ドラえもんのび太の地球開放記   作:ジャックノルテ

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□15~16

□15 南極 ハンプトン山 天上連邦秘密基地《レテ》アクセスルーム

 

 

ズル木「今こそ天上人は過去と決別すべき時。惑星ニムゲを破壊して地上人を粛清するのだ!」

 

スネ夫「・・・・・・・・」

 

パルパル「なんて事を!?」

 

ズル木「現在の星間連合法に乗っ取れば各地の惑星で自爆テロを起こしている地球人はかつて宇宙を支配しようとしたニムゲ人の末裔だ。星間連合法ではニムゲ人に関係のある生物ならば絶滅させる事もやむを得ないしその行動も全て認められるとされている。だからこそ我々天上連邦は星間連合法に則って宇宙を救う為に地上人をノア計画で絶滅させ惑星ニムゲも破壊する!ボクたちは法律に則っているんだよ。パルパル。君は十分に役に立ったよ」

 

パルパル「あなた達の役に立とうなんて思わないわ!」

 

ズル木「ふっふっふっふ。あなただって天上人なんだ。それに我々はあなたが《レテ》の集めた記録を得られた事の秘密を知っているよ」

 

パルパル「えっ」

 

 ズル木の言葉にパルパルの表情が曇る。

 

ズル木「最もそれは我々にはどうでも良い事だよ。さて。そろそろ失礼するよ。ボクらはノア計画に惑星ニムゲも破壊しなければいけないからね」

 

ドラえもん「そんな事はさせないぞ!」

 

のび太「そうだよ!」

 

 のび太が改めてズル木とスネ夫に空気砲を向ける。

 

ズル木「野比君。君は丸腰の相手に武器を向ける程頭が悪いのかい?」

 

のび太「くっ・・・・・・」

 

ズル木「まあ良いさ。ボクには切り札があるからね」

 

 ズル木が指を鳴らすと同時に部屋へ次々と銃を持った天上人が数人入って来た。

その天上人たちは全員がUFOの様なヘルメットに先端から伸びたチョウチンアンコウの額に付いている誘引突起の様なカメラが付いているヘルメットを被っていた。

 

のび太「あれって!?」

 

パルパル「気を付けて!あれは下級天上人よ!」

 

下級天上人は次々と4人に持っていた銃で攻撃して来る。

4人も咄嗟に物陰に隠れて応戦するがバラバラに分かれてしまった。

 

のび太「この!」

 

 直ぐにのび太は次々と下級天上人を撃ち倒していた。

 

ズル木「全員パルパルだけを狙え!他は構うな!」

 

 ズル木はそう言いながらスネ夫と共にアクセスルームを出て行った。

 下級天上人たちはまるでロボットの様に損害をお構いなしにパルパルに向かって行く。

 

のび太「そうはさせないぞ!」

 

 のび太は下級天上人の武器を撃ち落としてから改めて空気砲を命中させて下級天上人を気絶させた。

 パルパルに攻撃が当たる事を案じたからだ。

 

のび太「流石に時間がかかっちゃったな」

 

ドラえもん「それでも十分に速いよ」

 

静香「みんな!ズル木さん達が!」

 

 だがその為にズル木とスネ夫の逃亡を許してしまった。

 

パルパル「きっと格納庫に向かったのよ」

 

のび太「格納庫はどっち?」

 

パルパル「こっちよ!」

 

 4人はズル木たちを追って格納庫へ向かって走る。

 

静香「あのパルパルさん。さっきの下級天上人って」

 

パルパル「彼らは遺伝子的に労働者として判断された天上人なのよ」

 

静香「えっ?」

 

パルパル「天上連邦で生まれた人は作られた時に何もかもが決まっているのよ」

 

静香「作られた?」

 

パルパル「天上連邦で人間は人工的に工場で生産されているのよ。あなたたちの様に両親から産まれる訳じゃ無いわ。私もそうだもの」

 

静香「・・・・・・」

 

 パルパルは当たり前の様に言ったが余りの衝撃に静香は押し黙った。

 

ドラえもん「じゃあ下級天上人って言うのは」

 

パルパル「兵士や単純労働の為に作られた専用の人間よ。それでも人の思考や感情は思わぬ動きをする時があるわ。だからあのヘルメット、Yシステムで思考を押さえているのよ」

 

静香「・・・・・・。そんなの間違っていると思います」

 

パルパル「そうね。宇宙的に見てもそんな事をしているのは天上人だけだったわ」

 

静香「だったら」

 

パルパル「だから私たち穏健派はこうやって戦っているのよ」

 

のび太「あれは!!」

 

 格納庫に辿り着いた4人の前でズル木とスネ夫がまさにUFOに乗り込もうとしている所だった。

 

ドラえもん「マズい!」

 

 ドラえもんの一声と同時にのび太の空気砲がズル木とスネ夫の頬を掠めた。

 

のび太「動くな!」

 

ズル木「チッ。予想より速い・・・・・」

 

スネ夫「・・・・・・。だからあれじゃ足りないって」

 

 ズル木とスネ夫は流石にのび太の射撃能力を学習したのか無駄な抵抗しなかった。

 

ズル木「・・・・・。それでボクをどうするつもりだい?」

 

パルパル「惑星ニムゲの破壊はさせないわ。それに再度のノア計画も」

 

ズル木「ふむふむ。それで?」

 

パルパル「ノア計画の基地は何処なの?ノア計画の設備は全て資源にリサイクルした上で天上人は植物星への移民が出来たのよ。設備が無いのにどうやってノア計画を」

 

ズル木「ああ。そう言う事か。ノア計画の基地と設備は北極の上空にあるよ」

 

パルパル「北極!?でも北極に天上州は無い筈」

 

 あっさりと重大な事を話したズル木にパルパルは違和感を覚えていた。

 

ズル木「太平洋にあるほぼ無人の中央州と絶滅動物保護州に第2エネルギー州。今の天上州はこの三つしかない事になっているね。と言っても北極には最古に作られて上層階級しか知らない隠されていた天上州、ノア州が北極にあるからね」

 

パルパル「そんな短期間で一度中断した計画が」

 

ズル木「ドラえもん君のお陰で直ぐに計画は再会出来たんだよ」

 

ドラえもん「ボクの!?」

 

ズル木「君が雲の王国を作り出した道具を全て回収する事に成功したんだよ」

 

ドラえもん「まさか!?」

 

ズル木「雲もどしガスは雲で出来た物だけを元の雲に戻すんだろう?だったら雲で出来ていない物はそのまま落下するだけだろう?天上人の技術なら雲の上から落下する異物を全て回収する事は容易さ」

 

ドラえもん「しまったぁ!?」

 

ズル木「君の便利な道具のお陰で既に新たなノア計画は北極でスタートしている。それに・・・・・。ボクをこのままにしていいのかな?既に惑星ニムゲの座標は上に伝えたよ。既に艦隊が惑星ニムゲに向かっている」

 

パルパル「まさか」

 

ズル木「忘れたのかい?この制服にはボディカメラが内蔵されている」

 

ドラえもん「マズい!?ノア計画も止めなきゃいけない」

 

パルパル「それに惑星ニムゲが」

 

 ドラえもん達が慌てているのを余所にズル木はUFOに乗り込もうとしたが再びズル木の頬をのび太の空気砲が掠めた。

 

のび太「逃がさないぞ!」

 

ズル木「チッ」

 

スネ夫「・・・・・・」

 

??「どうやらお困りの様だね。木鳥君」

 

 突然、天井にあるスピーカーからその場に聞き覚えのある声が響く。

 

のび太「この声は」

 

ズル木「出木杉!?」

 

スネ夫(やっぱり・・・・・)

 

??=出木杉スピーカー「野比君。静香君。それにドラえもん君。君達は大切な事を忘れていないかい?」

 

静香「えっ?」

 

出木杉スピーカー「剛田君はこちらが預かっていると言う事だよ」

 

のび太「しまった!?ジャイアンは何処に」

 

出木杉スピーカー「剛田君はこの基地の地下室にいるよ」

 

ドラえもん「直ぐに助けに行かないと」

 

パルパル「この二人は私が見張って」

 

出木杉スピーカー「そうはいかない。君達は木鳥君と骨川君を自由にするんだ。全員で剛田君を助けに行かなければ剛田君のいる部屋に毒ガスを発射する」

 

ドラえもん「何だって!?」

 

のび太「ドラえもん・・・・・」

 

静香「ドラちゃん!武さんを」

 

パルパル「悔しいけど仕方ないわね・・・・・・」

 

ズル木「名誉天上人如きに助けられるなんてね・・・・・。行くよ。スネ夫君」

 

スネ夫「分かったよ・・・・・・」

 

 ズル木とスネ夫はUFOに乗ってその場から離脱した。

 

パルパル(名誉?もしかして・・・・・・)

 

出木杉スピーカー「ありがとう。これで剛田君の無事は確定したよ。これから僕が開くエレベーターに乗れば剛田君のいる地下牢に辿り着くよ。牢まで敵はいないから安心して進めば良い」

 

 壁際にあるエレベーターの入り口が一つだけ開いた。

 

出木杉スピーカー「言っておくけど僕も既にこの場にはいないから探しても無駄だよ」

 

ドラえもん「ジャイアンを助けに行こう!」

 

静香「出木杉さんが敵になるなんて・・・・・」

 

のび太「信じられないよ」

 

パルパル「急ぎましょう」

 

 4人はエレベーターに乗ってジャイアンのいる地下牢に向かった。

 

 

□16 チャモチャ星 宇宙空港

 

 ドラえもんのび太とブリキの迷宮より

 

 チャモチャ星。

 この星はかつてナポギストラー一世と言うロボットの反乱によって人間とロボットの主従関係が逆転して人間が支配されていた。

 サピオ・ブリーキンが地球から連れて来たドラえもん達5人の協力でナポギストラー一世の独裁体制は打倒され再び人間が主導権を取り戻していた。

 皮肉にもナポギストラー一世は自分以外のロボットを支配する為にはイメコン、イメージコントロールシステムで繋げた事で独裁体制を維持していた為にナポギストラー一世にコンピューターウイルスを感染させる事でイメコンに繋がっていた全てのロボットは機能停止した。

 つまり結局の所、ナポギストラー一世の独裁体制は自身と思考を共有したロボットによる一種の箱庭の様な環境だった。

 サピオの父であるガリオン侯爵の指導の下でチャモチャ星人はもう一度、人が人として生きられる社会を作り出そうと歩み出していた。

 またチャモチャ星にはイメコンと繋がっていない旧式の独立した思考を持つロボットがおり、ガリオン侯爵に仕えていたブリキン、ピエロ、密かに辺境にナポギストラーから隠れていたサンタクロースを初めとした良識のある旧式のロボットたちが協力した事でチャモチャ星の復興はゆっくりと確実に一歩一歩進んでいた。

 またナポギストラー一世の反乱直前に進められていた星間連合への加入申請も再開されて星間連合から派遣された銀河漂流船団所属の宇宙少年騎士団が復興活動の援助を行っていた。

 なおナポギストラー一世の反乱時に星間連合が動かなかったのは加入申請中だった事を利用してナポギストラー一世が加入を見送ると言う手続きをしてしまっていた。

 銀河漂流船団は近年、星間連合と接触して開拓星の調査協力と引き換えに星間連合に加入していた。

 宇宙少年騎士団が主に行っていたのは地上にある宇宙空港における宇宙船の発着の補助を担当していた。

 今日もリアン、フレイヤ、ゴロゴロ、データロボットのログは宇宙空港で発着の補助を行っていた。

 

リアン「これで今日の発着は終了だね」

 

ゴロゴロ「ゴロゴロ!」

 

 ゴロゴロとしか喋れないゴロゴロも仕事が終わり安堵した様子を見せていた。

 

フレイヤ「天上連邦のリサイクル船のお陰で少年騎士団は空港発着の補助に集中できるから良いんだけど・・・・・」

 

 小さな妖精と言える姿をしたフレイヤが不安そうな表情を見せていた。

 

リアン「どうしたんだい?フレイヤ」

 

フレイヤ「実はリーベルト司令官が言っていたのよ。天上連邦が独立軍で使用していたバトルシップや独立軍の移動基地や小惑星基地をリサイクルの為に引き取っているって」

 

リアン「それに何か問題があるのかい?」

 

ログ「ソレガ他ノ星デモ同ジヨウナ事ヲ頻繁ニシテイルッテ報告ガ入ッテルデス。ビビ」

 

フレイヤ「特に悪名高いガルタイト工業からコア破壊装置を引き取ったと言うのは驚きだったわ」

 

リアン「コア破壊装置だって!?」

 

 コア破壊装置とは星のコアにエネルギーを送り地殻変動を起こして星を破壊する星間連合では所有するだけでも違法となる装置だった。

 

フレイヤ「星間連合からの依頼で引き取ったらしいわ。最もコア破壊装置自体はエネルギー炉として再利用する事も可能だからおかしくは無いんだけど・・・・・」

 

リアン「でもそんなに兵器を集めてリサイクルするなんて・・・・・。彼らはそんなにリサイクルの技術に優れているのかい?」

 

ログ「特ニソウイウ話ハ聞イタ事ガ」

 

 ログが答えようとした時に空港全体にピンク色のガスが発生した。

 

リアン「なんだ!?」

 

ログ「データデハ未知ノガスダト。ビビ」

 

ゴロゴロ「ゴロゴロ!」

 

 ゴロゴロが慌てて一方の方向を差すとそこでは爆発が起こっていた。

 

フレイヤ「直ぐに消化しないと!?」

 

 フレイヤは咄嗟に空港に設置されていた非常ベルを鳴らし始めた。

 直ぐに空港に配備された他の少年騎士団の小型船スタークラブが消火活動に当たっていた。

 

リアン「一体何が・・・・・」

 

フレイヤ「もしかして銀河ニュースで報道されてた自爆テロ!?」

 

ログ「ソウカモ知レナイ・・・・・。ビビ」

 

ゴロゴロ「ゴロゴロ・・・・・」

 

 

 

 チャモチャ星新メカポリスにある政府官邸にも自爆テロの情報が知らされていた。

 

アンラック王「この星に自爆テロが起こるとは・・・・・。星間連合に加入したからこんな事になったのか・・・・・」

 

ガリオン侯爵「しかしアンラック王。星間連合からの食糧援助が無ければ3カ月以内に我々は食料不足に陥っていました。星間連合からの援助は必要でした」

 

 ナポギストラー一世が打倒された際にメカポリス近郊にあった食料生産工場は無事だったが原材料を加工する工場が破壊されていたのだ。

 

アンラック王「これで良いのだろうか・・・・・」

 

ガリオン侯爵「何かが起こるのは当然の事です。だからこそ我々はその何かを乗り越えなければならないのです」

 

 ガリオン侯爵は確固たる意志をアンラック王に示していた。

 

 

 

 その頃、ガリオン侯爵の息子であるサピオは再建中のブリキン島にいた。

 傍らには執事ロボットのブリキンと

 

サピオ「このブリキン島の修復が終われば輸送用の貨物船として使う事が出来る。そうすればチャモチャ星への食糧や輸送の助けになる筈なんだ」

 

ブリキン「スデニタテモノハシュウフクシマシタ」

 

ピエロ「荷物ガクレバボクノ仕事ガキマス」

 

タップ「ミンナ疲レテイルミタイダケド頑張ッテクレテルヨ」

 

 ブリキン島にはガリオン侯爵に賛同した技術者の人々がブリキン島の改造作業に従事していた。

 その中にはサピオの母もいた。

 

サピオ「チャモチャ星の復興が終えたその時こそ、ぼくが胸を張って彼らに会う時なんだ」

 

 サピオの心にはかつてチャモチャ星を救った5人の友人の姿が浮かんでいた。

 

 

 




銀河漂流船団と宇宙少年騎士団のメンバーはドラえもんのび太の宇宙漂流記からの登場です。
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