□35 地球 北極 ガッケル海嶺上空 ノア州
ドラえもん「のび太くーん!}
ジャイアン「のび太―!!」
スネ夫「のび太!!」
スネツグ「のび太さーん!」
ドラえもん達4人が別の道から姿を現した。
(気絶したスネ吉は巨神像の中に置いてきた)
のび太「ドラえもん!どうして」
ドラえもん「スネツグ君が別の道を教えてくれたんだ」
スネ夫「出木杉!?」
ジャイアン「お前!?」
出木杉「大丈夫。僕はもう洗脳が解けているよ」
スネツグ「大丈夫です。洗脳装置の金輪が無いから確かです」
出木杉「みんな・・・・・。今までの事は・・・・・」
ドラえもん「良いんだよ。君とスネツグ君は洗脳されていたんだ。君達の意志じゃないよ」
スネツグ「皆さん。反応炉を何とかしないと」
出木杉「この反応炉を止める事が出来れば、通信で繋がっている他の小型台風衛星も連鎖的に止める事が可能だよ」
ドラえもん「じゃあまずはこの反応炉を何とかしよう。怪我をしているのび太君と出木杉くんは休んでて」
ドラえもんの目から見てものび太と出木杉の怪我はかなり酷かった。
スネツグ「既にエネルギーが充電されてこのままだとノア計画が発動してしまいます!」
ドラえもん「それなら電装ポンプ!これを反応炉に繋いで・・・・・。それと光線道路と無重力ネット!ジャイアンは光線道路を上に向けて!スネ夫はこの無重力ネットを光線道路の内部から上に向かって撃って!」
ジャイアン「分かったぜ!これで良いな!」
ジャイアンが光線道路を上に向けると光線の内部に入ってスネ夫が無重力ネットを真上に向けて無重力ネットの糸を引いた!無重力ネットは展開されて行く。
スネ夫「ドラえもん!撃ったよ」
ドラえもん「スネツグ君。反応炉の状態は?」
ドラえもんは電装ポンプの片側を光線道路に繋ぎながら聞いた。
スネツグ「もうすぐ発動してしまいます!」
ドラえもん「よし!電装ポンプスイッチオン!」
ドラえもんが電装ポンプのスイッチを押すと反応炉のエネルギーがポンプを通して光線道路内部にある無重力ネットで作られた光線を通って上空へと放出されて行く。
だが余りのエネルギー量に光線道路が大きく揺れている。
ジャイアン「これ大丈夫なのかよ!?」
ドラえもん「分かんないよ!」
その時、余りに急激な振動によって光線道路の足に亀裂が入って光線道路の向きが下がりそうになる!
ドラえもん「まずい!?このままじゃ真下にエネルギーが向かって海水と反応して爆発する!?」
ジャイアン「何でこんな時に壊れるんだよ!?」
スネ夫「ドラえもんの道具が壊れるのは何時もの事だよ!それなら!」
スネ夫は咄嗟に光線道路をジャイアンとは反対側から支える事で上に向けた!
スネ夫「これなら・・・・・・」
ジャイアン「スネ夫ナイス!」
ドラえもん「スネ夫君!そのまま支えて」
スネツグ「兄さん!頑張って!」
スネ夫「うっ・・・・・・・・」
ジャイアン「スネ夫!どうした?お前の身体ってもっと固いんじゃなかったのか?」
スネ夫「くう・・・・・・・・」
ジャイアン「ほら。もっと固くなれよ。後で俺がその固い身体をほぐしてやるからよ(笑)」
スネ夫(ジャイアンにほぐして貰うなんて・・・・・。そんなの・・・・・。気持ち良いに・・・・)
スネ夫「決まってるじゃないかー!!」
スネ夫の身体に再び力がこもる。
ドラえもん「凄い。これならエネルギーが放出できるよ」
スネ夫「どれ位かかるの?」
スネツグ「今の放出具合なら20分で全てのエネルギーが放出されます。既にエネルギーが無くなったお陰で反応炉の動きが止まっています。小型台風衛星も次々と停止しています!」
スネツグの指摘通りに各地にある小型台風衛星は動きを停止して更にノア州の下部にある反応炉の入り口に溜まっていた雷を伴ったエネルギーも霧散して行く。
ドラえもん「みんな!後少しだから頑張って!」
のび太「出木杉君。エネルギーを放出し続けてもこのノア州は大丈夫なの?」
出木杉「大丈夫。ノア州の雲は他の天上州と同じく特殊な雲で出来ているしこの反応炉のエネルギーはあくまでノア計画の為に使う為の物だからノア州に影響は無いから落下したりはしないよ」
のび太「良かったー」
出木杉「あっ!?」
出木杉が一つの方向に腕を向けながら叫んだ。
何と起き上がったグリオが逃亡しようとしていたのだ。
出木杉「グリオさんが逃げた!」
のび太「何処へ逃げようとしているんだろう?」
出木杉「もしかしたら・・・・・・」
スネツグ「確か近くにあるUFO発着口にあるグリオ司令の専用小型UFOにコア破壊装置が積まれている筈です・・・・・」
ドラえもん、のび太「コア破壊装置だって!?」
ドラえもんとのび太はかつてコーヤコーヤ星においてガルタイト工業との戦いでコア破壊装置の恐ろしさを眼前にしていた。
運が良かったからこそあの時は助かったがもし今使用されたら。
スネツグ「グリオ司令は最悪の場合使用をする事になるとも言っていました」
ジャイアン「のび太!出木杉!お前達が追うんだ!」
スネ夫「速く行けよ!」
ドラえもん「ボク達はここから動けない。頼んだ!」
スネツグ「ぼくからもお願いします」
のび太「行こう!出木杉君!」
出木杉「こっちだ!のび太君」
出木杉の先導を受けてのび太はUFOの発着口に向かって出来るだけ速く進んで行く!
的確なルート選択によって格納庫の近くで足を引きずりながら進むグリオに追いついた。
出木杉「いた!」
のび太「待て!」
グリオ「!!」
グリオは足音で気付いておりのび太の声と同時に何かをこちらに向かって投げて来た!
出木杉「あれは!!危ない!?」
咄嗟に出木杉はのび太の顔を片手で覆ったがその瞬間に閃光が走り出木杉の目は一時的に視界を失ってしまった。
出木杉「しまった!?閃光手榴弾だ・・・・・。暫く目が見えない・・・・・」
のび太「出木杉君!?」
出木杉「のび太君!?グリオ司令は!?」
のび太「いない!?きっと先に進んだんだ」
出木杉「僕の事は」
のび太「君も来るんだ」
のび太は無理に出木杉の事を引っ張ると歩き出す。
出木杉「けど今の僕は目が見えない・・・・・」
のび太「・・・・・・・・・」
やがてのび太と出木杉は発着口を見下ろす通路に着く。
のび太が見た時、下に降りたグリオが一際輝く小型UFOに向かっているのが見えた。
既に小型UFO発進の為に外へのハッチが開いていた。
のび太「いた!UFOに向かってる!」
出木杉「のび太君。君が狙撃するんだ」
のび太「無理だ」
出木杉「え?」
のび太「出来ないんだ。ぼくの手はさっき殴られ続けたせいでもう・・・・・。銃を握れないんだ」
のび太の手は血だらけであり指も曲がっており何かを握る事は出来ない事は誰の目にも明らかだった。
出木杉「そんな!?」
のび太「だから出木杉君。君が撃つんだ」
出木杉「え!?でも僕は目が」
のび太「僕が狙いを定めて君が狙撃するんだ!それしか手はない」
出木杉(そうか。だからのび太君は目が見えない僕を連れて来たんだ・・・・・)
出木杉「そうだね・・・・・。やろう」
出木杉は光線銃を取り出す。
のび太「そのまま前方に構えるんだ」
出木杉「分かった」
それをのび太は動かない手で銃身に触れながら大まかな角度を誘導する。
のび太「少し上に・・・。ちょっと下に・・・・・。そこから右・・・・・」
出木杉「・・・・・・・・・・・・・」
出木杉(僕に出来るだろうか?いいや。やって見せる!のび太君が僕を信じて任せてくれたんだ。必ず成功させないと!)
目の見えない状態で出木杉は必死にのび太の指示に合わせて銃身を微調整する。
一方でのび太も必死にその頭脳を使い今の状態で確実に当たるポイントを見出そうとしていた。自分の目と腕を使った狙撃ならば百発百中の自信があった。
だが今は自身が狙いを定めて出木杉君に銃身を委ねるしかなかったのだ。
しかしこの二人は大きな武器があった。
互いに命を賭けた真剣勝負によってお互いの射撃精度を見知る事が出来ていたのだ。
そして二人は先程の共闘によってお互いへの信頼を集中力と言う形で極限まで高め・・・・・・。
今、その時は来た。
のび太「今だ!!」
出木杉「!!」
出木杉の持つ光線銃から放たれた光線は寸分の狂いなく真っすぐに進みグリオの身体を撃ち貫いた。
グリオ「グアッ!?」
のび太「やった!?」
全身を震わせたグリオはフラフラと歩を進めながら小型UFOを通り過ぎるとそのまま外へのハッチに落ちてしまった。
のび太「ああ!?」
出木杉「どうしたんだい?のび太君」
出木杉の目は未だに見えていない。
のび太「あの天上人・・・・・。落ちてしまったんだ」
出木杉「ハッチが開いていたんだね・・・・・。のび太君。仕方なかったんだ。地球を守る為にグリオ司令を撃つ以外に僕らには選択肢が無かったんだ・・・・・」
のび太「・・・・・・・・・」
のび太は故意では無いとは言え間接的に人を殺してしまった事にショックを覚えていた。
轟音が響くと同時にハッチから何かが外から入り込んで来た!
出木杉「なっなんだ!?」
のび太「あれは!?」
ハッチから顔を出したのはエリマキを付けたクローンフェニキアと抱えられたクローンリバイアサンだった。
のび太「フェニキアにリバイアサン!?」
思わず身構えるのび太の声に応じてクローンフェニキアとクローンリバイアサンの首元に付けられたエリマキの影からタガロとホイが顔を出した。
ホイ「のび太君!無事だったんだね!?」
のび太「ホイ君にタガロ君!?」
タガロ「外から様子を見ていたらこのハッチが開いたから入ってみたんだ。この二体はここからじゃないと入れなそうだったからね」
タガロがそう言いながらクローンフェニキアが握り締めていた物を床に置かせた。
それは落下したグリオ司令だった。
のび太「あっ!?」
タガロ「落ちて来たからこいつに掴ませたんだ。憎い敵だけど死んで終わらすなんて許す訳にはいかないよ」
出木杉「よっよかった。のび太君。君は誰も殺して無いんだ・・・・・」
のび太「・・・・・・」
緊張の糸が切れてのび太はその場に崩れ落ちてしまった。
出木杉「のび太君!?」
出木杉の視界は僅かに光と輪郭が分かる様になり始め隣にいたのび太を支えた。
タガロ「そうか。のび太君は君の事を助けられたんだね」
出木杉「僕は君やホイ君には酷い事をした・・・・・」
ホイ「でもそれはあなたの意志じゃないんでしょう?タガロ君からあなたも洗脳されてたって聞いてます」
タガロ「だからぼくとホイ君はあなたを責めません。責められるべきは天上人です!」
出木杉「ありがとう。僕はやっと地上人に戻れるよ・・・・・」
出木杉(そしてのび太君・・・・・。僕は君に負けた。人を信じると言う事に・・・・・。そんな君だからこそ・・・・・。静香ちゃんに相応しいんだ)
心の中で出木杉はのび太に対して一つの敗北を心に刻むと同時に折り合いを付けていた。
その時、激しいサイレン音がノア州全体に響き渡る!
のび太「何だろう!?」
出木杉「このサイレンはノア州に何かが近付いて来た事を知らせる為の物だよ」
ドラえもん「のび太くーん!出木杉くーん!」
そこへドラえもん達4人が駆け付けた。
スネツグ「反応炉のエネルギーは安全に放出されました」
ジャイアン「ああ。もう奴のタマはすっからかんだぜ(笑)」
スネ夫(ジャイアン・・・・・。僕の玉も空っぽにしてくれるんだろう?)
ドラえもん「タガロ君とホイ君にそれに!?どうしてフェニキアとリバイアサンが!?」
のび太「そう言えばどうして」
出木杉「この2体は新兵器だって聞いたけどそれ以上は。それより何かが起きたみたいなんだ。とにかく上に上がってみよう」
タガロ「ぼくとホイ君はこの二体を見ておくからみんなは上に」
ホイ「ぼく達がエリマキを握っていれば二体とも大人しいから」
ドラえもん「分かった。みんな!ボクたちは上に行こう。出木杉君は案内を」
出木杉「分かった。付いて来て」
ジャイアン「のび太。俺がおぶってやるよ」
のび太「ジャイアン・・・・・。ありがとう」
スネ夫(僕もあの逞しい背中に・・・・・)
スネツグ「兄さん。僕達も行きましょう」
スネ夫「そっそうだな。そっそれよりドラえもん。のび太を治療出来ないのかい?」
ドラえもん「ごめん。お医者さんカバンはあるけど治療の為の薬を切らしているんだ」
のび太「ぼくの事は後で良いよ。ジャイアンに殴られて鍛えられているから大丈夫だよ」
ジャイアン「のび太・・・・・。変な冗談言うなよ。俺は・・・・・」
スネ夫「のび太は強いよ。だってのび太は何時だって直ぐに立ち直るじゃないか」
のび太「そうだよ!ぼくは強いんだ」
ジャイアン「のび太・・・・・・」
出木杉「ここから上に出れるよ」
出木杉を先頭にノア州の地面に出た6人。
出木杉「まだサイレンが鳴ってる。あっ!?あれは!?」
ドラえもん「あれは!?」
ジャイアン「なんだ!?」
スネ夫「あれって」
のび太「何かが降りて来てる」
スネツグ「でも逆光で見えません」
巨大な何かがノア州に降りて来ているのだ。
その瞬間に緑色の光がノア州全体に降り注いだ。
天上人の地位としては
ヘブ代表→ズル木→グリオ司令→スネ吉補佐官→名誉天上人出木杉→名誉天上人スネツグ
の順番で地位が上です。