はい!アリスは戦い方を学びます!ゲームから!   作:らんかん

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一生N特格擦ってくるアリス

 ある日、先生とその仲間たちはミレニアム校区で戦闘をしていた。

 

 ヘルメット団と名乗る少女たちvsゲーム開発部の生徒たちである。先生は後ろから状況を把握しながら、指示を出す。

 

「アリス!そっちへ敵が行ったよ!」

「ごめん!そっちの対処をして!」

「任せてください!」

 

 黒い髪の、ものすごくデカいレールガンを持った少女が勢いよく遮蔽から飛び出した。

 

 先生が呼んだのはアリス。

 

 王女とかなんとか呼ばれていたすごいアンドロイドなのだが正直これを読んでいる人の中で知らない人はいないだろうということで説明は省く。困ったときはPixiv大百科でも読もう。

 

 普通だったら前に立ち、その大きいレールガンで撃ち抜くのが彼女の戦い方である。相手にとっては取り回しのいい大砲というだけで脅威なのだが、威力が高く弾道の計算も必要なしに撃てるレールガンである以上その砲口が向くことは死さえチラつく恐怖が与えられることになる。

 

 だが!アリスは!

 

 思い切って前に飛んだのである!

 

「ええ!?」

 

 先生はアリスとは思えない戦い方に困惑。

 

 しかし、当の本人は気にせず戦いを仕掛けた。いきなりデカいものを背負って突撃してくる小さい娘に驚いたヘルメット団の団員は逃げようと背を向ける。

 

「アリスのコンボを味わってください!」

 

 そう叫びながらアリスは_______

 

 なんと自分の武器から鉄の板みたいになってる剣の模造品みたいなものを二つ取り出して相手に殴りかかった!

 

「わあ!」

「アリスそれなになになになに!?」

 

 先生は困惑するが、それでもアリスは止まらない!

 

 そして背中を向けて全力逃走を図るヘルメット団員は逃げられない!

 

 アリスは思い切り空気を裂くように突撃し、そのまま格ゲーとしか思えないコンボを始めた。

 

 空気を裂くような突撃をし、そこからさらに自分のレールガンで二発左右に振って殴り、三発また剣の模造品で殴ってから、バッテン斬りでヘルメット団員にコンボを入れて叩き落とす!

 

「ヌヴォォォォォォ」

 

 無論食らった側はそんな法則が吹っ飛んだような連撃に抗えるはずもなく叩き落とされて悲鳴をあげる。

 

「なんかアスランみたいな悲鳴あげてるんだけど!てかなんでずっとアヴァランチのN特格を擦ってるのアリス!?」

 

 それを見た他の団員も逃げようとするが、アリスは逃す気はない。というよりも、新しい戦い方を試すようにワクワクしながら襲いかかっていく。

 

「ウワアアアアアアア」

「キャアアアアアア」

 

 スラスターでもついてるのかと言うくらい素早く飛んで、先ほどのコンボを相手に擦り倒すアリス。ゲームみたいな挙動で段々と叩き落とされるヘルメット団の少女たち。

 

「えい!」

「ヤメルォ!」

 

 アリスはずっと、同じコンボを繰り返す。どうしてか素早く動き、空中なら空中に浮いたままコンボを入れ切る。

 

 たまに反抗して撃ってくるやつもいる。だが、そいつにはレールガンでガードしながらまた同じコンボを入れ込み倒す。

 

「このアリス、なんか変……?」

 

 先生はアリスの変貌ぶりに

 

 もはや戦闘と呼べるかどうか分からないが、相手が撤退していくので実質的には勝利である。

 

 あまり先生と離れてはいけない、とアリスは駆け足でレールガンを担ぎながら戻ってきた。その顔は笑顔。

 

「先生!見てくれましたか!アリスの新しい戦い方!」

「いやあ見てたけどなんでそんなア○ァランチエ○シアみたいな戦い方してるの____?モモイを見てよ」

 

 先生はモモイを指さす。

 

 ゲーム開発部の才羽モモイ、名前の通り双子のピンクの方。

 

 自分の友人でもあり大切な部員であるアリスの戦い方を間近で見てた方なのに、それですら初めて見る戦い方をアリスはしていたと言うわけだ。急に人に接近して殴り倒し、ずっと同じ行動を繰り返しているアリスの恐怖を抱いたのか口から魂が出るくらい気絶している。

 

「そんな!モモイなら喜んでくれると思ったのに!」

「あのー、アリス?急に人を殴り倒したら誰でも驚いてしまうよ。どうしてそんな戦い方に?」

 

 先生は突然の路線変更に戸惑いながら、アリスが急に戦い方を変えた理由を聞くことにした。

 

 聞かれた方は、先生に嬉々として自分が学んだという戦い方について話し始める。

 

「発端はチビネル先輩との会話でした」

「ネルが?」

「なんでも『てめえの大事なもん守りたかったらもう少し戦い方を考えろ』って言われて______」

 

 どうやらエージェント組織であるC&Cのリーダーで、キヴォトス有数の強さを誇る美甘ネルに言われてのことだった。

 

 ある日一緒に戦う時があって、その時は普通に敵と戦っていたらしい。しかし、ある日急接近されてレールガンよりも近い範囲に敵が接近。なんとかレールガンを振り回して対処をしたものの、その際に近くにいた仲間の射線の邪魔をしたらしく結果的に退けたものの他の味方の邪魔になってしまったようで、その際に言われたようだった。

 

「その時に『今度教えてやるからそれまでに少しだけでも、気が向いた時でもいいから接近戦について調べておけ』と言われました。でも、アリスの武器はこれです、とても他の武器と一緒の動きができません」

「そうだね。それも含めて一緒に考えてくれるから、基礎?まあ近づかれた時にどう避けるかくらいは軽く調べておいた方がいいってネルは言ったんだと思うよ」

「しかし、調べても調べてもやはりアリスのレールガンでは取りづらい動きばかり、それでどうするか、アリスは考えました」

「その結果がアヴァランチエクシアなの?」

「いっそ、戦闘スタイルを変えて格闘戦重視のアリスになろうって」

「発想の高跳び」

 

 先生は呆れたようだが、話は見えてきたようだ。

 

「もしかしてゲーセンにいる時に思いついたの?それ」

「アリスがゲーセンでプレイした後、動画を見たらその動画の動きなら現実でも再現できそうだと確信しました!」

「____その動画を見せてくれない?サムネだけでもいいから」

「どうぞ!」

 

 アリスのスマホには、その動画が映っている。

 

 サムネの謳い文句には『一日一万回感謝の痛失N特』などというとんでもないことが書かれていた。

 

「あー_____そう言うことね、完全に理解したわ」

「先生!」

「あのねアリス、やめよう。それの真似はダメだよ。なんでよりにもよってでん○このアヴァランチなの」

「動きが簡単だったのでつい」

「これ人間が繰り返しやってたら普通に変質者扱いだよ」

 

 先生は流石にゲームの真似でこう言う戦い方をするのはやめようと嗜める。

 

「アリス、キヴォトスにはGNドライヴどころか射撃すり抜けとか格闘ガードとか誘導切りとかないの。てかまって、普通に浮いて格闘入れてたけどどうやってやったのあれ。いつの間に浮遊術覚えた?」

「違います!ある装備を作ってもらいました!」

 

 アリスは自分のスカートや靴を指差す。

 

 あまり可愛い少女の体を眺めるのは、と思いつつも先生は見てみる。すると、小さいファンのようなものがいくつかついていた。

 

「もしかしてこれで浮いたり移動したりできるの?」

「はい!これで空に浮けます!」

「ウタハ達に作ってもらったんだねこれ。いやー良くできて____え、部費とか大丈夫なの?ユウカ怒ってない?」

「上目遣いでお願いしたらオッケーをいただきました」

「度し難い!」

 

 先生は顔を覆った。

 

 ウタハはその用途が邪悪でなければ作る生徒であり、超小型のジェットパックで自由に動けるものという実用性と発展性を兼ね備えていそうなものを作らない訳はなかった。

 

 その結果は最高のものであるが、その先の使用用途が残念なのである。ゲームの動き再現だけならまだしも、それを実践に安直に組み込もうとするのに使われては有用なものも無駄遣いに終わってしまう。

 

「いやー、その装備自体はいいと思う。アメリカ軍もその手のものを作ってそらを飛べるジェットパック作ってたからそれを小型化して人が装着して扱えるようにしたのはすごく良いと思う。

 でもねアリス、それをオ○リザルアヴァランチの再現の為に使うのをやめよう。草葉の陰で泣いてると思うよネル」

「けど、アリスはこれでも頑張って考えたんです。先生は認めてくれないんですか……?」

 

 アリスは涙目で先生を上目遣いで見るが、先生はその可愛さに心臓を射抜かれたようにときめきつつも訴える。

 

「お願いだよアリス……私も、私も一緒に考えるから、オコリ○ルアヴァランチの真似だけはやめてくれ……!と言うかガンダムの真似はやめよう!アリスは出来るかもしれないけど、他の生徒達が付いていけないから!」

 

 事実モモイはついて行けてない、と言うより急に暴力行為に走って楽しそうにしてるアリスの行為に驚いてそのまま気絶している。今も起きてない。

 

「モモイみたいに気絶しちゃう子も出てくるから、そのジェットパックは付けてもいいからあんな戦いだけはしないで」

「ダメなんですか……?」

「人を殴り飛ばしたら銃弾よりもダメージが出てしまうし、それだと本当に死人が出かねない。本当に敵にも味方にも居てほしくないバーサーカーだったよ、アリス」

「そんな……アリスは悪い子ですか?」

「さっきのは悪い子だったよ」

 

 急に気が狂ったように殴り出したら、相手にとってもこっちにとっても恐怖の対象だ。仮にアリスに間違って撃ったら、それもまた大変なことになる。そう考えたら、流石に今の戦い方は咎めるべきだった。

 

「ダメだよ、アリスには悪いけど……でも大丈夫」

 

 先生はアリスの肩に手を置く。そして、少し笑顔にして言った。

 

「先生も一緒に探すから。戦い方」

「……はい!」

 

 アリスは先生に励まされて、元気に返事をした。その声の大きさで、モモイは意識を取り戻す。

 

「はっ!寝てた!先生、大丈夫!?」

「私は大丈夫だよ」

「アリスも無事です!」

「良かったぁ〜、アリスが急に暴走し始めたから驚いて気絶しちゃってたよ……よし、帰ろう!」

「はーい!」

「はい!」

 

 3人は暴力行為を働く不埒者のヘルメット団を倒して、帰路についた。

 

 空は晴れている。

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