ある日のこと。
最近はトリニティの生徒と絡むことが多かったアリスだったが、アリウスの過激派との戦闘、周辺のヘルメット団の撃退などで暴動を鎮圧してた献身的な行為によってトリニティの勇者になりつつあった。
「アリス様〜?」
そう呼ばれるまではアリスはお嬢様の中で小さな勇者として名を馳せている。
ただ、彼女もずっとボランティアをやっているわけにはいかない。モモイ達とゲームを作らなきゃいけない本責があるのだ。
「では、直にトリニティから出て行かない不埒ものを共に戦い、排除することでアリスさんへの感謝としましょう」
「はーい!」
ナギサはトリニティのイメージアップないし個人的な感謝も含め、アリスと共に戦うことになった。
だが、この作品は見ての通りの始末である。
つまり彼女は例に漏れることはない。漏れてくれ。いや、なんかこの言い方だと良くないな。漏らしてくれ?もっとダメだな。取りこぼすのは書いた方だから。
そんなナギサは、当日。
「なんだ!?あれほんとに桐藤ナギサか?」
「でも刀持ってるから神里綾華かもしれない」
「待て待て待て待て!声と刀で判断しないで!」
ヘルメット団のポンコツぶりに先生はツッコミ入れた。
しかし、ナギサは平然としている。
「先生。私の声は神里綾華で、刀を持っているんですよ?つまり綾華ですよ」
「まあ、聞いてくれ。神里流って刀一本じゃなかった?」
「でも武士は基本予備の刀で2、多ければ3本を帯刀します。創作でないので、これくらい普通だと思うのですが」
「6本も要らないよ!」
「要ります!」
彼女の強い返事を受けて若干怯む先生。
しかし、言い合いをしようにもヘルメット団は刀持ってるナギサのことを舐めていた。
「でも銃器持ってないなら平気だな!」
「そーだ!神の目持ってても銃に勝てるわけねえよな!」
「交番が爆破される時のような言い草」
「おらあ!しねえ!」
ヘルメット団員は一丸となってナギサへと突っ込んでいく。
アリスは光の剣を使って射撃するが、それでもあまり人員は削れない。
「先生!」
「ナギサ!早く避けて!」
「避ける必要はありません」
ナギサは刀を"全部"引き抜いた。
「え」
向かってくるヘルメット団のメンバーは困惑してる。
構えた彼女は6本持って叫ぶ。
「PHANTOM DIVE!」
そのまま6本を型出て持って薙ぎ払い先鋒にいた団員を弾き飛ばしてから飛び上がり、振り下ろす。
爪のような衝撃波が飛び、固まっていたヘルメット団はその攻撃を避けれず打ち上げられた。
「Let's Party!Ya-Ha-!」
ナギサは(色々な意味で)危険な領域へと突撃していく。
我々が一番知っているであろう六爪流で、何度も十字の斬撃を放ってから、飛び込んで吹き飛んだヘルメット団に追撃を入れて大ダメージを与えたり______
刀をたくさん回してから突撃して、相手を巻き込んで
「うわああああああ!?」
相手は情けない悲鳴を上げるが、ナギサはお構いなしに上へ飛ばし
「MAGNUM DANK!」
とそのまま地面へ叩きつけるとナギサの周囲を回ってから吹き飛ばしたりしている。
ナギサが暴れた取りこぼしを、アリスは珍しく普通に戦いながら拾っていった。
「うわーん!ナギサさんがおかしくなりましたー!」
「いやまあいつもあんな重責に耐えてるんだからここは目を瞑ろう……いややっぱダメだよ!」
「Ground Dragon!」
もはや原型をとどめていない暴走中のナギサは、地面に刀を突き刺して雷を走らせる。
すると、相手の後ろ側から稲妻が走って、彼女の方へと飛ばされてきた。
もう彼女は止まらない。
刀を振り回して斬りつけてから、相手が抵抗できなくなった状態で打ち上げる。
そのまま衝撃波を飛ばして吹き飛ばし、二回目大きく刀を振ってから遠くへと弾き飛ばした。
「くそ!もう意味わかんねえ!撤退だ撤退!」
「お嬢様の自覚もてクソアマー!」
「お前の友達メンヘラミゲルー!」
捨て台詞を吐きながら、血は出してないまでも痛い目に遭い続けたヘルメット団は大撤退を始めた。
二人の勝利である。なお、アリスは終始真面目にブルアカをしていた。
「これでおしまいですね」
「_____」
「先生?」
「ブルアカ第三期のOPはT.M.Revolutionで決定かな?」
「可愛いのがいいです」
「神里流も下品になったものだね!?お兄様泣いてるよ!」
一般通行人の和服のお兄さんを指差す先生。しかしそのお兄さんは様子がおかしい。
「キラ、何故俺たちが戦わなくちゃならない!」
「キラから預かった機体だ、使いこなしてみせる!」
「ちぃ、駆動系をやられたか…!」
「うわああああああーっ!」
「こういう局面ならデュエルで!」
「めちゃくちゃだな、おい」
「カガリに会えてよかった…」
「お前がニコルを!ニコルを殺したーっ!」
「歌はいいな、キラ」
「キィラァァァー!!」
「分かった…」
どうやら別人だったようだ。
「ごめんあれ別人だ」
「そうでしょうね」
「いやでもなんで、と言うよりどこで覚えてきたのそれ」
「アリスさんが勧めてくれたゲームで覚えました」
「イチカもそうなんだけどなんでトリニティでBASARA流行ってるの?」
「みなさんストレスを溜めがちなのでイケメンでモブをぶち飛ばしたい欲が_____」
照れながら話すナギサの肩に先生は手を置いた。
「あのね、ナギサ。このままだとゲヘナまっしぐらだよ」
「無論分かっています。こう言う戦い方はあまり好ましくないと」
「ですが」
彼女の顔は落ち込んでいる。
「他二人が役に立つような状態じゃないから私だって頑張ってるんですよ!だって、片方謹慎中でもう片方は病院とランデブーですよ!?私一人だけで頑張ってたら限界で_____」
「ああ、それは仕方ない。うん、ごめん色々言っちゃって」
「シスターに懺悔できる内容でもないってなったら!もう奥州筆頭になってキヴォトスを戦国時代にするしかないではないですか!」
事実、エデン条約後の彼女は非常に大変な立場にある。
救護騎士団、シスターフッドが政治に介入することであの一件以降『トリニティ全体で政治をする』といういい方向にシフトしていている。しかしティーパーティは健在であり、おまけに派閥の主の2/3が諸事により参加不可。結果、ナギサにかなりの負担がかかっていた。
先生としても生徒が困っていることを解決したいのだが、あまりに干渉しすぎると立場上の問題が大きい(そも外部が組織の行先の決定権を強く持つのは世間体的に相当まずい。先生だから大丈夫という世論になってもそれはそれで別問題が勃発してしまう)。
結果、先生は彼女を慰めることしかできなかった。しかし、今回の発散の仕方はナギサ個人の扱いが良くない方向に変わることもありうるため仕方なく諌めることになる。
「でも次からはやめてね、話はいくらでも聞いてあげるけど刀で戦うになったらそれはもうプロジェクトKVだから」
「アリス知ってます!ブルアカのパチモンですよね!」
「そうかなあ、そうかも?」
「うわーん!先生が四聖になってしまいました!」
「分かりました、では___今度、話を聞いてください」
「もちろんだとも」
ともかく、相手は倒し終わった。戻ることにしよう。
そうして三人は歩き出した。話題の三人で歩いているのだから、目線はかなり引く。
「え、ナギサ様____!?」
「ナギサ様カッコ良すぎます!その衣装は、もしかして!」
「ええ、百鬼夜行の方に用意してもらいました。いいでしょう」
お嬢様達を魅了しながら、三人はトリニティへの校舎と帰ってきた。
窓からは日差しが差し込んでいる。