はい!アリスは戦い方を学びます!ゲームから!   作:らんかん

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ブラックバレルを撃つアリス

 ホシノの要請で化け物退治をすることになった先生は大きな船に乗っている。

 

『ストームボーダーを手に入れたからそれ使うよ〜、あ機能は大体ウトナピシュティムと同じだよ』

 

 などと言われていたが、その外観はそれとは乖離していた。

 

 全体的に白く、前の方はサーファーボードのような形で白かった。丸っこく、エンジンブロックなどは全部後ろに集約されていて、美しいが少し既視感がある見た目。

 

 必要な人員はすでに乗り込んでいると言われたのでそのまま急いで乗り込んで、艦橋に先生が到着。

 

 ブリッジの内装は派手にも程がある。

 

 宮殿のような柱がいくつもあって、高級なソファがあって、デカくて高級な椅子があって、その下にはいろんな奴がいる。全員ホシノだ。

 

「あ!先生が来たー!」

「うへー」

「リーダー呼んでくるー!」

 

 全員水兵の制服着てる。

 

 呆然としていると、後ろからホシノがやってきた。

 

「うへー遅かったね」

「ねえこれブリュンヒルt」

「ストップ!言わない約束だよ!」

「どこでこんなとんでもないものを!?」

 

 ウトナピシュティムでもストームボーダーでもないこの船をどこで手に入れたのかホシノに聞く。なお、返事は割と曖昧。

 

「えーとね、掘り当てたの」

「掘り当てたってこれを!?ストームボーダーとして運用するのは無理あるよ!虚数空間に何日も居れるわけじゃないんだよこれって!」

「いやあ、それがね。ユメ先輩と一緒に掘り当てたの」

 

 うへーの大合唱の反対側で声がする。

 

『やめろ!この船は俺のものだ!貴様らに扱えるものじゃない!』

『黙っててよ王子様!ね!ちょっとだけだから!ブラックバレル使ったらエネルギーすっからかんで落下するかもしれないけど!』

『それがダメだと言っているんだ!』

 

 堀川りょうのような声が後ろから響いてきた。色々大変なことになっている。

 

「と言うかいつの間にユメ生き返ったの?」

「なんか腕が沢山生えたお姉さんだかお兄さんだか分からない人に彼女の死体を渡したら生き返ったよ」

 

 深く突っ込もうとする先生だったが、ホシノからすごい殺気を感じる。このまま突っ込んだら死にそうだ、そう考えた先生はその件に関してだけは口を閉じることにした。

 

「ウトナピシュティム持ってこようよ!今からでも遅くな」

「ストームボーダー、発進!」

 

 この船はそんなことお構いなしに上昇。

 

「いっくよー!」

「わわっ!?」

 

 ホシノの一人が操縦を始めて出撃を始めた。しばらくは地上に戻れなさそうである。

 

 揺れが激しくて立っていた先生はその場で捕まれそうなものに捕まって転倒を防ぐ。ホシノも手すりに捕まって耐えた。

 

(ああもうめちゃくちゃだ、これ動かしてどうするつもりなんだホシノ)

 

 当人はハミングしながら艦橋を歩き回っている。

 

 少し時間が経って航行高度に達してから前進してると、艦橋にプレナパテスが入ってくる。

 

「いい船ですねえこれ」

「絶賛なんかブリッジの後ろで喧嘩やってるけどね」

「これだけちゃんと武装あって生活出来るなら最高級の船だと思いますよ。装飾が華美で落ち着かないのはネックですけど」

「絶対後で呪われると思うね。後ろで死者が取っ組み合ってて落ち着けないよ私は」

「ん〜私も死んでますね」

「幽霊船に乗り合わせてしまったな」

 

 顔に手を当てやれやれと振る先生。プレナパテス、ユメは一回死んでいて、ブリッジの後ろでなにかやってる堀川りょうの声がラインハルトならそいつも死んでいる。

 

 後ろの喧嘩はさらに激しさを増す。

 

『あーもう!そんなに解放されたいんだったら私と腕相撲でもやる!?いいよ!私負けないから!』

『ニャメロン!勝てるわけがないっ!』

『それともプロレスでもやる!?私みたいな美少女とやれるなんて光栄だと思ってくれていいよ!』

『もうダメだ、おしまいだぁ……!』

「これ折檻されてるの常勝の英雄じゃなくてベジータ星の王子では?」

「いやでもラインハルトの可能性も残ってるよ」

「旧ブロリーの語録喋るラインハルト嫌じゃないですか?」

「ラインハルトの真似するベジータも嫌だよ」

 

 先生達は肩をすくめながら目の前を見た。

 

 ダラ・アマデュラの倍ぐらいに匹敵する頭のもげたビナーが這い回っている。

 

「え?」

「え?」

「あれ言ってなかったっけ、これを討伐するんだよ?」

 

 さも当然のように言うホシノに先生は引いた。

 

「討伐とかそう言うものじゃないでしょあれ。総力戦として今度の議会に提出するからな」

「今度じゃダメだよ。今討伐しないと」

「それはそうだけどブリュンヒルトの全砲門使って足りるこれ?ミサイル使っても無理だと思う。今から引いてバルバロッサ掘り当てて持ってこようよ。ゼッフル粒子あったほうがいいって」

「先生は心配性だなあ……あ」

 

 ホシノは近場にいるホシノ・マリーンに声をかけて、モニターを一つ映した。

 

 そこにはブラックバレルのようなものを構えたアリスがいる。

 

『アリスです!今照準合わせました、エネルギー供給次第発射できます!』

「ようしアリスちゃん!おじさんといっしょにがんばろー!」

「あーもうめちゃくちゃ」

「艦長!相手こっちに気づいたようです!でも多分ゲロビは来ないと思います!顔ないもん!」

 

 ホシノマリーンズの一人がレーダーの反応により報告、映像に映し出された頭のないビナーはこっちを向いていた。尚当然の如くなんかギアが三つついている。

 

 先生は椅子に座って指示を出す。モニターに武装一覧を表示させて、使う武装と使わない武装を分けた。

 

「ミサイルとレールガンを使え!主砲および対空機銃のエネルギーをアリスの装備に回す!」

「レールガン!?いいの!?」

「どうせ実弾装備なんて抱えててもどうにもならないから!臣民の血税を勝手に使わせてもらおう!」

「あっちょっと!これぜんぶおじさんだよ!?勝手に主導権取らないでよ!」

「慣れてる人が指揮したほうがいいでしょ!折角の玉座なんだからさ!

 全艦戦闘態勢!」

『ホシノ・マリーンズ、準備完了!』

『ホシノ・ベーカリー、まだ発酵中だよ』

『ホシノ・ナース、今掃除中』

『ホシノ・プロセッサー、いつでも行ける』

『ホシノ・エンジン!行けるぜ!』

 

 そのまま先生はアリスにも指示を出した。

 

「エネルギーケーブル接続!ブラックバレルをあの芋虫に入れてやる!」

『了解です!』

「敵、ミサイルを真上に発射!数120!」

「バカの数!仕方ない、アリス!」

『はい!』

「主砲のエネルギーだけになる、しばらく艦内で待機!」

「いや、その必要はありません」

 

 隣にいたプレナパテスは、先生の指示に待ったをかけた。

 

「どうして!」

「ブリュンヒル___えっとストーム___ウトナピシュティム?まあどれでもいいですけどこの艦の防御性能を信じましょう。ホシノマリーン!」

「はーい!」

「ミサイルの操作は手動で出来ますか?」

「できるけど精密操作は不可能だよ〜。自爆をやらせれるくらい」

「結構です。私の指示に従ってミサイルを爆破してください」

「そんな掛けが通用するのか?」

「通用させるしかないでしょう」

 

 火器管制担当のホシノの横についたプレナパテス。彼を信じることにして、先生は指示。

 

「アリス!今どれくらい溜まってる!?」

『50です!あと30秒は必要です!』

「先生!」

「ミサイル爆破!」

 

 首なしビナーは真上に放ったミサイルを先生達の旗艦に向けて放ってきた。

 

 ミサイルの爆破によって一瞬で膨大な熱量と爆風、破片がばら撒かれて相手のミサイルを巻き込む。本来だったらあまりにも非現実的な一手だったが、プレナパテスがほぼ機械のような身体と性能をしていたおかげで当たっている。

 

 しかし全部が巻き込まれたわけではない。うち40ほどのミサイルが軌道こそはっきりしてないものの旗艦へ突っ込んでいく。

 

「上下回避!」

「だめです!」

 

 ミサイルを減らしても30ほどが旗艦にぶつかった。

 

「うわっ」

「あちゃー!?」

「あわわわわ」

 

 全員構えて衝撃を受け切ってから立て直すと、思ったよりもこちらの攻撃が効いたのか黒煙を噴き出している首なしビナーがモニターに映し出される。

 

「被弾箇所を報告!」

『損傷なし!』

『こちらも大丈夫〜!』

「エンジンも大丈夫だぜ!」

「よし!」

 

 全員の無事を確認した後、アリスからの連絡が入った。

 

『70%突破しました、そろそろ構えます!』

「わかった!」

『できる限りエネルギーを回してください!相手は被害のせいでうまく動けてないようです!』

「管制官!ミサイルだけ続行!レールガンのエネルギーもアリスに回す!」

「りょーかい!」

『アリスも光の剣連結させてチャージを急がせます……よし!』

 

 段々と互いの距離が近くなる中で、アリスはカウントダウンを始めた。

 

『エネルギータービン全開。出力80…90…リミッター解除!100…110…ブラックバレル最大出力!これで決めます!』

 

 期間の甲板より、赤黒い光が飛んで相手へと刺さる。

 

 その一撃は神秘の世界ですら悍ましい死を与える一撃。如何に図体が出掛かろうとも“死”が付与され存在の終焉が齎された。

 

 故に相手は爆ぜ、身体の続く限り連鎖して砕けた。

 

 先生達の勝ちである。

 

「やりぃ!」

「やりましたね!」

「わーい!勝ったー!」

「すごいよアリスちゃーん!」

『アリス頑張りました!でも……』

「でも?」

『ブラックバレル壊れました』

「あらー……まあいいでしょう」

 

 実はブラックバレルもクラフトチェンバー製。この作戦に先んじてプレナパテスが用意した代物だった。本物と違って耐久力はなく、艦のエネルギーに光の剣を直繋ぎして一発撃てたのだから偽物にしては万々歳だ。

 

 仕事が終わったのだから、先生は帰ることを提案。みんなの呼称が違う船は、砂漠を航行して帰路に着く。

 

『ああ、ほら。何か言ってご覧なさいよ!ちょっと!もう戦闘終わっちゃったじゃん!マシュごっこしたかったのに!』

『ぐ、ぐえ……』

 

 艦橋の後ろではまだなんか声がする。

 

「ところであれどうしますか」

 

 プレナパテスは質問をしたが、先生は歯切れの悪い問いを返した。

 

「よく言うでしょ……」

 

 ため息をついて、先生は言った。

 

「触らぬ神に祟りなしって」

「言うてもいるの亡霊が三人だけですけどね」

「十二分に事故物件だね……」

 

 陽射しがいい事故物件は、着陸シーケンスに入った。

 

 随分と縮小された奇跡が一度、終わりを告げる。

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