スターウォーズ エピソード3.5 ジェダイの逃走   作:壊れゆく鉄球

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地球にまで逃げ落ちたレヴィル。
しかし彼は地球で使える経歴がないことを思い出す。
そこで彼は表裏関係なく情報を集めることにし、賞金稼ぎとして生活費を得ようとするのだった……




賞金稼ぎ レヴィル
レヴィルのビギンズナイト


薄暗い月明かりの下に男が一人走っている。かなりの距離を走ったのか、はたまた体力がないのかは不明だがゼェ…ゼェ…と息を切らしていた。そして近くの路地に入り、趣味性の高いリボルバー―――プファイファー・ツェリスカと呼ばれる世界最強の拳銃。この拳銃は威力を求めて肥大化した本末転倒したものだ。そのため拳銃のはずなのに狙撃体制をとる必要がある―――を構えた。

 

「ボディガードの役立たずめ!高い金を払って雇ったのにあのローブ野郎の侵入を許すとは……!ローブ野郎を仕留めた後で裁判に訴えてやる!」

「その必要はない。あんたは捕まってムショに入るんだからな」

 

その声は建物の上から聞こえた。後ろは月で照らされていて、さらにフードをかぶっているせいで顔は見えない。

 

「!いつの間に!?」

「あんたの性格ならもうそろそろ路地に入るだろうと思ってね」

「死ねぇ!」

「おっと」

 

男が『ローブ野郎』に銃弾を放つ。『ローブ野郎』はひらりとかわし建物\\を飛び降りて男のすぐそばに降り立つ。

男は『ローブ野郎』に拳銃を向けるが、『ローブ野郎』は弾が放たれる前に前転をして回避し、立てあがりざまにバレル部を裏拳で外す。そのまま男に向かって中段付きを決めた。

 

「うっ……」

「懸賞金15000ドル『ドローン』だな?」

「い、命だけは~~!」

「そこまではやらないさ。それは……ジェダイの道じゃあないからな。さて、お縄につこうか」

「うぅ…。こ、ここで捕まるかぁ!」

 

『ローブ野郎』がポーチから手錠を出そうとした瞬間、男がケツポケットからさらに拳銃を取り出した。

 

「死ねぇ!」

パン! …ブォン ジュッ ジュッ

 

引き金を引く。その直前に『ローブ野郎』が手錠から円筒形の物体に持ち替えて『起動』させた。すると円筒形の物体の端から黄色の光刃が現れ、光刃に触れた銃弾は蒸発し、拳銃は真っ二つに切り裂かれた。

 

「ハァッ!」

「タコス!」

 

円筒形の物体はしまいつつ『ローブ野郎』は男に回し蹴りを放つ。男は今起きたことに頭が追い付かず回し蹴りが命中して壁に激突し気絶した。

 

「ドローン確保。当局に引き渡して帰国する」

 

 

『ローブ野郎』ことレヴィル・ヴァスティは某国から賞金を手にして帰国し、貸家の扉を開ける。そこにはレヴィルにとって記憶に新しい人物がいた。

 

カチ ガチャ

「ただいま」

「お帰りなさい♪」

「♩~~」

 

EZと共に迎えたのは『相葉夕美』といい地球に来た当初のレヴィルが暴漢から救った少女(18歳)だ。その後いろいろお世話になり相葉家から離れても時々連絡を取るぐらいの関係を保っていた。

 

「……また来てたのか。君も反省しないな。また襲われても知らないぞ」

「その時はまたレヴィルさんに助けてもらうから!」

「……ハァ」

 

EZが「あきらめろ」と言った風に電子音を鳴らすが無視してテレビをつけ、台所に向かった。

 

「もう何か食べたのか?」

マタユクエフメイシャがデマシタ。サイゴニモクゲキサレタバショニハアラソッタアトガ…

「いやまだだよ?もしかして手料理を食べさせてくれるとか!?」

「そうだ。ついでに言うと食べたら家に帰りなさい。遅くなる前には送ってやる」

「やったー!」

 

現金なヤツめ…、と思いながら冷蔵庫から食材を取り出す。以前相葉夕美の手料理を食べたときはひどかった。マスター・ヨーダと共に食事をした時のような味がしたからだ。それ以来家に来たときは台所に入れさせないようにしていた。

 

「で?なんの用で来たんだ?親御さんからの伝言か?」

ツギノニュースハ・・・ガハントシマ…ジデンパヲ……

「んん。暇だったから遊びに来ちゃった♪レヴィルさんがいなくてもEZちゃんがいるし」

「君は学生なんだろ?少しは勉強しているのか?居候しているときに勉強しているのを見たことないぞ」

「し、してるよ!ちゃんと大学にも入ってるし」

「…それならいいんだけどなぁ。よし、できたぞ。あんまり時間をかけてないがそこまでまずくはないだろ」

 

皿に盛りつけてテーブルに運ぶ。そこにはすでに夕美が待っていた。

 

「待ってました!」

「はいよ。久しぶりだが故郷の料理だ。感想よろしく」

「♩~~」

「ハイハイお前には充電だな。動くなよ」

 

充電ケーブルを取り出してEZにつなげる。すると横から「おいしぃ~~」という声が聞こえてきた。

 

「これ何て名前なの?本当においしいよ!」

「名前…名前かぁ~。レシピは覚えているんだが名前までは……」

「ん~無理に思い出さなくてもいいよ。でも後で教えてねっ!」

「メモに書いとくよ」

 

苦笑しながら答えると、夕美が「そういえば」と言って封筒を差し出した。あて先は必要最低限しかなく誰が送ってきたかわからない。

 

「それポストに入ってたよ?」

「……EZ?」

「♪~~」

 

EZが気まずそうな音を出して顔?をそらした。レヴィルは「ハァ…」とため息をして封を切る。中身は1枚の手紙が入っていた。

 

「何々……いやな予感がする」

「なんて書いてあったの?」

「仕事の依頼だ。明日出る」

「そう…」

「…仕事が早めに終わるよう努力はする。御馳走様」

「うん!ってはや!」

 

 

ブゥーーーン ブンブンブン

 

バイクを駐輪場に置き、目的地に向かう。今回の仕事はとある工場の潜入だ。最近かなり急に成長したらしくライバル会社がその調査を依頼してきたのだ。

 

「地図によるとここらへんだが……?」

 

ういった直後に件の会社のロゴマークと工場を発見する。工場は大きく、かなりの敷地があった。

 

「こういったところはだいたい工場見学しているからな。まずは正面から入ってみようか」

 

場の中に入り受付に話しかける。格好は今回は偵察ということもありスーツ姿である。これで変に疑われることはない…ハズである。

 

「申し訳ない。弊社の記事を書くために工場の見学に来たアンダーソンなのですが……」

「少々お待ちを」

 

付がパソコンを使いスケジュールを確認する。10秒後「どうぞこちらへ」と受付が案内しだした。

 

 

「―――――なるほど、この工場ではUSBメモリなどの記録装置を制作していると」

「そうです。ほかの会社とは違い性能は段違いです。…その分少々お高くなっていますが」

「しかし買う価値はあると」

 

そうです」と言わんばかりに目の前の男―――工場長―――はうなずいた。

 

「しかしこの工場は大きいですねぇ。年に何万本出荷されるんですか?」

「いやあほかの工場と大して変わりません。違うのは、ココでは新商品の開発も行っているんですよ」

「ほぉ。その新商品を見せていただくことは?」

「……いいでしょう。こちらへどうぞ」

(調査のためだ。フォースを使うのもやむ無しだろう。うん)

 

工場長は奥の扉に入る。レヴィルもそれに続く。すると先ほどの区画とは違い小部屋が多くなった。おそらくはこのほとんどの部屋で開発を行っているのだろう。

 

「今開発しているのはこの小型の通信機器です。電話のみに対応しているのでこの大きさまでの小型化に成功しました」

「!?」

 

それはどう見てもレヴィルが所持しているコムリンクと同じ姿をしていた。若干大きくなっているが、それは電話番号を入力するためだろう。

 

「……これは革新的じゃあないですか。これが発売されれば世界が変わるかも」

「ええ。私もそう思っています」

 

コムリンク似の電話の説明を受けた後、レヴィルは「ありがとうございました」などと言い工場を後にした。

 

 

「さて、作戦開始だ。…慎ましくな」

 

調査を行った日の夜、レヴィルは同じ工場に来ていた。あの工場にはまだ行っていない区画がある。そこを見に行くのだ。工場の情報はハッキングをしたEZから受け取っている。しかし、レヴィルが工場見学の際にみた地下にある区画が載っていなかった。そしてそこで行われているであろうことも。ただの資材置き場であればそれでいい。しかし、レヴィルのカンは何かが起きていると言っていた。

 

「いやな予感がする。いや、漠然とした恐怖か?まあいい。それを今暴けばいい」

 

昼間とは違って真正面から入ることはせず、監視カメラの死角をついてフェンスを飛び越えて敷地内に入る。そのまま工場の壁に張り付いて監視カメラをやり過ごしながらフォースを使って内部に潜入した。

 

「あ~そうだ。EZに言って監視カメラを止めてもらえばよかった。この癖はあの時から変わっていない」

 

思い起こしてEZに連絡を取ろうとして断念する。1回だけならまだしも、監視カメラがある場所を通るたびに機能不全を起こしてはそこに侵入していることをばらしているも同然だ。仕方がなく、レヴィルは監視カメラをよけながら地下への入り口を通過した。

入り口を通過し、階段を使って謎の地下に入る。そこは「表」であろう工場とは違い、電気がついていた。そのおかげで光源用にライトセーバーを起動させなくて済むのだが通路がまっすぐで遮蔽物がない。そのため常にライトセーバーに手を伸ばしていた。

 

「何かしら機械の稼働音が聞こえる。それになんか苦痛を感じる。奥で何が起きているんだ?」

 

奥に扉があり、扉を小さく開ける。そこはパイプが張り巡らされ、稼働しているベルトコンベヤーと従業員であろう人たちが働いていた。

 

「何をやっているんだ?」

 

そう疑問に思い、フォースで手を伸ばしてコンベヤーに載っているものを引き寄せる。

 

「USBメモリ?しかしこの先端にあるイニシャルはなんだ?」

 

引き寄せたUSBメモリには『T』と書かれていた。それに通常のUSBメモリより強いフォースを感じる。

 

「何かわからないが、この工場が成長のカギだったようだな。データを取ったあとはこの『苦痛』の根源を解決して撤退だな」

 

頭の中に手順を描きだし、制御室を目指した。

物陰から物陰へと移動して人目につかないように行動する。その途中、電気コネクタを発見する。

 

「おっと。あれは使える。EZ!準備してくれ」

《♩~~》

 

コムリンクに発見した電気コネクタに対応するコネクタを接続し、フォースを使って電気コネクタに送った。部屋が暗いのも相まってバレルことはなかった。

 

「……接続した。EZ頑張ってくれ」

 

そう言い残し先に進む。

 

「さてこの苦痛は奥の部屋からなんだが……どうやって行こうかな」

 

苦痛の源はUSBメモリを制作している方向にあった。そこは従業員が多く、物陰から移動しても見つかるリスクが大きかった。どうしようか悩んでいると、奥から声が聞こえてきた。一つは聞き覚えがある。工場長だ。だがもう一人は誰だ?レヴィルは聞き耳を立てた。

 

『試作したロストドライバー対応型ガイアメモリの被検体がまた気絶したって?』

『え、ええ別の者を使ったのですが適合しなくて……』

『まったく次が最後のチャンスよ。じゃなかったらまた人事異動が起きるかも』

『え!?ま、待ってくだ―――』

「よし、偉いのがいるときはほかに目を向ける余裕はない。上のパイプから行こう」

 

レヴィルはフォースに感謝した。何かをに落胆しても、それを埋め合わせる何かをフォースは与えてくれる。だからフォースは奥深い。

フォースを利用したジャンプでパイプの上に乗っかり先の通った幹部を観察する。視線に鋭いのか、時々こちらを見てくる。

厄介だな。そう思ったとき、予備のコムリンクが鳴った。これはEZが何か重大なことを伝えるときに使われる番号だった。

 

「どうしたEZ」

《♩~~》

「伝えたいことがあるって?」

《♩~~》

「わかった。タブレットにつなげる」

 

EZの指示通りにコムリンクをタブレットに接続する。すると工場から得たのであろう情報がタブレットに表示された。

「なるほど、この地下工場の地図か。でもほかにもあるんだろ?」

《♩~~》

「りょ~かい。帰ったら閲覧する。で?言いたいのはなんだ?」

 

タブレットにダウンロードされたファイルがEZによって操作され地図の2か所がマーキングされた。

 

「これは?」

《♩~~》

「なるほど。さっき言ってた苦痛の源―――というよりは被験者か―――とこのUSBメモリの製造者?がいるのか」

 

EZが自信満々に「そうだ」と言わんばかりに鳴らしレヴィルは「そうか」と言って考え込んだ。

 

「……製作者は後にしよう。今は被験者を助ける」

 

工場長たちは製作者のほうに向かった。これは好都合。従業員はそっちをちらちら見ている。

レヴィルはパイプから飛び降り、従業員の目を盗んで移動し何とか従業員には見つからずに扉のもうちょっとまで来た。通路を右に行けばいいのだが、扉には警備員が見張っていた。

 

「警備員がいるってことはそれほど重要なものがあるのか」

「誰だお前h{ドン}」

「!?なn{ドン}」

 

警備員の前に立ち相手が言い終わる前にフォースを使って壁にたたきつけた。

 

「悪いな。これ仕事なんでn{ガチャ}?{ガチャ ガチャ}……開かない」

 

どうやらこれはカードキーがなければ開かないらしい。ハァ、とため息をついてライトセーバーを起動した。

 

ジュッ~

「これでは入れる」

 

円形に穴をあけ中に入る。中はデータ収集用の部屋なのか入った部屋の奥にはガラスがありそこから下の実験場を観察できるようになっていた。

 

「たぶんさっき言ってた『被検体』ってのはたぶん下にいるんだよな……」

 

そうつぶやきガラスまで走り出す。ガラスからのぞくと、下には女性が拘束されていた。女性には特徴的なベルトがついている。

 

「おっと。考えている場合じゃないな。助けないと」

 

階段がなく、ライトセーバーで大きめに切って下に飛び降りる。女性に近づきフォースを使って拘束錠を外した。

 

「おい。大丈夫か?」

「ん……ん!?あなたは誰!?」

ビービー

「おっと申し訳ない。たまたまこの施設に来た…ジェダイだ」

「ジェダイ?」

「そこは今はどうでもいい。立てるか?」

「え…ええ」

ビービー

「ココで起きたことは帰ったら聞かせてもらう。ああ、それと帰る前にちょっと寄り道させてもらうぞ」

「いいですけど……ちょっとこの抱え方は!」

 

恥ずかしがっている女性を抱え上げ、フォース・ジャンプをして先ほどの部屋に戻った。

 

ビービー

「なんだEZ!しつこいぞ!」

《♩~~!》

「え?異常に気づいて誰か「おや、何かあるって聞いたらゴキブリがいるじゃないか。しかも大事な被検体を連れて」来たようだな」

「あ、あなたは!」

 

来たのは工場長だった。異常聞きつけたのか来たらしい。それになんか覆面をした黒服が5人いる。レヴィルはただ事ではないと感じ取りコムリンクをしまいライトセーバーを起動させる。

 

「お嬢さん、自分があいつらの気を引く。合図を出したらこの部屋を出て逃げるんだ」

「は、はい!」

《レーザー》

「ひっ」

「ほう。地球も捨てたもんじゃないな」

 

工場長はベルトコンベアにあったものと同じ形のUSBメモリを取り出し掌に当てた。その瞬間、工場長は謎の生物に『変身』した。

 

「この工場の秘密を知られたんだ。目撃者は生かしておけないよ」

「そういわれたことは何度もある。しかし自分はそのたびに生きて帰ってきたぞ」

「ヤレェ!」

 

覆面集団は拳銃を持ち出しレヴィルに発砲する。レヴィルはできる限りよけ、体に当たる奴だけを切った。

 

「キサマもドーパントか!」

ビュン

「いいや、自分は生まれ持った姿だぜ。あんたとは違ってな」

ブン ジュ

「はじいた!?」

 

ドーパントとやらが放ったレーザーを一番近くにいた覆面に偏向する。すると命中した覆面は爆発して消滅した。

 

「どうやらあんたのレーザーは自分には効かないようだな。ん?」

「なめやがって~~~!」

ビュビュビュビュビュビュン

「これは厄介だ」

 

ドーパントはレーザーを連射して撃って来た。さすがに何度も撃つことになると反動がでかいのか直撃コースは少ない。しかし数が多く敵にはじき返す余裕はなく後退を強いられた。

 

「別ルートで逃走しよう。捕まって」

「はいィ。ってこれお姫様だ―――きゃっ」

「落ちつけ」

 

フォースで女性の恐怖を和らげながら作った()から階下に降りる。敵が下りてくる前に出口を作り通路に出た。しかし先には覆面が10人ほどいた。

 

「EZ!ナビゲートしてくれ!」

《♩~~》

「その声が今は頼もしいよ。目をつぶって!」

ブンブンブン

「え?」

パリン ピカァ

 

ライトセーバーで銃弾を切りながらポーチから閃光玉取り出し覆面に投げる。閃光玉は覆面から1mぐらい手前で破裂し閃光をまき散らした。視力が回復する前にレヴィルは切り伏せて先に進む。

 

「EZ予定通りに製作者にところまで案内してくれ」

 

了解のさえずりと共にタブレットに新たな情報がダウンロードされる。

 

「済まないな。もう少し付き合ってもらうぞ。あ、ええと…?」

茄子(かこ)、鷹富士茄子です♪」

 

名前の時だけでもちゃんと言おうと思ったのか先ほどより元気があった。レヴィルは「では鷹富士さん、後ろに下がっていてくれよ?」と言ってライトセーバーを構える。その目線の先にはレーザー・ドーパントがいた。

 

「随分と部下をやっちゃってくれるじゃないか。『フード』君?」

「こっちもなるたけコイツを使いたくはないんだがねぇ」

「減らず口を!」

「そっちもな!」

再び撃ってくるレーザーを偏向しながら今度は接近する。敵の武器を破壊すれば逃走が容易になるからだ。

 

「く、来るな!」

「目撃者は生かしておけないんだろ?なら接近してまでも自分を倒さないとなあ」

「そ、そうだった!って武器が!?」

「ちょっと寝てろ」

「ぬわっ」

 

腕に生えている銃口を切り落としフォースで壁にたたきつける。気絶したのか頭が垂れた。

 

「今のうちに!」

「はい!」

 

 

 

その後は運よく敵と会わずに進むことができた。EZが攪乱工作してくれたのかもしれない。ともかく、製作者はこの扉の奥にいるはずだ。レヴィルはライトセーバーで切って中に入った。

部屋の奥に少年がいる。少年を視界に収めたとき、レヴィルの脳裏にとあるヴィジョンが映し出された。この少年の姿が、撃たれる男が、最後に緑と黒のドーパントが現れてヴィジョンは終わった。

 

「君があのUSBメモリの製作者か」

「そうだけど?何か用かな」

「いや、何でもない」

 

レヴィルは見たヴィジョンから判断する。この子は救われる。ならココから連れ出す必要はない。踵を返した。その直後「ああっと。その前に」レヴィルは少年に語り掛けた。

 

「まだ何か?」

「君は人生の転機を迎える。それまでに、『自分の罪』を数えるんだな」

「は?なんの―――」

「鷹富士さん帰りましょう。いつここにヤツらが来るかわからない」

「え?あ、はい!」

「あら、もう帰るの?もうちょっと、楽しんで生きないさいよ!」

ボン ボン

「おや、ほかにもいたようだな」

ブンブン

 

余裕そうに言うがレヴィルの首筋には汗が1本滴ったっていた。実力は自分と互角か。だとしたら守りながら戦うのは厳しい。瞬時に判断して閃光玉を投げつける。しかし閃光をまき散らす前にドーパントは閃光玉を破壊した。

 

「やっと追いついたぞ『ローブ野郎』!」

「これはこれは。だったら追加だな。いくぞ!」

「ま、待って―――」

 

手持ちにあった残りの3個全て投げて茄子の手を掴んで逃走する。新たに現れた虫のようなドーパントは閃光玉を2つまで破壊するが、残りの1つを破壊する寸前で閃光玉は破裂して閃光をまき散らした。

 

「ああああ!目が!目がァ!」

「小癪なァ!」

 

ドーパントを無視して逃走する。途中で覆面集団に会うもののそれを軽くあしらう。

出口まであと半分といったところで茄子は口を開いた。

 

「あの子ほっといてよかったんですか?」

「…あの子はあのUSBメモリの製作者だ。簡単には始末されない。それに」

「それに?」

「あの子は救われる。自分ではなく。別の人に。それがあの子の運命」

「運命?」

「そうだ。これは変えてはいけない流れ。それを感じ取った」

「むぅ」

「話はここまでだ。後もう少しで帰れる。それまで「そこまでだ!」…もう来たのか。思っていたより早かったな」

 

2体のドーパントと覆面が再び立ちはだかる。レヴィルは本気で相手をしないとやられると思い、ライトセーバーのもう片方からも光刃を出した。そこで茄子が「あ、そうだ!」と叫び巻いてあったベルトをレヴィルの腰に巻き付ける。

 

「おい!なにやってんだ!」

「たぶんこうすれば……!」

 

茄子がベルトをいじり、ベルトが《ガーディアン!》と音声を鳴らす。するとレヴィルの体を何かが覆い始めた。

 

「お、おい!なにが起きているんだ!?」

「『ガイアメモリ』が反応した!?あの男に……!」

「自分が『変身』した…?」

 

レヴィルが自分の体を見る。体は全体的にみるとマンダロリアン・アーマーにジェダイローブを組み合わせたような姿だ。武器はダブル=ブレード・ライトセイバーが腰に1本、そしてブラスターが左わきに1丁あった。

 

「力が湧きあがるような感じだ。だが、これで互角にはなったかな?」

「生意気な!」

 

虫型ドーパントが破壊光球を投げてくるが、ライトセーバーで正確にはじき返す。はじき返されるとは思っていなかったのか虫型ドーパントは「きゃあ!」と言いながら吹き飛ばされる。

 

「じゃ、手負いのほうにとどめを」

 

フォースによる直感でスロットルからUSBメモリを抜いてライトセーバーに装着する。ベルトが《ガーディアン マキシマムドライブ》といいライトセーバーの光刃の出力が増える。光刃はやがて形を変えランスとなった。

 

「ランスか…。得意じゃあないんだけどな。ハアアアアッ!」

 

ランスを構え、レーザー・ドーパントに向けて突進する。途中で覆面を何体か巻き込みながらレーザー・ドーパントにあてる。レーザー・ドーパントは爆発し、炎の中から工場長が出てきた。工場長からさらにUSBメモリが排出され砕ける。

 

「なるほど。今のを使えば殺さずに止めることができるのか」

「なにぃ!?ガイアメモリが破壊されただと!?」

「鷹富士さん早く逃げましょう」

 

変身を解いて再び走り出す。コムリンクの回収も忘れずに工場から脱出した。

 

 

レヴィルたちが脱出した後、虫型ドーパントは工場長に言い放った。

 

「あの子はビギンズ・ナイトに移すわ。そしてこの工場は破棄よ―――」

「ま、待ってください!この失態は必ず「あなたと一緒にね!」…アアアアッ!」

「工場の代わりはいくつもあるの。ここがなくなったって困りはしないわ」

 

 

翌日、工場長が死んだことが判明した。事故死とされたが、あの虫型ドーパントがやったのだろう。潜入した工場は売り払われ、依頼主の会社が買い取った。

ああそういえば、あの工場で製造していたUSBメモリは『ガイアメモリ』と言うらしい。コイツを体にさすとメモリに対応した能力が手に入るらしい。とある地域で販売されているのだが、調査しにそこに行くには今はできない。この1件で自分が評価されてしまって仕事の依頼が増えたのだ。自分を頼りにしてきているのだ。断るわけにはいかない。あそこには機会ができたら行くつもりだ。

あともう1つ、『鷹富士茄子』だが―――――

 

「レヴィルさん!この人だれ!?」

「あら、おはようございますー!鷹富士茄子です♪」

「名前じゃなくてどうしてここにいるのってこと!はっ、もしかして彼女!?」

「気づいちゃい「違う!勝手に恋人にすんな!」むぅ」

 

―――ここに居つくことになった。相手がだれかわからないんじゃどうしようもない。隠すことにしたのだ。だから彼女にはあまり外に出ないように言っている。以前よりこの家が騒がしくなったが嫌いじゃない。早く茄子が自由にしたいと思っている。

 

「あ、でも少しにぎやかになったからいいか!」

「ふふ、そうですね♪」

「♪~~」

 

つづく




今回は「仮面ライダーW」とのクロスです。
今後はいくつもの作品とクロスオーバーしていくつもりです。
もちろん何話後に――――「さあ、お前の『罪』を数えろ」


…このあと作者を見た者はいない
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