スターウォーズ エピソード3.5 ジェダイの逃走   作:壊れゆく鉄球

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試験召喚獣・召喚(サモン)
耐久テストの依頼を受けたレヴィルは夕美と共に藤堂カヲルの研究所に向かった。
試験終了後、ビルが突如として爆発。召喚獣が暴走していることが分かったレヴィルは、この事態を打開するためにメインコンピューターのある爆破されたビルに入っていった……


ビルと脱出と召喚獣

爆破されたビルの中に入ったレヴィルは口に袖を添えてけむりが入らないようにして進んでいた。途中、召喚獣に襲われている職員を助けながらとある部屋に入った。

ライトセーバーを起動して天井に穴をあけた。空けた穴に向かったジャンプをしてライトセーバーの刃を天井に向ける。今度のは先ほどとは違い、人が横たわれるぐらいの大きさに切る。

切られた部分は重力に従い落ちるが、通常の落下より非常にゆっくりだった。レヴィルがフォースで天井の破片を掴んでいるからだ。破片をゆっくり降ろし、ウに乗っている人物に話しかけた。

 

「博士、大丈夫か!?」

「あ、アンタかい……。あた…こ…通りだよ…」

 

そう言って藤堂カヲルは服をめくった。その光景にレヴィルは驚愕した。

 

「この傷口……!」

 

藤堂カヲルにできた傷はライトセーバー特有のものだったからだ。

 

(ライトセーバーを使うことのできる者はある程度特定できる。しかしこの状況に当てはまるのは一人、いや『1匹』しかいない!!)

「……博士、しょせん応急処置にしかなりませんがこれ張っときますよ」

 

バクタパッチを傷口に貼る。その時、ドアをたたく音がした。瓦礫が当たるものではなく、規則的な、人為的なものだった。召喚獣がやってきた可能性を考え、ライトセーバーを手に取ってドアまで近づく。フォースを使ってドアを開ける。ドアに重心が偏っていたのか、人が倒れこむ。それは予想外の人物だった。倒れこんだ人物を受け止め詰問する。

 

「夕美!なんでこんなところに…いや、なぜ意識を保っているんだ!?気絶させたはずだろ!?」

「ふっふっふ。レヴィルさん、トリックだよ」

「……」

 

夕美の回答にイラつきを覚えるが、すぐさま受け流す。そして夕美に指示を出した。

 

「夕美、自分が博士を支えるからドアを開けてくれ。召喚獣に気づかれないようにするんだぞ」

「任せて!…あ」

「?どうした?」

「私の通ってきた通路はもう崩れたんだった……」

「問題ない。そこに穴が開いているだろ?そこから降りるんだ」

「えぇ~!?この穴から!?けほっけほっ」

「先に自分が下りる。次に夕美が博士を降ろすんだ。わかったか?」

 

夕美が無言で頷き、レヴィルが下に降りる。それほど時間が経ってないせいか内部に変化はなかった。夕美が藤堂カヲルを降ろそうとして肩に手をかけると、上の階から召喚獣が降りてきた。…手にライトセーバーを持って。

 

「し、召喚獣!」

「……」

 

夕美は目をつむって身構えるが、なにも起きなかった。その代わり、召喚獣はさらに下に降りてレヴィルに襲い掛かった。

 

「こいつ!自分の召喚獣か!?」

 

レヴィルからは青の光刃が、召喚獣からは緑のが現れる。レヴィルは素早くコムリンクを上の夕美に投げつけた。

 

「いたっ」

「夕美!こっちは危険だから別ルートで脱出してくれ!入り口でまた会おう」

「わかった!レヴィルさんも気を付けてね!」

「あい…よっ!」

 

召喚獣の戦闘フォームは『ソレス』と呼ばれる防御重視のものだった。必要最低限の動きで防御し、隙をほとんど作らない。それに加え、召喚獣の持つ強大なパワーでは崩すのは難しい。

 

「強い守りだ。だが、未熟なのはありがたい…!」

 

右からくるライトセーバーを受け流す。レヴィルにはフォースがあり、召喚獣は代わりに強大なパワーがある。どちらが強いのは明確であった。レヴィルはクローン戦争を生き抜いた経験がある。それが今回生きた。しかし、

 

「この馬鹿力…。いつかのザブラクを思い出す。だがそれ以上にこいつには技術を感じる。学習しているのか…!?」

 

だとしたら厄介だ。レヴィルはドアまで向かうが、召喚獣が持ち前のパワーを使って跳躍し、レヴィルの前に立ちはだかる。逃げ場をなくすように、廊下では天井が崩れ、残骸がドアを倒す。その結果、炎が部屋に入り込んできた。

 

「逃げ道は一つだけじゃない」

「……」

 

召喚獣の跳躍の回数が増えてきた。持久戦に持ち込んで確実に仕留めようということなのだろう。だが、それはレヴィルにとっても好都合だった。元々レヴィルがフォーム4『アタル』を使っていたのは大型の生物と戦うのが多かったからだ。そのために小さい敵と戦うのを苦手としていた。

跳躍することによって視界に入っていなくともフォースの助けで召喚獣の位置は大体わかる。攻撃しやすいいい条件になってきた。

 

「おっと、やあ!」

 

レヴィルの攻撃の回数が確実に増えてきた。それに比例して召喚獣の防御回数が増える。しかし、レヴィルの疲労は戦役時に近いもの、ヘタするとそれ以上だった。

 

「ほとんど動いていないのに疲労が多い。…フィードバック効果か!ここでこんなことになるとはな…」

 

火の手が広がる。その様子を見てレヴィルにいい考えが思い浮かんだ。

 

「……」

「とらえた!」

 

再びジャンプ攻撃してくる召喚獣をフォースでつかみ、窓にたたきつける。案の定窓は割れ、新鮮な空気が流れ込む。そして、召喚獣が炎に飲み込まれる『バックドラフト』が発生した。

 

「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!」

 

レヴィルにもそれは反映され身もだえた。それが収まると、そのまま日の海に飲み込まれるわけにもいかず、割れた窓から脱出した。何とも言えない不安を抱えて……。

 

 

「これってレヴィルさんがイージーちゃんと電話するときに使うのだよね?でもどうやって使うの?」

「そんなことより…ゴホッゴホッ……外に出なきゃあたしら焼け死んじゃうさね」

「そうだ!」

 

しかし、本来降りようとしていた抜け穴では戦闘が行われていて降りることはできない。そこで仕方なく廊下に出た。しかし、そこは夕美が来た時には崩れて通れなくなってきた。小さな抜け道が運よくできていたから来れたが、今ではその抜け道も埋まっていた。

 

「やっぱりもう通れないじゃん……」

「この部屋の近くに非常階段があるはずさね。そこはどうだい?」

「それどこ!?」

「あそこを右に向かってまっすぐさね」

 

夕美は藤堂カヲルの肩を支えて歩いて向かう。藤堂カヲルが言った非常階段はすぐ見つかり、ドアノブに手をかけた。

 

「あちっ!」

「大丈夫かね!?」

「触ったの一瞬だったから大丈夫だよ。でも何かないと開けれないよ」

「ふむ…。ならいったん戻ってみよう。何か変化があるかもしれないさね」

「そうだね」

 

戻ってきた2人。しかし、廊下には何の変化もなかった。

 

「どうするさーー!!」

 

逃げ道が見つからず、どうしたらいいかわからない夕美は思わず廊下をふさいでる瓦礫をけった。すると、奇跡が起こった。床がさらに崩れ、落ちた瓦礫が道となったのだ。

 

「やった!道ができたよ!」

「そうさね。この道がまた消える前に早くいこうさね」

 

藤堂カヲルが試しに2回ほど瓦礫をけって崩れないことを確認し、渡れると判断して進む。夕美は確認したりせず3回のジャンプで渡った。そのせいか、瓦礫は部屋になだれ込んだ。部屋ではレヴィルが戦っていた。

 

「行くよ」

「うん…」

「不安かね?」

「いろいろ、ね…」

「あの男なら心配する必要ないね。この程度なら何度も経験しとるさね」

「だ、誰もレヴィルさんのことなんて…!?いやそうだけども!!……っじゃなくて『経験している』ってどういう事?」

 

夕美は動揺しながらも疑問を言った。藤堂カヲルは何てことなしに答える。

 

「長く生きているとね、ある程度の事がわかってしまうってことさ」

「なるほど~ってあれ!召喚獣が!」

 

 夕美が感心していると、遠くから召喚獣が近づいてくるのに気付いた。幸い、召喚獣は夕美たちの存在にまだ気づいてはいなかった。

 藤堂カヲルは夕美を引き連れ近くにあった物陰に身を寄せた。

 

「まったくボスも面倒な命令を出すよなぁ~。まああの箱から出してもらったからその恩を出すけどよぉ~」

「汚物は消毒だーーーッ!ヒャッハーーー!」

「お前はそれしかいえんのか!?」

 

召喚獣はコントさながらの会話をしながら夕美らが隠れている物陰を素通りしていった。

 

「おばあちゃん早く行こうよ」

「そうさね。戻ってくる前に行くさね」

 

藤堂カヲルが先に出て、夕美が次に出る。その時、夕美の近くで窓が割れる音がした。

 

「何の音だ?」

「汚物?」

 

(来ないで…。来ないでよ……!)

 

夕美の願いが通じたのか、召喚獣の周辺で爆発の音が響いた。

 

「なんじゃい!?」

「汚物がやらかしたのかーーー!?」

 

召喚獣は音のした方に向かって行った。

 

「やった。奥に進んでくれた」

「さっきの音からしてそろそろこの建物も危ないかもしれないさね…」

「そういえばレヴィルさんは!?レヴィルさん!」

 

「ああ~大丈夫だ。何とか今脱出した。そっちはどうだ?」

 

「中にいるけどもう少しで出れるかも?」

「何にもなければ、の話さね」

 

「捕らえろーーー!」

「汚物は消毒だーーー!ヒャッハーー!」

 

「あー面倒なヤツらが来た。そっちに行けるのは時間がかかるかもしれん」

 

「わかった!」

 

コムリンクをオフにし、夕美らは下の階に降りた。降りた先のホールにはいくつかの崩れた瓦礫があり、道が塞がれていた。

 

「どう抜けたらいいの?」

「だったらこうすればいいさね」

 

手ごろな瓦礫を持ち上げて窓のそばに置き始めた。その様子をしばらく見た夕美はなにをするのかを理解した。

瓦礫でできた土台が出来上がり、夕美は小さな瓦礫を使ってこっそりと窓を開けた。そして、二人は誰にもばれずに脱出できたのだった。

 

 

「レヴィルさん!」

「夕美、それに博士。ご無事で」

「どうも。寿命がいくらか縮んだ気がするよ」

 

レヴィルと夕美たちは事前に決めていた集合場所で合流できた。再開のあいさつをそこそこに藤堂カヲルに問いかけた。

 

「それで博士、お尋ねしたいことが」

「どうせメインコンピューターのことだろ?」

「察しが早くて助かります」

「この状況じゃしょうがないかもねぇ。エントランスホールにある階段から行ける地下にあるさね。でも途中で寄ったけど塞がってたさね」

「自分にいい考えがあります」

「レヴィルさん!」

「……なにかな」

 

夕美が叫んだ。またさっきのかと身構えるレヴィルだが、出てきた言葉は意外なものだった。

 

「がんばってね♪」

「…ああ!」

 

夕美の声援を受けたレヴィルは再びビルの中に踏み込んだ。

エントランスホールに踏み込んだレヴィルはその有様を見てげんなりした。ここから先は行かせないっといった意図を含めているかのように地下へと続く階段の周辺に瓦礫が散乱しているからだ。だからといってあきらめるレヴィルでもない。

 

フォースで瓦礫をどかしていくレヴィル、そこに邪魔するものが現れた。

 

「爆弾はお好き?結構。ますますお好きになりますよ」

「邪魔してくれて…!」

 

爆弾を投げつけていく召喚獣。テストを受けた人物の点数が低いのか爆弾自体の威力は爆竹より少し上、といった程度だ。

 

『現国 周輪 徹宵 69点』

 

「弱いやつに時間はかけられないのでね!」

 

フォースで瓦礫の最後の一個を投げつけた。点数が低いおかげで反応が鈍く、召喚獣は瓦礫と壁に挟まれ点数が消滅した。

 

瓦礫はすべてどかし終え道が開いた。階段を下りて、廊下を駆け抜ける。その先には驚くべき光景があった。

召喚獣がいたるところにいる、いわば巣窟のようになっていたのだ。

 

「別に不思議ではないか……。すぐそこに発生装置があるんだ、知能の低いやつがここでたむろって当然か」

「!?(130点)」

「ニンゲン…!(58点)」

「俺タチノ敵(98点)」

「絶対ユルサネエ!!(107点)」

 

人間(レヴィル)の存在に気付いた召喚獣が武器を取る。弓、剣、ハンマーなど種類は様々だ。それに応じてレヴィルもライトセーバーを抜き取った。

 

(空気が薄くなってる気がする…。決着は早めにつけたほうがいいか)

「ヤッチマエー!」

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!(334点)」

「ドラララララララララララララララララッ!(267点)」

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラーーーッ!(194点)」

「フギャーーーーーー!?(0点)」

「テイッ!(129点)」

「……」

 

ラッシュ攻撃をしてくる3匹の召喚獣をフォースで向きを変えて同士討ちさせる。そのうちに剣で攻撃してくる召喚獣が現れた。しかし、召喚獣の剣ですらライトセーバーとのつばぜり合いができずに切り裂かれ、果てにはその体すら切られた。

 

「数だけいたってね!」

「ナラ、コレハドウカナ?」

「!?」

 

背後からくる気配を感じ取りすぐに振り向き防御の姿勢をとる。それが功を奏したのか飛んできたライトセーバーを防ぐことができた。しかし、召喚獣の驚異的パワーのせいで数メートル後退した。

 

『生物 レヴィル・ヴァスティ 120点』

 

「生きていたのか……」

「ソレハキミモワカッテタ。私と君ハ元は同じナンダから」

「自分が生みの親だけどな」

「隙アリ!」

「ふっ」

「エッ!?」

「シャッ!」

「ノオオオオ!」

 

来る召喚獣をフォースでつかみ投げ飛ばす。レヴィルの召喚獣(以後R召喚獣)は同種を気に認めず蹴り飛ばした。

 

「ひどいやつだね~?仲間を蹴るなんて」

「生き残るにハしょうがナい」

「ふ~ん。興味はあるがそんな時間はないのでね」

「再開しようか?私は『呼吸』をしなくても生きられるが『親』を壊されたら死んでしまうのでな」

「いいだろう。このまま破壊しようとしても君が邪魔をする。だったら君を動けなくした方が早く済む」

「戦わなければ生き残れない!」

 

この言葉が合図となり2人は同時に跳んだ。両者ともコンバットフォームは『アタル』。壁、天井、召喚獣、様々なモノを蹴って移動する。邪魔する召喚獣は容赦なく切り裂く、またはR召喚獣に蹴り飛ばした。

 

「ハァアアアッ!」

「ホァ!」

 

R召喚獣以外の召喚獣があらかた消滅したある時、ライトセーバーの切っ先が重なって一時的に静止した。

 

「自分と剣技が似てきている。ホントなんでも吸収する奴だよ」

「教えがいのある生徒だろ?」

「パダワンがもてたらお前みたいのがほしかったよ。しっかし無限の体力っていいよなぁ。ずっと攻撃をしかけることができる」

「だったらあなたは化け物かよ『親父殿』。私の疲労を肩代わりしているのに剣先が全然鈍ってない」

「自分鍛えてますか…らっ!」

「ヤっ!」

 

ライトセーバーが振り払われ切り合いが再開した。R召喚獣の技量はますます上がりレヴィルはまたしても苦戦を強いられる。

何度目かのつばぜり合いのあと、レヴィルは極度の疲労によって膝をついた。それをR召喚獣は見逃すはずもなく跳びかかった。しかし、直後にR召喚獣の体が止まった。レヴィルがフォースで掴んだのだ。

 

「ばっかだなぁ。そう来るのはわかってたよ!!」

「あ"あ"ッッ!」

 

なんとR召喚獣は自分のライトセーバーをレヴィルに向かって投げつけた。ライトセーバーは脇に刺さり、レヴィルは悲鳴を上げた。

 

「お、終わりだ……!」

「ば、バカな!?あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!」

 

レヴィルは刺さったライトセーバーを抜き取り、R召喚獣に向けて投げた。ライトセーバーはR召喚獣を刺さるだけでは終わらず、貫通して召喚獣発生器にまで伸びた。召喚獣発生器は活動を停止し、範囲内にいるすべての召喚獣の体が消えていった。

 

「あぁ…体が…消えていく……」

 

「ウソダロ!?ナンデコンナ!」

 

「俺はタダ…幸せに成りたかっただけなのに……」

 

「!?ついに崩壊がここまで広がったか…」

 

建物の終わりが近づいていた。しかし、レヴィルは動くことができない。レヴィルの上に大き瓦礫が落ちてきた。

 

 

続く

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