アリス登場。
アベンチュリンの真似をした時の帽子をかぶっているが、全体的にスーツ調のカウガールのような服装だ。
「てめえ何をしにきたんだ!」
「はい!あなたを倒しにきました!」
「このお!」
相手はヘルメット団の一員となった機械の兵士。どうやら、壊れた銀行用ロボットを改造して戦闘に耐えうるように改造していたようだ。ずっと繰り返されるアリスの侵攻に頭を悩ませていたが故の苦肉の策。ただ、機械だからこそ容易な改造によって相手はだいぶマッシブな機械を暴れさせることに成功しており、それはある生徒を悩ませた。
「先生!あれだ!私たちをボコボコにしたやつ!」
イオリが声を荒げて指を差している。
そう、しばらく追っていたヘルメット団たちはトリニティからゲヘナへと移動しつつあった。
アリスたちが大暴れした後は、どうやら別の新天地にてキヴォトスの侵略を狙っていたらしい。それを察知できないゲヘナの生徒ではなかった上、マコトは何かする前から気づいていたのだが
(これ放置してあの憎き風紀委員長を泣かせればいいのでは?)
と情報を握りつぶしてしまった。
おまけに最近はホシノの手伝いも始めたヒナはチンピラの相手で数も多くないからと風紀委員のメンバーにこれを委託、したのだったが_______
カイザーPMCの一派も絡んでいるのだから普通に武力で制圧と行かないのだった。それゆえに風紀委員は一度撤退。シャーレに増援要請して、今に至る。
マッシブ兵はどうやら目の前の敵を潰すのが最優先らしい、そのままアリスへと襲いかかった。
今回は光の剣を持ってきていない。
「アリス!」
「大丈夫です!」
アリスは懐から武器を取り出した。
それはアサルトライフルであったのだが、折りたたみ式のブレードとパイルバンカーを兼ね備えている。アリスはブレードを展開してまずは相手を切りつける。
機械が悲鳴を上げるわけないが、動きに大きな遅れを生じさせたのを確認してから引き金を引いて連射。銃弾のノックバックによって浮き続ける相手を二回またブレードで切りつけてから、背中を向けて逆手持ちしたライフルのパイルバンカーで相手を突き飛ばす。
「テキサス・ホールデム!」
突き飛ばされた相手は路地の壁に激突。だが、強化されて修復までとはいかないまでもある程度復帰できるような装置によってまた立て直す。
「すごいぞアリス!と言うより物騒!」
「イオリ、物騒とか言わないであげて」
「あれ結構暴力的な武器じゃないか?」
「否定はしない」
相手はもう一度、機械なのに学習すると言う部分が不足しているのかもう一度アリスに殴りかかってきた。だが彼女もそんな単純ではない。
アリスの手には、トランプ型の爆弾が。
「カードマグナム」
そう言って投げると爆発し、重量故に吹っ飛ばない機械にもう一度銃弾を撃ち込んでから、今度はカードを展開して強風で回転させ相手を吹き飛ばした。
「ファイヤーマウス!」
機械の関節と回路は火花をあげて、それを悲鳴が割としているがやはり頑丈。しかし、先の吹き飛ばし攻撃はこの兵に着地を許すものではなく、高いところに当ててアリスへと跳ね返させるようだった。
彼女のところに飛んできた兵を、アリスは追撃する。
「アリスの早撃ち、見ていってください!」
そうして彼女はアサルトライフルを放り投げて相手をそれで切り上げる。
浮き続ける相手に、懐から大きなリボルバーを取り出してからマガジン二つほどの銃弾を投げたライフルが落ちてくるまでに撃ち切った。
それでも下からの攻撃に対応できてないマッシブ兵は浮いているので、アリスはフィジカルを活かしてさらに追撃を入れる。
「動かないでください、外れますから!」
ライフルとリボルバーを持って、下から射撃。その攻撃の反動で浮かび続ける。
そのまま高く打ち上げてから、飛んでさらに高く浮かび上がらせるアリス。その追撃に相手も腕を振ることすら叶わなくなるほどボロボロになっていった。
着地してから、アリスは構えた。
「ラスト・ショウダウン、行きます!」
落ちてきた相手に、攻撃を仕掛ける。
まずブレードを展開してそれを回して打ち上げると、その場でライフルを放り投げてリボルバーの早撃ちを決める。
奥の方へと落ちていくライフルを素早く移動して拾ってから、弾を撃ちつつブレードで切りつけるという危なっかしくもかっこいい動きで相手の急所を確実に狙って破壊していく。
そうしてある程度攻撃したら最初の位置に戻りつつ、パイルバンカーで高く撃ち上げた。
「ラストです!」
高く打ちあげられた相手を待ち構えるように、アリスはリボルバーを構える。
そのリボルバーは変形し、レールガンのようになって稲妻を奔らせた。
「OK、天国まで連れて行きます!」
笑顔でそう叫んだアリスは、引き金を引いた。
すると、アリスそのものは機械による重さで吹っ飛ばなかったものの極太のレーザーが発射され、相手を包むように攻撃。その勢いで相手は思い切り破壊され、レーザーが収まる瞬間に爆発。
帽子が真上に飛んだものの、自身の近くにひらひらと戻ってきたアリスはそれをキャッチして被り直す。
「お開きです」
これにより、相手の切り札は破壊。
「くそっ!覚えてろよー!」
わかりやすい叫びをしながら、ヘルメット団は撤退していった。
ことが終わると、先生とイオリは近づいた。
「すごかったぞアリス!」
「えへへ」
「いやあすごいねアリス、ところでその武器はどこで?」
「黒いシロコさんからジャンク品でいただいたのを改造しました!」
「どんなジャンク品を貰ったんだろうな」
ともかく仕事は終わったのだから離れよう、そうして三人は大通りへと戻ってきた。
先生はもはやオフィスワーク係になったプレナパテスに電話をかける。
「もしもし」
『あ、終わりましたー?』
「アリスは今回も大活躍だったよ。ところで、あの武器は何?」
『ああ、あれですか』
プレナパテスは説明をする。
『私のシロコが使えるからって押し付けてきた武器を研磨して改造しただけです。えっと____BD-0 MURAKUMOと、RF-024 TURNERと、KIKUをある程度使いやすくしてから改造しました。アリスにも馴染む、と思うんですけどいかがでしたか?』
「全然活躍したからありがたいしガンスミスとしてのプレナパテスの腕は評価するけど____なんでACの武器で作ったの?」
『一応他にもないか聞いたんですけど状態が良かったのそれしかなかったので』
「ええ」
どうやらこのキヴォトスに世界観の壁という概念は薄いらしい。
『私のシロコ曰く"ACとのクロスがAC6から入ってきた新参がたくさん作ってるからその影響で流れてくる"のだそうで。おかげでいろんな武器が手に入って、ウハウハなんですって』
「それは素晴らしいけどもしダメなことだったうちはもうミュトゥスにアインストにめちゃくちゃになってそうだね」
『私と自販機が復活している時点で今更では?』
「手始めの現象となってたらもう怖くて仕方ないよ」
しかし、クロコもどうやら一枚噛んでいた様子。こうして少しずつだけれども歩み寄ってくれているのを実感した先生は、電話をそろそろ切るべく挨拶をする。
「少ししたら___うーん、三時間後ぐらいまでには戻るよ」
『了解しました。書類は終わっているので、ゆっくり羽を伸ばしてきてくださいね』
「生徒みたいに生えてないから手足を伸ばそうじゃないか」
『それは欠伸と言いますよ。それでは』
「じゃ」
話は終わって、三人はゆっくりとゲヘナへ進む。
今日の天気は晴れである。風がちょっぴり冷たい。