイアサンの首にある万能手綱に触れられれば彼らを大人しくさせる事は可能だ」

 

タガロ「ホイ君。ぼく達でやってみよう!」

 

ホイ「やろう!タガロ君!」

 

 ホイとタガロはホイの父と別れるとムカシダイダラアホウドリに乗ってノア州へと向かったのだ。

 その間にホイの父がドンジャラ村や近隣にいる動物達に呼び掛けて絶滅動物保護州でのレジスタンスを開始する手筈となっていた。

 ホイとタガロがムカシダイダラアホウドリに乗り込み飛び立とうとした時に戦いの音がホイとタガロの耳にも届いた。

 

ホイ「始まったみたいだね」

 

タガロ「急ごう。ぼくらものび太君達を助けないと」

 

 それがホイとタガロが遅れて駆け付けた経緯だったのだ。

 

 

 

 海中においてはエルとバンホー、ブルススの指揮の元でクローンリバイアサンを倒せないのならば動きを封じれば良いと3人の指揮の元で無数のワイヤーを使ってクローンリバイアサンを縛り上げていた。

 海底人の小型潜水艇を指揮して3人はギリギリの所でクローンリバイアサンの動きを封じていたがそれが限界だった。

 

エル「くっ・・・・・・。なんて力なんだ。動きを止めるだけで精一杯なんて・・・・・」

 

ブルスス「だがこいつを野放しにする事は出来ん・・・・・」

 

バンホー「ドラえもん君達を助ける為にも何とかしなければ」

 

 周囲では未だに鉄騎隊やバトルフィッシュとの戦いは続いている。

 その時、巨大な鳥の様な怪獣=クローンフェニキアとイカロスと渡り鳥パトロール隊がその場に割り込んで来た。

 

イカロス「あの怪獣の周囲から敵を引き離すんだ!」

 

グースケ「了解!」

 

 イカロスの指示の下で渡り鳥パトロール隊が地底人、海底人、犬人の連合軍に加勢して行く。そしてタガロが操作するクローンフェニキアがクローンリバイアサンを押さえ付ける。

 

ブルスス「あれはイカロス殿!?」

 

バンホー「渡り鳥パトロール隊が支援してくれるのか!?」

 

エル「しかし一体何が」

 

タガロ「フェニキア!リバイアサンを押さえ付けるんだ!」

 

 万能手綱を握るタガロの操作を受けてクローンフェニキアはクローンリバイアサンを押さえ付けて動きを止めた。

 

タガロ「今だ!ホイ君!」

 

ホイ「分かった!」

 

イカロス「私が首まで連れて行こう!」

 

ホイ「お願いします!」

 

 イカロスはホイを掌に載せるとクローンリバイアサンの首元にあるエリマキの巻かれた場所へ難なく連れて行った。

 

ホイ「これでどうだ!」

 

 ホイがエリマキに付けられた非常用の手綱を握り締めると直ぐにクローンリバイアサンは大人しくなった。

 

ブルスス「怪物の動きが止まった!?」

 

エル「それなら」

 

バンホー「そうだ。今なら!全部隊!バトルフィッシュや鉄騎隊を蹴散らしつつノア州を目指すんだ!」

 

 指示を受けた兵士達は一斉にノア州に向かって短時間であれば飛行が可能な小型潜水艇で次々とノア州を目指して行く。

 

風の民の長「今じゃ!」

 

 更に風の民の船も同時にノア州へと物理的に激突した!

 海底人、地底の竜人、犬人、風の民、渡り鳥パトロール隊の連合軍は遂にノア州へ上陸を果たした。

 既に残されたバトルフィッシュや鉄騎隊の数はそう多く無いがオートモードとなって執拗に戦闘を続けていた。

 そして各地に潜伏させられていた洗脳された下級天上人達も武器を手に次々と襲い掛かって来る。

 激戦が続く中でノア州の中央コントロールセンター地下5階にある反応炉の元にトロリンの効果で液状となったのび太は一人で向かっていた。

 

のび太「ここが地下5階・・・・・」

 

 幸いにも地下5階と言う表記は地上の文字と併記されていた為にのび太にも読めた。

 それは洗脳された出木杉、スネツグ、スネ吉が位置に迷わない為の措置だったがそれが裏目に出たとも言えた。

 エレベーターのすり抜けたのび太の身体はその瞬間に実体化してしまった。

 

のび太「トロリンの効果が切れた!?でも・・・・・。やるしかないんだ」

 

 左腕で光線銃を構えながらのび太は進んで行く。

 地下5階の道は一本道でありのび太は迷う事無く一歩一歩進んで行く。

 そこへ鉄騎隊や銃を構えた下級天上人が次々と現れるが、のび太は瞬時に左腕に構えた光線銃を早撃ちする事で倒して行った。

 

のび太(左じゃ僅かに遅いけど・・・・・。これでやるしかない)

 

 右腕の痛みに耐えながらのび太は進んで行く。

 途中で待ち構えた敵がいたがのび太は一発で倒して先へ進んで行く。

 通路の先に一際明るい場所が見える。

 

のび太(恐らくあそこに敵が・・・・・・)

 

 緊張の面持ちで一歩ずつ歩みを進めるのび太。

 その眼前には大きな機械パネルの前で銃を構えるグリオ司令の姿があった。

 

グリオ司令「来たな。地上人。だが遅かったな」

 

のび太「・・・・・・・」

 

グリオ司令「既にノア計画の反応炉は起動した。これから一時間以内に地上に大洪水と大嵐が地上を襲うだろう」

 

のび太「何だって!?」

 

 グリオ司令の言葉通りにノア州の下部に雷を伴ったエネルギーが充電されて行く。

 空中や海面にいた連合軍はノア州への移動を開始していて無事だった。

 タガロが乗るクローンフェニキアはホイの操るクローンリバイアサンを抱えてノア州へ向かって飛んでいたがそのスピードはゆっくりとだった。

 だが地球の衛星軌道上に設置されていた無数の小型台風衛星が起動して急速に雨雲が形成されて台風へと形成され地球上に無数の台風が形成されていたのだ。

 それら小型台風衛星に電波型のエネルギーを与えると同時に制御する役割を担っていたのだ。小型台風衛星は小型だったが為に地上人にも感知出来なかったのだ。

 それは同法である天上人のハト派も同じだった。

 

グリオ司令「君がそれを防ぎに来た事も知っている。だがそれを許すと思うか!?」

 

 グリオ司令が手にした銃を撃とうとした時にのび太は瞬時に早撃ちでグリオ司令を光線で撃った。撃たれたグリオ司令の姿は突如として消えてしまったが、光線は操作パネルの一部を破壊してしまった。

 

のび太「なっ!?」

 

グリオ司令声「馬鹿め!!貴様の戦い方は知っている。立体映像に惑わされたな!」

 

 慌ててのび太は周囲を見渡すが、その瞬間に煙が散布されてしまう。

 視界を遮られたのび太は撃つ事が出来ずにいた。

 そこへ響く駆け足の音!!

 音のする方向に光線銃を向けるのび太だったが撃とうした瞬間に足音が消えて気付いた瞬間にはグリオ司令はのび太の眼前に迫っていた。

 

のび太「!?」

 

 グリオ司令は煙の中で天上人の制服に付けられた飛行用の羽根によって低空飛行をしながら走りつつ途中で完全に飛行に移行したのだ。

 音を頼りに位置を予想して撃とうとしていたのび太は相手が走っていると言う思い込みが外れた事に驚き射撃の機会を逸してしまったのだ。

 だがもしのび太の右腕が健在ならば違った結果になったのは確かだった。

 

グリオ司令「この距離では撃てまい!!」

 

 防御する間もなくグリオ司令の握り締めた電磁棒でのび太を滅多打ちにする。

 相手が子供である事も容赦せずにのび太の両腕を執拗に殴り続けた。

 次に全身を殴り続けてのび太の身体は血だらけとなるもグリオは更に殴り続ける。

 

グリオ司令「どうだ!所詮は地上人である貴様が私に勝てる道理は無いのだ!!」

 

のび太「うっ・・・・・・・・・・・・」

 

 全身を滅多打ちにされてのび太はその場に倒れてしまった。

 光線銃を握る両手は特に酷く打撲と内出血と外出血で血まみれになっている。

 

グリオ司令「死ね!愚かな地上人!!」

 

 グリオ司令が止めを刺そうとのび太の頭に電磁棒を振り下ろそうとした時にグリオ司令の身体が押さえ付けられた!

 

グリオ司令「なんだ!?」

 

のび太「?」

 

 のび太が思わず痛む身体を我慢して顔を上げるとそこには誰かがグリオ司令を背中から押さえ付けている姿が目に写った。

 

グリオ司令「何をする!?出木杉」

 

出木杉「・・・・・・」

 

グリオ司令「金輪が無い!?貴様!!洗脳が解かれたのか!?」

 

 出木杉の頭には名誉天上人の証として付けられていた金輪がのび太の射撃によって破壊されていたのだ。

 

出木杉「僕はのび太君のお陰で目が覚めたんだ!!ノア計画なんて間違っています!!グリオ司令!!」

 

グリオ司令「ぐっ・・・・・。優秀と言っても所詮は地上人か・・・・・。誰のお陰で名誉天上人にして貰ったと思っているんだ!!」

 

出木杉「僕は天上人になりたかった訳じゃ無い!!僕を無理やりに洗脳したのは天上人じゃないか!?天上人の一方的な基準で僕や他の人々を洗脳して奴隷にするような天上人に誰がなりたいものか!!」

 

グリオ司令「それの何が悪い!!」

 

出木杉「!?」

 

 躊躇う事無く反論するグリオ司令。

 

グリオ司令「我々天上人こそが全てを支配すべき至高の存在だ!慈悲深い我々だからこそ地上人の中でも優秀な者は洗脳しても自立思考を残した名誉天上人にして能力の無い奴は下級天上人として効率的に使ってやっているのだろう!」

 

出木杉「人の思いを踏みにじるそんなやり方は間違ってる!骨川君を一家ごと無理やりに協力させておいて」

 

グリオ司令「勘違いしているようだな。骨川家。ボーンリバーグループは我々の援助を受けて地上をスパイしている最下級の天上人の末裔だ。彼らは最初から天上人の協力者だったのだよ。最も余程優秀でなければ幼少の時点で協力者にする事は無いがな・・・・・」

 

出木杉「あなただって名誉天上人でしょうに!!」

 

グリオ司令「そうだ!!だから許せんのだ!地球を汚す地上人の存在が!!」

 

出木杉「地上人でもある貴方はどうしてそこまで・・・・・」

 

(名誉天上人は様々な教育現場にいる協力者からのデータを元に優秀な地上人を選別した上で合法、非合法の手段を問わずに天上世界に拉致して天上人として教育する)

 

グリオ司令「貴様には分かるまい!!ぬくぬくと平和を貪る国に生まれた貴様には決して分かるまい!!」

 

出木杉「・・・・・・・」

 

グリオ司令「私が何処で生まれたと思う?そうだな。お前達に分かりやすく言うなら私は内戦が続く国で生まれた。生まれた時から毎日誰かが死んでいた。人が死ぬのは当たり前で目の前で人が死なない日は無かった。友も家族も目の前で殺されて行った。やがて国は内戦の末に隣国が介入し更に酷い事になった。食べる物を奪い合い人が人を殺さなければ生きて行けなかった。そんな時に私はたまたま珍しい動物の子供を拾った。腹が減ったら食おうと連れて彷徨っている時に地上で絶滅動物を保護しようとした天上人と出会った。天上人は私の連れていた動物を取り上げ保護した。私は食料が奪われた怒りで天上人を殺そうとした。そうしなければ生きていけないからだ。だが天上人は私を簡単に倒した。私は死んだと思ったよ。だが何故か生きていた。どうやら私を助けた天上人は私の状況に同情して私を助け出したのだ。それに私が食う為に連れていた動物を保護していたと勘違いしていた様だった。これ幸いと私は話を合わせる事にした。こうして私は名誉天上人となった。名誉天上人となって地上の事を知る内に私は地上人の愚かさを悟ったよ。だからこそ私は名誉天上人としてヘブ長官の率いるタカ派が進めるノア計画に貢献する為に絶滅動物保護州から地上生物の保護をしながら地上のデータを取りノア計画を効率的に進めようとしたのだ!」

 

出木杉「・・・・・・・」

 

 出木杉の目はグリオ司令を見ていない。別の場所を見ている。

 

グリオ司令「だからこそ貴様の様な優秀なDNAを持つ地上人は名誉天上人になる資格があると考えたから名誉天上人にしてやったのだ。これでも恩が無いと言えるのか!?」

 

出木杉「のび太君!!」

 

のび太「わぁああああああ!!」

 

 その時、渾身の力を込めてのび太は立ち上がりながら光線銃を撃った。

 グリオ司令の顔面に向けて一発。

 一発目はグリオ司令のマスクを弾いた。

 間髪入れずに撃った2発目はグリオ司令の全身を痺れさせていた。

 同時にそのエネルギーはグリオ司令を貫いて壁にある制御盤を破損させていた。

 出木杉はマスクが弾かれた瞬間に手を放した為に痺れる事は無かったが床に身体を叩き付けられて大きくバウンドした。

 のび太の指から血が溢れて吹き出してこれ以上、物を握る事が出来ずに光線銃を落としてしまう。

 

グリオ司令「うっ!?」

 

 グリオ司令はそのまま崩れ落ちた。

 

のび太「出木杉君・・・・・」

 

 のび太の指からは血が流れ続けている。

 

出木杉「のび太君。良くやってくれたね」

 

のび太「洗脳が解けたんだね」

 

出木杉「君のお陰だよ。あの金輪が破壊してくれたお陰で僕は正気に戻れたんだ」

 

のび太「どうやってここに」

 

出木杉「この反応炉に入る入り口は4カ所だけあるんだ。全てのルートがこの反応炉のコントロールルームに至るんだ」

 

のび太「そうだったんだ」

 

 その時に急速にノア州全体に揺れが起きる。

 

出木杉「マズい。反応炉を停止させないと」

 

 だが出木杉が振り返ると壁にある制御盤は破壊されていた。

 

のび太「しまった」

 

出木杉「やられたね。グリオ司令は最初からそれを計算して君に撃たせたんだ」

 

のび太「他に方法は無いの?」

 

出木杉「非常用の停止システムがある筈だけど、グリオ司令しか操作出来ない筈・・・・・」

 

 のび太は出木杉が逡巡してしまった時、

 

ドラえもん「のび太くーん!}

 

ジャイアン「のび太―!!」

 

スネ夫「のび太!!」

 

スネツグ「のび太さーん!」

 

 ドラえもん達4人が別の道から姿を現した。

(気絶したスネ吉は巨神像の中に置いてきた)

 

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