スターウォーズ エピソード3.5 ジェダイの逃走 作:壊れゆく鉄球
ではもしフォースとのつながりが深いものが夢―――しかも悪夢を見たらどうなるのであろうか。
以前あった依頼『試験召喚獣運用テスト』にて最終的にはビルが崩壊、レヴィルも足を骨折などの負傷をするも辛くも生き残った。しかし、依頼の性質上動き回るためレヴィルは仕事を休業していた。
「アリス展か……」
松葉杖でテーブルまで移動し、EZが取ってきた新聞を手に取る。その見出しには『アリス展本日開店!!』と書かれていた。レヴィルはその知った名前を聞き、懐かしい気持ちになった。感傷に浸っていると茄子が若干汗ばんで降りてきた。
「おはようございますレヴィルさん」
「おはよう茄子。申し訳ないが足がこれでね。まだパンで我慢してもらうよ」
「それはいいですけど。少し聞いてくださいよ。私悪夢を見たんです!」
「悪夢?」
「ええ!」
何かを力説する学者のようにしゃべり始めた。その内容はやれ恐竜に追われたとか、なにかの儀式に立ち会っているといったものだった。
話を聞いているうちに、レヴィルも以前見た悪夢のような体験を思い出した。
「そういえば自分も2年位前に夢を見たことがあるよ。『あの』姿をした者達が大勢いた、殺伐とした世界だった……」
☆
目が覚めると、そこはどこかわからない不思議な場所だった。先ほどまでは聖堂にいたはずなのになぜか洞窟のようなところにいた。混乱をしながらも洞窟を抜けようと歩き出した。
「ここはいったいどこなんだ?自分はジェダイ聖堂の格納庫にいたはず」
歩き続けると奥に人影が見えた。小走りに近づくと小人の翁であった。見た目は炭鉱夫で生きる気力がないように見えた。
「もし、翁聞きたいことがあるのですが」
「奴隷の私に聞きたいことが?はっ」
「(奴隷…?銀河共和国法で奴隷は禁止されているはず。辺境の星にトリップしたのか?)ここはどこなのですか?」
「ここは『不思議の国』。だが今じゃ『赤の女王』の支配下だよ」
「ありがとう翁。そのお礼にこの国を救って見せよう」
「無駄だよ。いろんな子達が来たけど結果はこのざまだ。よそ者が強くてみんな失敗しているんだ」
「それでも自分はジェダイだ。人々の希望となるためにいる。それにここは君たちの国だ。君たちが立ち上がらなきゃ何も起きないぞ」
それを言うと小人は鼻で笑いながら去っていった。レヴィルは穴を挟んだ反対側に着地した。着地した先には小人はいなく、かわりに腹回りにクラブのマークが描かれている兵士がいた。
「すまない。自分はジェダイの騎士だ。地図をくれないかな」
「ジェダイ?何を言っている貴様!」
「ふっ!?」
兵士はいきなり手に持った槍を突き出してきた。バックステップで除け、ライトセーバーを抜こうとして…やめた。
「なぜいきなり攻撃してくる」
「先ほどの会話を聞いていた。女王の敵は我々の敵だ!」
これ以上はしゃべるつもりはないと口を閉じて槍を振るう。崖にまで追い込まれ、もう除けることはできないと悟ると次に突き出された槍を掴み引っ張った。クラブ兵は踏ん張ることができず穴に落ちていった。
「さて、敵の強さは大体わかった。あとは同志を探しながら女王陛下のもとにいくしかないか」
そうつぶやくとレヴィルは先に進んだ。
進んだ先には町が独の沼で浸っていた。高台は無事のようだが、そこにはダイヤ兵がいた。
「やあ諸君」
この言葉だけでダイヤ兵は振り向いた。しかし、クラブ兵とは違い槍の先端からビームを出してきた。素早くライトセーバーを取り出してはじき返す。ダイヤ兵ははじき返されるとは思っていなかったのか動きが止まる。その隙を見逃すレヴィルではなく一気に近づいてライトセーバーで斬り裂いた。
「地図はどこでもらえるものかなぁ」
☆
少女はとあるお爺さんとの約束によりトランプ兵の駐屯地から鍵を取ってきた。集合場所である場所にはすでにお爺さんがいた。
「お爺さん。約束通り鍵を取ってきたわ」
「おおよくやった。ウサギの言っていたことは嘘ではなかったようだな」
「約束通りに小さくなりたいのだけれど」
「わかっている。それには薬が必要だ。しかしこれでこの不思議の国に希望が生まれる。わしらをみじめな生活から救ってくれる救世主が。…ほかにも真っ赤な騎士だか狩人なのかわからない男がいたけどな」
少女は頭にはてなを浮かべながらも飛行船に乗り込んだ。
「それでどこにいくんですか?」
「要塞だ。しかし中に『学校』がある。そこで薬を作ってやる」
☆
「はあ後どこまで行くのだろうか。そこにいる君は知っているのかな」
その後親切な小人―――正確にはトロール―――にどこにいくべきかを教えてもらった。行先は赤の国と敵対している白の国。すぐそこにあるようだが、簡単にいかせてもらえないようだ。
「気づいていましたか」
「ずっとな」
「ならどういうことかわかりますね」
陰から出てきた男はレヴィルを始末しに来たようだ。短い会話が終わると男はレヴィルの見たことのない機械を取り出した。機械に紙を入れ腹に当てる。すると機械はベルトに変わった。
「変身」
《OPEN UP》
バックルが開き、音声とともに青い面が男を包んで体を機械的なものに変身させた。変身したことで威圧感が出たのか。レヴィルはライトセーバーを構えた。男―――仮面ライダーグレイブは『醒剣グレイブラウザー』を手に取り斬りかかる。レヴィルはライトセーバーで受け止めるが、これがミスだったのをすぐに悟る。純粋にパワーが違うのだ。フォースを使っても届くのかわからない。
「意外と君はパワーがあるんだな。見た目と全く違う」
「そういうあなたはよく耐える。このパワーに耐えれる『人間』はいないはずなのですが」
「自分は人間さ。君は違うかもしれないがっ!……あぁ!?」
グレイブの側面に回り込むように回転して回し蹴りを後頭部に叩き込む。しかし、あまりの固さに逆にレヴィルがやられてしまった。
(硬すぎる……!倒すにはライトセーバーで焼き切るしかないぞ。だがヤツの剣はライトセーバーを受け止めることができる。材質が同じだったらこちらに勝ち目はない)
「あきらめてやられたらどうです。すぐに楽になれますよ」
「ここに来たのはフォースの導きだ。だとしたらここでの使命はこの不思議の国を開放すること!あきらめることはない!!」
ライトセーバーを握りしめフォーム4アタルのさらにジャンプを多用する戦術に切り替えた。痛む足をフォースで治癒しつつジャンプをする。小刻みにジャンプを繰り返しグレイブをその位置にとどまらせていた。
「はっへぁってぁ!」
「目で追うことはできる。しかし触れる前に逃げられる!?」
「投降しろ!こんな戦い無意味だと思わないのか!?」
「いいセリフだ。感動的だな。だが無意味だ」
「!?」
言い切ると同時にレヴィルの足元に青い銃弾が叩き込まれた。上を向くと、そこには白い装甲服―――仮面ライダーサイガ―――を着たものがいた。
「珍しいね。君が押されるなんて」
「どうしてあなたがいるんです?」
「裏切り者がこっちにまで逃げたんだよ」
「なるほど。ならあいつを倒したら手伝ってあげましょう。お礼としてね」
「お礼…ね」
「(似た存在が2人。かなりきついが…やらねばならない使命がある!)はぁっ!」
2人を大きく跳び越し背後に回る。グレイブとサイガは余裕をもって振り向くが、すぐに体が動かないことに気付く。レヴィルがフォースで体をつかんでいるのだ。
最初にグレイブを持ち上げる。そして、思いっきり遠くに飛ばした。少なくとも5分以内には戻れないくらいに。次に、サイガを近くの地面にたたきつけた。しかし、サイガはすぐに立ち上がった。
「君も不思議な力を使えるようだね。だが、僕には敵わない」
「それはどうかな。ふっ!」
飛び道具を警戒してフォーム3ソレスになる。サイガは予想通りに飛びあがって銃弾を浴びせに来る。ライトセーバーで跳ね返し続けるが、量が多くて狙った方向に返せないでいた。
(なかなかに弾が多い。攻めることができない。しかしこれは敵も同じこと。決め手がないから焦れて何かをしてくるはず。それか飛べないフィールドに誘い込むか)
サイガも焦っていた。敵は見たことがない武器をもってフォトンブラッドの弾をはじいている。『ただの人間』がここまでやるとは思っていなかったからだ。しかし、これが逆にサイガの闘争心を引き立てた。やりがいのある獲物がやってきたと。
そして、サイガは高度、ブースターを利用して飛び蹴りを放つ。
「な!?えい」
《READY》
レヴィルは横に飛んでよける。サイガはレヴィルが体勢を立て直す前にベルトのサイガフォンからミッションメモリーを抜いてステアコントローラーに装填、引き抜いた。
《EXCEED CHARGE》
「得意な剣技で戦うってことかな。はっ!」
ライトセーバー戦(もしくは類似品)に向いたフォーム2マカシに切り替えライトセーバーを構えなおす。サイガは走って近づき斬りかかる。スピードと圧倒的パワーで来られたらレヴィルはひとたまりもない。レヴィルは当たる前に1歩下がって避けて上段切りをする。サイガは左のトンファーエッジで受け止め右のトンファーエッジを突き出す。その前にレヴィルはサイガの左側面に回り下から振るう。サイガは素早く左のトンファーエッジで防いだ。
「意外と早いね」
「……」
サイガは左のトンファーエッジを振り上げレヴィルを後退させる。そこから間髪入れずに怒涛の攻めに入った。右から来たら一瞬後には左からきてレヴィルはさらに受け流す回数が増えていった。
サイガはレヴィルが守りの体勢に入ったためかさらに攻撃を強め、また油断していた。そして一つミスを犯した。両のトンファーエッジで同方向から攻撃を仕掛けたのだ。サイガの目論み通りにレヴィルは逆手持ちのライトセーバーで受け止めた。
「これは君の慢心の結果だ。しっかり受け止めるんだ」
「!?」
レヴィルがライトセーバーの柄の先端のボタンを押す。30㎝ほどではあるが、青い光刃が現れた。サイガは直後に気付いて避けたが、光刃の切っ先はサイガの肩を貫いた。
「……!」
サイガは自分の不利を悟ってフォトンブラッドの銃弾を撃ちつつ逃げ帰った。
「白の国にいく前にさっき言っていた『裏切り者』に会いに行こうかな。仲間にできるものならそれがいいからな」
☆
レヴィルとサイガが激戦を繰り広げているとき、投げ飛ばされたグレイブはとある場所に不時着していた。
「はぁ…はぁ…まさか、人間にあんなことが…?いや、『こちら』に飛ばされたアンデッドかもしれない。アンデッドだとわかればあとはカードに変えて使うだ《アドベント》…アアアアアア!!」
レヴィルに対して元々グレイブがいた場所の知識で解釈していると、突如として機械音声が鳴り響いた。すると、背後からトラ型モンスター―――デストワイルダーに爪を突き立てられて引きずられていく。いたるところの木にぶつけられた後、グレイブの腹部に斧が叩きつけられた。
「がはっ」
「君は僕を追っているんだよね。でも僕は君を倒して強くなる。英雄になるために」
そう言って白銀と青のライダー『タイガ』はカードデッキからカードを取り出した。それを見てグレイブも醒剣グレイブラウザーにカードを読み込ませる。
《グラビティスラッシュ》
しかし、グレイブの必殺技は敵に当てられないでいた。なぜなら、タイガがそれを予測し、対策をしていたからだった。
《フリーズベント》
「体が凍って…!!」
《ファイナルベント》
「ハァアアア…!」
「ァァアアアアアア!」
再びグレイブはデストワイルダーに引きずられタイガのもとに連れていかれる。今度は、斧ではなく巨大なクローを突き立てられた。その際にベルトを貫通し、熱せられた腹部に結晶爆発を引き起こした。変身が解け、ひとの姿になったグレイブ。そこから流れていたのは赤ではなく緑の血だった。
「お前ェ…お前ェ!!」
《リターンベント》
《ファイナルベント》
「ァァアアアアアア!」
再び放たれたファイナルベント『クリスタルブレイク』が命中したグレイブにはすでに動く気力もなく四肢を投げ出した状態で倒れていた。そこにデストワイルダーが近づいてくる。捕食する気なのだ。それに気づいたグレイブは悲鳴を上げる。デストワイルダーは無慈悲にグレイブを食べ始めた。
「俺は…地球に戻って…14に……!あっ」
その場に残っていたのはわずかにある緑色の血と白銀の仮面ライダーであった。
つづく
原☆作☆崩☆壊