□6 マリアナ海溝の底 ムー連邦首都 首相官邸
ドラえもんのび太と海底鬼岩城より
首相官邸の一室で若くして警備隊長に就任したエルとムー連邦首相は神妙な面持ちで設置されたモニターを見ていた。
エル警備隊長「ではどうする事も出来ないと言う事ですか!?」
ムー連邦首相「ああ。悔しいが今は我々にどうする事も出来ん」
エル警備隊長「しかし!」
ムー連邦首相「鬼角弾が我が国を狙っている以上はどうする事も出来ん」
エル警備隊長「このままでは地上は・・・・・」
ムー連邦首相「分かっている。分かっているが天上人には勝てん・・・・・」
首相官邸に設置されていたモニターに映し出される映像。
それはかつてエルとドラえもん達が破壊した鬼岩城の跡地が映し出していた。
鬼岩城は完全に跡形も無く破壊されている。
しかし鬼岩城の跡地から少し離れた場所に巧妙に隠されたアトランチスの自動兵器工場が存在していたのが後から発覚した。
自動兵器工場の内部では無数のロボットである鉄騎隊、バトルフィッシュ、鬼角弾が存在しておりムー連邦は直ぐに破壊を試みようとしたが突如として兵器工場全体がバリヤーに覆われて破壊は困難となり様々な方法が試みられたが成果は出なかった。
そこへ突如として今まで海底に干渉しなかった天上連邦が一方的に鬼岩城周辺を一方的に占拠してしまったのだ。
自動兵器工場はバリヤーに覆われてムー連邦は手が出せない状態だったのを良い事に周囲には無数の天上人のUFOが自動工場から様々な物を回収していた。
ムー連邦首相「アトランチスの支援者であり、我らを海底に追いやった天上連邦には我らでは勝てん」
エル警備隊長「彼らはアトランチスの後ろ盾だったからこそ自動工場のバリヤーを解除できる。そして7000年もの間、ムー連邦が海底に繋ぎ止める為に鬼岩城とポセイドンの機能を維持していた」
ムー連邦首相「そうだ。ポセイドンの暴走。いや。あれも奴らの仕業だったんだろう。奴らは最初から鬼角弾を使い海底を滅ぼそうとしていた。ポセイドンの残骸を調べて分かった事だがそもそもポセイドンには地上を攻撃する事は出来なかった。だが天上人が鬼角弾を我らに向けている今、我らは動く事が出来ないのだ」
エル警備隊長(彼らは無事なんだろうか?もし彼らがいれば・・・・・・)
エルの脳裏にはかつて鬼岩城を破壊する為に協力してくれた地上人の5人だった。
エル警備隊長「天上人は本当にノア計画をやるつもりなんでしょうか?」
ムー連邦首相「やるつもりなんだろう。だからこそ我々に鬼岩城のバリヤーシステムを無償提供したのだろうからな」
天上人から提供された鬼岩城のバリヤーシステムによって既にムー連邦一帯を覆って一応の防御態勢は整えられた。
バリヤーの高さはマリアナ海溝の底から2000メートルに設定する事で地上からの影響を極力抑える方針を取っていた。
しかしこのバリヤーも結局は天上人が提供した物である。
バリヤーを無効化する方法を既に得ている余裕の行動とも言えた。
エル警備隊長「地上の事は黙って見ていろと言う事ですか」
ムー連邦首相「そうだろう。今は・・・・・。我慢の時だ」
エル警備隊長「しかしノア計画で地上が洗い流されれば結局は海底も・・・・・」
ムー連邦首相「生命の住めぬ場となるだろう。だからこそ今は出来る事をせねばならんな」
エル警備隊長「出来る事ですか」
ムー連邦首相「まだ我々にも出来る事がある筈だ。我らの盟友に連絡を」
□7 地球 日本 練馬区 月見台近辺 野比家 のび太の部屋
静香とパルパルを助け出したのび太とドラえもんはひとまず野比家に戻っていた。
のび太「とりあえず自宅に帰ったけど大丈夫かな?」
ドラえもん「どうだろう?街中で騒ぎを起こせないならあるいは・・・・・」
幸いにもパパは出張。
ママは法事で実家に向かったので家にいなかった。
パルパルと静香を横に寝かせると
静香「ここは・・・・・」
のび太「静香ちゃん!?大丈夫?」
静香「大丈夫よ。でもスネ夫さんが・・・・・」
ドラえもん「スネ夫に撃たれたんだね?」
静香「撃たれたら痺れて・・・・・」
ドラえもん「たぶんショックガンみたいな物なんだろう。でも・・・・・。スネ夫はどうして・・・・・」
静香「武さんは!?」
のび太「ジャイアンは僕達を助ける為にスネ夫に飛び掛かったんだ」
ドラえもん「うん。それにズル木って子と出木杉君が・・・・・」
静香「えっ?出木杉さんが!?」
のび太「自分たちを天上人だって言うんだ」
静香「そんな!?だって出木杉さんはずっと私たちと同じ町内に住んでたじゃない」
のび太「でもズル木が言うには地上を監視する役割の天上人もいるって。そっか。じゃあスネ夫もそうだったのかな?」
静香「でもそうだったらおかしいわ。雲の王国に行った時にスネ夫さんは驚いていたわ」
ドラえもん「もしかしたら彼らは今まで自分が天上人だと知らなかったのかも知れないよ。一定の年齢になったら知らせるみたいな事があるのかも知れない」
パルパル「そうじゃないわ」
静香「パルパルさん!気が付いたのね!」
パルパル「助けてくれてありがとうと言いたいけど・・・・・。巻き込んでしまってごめんなさい」
ドラえもん「一体何が起こっているんですか?」
パルパル「それを説明したいけど・・・・・。今はダメみたいね」
のび太「えっ?」
パルパル「窓の外を見て!」
窓の外には天上人の使う雷を放つ黒雲が待機していた。
のび太「やっぱりここが分かってたのか」
ドラえもん「そうだね」
ドラえもんが空気砲を二つ出すとのび太も空気砲を腕に取り付けた。
だが黒雲は何もする事無く野比家から離れて行く。
静香「黒雲が離れて行くわ」
ドラえもん「一体どうして?」
ドラえもんとのび太が窓枠へ向かう。
その時、野比家の前に人影がある事に気付いた。
出木杉「やっぱりここに逃げ込んだんだね」
スネ夫「・・・・・。僕の言った通りだろう」
ズル木「そうだね。君も役に立ってくれるじゃないか」
ジャイアン「ちくしょう!俺をどうする気だ!?」
拘束されたジャイアンを囲んで出木杉とスネ夫、ズル木が私服姿で野比家の前にいた。
出木杉「野比君。いるのは分かっているよ。少し話がしたい」
ドラえもん「一体何を話そうって言うんだ!?」
出木杉「簡単な話だよ。そこにパルパルさんがいるだろう?」
ズル木「ボクたちは彼女の目的は知っているよ」
パルパル「何を知っていると言うの!?」
顔を出すパルパルと静香。
出木杉「意識を取り戻したなら話が速いね。剛田君を返してほしければ南極に来るんだ」
ドラえもん、のび太、静香「えっ!?」
パルパル「!!」
ズル木「ボクたちの要求はそれだけだよ」
静香「出木杉さん!それに木鳥さん!あなた達は本当に天上人なの!?」
ズル木「・・・・・・・・」
出木杉「・・・・・・・・」
ズル木と出木杉は思わず顔を合わせていた。
ズル木「そうだ。ボクは誇り高い天上人だ」
出木杉「そうだよ。僕は名誉天上人に選ばれたんだ。とても素晴らしい事だよ」
ズル木「追おうなんて考えなくて良いよ。南極で会えるんだから。それにもし追って来るなら剛田君はこの場で」
ズル木はジャイアンの腹に小型の銃を向けていた。
そう言って出木杉達4人はその場から去って行った。
のび太「ジャイアン・・・・・・」
ドラえもん「よし。こうなったら南極へ行こう!」
静香「そうよ。武さんを助けないと。それに・・・・・。スネ夫さんや出木杉さんの事も」
パルパル「でもどうやって南極へ行くの?私のUFOは既に回収されただろうし」
ドラえもん「ボクのどこでもドアがあるよ。でも・・・・・」
のび太「でも?」
ドラえもん「分かりやすいワナだと思うんだよなあ」
のび太「それでも行くしかないよ!」
パルパル「場所は南極ならハンプトン山よ。そこに天上人の地上基地があるわ」
のび太「直ぐに行こう!」
ドラえもん「直接行くと直ぐに見つかる気がする。だからハンプトン山から三時間程、離れた場所に行こう!」
ドラえもんはどこでもドアを取り出してドアを開いた。。
静香「パルパルさんの怪我は大丈夫なんですか?」
パルパル「大丈夫よ。急ぎましょう。移動しながら事情は説明するわ」
ドラえもん「おっと。ここは海上みたいだ。ちょっと待ってて。ラジコンぬいぐるみのクジラ!」
ドラえもんはドアの外にある海上にラジコンぬいぐるみクジラと取り出した。
のび太「それってチャモチャ星で使った」
(ドラえもんのび太のブリキの迷宮より)
ドラえもん「記念に貰っておいたからね。これに乗ってハンプトン山へ向かおう」
のび太「おー!」
ラジコンぬいぐるみクジラに乗り込んだ4人。
ドラえもん「到着までは3時間はかかるから少し休んで」
静香「それなら・・・。パルパルさん。何が起きてるか説明して貰ってもいいですか?」
パルパル「分かったわ。それじゃあ・・・・・」