スターウォーズ エピソード3.5 ジェダイの逃走 作:壊れゆく鉄球
フォースに導かれ、地球にたどり着いたが、仲間を裏切ったという罪の意識に苛まれながら
近くにあった島―――日本―――に降り立ったのだった……
ハイパースペースから抜け出したレヴィルの目に『存在しない』惑星が飛び込んできた。そしてハイパードライブ・リングを切り離してデルタ7が得たさまざまなデータに目を通した。近づくにつれて、未知の惑星はナブーに似ているな、とレヴィルは思った。しかし、ナブーと違うのは、ナブーがジャングルに覆われているのに対し、この惑星は様々な地形が組み合わさっていることだった。
「……返ってこないな」
《♩~~?》
「ああ。もしかしたらなにも存在していない、未開の惑星かもしれないな」
《♩~~》
レヴィルは不安そうな声を上げるEZをなだめ、返信が来るのを待った。しかし、数分待ってもなにも来なく、レヴィルは光が灯っている地域―――夜の日本―――に降り立った。
レヴィルは大気圏を通過し、光が灯っている島に少なくとも知的生物が存在することに喜びを覚えた。
しかしだんだんと冷静になっていき、ジェダイ聖堂の生き残っていた仲間を裏切ったという激しい後悔に襲われた。そして、何か気を紛らわせるモノを探しEZに話しかけた。
「……EZ、この惑星の通信か何かを傍受できるか?」
「♩~~」
「よくやった。ホロで出してくれ」
EZは支持した通りにホログラムで映し出す。そして、レヴィルの顔は驚愕の色に染まった。
「言葉がベーシックじゃないのか……?もしかして……。EZ、もっと遠くのほうから受信してくれ」
「♩~~」
《~~~~~》
「思った通りだ……。この惑星は同じ人間しかいないのに文字も言語も統一ができていない。これじゃあ共和国に入っても苦労するぞ。…クッ」
レヴィルは自分の発言に後悔した。裏切った自分にそんなことを口出していい資格はないと。
「EZ。自分は嫌な予感がする。さっきのハイパードライブ・リングをあの衛星に隠してきてくれ。その間に自分は街の様子を確認してくる」
「♩~~」
「済まない、頼んだ」
EZは任せて!というように電子音を鳴らし、デルタ7は上空に上がっていった。それを見届けたレヴィルは、
「文字も自分の知っているものじゃあないな」
レヴィルはテクノロジーはかなり原始的と判断し、EZに言ってリングを隠すよう言ったのは正解だったかもしれないと思った。
「…この格好だと目立つな。どこかで調達するか。まずはEZが戻ってきてからか」
☆
EZが載ったデルタ7が戻ってきて、レヴィルはテンプル・ガードの服装から一般的なジェダイの格好になった。
「やはりこの格好が一番だな。あとは隠遁生活だが……この森の中にいればいいか。文字と言葉は徐々に覚えていくとして………!」
突然、レヴィルの頭の中を恐怖に染まった顔の少女のヴィジョンが駆け巡った。誰かはわからないが、助けを求めている。なら助けるのがジェダイの道だ。そう信じ、レヴィルは思念のおおもとの方角に走り出した。
十数分走り、恐怖の念の根源にたどり着いた。廃墟と思われるビルだ。助けを求めている人物のほかに5,6人の邪な思いもある。
「ライトセーバーは必要ないな。いざとなったらテーアズ・カジで叩きのめせばいい」
そうつぶやき、レヴィルはビルの中に入っていった。ビルの中は荒れており、いろんなゴミなどがあたりに落ちていた。その中にまだ使えそうな衣類があったものの、レヴィルは己のなすことに集中して階段を上がってった。
階段を上っていくと、途中から悲鳴のような叫び声が聞こえてきた。
「やめて!離して!」
「うっせ、オラッ」
「きゃっ!」
服が破れ、腕を掴まれていた少女が叫び、それに怒った男が軽く殴ったところか。レヴィルはそう分析しながらも男たちの格好を見ていた。
(懐は膨らんでない……。ブラスターに類するものは持っていないとみるべきか。だが油断するべきじゃあないな)
「相葉ぁ……おまえほんとかわいいなぁ……」
「な、なにするの…?」
少女を殴った男がベルトに手をかけ、ズボンが下に落ちる。そして出てきたものが少女の顔をゆがませた。さすがにこれ以上は傍観していられないと、レヴィルは飛び出した。
「(さすがにこれ以上の傍観は必要ないな。)
『!?』
「おっと、それ以上ズボンに手をかけなくていい。男の粗末なものは見たくない」
レヴィルはフォースの助けを借り、男たちと同じ
「い、いつの間に!?見たなら生かしちゃおけねえ、おいやるぞ!」
「お、おう!」
男たちはパイプなどを構えるが、レヴィルは手をかざした。
「ちょっと待てよ。少しは落ち着いたらどうだ?」
「そうだな、落ち着こう」
「家に帰って人生をもう少し考えろ」
「ああ、考えるよ」
これはフォースを用いたマインド・トリックだ。レヴィルはただのジェダイ
最後に残った男は今起きたことが理解できていないでいた。奇妙な格好の男が一言二言言っただけで部下が家に帰ったのだ。その事実だけで男の顔は真っ赤に染まり、短絡的な行動に移させた。つまり、忍ばせていたナイフを手に取りレヴィルに切りかかったのだ。
「テメーなにもんだぁ!」
「自分は…ジェダイの騎士だ」
一瞬の間を置きレヴィルは自分がジェダイであることを言う。しかし、――――共和国の存在を知らない男がジェダイ・オーダーの存在を知ることもなく――――――そんなことに気を使う余裕もなく男は切りかかって数秒で地に伏せた。レヴィルがテーアズ・カジでナイフを叩き落し、首元に当て身をしたからだ。しかしレヴィルはそんな男のことはどうでもよく、少女のそばに駆け寄った。
「大丈夫かい?」
レヴィルはそういいながらマントを少女の肩にかける。外は寒かったし、破れた服のまま出すとまたこの少女が襲われるかもしれないからだ。
「ありがと…ございます」
少女は気強く言おうとしたが、レヴィルはフォースで内面に恐怖が残っているのを感じ取った。そこでレヴィルは癒しのフォースを送り恐怖を和らげた。すると少女は手を差し出した。
「手を貸してくれない?腰が抜けちゃって立てないんです」
「わかった、手を貸そう。立てるかな?」
「よいしょっ…と。助けてくれてありがとね…?」
少女は再び礼を言うが、それは先ほどより元気のあるものだった。
「家まで送ろう。また襲われるかもしれない」
「じゃあ家に着いたらご飯一緒に食べようよ!助けてもらったお礼にさ♩」
「あ~しかし…いや、ご一緒させてもらおうかな、レディ?」
「レディなんて…」と言って少女は顔を赤くするが、レヴィルはそんなことを気にも留めず家に行こうと促すのであった。
つづく