スターウォーズ エピソード3.5 ジェダイの逃走   作:壊れゆく鉄球

7 / 10

突如として「不思議の国」に迷い込んだレヴィル。迷い込んだ先では赤の女王が支配していると聞いた彼は不思議の国に平和を、正義を取り戻すために立ち上がったのだった…。



レヴィルインナイトメア2

 

 

「彼が裏切者……」

 

サイガを撃退したレヴィル。彼はその後裏切者がいると思われる方角に投げたグレイブを探し、あわよくば例の裏切者との戦闘を見ようと思っていた。グレイブに押されていたら助太刀しその後に交渉、押していたら穏便に『説得』しようと思っていたからだ。

しかし、レヴィルの考えは無駄に終わった。目の前の青年はすでにグレイブを倒していたからだ。壊れているが足元にはグレイブの使っていたベルトがある。

 

「君が彼らの言っていた『裏切者』かな?」

「君もあの人たちの仲間なの?」

「いいや違う。むしろ彼らの支配からこの世界を開放したいと思っている」

「何が言いたいの?」

「君もこの世界に平和を取り戻すために仲間になってもらいたい。君も何か思って赤の女王から逃げてきたのだろ?」

 

刺激しないよう言葉を選び話していく。青年は考えるようなそぶりを見せた後口を開いた。

 

「赤の女王を倒せば英雄になれるのかな」

「ああ。君の勇気をたたえるだろう。仲間になってくれるか?」

 

青年は何も言わずこくりとうなずいただけだった。レヴィルはほほえみながら手を差し出した。

 

「よろしく頼む。自分はレヴィル・ヴァスティだ。君は?」

「…東條…悟」

 

 

「これが最初に会った仲間の一人、トージョーサトルだ」

「『トージョー』……」

「彼は英雄願望のある青年だった。しかも、英雄になれるだけの力を持った男でもあった。だが彼は危うかった。だから旅の途中、自分は彼に英雄について話たよ。彼が間違ったほうに行かないように」

「でも夢の話ですよね?」

「そうだ。だがこれ(新聞)を見ているともしかしたら現実なんじゃないかな、と思ってしまうんだよ」

 

新聞はテーブルに置かれているが、先ほどまでそれをつかんでいた手は彼の腕をつかんでいた。まるで実体があるのを確認するように。

 

 

「どこに向かっているの?」

「白の国だ。我々の敵は何も赤の女王だけではない。赤の女王に付き従う部下もいる。それに加え最低一人、自らの姿を変身させて戦う者がいる。それに対抗するために我々には心強い仲間が必要だ」

「断られたらどうするの?」

「そこは何とかして『説得』するさ」

 

会話が途切れ、一行は白の国へ進む。十数分経ち、風景は草原から床が白と黒と交互になり、建物は煉瓦で作られた街並みへと変化していった。レヴィルが驚いたのは、住民の足が円柱状になっていることだ。

 

「申し訳ないが、白の王の宮殿はどこか教えてくれませんか」

「いいだろう。ただし、この謎が解けたらだ」

「…そんな時間ないんだけど」

「落ち着くんだトージョー、謎が解けたら教えてくれるんだ。金銭が要求されないだけましだ」

 

レヴィルが言ってくれというと、男は歌うようにして謎を言った。

 

パンプティ・ダンプティーは塀の上に座っていた

ハンプティーは勢いよく落っこちた

王様の馬と王様の家来がみんなで力を合わせてみたが

ハンプティーを元へ戻すことはできなかった

 

レヴィルは顎に手を当てて考えると、東條はポツリとつぶやいた。

 

「…卵」

「…なに?」

「パンプティダンプティーは『ずんぐりむっくり』という意味を持っていて、それが人間だったら塀から落ちたぐらいでは壊れないけど、卵だったら壊れてしまう…だったかな」

「正解だ。ならば報酬として城の場所を教えよう。そこの道に曲がりまっすぐ行けば城に行き着く。入れればな」

「助かった。感謝する」

 

男の言葉を無視していわれた道を進む。すると先には、広場があり、その奥に城の入り口があった。

レヴィルは門番にフォースを振りかけながら問いた。

 

「国王に話がある。案内してくれ」

「話がある。案内…しよう」

 

門番と共に中に入る。城の中も城下町と同じように白黒のタイルが交互に敷かれている。天井からはシャンデリアがつられていて、壁には写真が飾られていた。

レヴィルが中を観察していると東條が質問してきた。

 

「ねえ、さっきのはどうやったの?」

「あれは秘密だ。ちょっとしたマジックだと思ってくれればいい」

 

城は意外と小さいのか、謁見の間にすぐ着いた。門番は送り届けたからか、マインドトリック関係なしに元の場所に戻っていった。

 

「入るぞ」

 

東條にそれだけ言い扉に近づく。扉は近づいたら自動的に開く仕組みで、ゆっくり開くがそれだけ王への謁見に緊張感をもたらす。

扉が開き切り王の姿が見える。その隣には近衛兵なのが2人いた。中央あたりまで進むとレヴィルは跪いた。

 

「この城に許可もなく入るとは何事かな赤き騎士よ」

「は、偉大なる白の王よ。このような無礼な入り方をお許しください。自分はジェダイ・ナイトのレヴィル・ヴァスティでございます。失礼なのはわかっておりますが、お願いしたいことがあるのです」

「なんだ?言ってみろ」

「自分目がお願いしたいのはあなた様の軍隊を貸してほしいのです。赤の女王を倒し、この世界に平和を取り戻すために」

 

白の王は少しだけ驚いた顔をしたが、それ以上に悲しい顔になり「残念だが、君たちの力になれそうにない」と言った。

東條はやっぱり無理かと思いレヴィルを見た。しかし、視線の先にいる彼にはあきらめの色がなかった。

 

「赤の軍隊は強力だ。私の軍では歯が立たなかった。今にも街を攻められてもおかしくないほどに!!希望の子がいれば…!」

「『希望の子』?」

「そうだ。名前は『アリス』。彼女がこの世界にいることはわかってはいるのだが…」

「ならばそのアリスを自分が探し出しましょう。もしここに連れてくることができたら」

「その時はそなたらに我が軍を預けよう」

「ありがとうございます。偉大なる白の王よ」

 

立ち上がり謁見の間から出ようとした時だった。街のほうから雄叫びが聞こえてきた。

 

「いやな予感がする」

「奇遇だな、自分もだ。『アリス』という人物を探し出す前にこの国を守ろう。探し当てたときに国が滅んでいたら笑えないからな」

 

城を出て街の中心部に向かう。思った通り、赤の軍勢はすぐそこまで迫っていた。

 

「トージョー、我々はお互いあまり離れないように動こう。敵の実力がわからない」

 

東條はうなずき、デッキを窓に向けた。

 

「変身!」

 

デッキをベルトにはめ、東條を銀色の戦士へと変身させた。銀色の戦士―――タイガは手に持った斧で近くの敵に切りかかった。

レヴィルもライトセーバーを起動させて劣勢になっている場所へと向かう。

 

「大丈夫か!?」

「すまない他国の騎士よ」

 

小さく頭が丸い敵―――ポーンをフォースで別のポーンにまで飛ばす。衝突したポーンたちはまるで同じ目にあったドロイドのように容易く力尽きた。

 

《ストライクベント》

「…ハァあ!」

 

タイガは馬の頭に剣、盾を装備したナイトに対し、斧から『デストクロー』へと装備を変える。振り下ろされる剣を前転で背後に回り回避する。そして相手が振り向く前にデストクローを突き刺す。それでも相手が動こうとするので追撃をする。

 

「あれがトージョーの戦い方……」

 

レヴィルはタイガの戦いを見て恐怖を感じた。グリーヴァスと対峙した時以上に。グリーヴァスの場合、冷酷ではあるがジェダイと戦えることに歓喜を覚えていた。しかし、東條は違った。()()()()()()()のだ。闘志も、恐怖もなにも。敵だから殺す。まるで機械だ。

 

「騎士よ。ぶしつけで済まないが我々は負傷者を連れて後退する。数人の仲間とともにここを死守してくれ」

「わかった。けがが悪化する前に後退を」

「感謝する」

「トージョー!聞いたか!?我々はここに残り敵を倒すぞ!」

 

タイガはわずかにうなずき戦いを再開する。

 

「(遠くからの声が聞こえない。勝つにしろ負けるにしろ戦いはもうすぐ終わる……)」

 

 

レヴィルたちが街の中心部で敵を倒している間、『希望の子』ことアリスは水路を利用して城に到着していた。門番がいないことを訝しみつつ中に入る。中ではすでに戦闘が行われていた。幸いなのは強力な親衛隊が残っていたことだろうか。

 

「こんなところまで入られていたのね」

「君にはわからないだろうが外にいる敵が異様に少なかった。外の兵士も頑張っているのだろう。敵がいなくなるのは時間の問題だ」

「そう。彼らが帰ってくる前に掃除でもしましょうか」

 

そう言ってアリスはナイフを手に取った。投げると一定時間で戻ってくる魔法の頼れる武器だ。

狙いを定めて目標にめがけて投げる。スナップを利かせたナイフはまっすぐに敵の首筋にヒットした。仲間が近くで倒れたことで、他の敵がアリスの存在に気付く。しかし、意識がアリスのほうへ向いたせいで、背後から近づくナイトに気付かずに切り捨てられた。

 

「中にあと何人いるの!?」

「奥に数人侵入されました。そろそろ仲間が倒している頃でしょう。キングのところまでご案内しましょう」

「あら、ならお願いしましょうか。どこかの猫と違って紳士なのね」

「皮肉は後にしてもらいたいな。いま必要なのはキングの協力だ」

 

ジト目でチェシャ猫を見てナイトに連れて行ってもらう。謁見の間までいくと身分の違いからか、ナイトは先ほどのホールに戻る。

謁見の間に入ると、レヴィルの時とは違い白の王は泣きついてきた。部外者には威厳を見せつけようとしたのだろうか。

 

「アリス助けてくれ!赤の軍隊は強力で無慈悲だ!我が妃にも危機が迫っている!」

「妃が捕らわれるところを見ました」

「妃なしでは我々は負けてしまう!」

「私もここを出られないとおしまいです。『ジャバウォックの目玉の杖』を集めなくてはならないのです」

「妃を助けてくれ!お互いのためだ」

「チェスは得意ではないんです…。ルールは?」

「ルールはない。戦略もない。ただ赤の王を倒すのみだ。だが恐ろしい罠が待っていることを隠さずにいっておく」

「ご忠告には感謝するけどウソでもいいから『君なら勝てる』とでも言ってくれたらよかったわ」

「戦場では真実が最も重要。ウソは後から付けばいい。ひとりではいかせん。この者と、外部の協力者を連れて行かせる」

「協力者はどこに?」

「外で敵と戦っている。遅くともキングとの戦いには間に合うだろう。ゲートを開く。ルークよ案内するがいい」

「御意」

 

ポーンを受け取り、アリスはため息をついてルークについていった。

 

 

つづく




現在のレヴィルの装備
服装:ギルドナイトスーツ紅
武器:ライトセーバー

ライトセーバーのギミック
上下の先端からエネルギー刃を作り出すことができるが、長短に分かれている。2本つなげることでダブルライトセーバーと同じ運用が可能となる。1本の長さは25㎝。

仲間:東條悟…赤の女王の下では英雄にはなれないと思い反逆する。
戦闘時には仮面ライダータイガに変身する。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。