ドラえもんのび太の地球開放記   作:ジャックノルテ

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□8~9

□8 地球 ハンプトン山 天上人の秘密基地 牢屋

 

 

 天上人の服装に戻ったズル木と牢屋に閉じ込められたジャイアン。

 

ジャイアン「くそ!やい!俺をここから出しやがれ!」

 

ズル木「無駄だよ。脱獄と言うのは外部の協力者がいなければ成立しないのさ。剛田君」

 

ジャイアン「スネ夫!どうして俺たちを裏切ったんだ!?」

 

スネ夫「・・・・・・・・・」

 

 天上人の服装をしているスネ夫は沈痛な面持ちで押し黙ったままでもあった。

 

ズル木「ふっふっふっふ。剛田君。そんなに骨川君を責める事は無いと思うけどねえ」

 

ジャイアン「何だと!?」

 

ズル木「骨川君。君はグリオ司令に報告へ行きたまえ。剛田君の世話は僕がするからね」

 

スネ夫「・・・・・・・・・」

 

 スネ夫は押し黙ってその部屋を出て行った。

 

ジャイアン「スネ夫!なんでなんだよ!?」

 

 ジャイアンの目からは悔し涙が流れている。

 

ズル木「ふっふっふっふ。良い顔してるね。ボクは君にそんな顔をずっとさせたかったんだよ。腕力じゃかなわなくても権力では勝てるからね」

 

ジャイアン「ズル木!お前ら天上人は本当にノア計画をやろうってのか!?」

 

ズル木「当り前さ。ノア計画を進めて一度地上を綺麗にした方が地球の為さ」

 

ジャイアン「なんでだよ!?天上人は分かってくれたんじゃないのかよ!?」

 

ズル木「それはハト派(穏健派)だね。でもそれに納得しない人たちもいると言う事だよ。僕達みたいなタカ派(過激派)もね」

 

ジャイアン「タカ派?つまりお前らは反逆者って事か?」

 

ズル木「それは言い方次第かな。勝てば官軍だよ。だからこそスネ夫君は僕らに付いた。彼は賢いよ。勝ち馬を見定める能力がある」

 

ジャイアン「ドラえもん達がいるんならお前らが勝つ訳ないだろ!なのにスネ夫はどうして・・・・・」

 

ズル木「ふっふっふっふ。アーハッハッハ。君程度の頭じゃ分からないかな?まあ骨川君はボクらに付くしか選択肢は無かったんだからね」

 

ジャイアン「選択肢が無いなら別の選択を作れば良いじゃないかよ」

 

ズル木「・・・・・・・。一応、剛田君の頭に合わせて話したんだけどね」

 

ジャイアン「どういう意味だよ」

 

ズル木「仕方ないなあ。骨川君の事情は教えてあげるよ。彼は家族の為に君達を裏切ったのさ。最もボクの様に初めから天上人では無いけどね」

 

ジャイアン「全く分かんねえぞ!!父ちゃんや母ちゃんを人質に取ったのか!?」

 

ズル木「おやおや。君も酷い発想が出来る男だねえ。確かに彼の両親も人質みたいなモノだね。でも・・・・・。骨川君には弟がいるじゃないか?」

 

ジャイアン「えっ!?まさか・・・・・・・」

 

ズル木「スネツグ君が養子に行った先は地上にいる天上人の家族だったのさ。だから骨川君とその両親はスネツグ君の為にも天上人の協力者として働かなくちゃいけないのさ」

 

ジャイアン「・・・・・・。そう言う事か」

 

 ジャイアンは急に反抗する事を止めて牢のベッドの上で横になった。

 

ジャイアン(そう言う事だったのか・・・・・。スネ夫。お前の気持ち・・・・・。理解出来るぜ・・・・・。俺だってもしジャイ子が人質に取られたら・・・・・・・)

 

ズル木「ふっふっふっふ。ようやく剛田君も自分の立場が分かったみたいだね。大人しい方がこちらも助かるよ。剛田君」

 

 ズル木はそう言って牢屋の前から立ち去って行った。

 

ジャイアン(スネ夫。俺はお前を助ける事を諦めていないぞ!みんなだってそうだ!)

 

 

□9 南極海 ハンプトン山より3時間の距離

 

 

 ドラえもんの操るラジコンぬいぐるみクジラは南極のハンプトン山にある天上人の秘密基地へ向かっていた。

 

パルパル「全ては一週間前に起きた植物星における星間連合の臨時総会の場で起こったわ。臨時総会の場でテロが起きて植物星のキー坊大使が怪我を負ったのよ」

 

のび太「キー坊が!?」

 

パルパル「キー坊大使の命は助かったけど意識は不明なの。それで問題だったのは星間連合の臨時総会を襲ったのは地上人だったのよ」

 

ドラえもん「地上人!?でも地上人には植物星まで行く技術はある訳」

 

パルパル「ええ。天上人にはワープ技術があるけど地上人にはまだ無いわ。それが前提だったの。でもその前提を崩す事が起きたのよ」

 

ドラえもん「それって一体?」

 

パルパル「議事堂を襲った地球人たちはピンク色のワープガスを通って警戒厳重な議事堂に侵入してテロ行為をしたみたいなのよ。植物星の科学者がそう断言したわ」

 

ドラえもん「ピンク色のガス?何処かで聞いたような」

 

パルパル「問題はその後だったのよ。天上連邦のヘブ代表が議事堂を襲った犯人が地球人だと証言したのよ。しかも拘束された襲撃者の一人はあなた達の作った王国を乗っ取った密猟者の一人だったのよ」

 

静香「えっ!?あの密猟者は確か」

 

パルパル「天上国の記憶を消した上で密猟者としての証拠を持たせて地上に引き渡したと聞いていたけどそうでは無かったのね」

 

のび太「あんな密猟者にそんな事が出来るなんて思わないけどなあ」

 

パルパル「私も同意見よ。問題なのはここからなのよ。星間連合総会に参加していたヘブ代表が密猟者を地球人だと断言したわ。それと私たちも知らなかった事を翌日には言い始めたのよ」

 

静香「何を言い始めたんですか?」

 

パルパル「テロを行ったのは地球に住む地上人。地上人はかつて宇宙を支配しようと宇宙戦争を引き起こした悪魔の種族、ニムゲ人の末裔で復讐戦を仕掛けたんだろうと」

 

ドラえもん、のび太、静香「えっ!?」

 

 ニムゲと言うワードを聞いてドラえもん達は思い出していた。

 

のび太「そうか!?思い出した!ピンク色のガス!?」

 

静香「もしかして!?」

 

ドラえもん「あっ!? でもあり得ないよ・・・・・。どこでもガスは地球じゃまだ発明されていない筈!?」

 

パルパル「あなた達はあのワープガスの事を知っているの!?」

 

ドラえもん「一応は・・・・・」

 

 ドラえもんはパルパルにアニマル星での冒険を伝えた。

(大長編 ドラえもん のび太とアニマル惑星より)

 

パルパル「そんな事があったのね。でも話を聞く限りじゃワープガスは地上人が作った訳でもあなた達が作った訳でもないのよね?」

 

ドラえもん「アニマル星に残ったのは僕らが使い切ってしまったし」

 

静香「それより地上人がニムゲ人の末裔ってどう言う事なんですか?」

 

パルパル「それは・・・・・。天上国で見せたミュージカル天国の誕生を覚えている?」

 

静香「はい。覚えてます。確か平和な国に住んでいた人たちが戦争好きな三つの国に攻められて滅亡寸前の際に神様の手で雲の上に新しい大地を見出してそこに移住。その人たちが天上人の先祖となり、天上国を奪おうと塔を作った地上人は洪水で洗い流されたと・・・・・」

 

パルパル「ミュージカルではそうなっているわね・・・・・。でも本当の所は誰にも分からないのよ」

 

静香「どう言う事ですか?」

 

パルパル「天上連邦では歴史教育はされないし資料も無いのよ」

 

のび太「え?」

 

パルパル「歴史を知りたければ資格試験が必要なのよ。歴史閲覧に関する。でも面倒な資格だし閲覧許可が下りるのは5年に一度よ。だから天上人の間では歴史への興味は薄いわ」

 

静香「それって。何だか過去を探られるのを嫌がっているって感じですね」

 

パルパル「そうね。話を戻すと臨時総会を襲った地球人の一人は捕らえたんだけど問題だったのは星間連合。いえ。古くは星間連盟と言われた組織の大昔の忘れられた記録にあった侵略者ニムゲのDNAとテロを起こした地上人のDNAが種族として一致してしまったのよ」

 

ドラえもん「DNAが一致?そんなバカな!?地球人は地球で生まれて進化した筈だよ」

 

パルパル「でも一致してしまったのよ。誤差の範囲もニムゲと人間が同一種族だと示していたわ。ここぞとばかりにヘブ代表は各惑星で頻発している自爆テロも地上人の仕業だと宣言したわ。その為にノア計画への賛同を求めて星間連合は今、混乱状態にあるわ。けど自爆テロで被害を被った幾つかの星はその状況でも天上人にノア計画への援助を始めてしまったわ」

 

のび太「ノア計画だって!?」

 

静香「あの計画は中止になった筈じゃ」

 

パルパル「地上人が侵略者ニムゲの末裔である以上、ノア計画で懲らしめる必要があるとタカ派のヘブ代表は支持を訴えていたわ。ハト派(穏健派)の私はノア計画を止める為に地球に戻ったのよ」

 

静香「そうだったんですね」

 

パルパル「地上人が本当に侵略者ニムゲの末裔なのか。南極にはその答えを示す天上人の施設があるわ」

 

静香「南極に天上人の施設があるんですか?」

 

パルパル「南極のハンプトン山にある天上人の秘密基地には天上連邦のマザーコンピューターの一つ、記録と忘却を司る《レテ》には天上連邦が始まってから全ての記録があるとされているわ」

 

のび太「でもそのレテの記憶も消されていたら」

 

パルパル「それはあり得ないの。天上連邦の政策は12のマザーコンピューターによる合議と政府機関での調整によって政策を決めているわ。マザーコンピューターのデータには天上連邦の如何なる役職だろうと記録の消去は出来ない様にされているの。その代わり開示に関しては複雑な手続きが必要なのよね」

 

ドラえもん「だとしたらどうやって記録を調べるのさ?」

 

パルパル「それに関しては私に考えがあるわ」

 

のび太「どんな考えなの?」

 

パルパル「現地に付いたら説明するわ」

 

ドラえもん「どうやら到着したらしいよ」

 

モニターを見ていたドラえもんがそう言った。

 

のび太「じゃあ直ぐに乗り込もう!」

 

ドラえもん「まあ待って。これで様子をみよう。創生セットのUFOカメラ!」

 

のび太「懐かしいね」

 

ドラえもん「これでハンプトン山周辺を覗いて見よう」

 

 専用操舵機付きモニターを出しながらドラえもんはUFOカメラを操作した。

 

ドラえもん「場所は何処なの?」

 

パルパル「ハンプトン山の頂上付近。そこに万一の為に非常口がある筈よ」

 

ドラえもん「よし!」

 

 UFOカメラは直ぐにハンプトン山の頂上に辿り着いた。

 

ドラえもん「センサーの反応は・・・・・。あった!ここに扉みたいなのがあるよ!」

 

静香「じゃあそこからなら」

 

ドラえもん「中に入れるよ」

 

のび太「行こう!」

 

ドラえもん「じゃあハンプトン山まではこれを使おう!創生セットの神さま雲!これは外見が雲そのものだからこれに乗って近付こう。それとテキオー灯とあべこべクリームをつかっておこう」

 

 ドラえもん達はテキオー灯とあべこべクリームを使うとラジコンぬいぐるみのクジラをしまって神さま雲に乗り換えてハンプトン山の頂上近辺にある天上連邦秘密基地の非常口に辿り着いた。

 

パルパル「ここね・・・・・・」

 

ドラえもん「それじゃあ、通り抜けフープ!」

 

パルパル「行きましょう」

 

 非常口に取り付けた通り抜けフープを通ってドラえもん達は遂に天上連邦の秘密基地へと侵入を果たした。

 

のび太「ジャイアン。待ってて!」

 

 

 

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