はい!アリスは戦い方を学びます!ゲームから!   作:らんかん

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塊魂をしようとして失敗したアリス

 ある日。

 

 プレナパテスは一人でヘルメット団の基地の一つにやってきていた。

 

 色々な騒ぎが重なっているが、その中でも穏健派に該当する集団に話を聞きに行くと言うことで事前にアポを取っている。最近の先生よりは先生をしているが、戦闘指揮はとりあえず先生に任せた方がいいとの判断である。

 

 彼が表に出て混乱が出るかどうかと言う懸念もあったが、結局デカグラマトンも生き返っているので誤差だ。

 

「____というわけなんだよ。まあ、そのベア……んだっけか。まあそんな感じのやつが関わってる。正確にはそいつらの仲間がアタシらと手を組もうと言ったわけだ」

「そうなのですか」

「と言っても一枚岩じゃないからな。当然校区ごとに帰属意識の先が違うように、アタシらもそこ違ってくるってわけ。んでアタシらはそれ乗らなかったのよ。生徒や学校のこと嫌いだけど、先生いないと困るし」

「それはそうですね」

「でさプレっち、この情報で分かったことってあんの?」

「えっと」

 

 プレナパテスは口にした。

 

「すでに死んではいるのですが、ベアなんとかというのはおそらくベアトリーチェですね。ゲマトリア____えっと、あなたたちに話を持ちかけてきた組織の裏にいる組織のメンバーです。もう死んでますけど」

「じゃあその後進組織がいるってことか?」

「そういうことになります。ただまあそのベアトリーチェはカイザーと関わっていたわけではないので、結果的には本来カイザーと関わっている黒服などがみたら攻撃するのも理解できますね」

「なるほどなあ」

「後世にのみ判断の善悪を決めることはできませんが、少なくとも貴女は正しい方を選んだと思いますよ。私たちはそちらに協力できるので」

「そりゃどーも」

 

 二人は一度会話を終えた。

 

 すると、奥から話していたスケバンの部下がやってくる。

 

「大変だ姉御、またあいつらが暴れたって情報が入った」

「暴れてるではなくて?」

「それはもう先生達が倒したから問題はないって来た。だけどもう少し用心した方がいいかもしんねえ」

「気をつけておこう」

 

 部下はそのまま下がっていった。しかし、少し遠くが騒がしくなってくる。

 

「なーにやってんだか」

「微笑ましいですね」

「そっかあ?」

 

 その騒ぎが近づきつつあることは、声が証明した。

 

『ぎゃー!』

「わあああああっ!?」

「ん?」

 

 気をつけようと思った時にはもう遅かった。

 

 転がってきたのは幾人も巻き込まれた玉のようなもの。

 

「えっ!?」

 

 しかもそれが建物に当たった挙句、急に解けて飛び出す。

 

「危ない!」

 

 話していた不良を己の図体のデカさで覆って、守るプレナパテス。

 

 一瞬にして解けた塊が水飛沫のように弾け、人々が地面に転がった。

 

 そしてプレナパテスの前にやってきたのは。

 

「あだ……なにこれ」

「先生!?」

「やあ」

 

 先生である。

 

 紫色のボールがビルに引っかかったままだ。

 

「目、目が回るでござる……」

「く、くそぉ……あの女……」

「砂漠まで転がすとか訳わかんないじゃんね……」

「なんかちらほらキヴォトスの外から来てる人がいますね」

 

 事態が飲み込めないプレナパテスは、先生に聞く。

 

「な、何があったのですか?」

「聞いてくれプレナパテス。私さっきまでトリニティにいたんだ」

 

 先生は回想を出した。

 

 

 彼は諸用でトリニティの会議に出ていた。

 

 未だ足を引っ張るエデン条約の一件。ゲヘナに顔出しトリニティに顔出し、特に疲弊した後者のフォローはシャーレとしても見過ごせない案件であり、外からのコンサルタントとして先生が呼ばれることが多かった。

 

 その仕事を終えた後、シャーレの権限でティーパーティーの三人を連れ出した先生だったが……

 

「先生!今日はいっぱい遊ぼっ!」

「あっミカ勝手に抱きつかない」

「ミカ!私も!」

「ナギサ!!やめて!!」

「私は軽いからいいだろう」

「ヌヴォオオオオオ」

 

 その三人がそれぞれに顔を合わせれず寂しかったのか、先生に抱きついた。

 

 頼れる異性の大人の魔力って割とすごいのだな、と思っていた先生だったがそこはなんと坂道である。

 

「三人とも離れて!このままだと転がる!色々とやばい!」

「三人で力を合わせればへーきへーき」

「へーきじゃないよ!」

 

 先生は踏ん張って転倒回避しながら歩いていると、通行人がこっちを見ていた。明らかにキヴォトスの外からの観光人のように見える。

 

「あれが噂のティーチャー・忍者サン!面白そうなことをしているな、拙者も混ざるぞ!」

「混ざらなくていい混ざらなくて良いから!」

「着⭐︎剣!」

「着剣じゃない!」

「では____チャー⭐︎研?」

「よくもこんなキチガイ忍者を!」

 

 その観光人も先生に思い切り抱きついた。先生は転倒しそうになっているがまだ耐えている。

 

「まだだ、まだ終わらんよ!」

「頑張るんだ、私はまだ落ちたくはないからな」

「じゃあ降りなさいよ!」

「嫌だ。シマエナガもそう言っている」

「じゃあナギサ!ナギサ降りて!」

「情熱を秘めた肉体」

「やめないか!」

 

 抱きついてくる者たちを必死に下ろそうとするが、その時止めの一撃がやってきた。

 

 紫色のボールが迫ってくる!

 

「うわーん!先生!避けてください!」

「ダニィ!?」

 

 無論すぐに四人が降りたところで避けられるはずもない。しかし、だからと言って押し返せる手段があるわけでもない。

 

 結果その紫色のボールに絡まることになった。何故だか吸引機能があって、剥がれない。

 

「わ、わ、わあああー!?」

 

 先生たちは、アリスのトドメによってキヴォトス中を転がり回ることになった。

 

 

 そんな顛末を聞いていると、アリスがやってくる。

 

「皆さんごめんなさい!アリス、塊魂ごっこしてたらこんなに……」

 

 こんなことをしようとしたアリスにも事情があるようだった。

 

 塊魂を見て思いついたアリスは"これができれば戦わずして勝てるのでは"と思いついた。もしこれが実用化されるなら、ヴァルキューレももっと楽になる。

 

 そう言った提案で開発部を動かし、実用化できる範囲でボールを作成。大きなボールを使い、トリニティの許可を得てゴミ拾いと称しテストをする彼女だったが、どうやら風に煽られて手を離してしまったらしい。

 

 その結果、先生たちに当たってこのような惨劇になったということだ。

 

 ただ、先生は企画を通してちゃんと許可を得た上での事故なので咎める気はないらしい。

 

「いやあまあ怪我人は居ないみたいだし、大丈夫だよ。あれは事故だった、坂道だったし」

 

 死人はいなさそうとはいえ、景色は死屍累々。

 

「ほ、他の人は大丈夫ですか!?」

「イラつくぜ…野良犬に…憧れてたんだ…」

「AMSから、光が逆流する…!」

「オ、オレヴァ…!」

「ちょ、どいて!色々どいて!胸がつぶれる!ウチの胸!」

「退けるなら退いてるモンニ!」

「…母よ、マリカよ。私は、呪う。貴方を…」

 

 もはやどうしようもない状態だ。

 

 とりあえず身内がやらかしたことだし謝ろう、そう思ってプレナパテスはスケバンを見た。

 

「いや、失敬。なんとお詫び申し上げれば良いか」

「ん?まあ、別に建物が大きくぶっ壊れたーでもねえしいいよ」

「そうですか……?」

 

 不良は、巻き込まれたもののうちの一人を見つけた。赤い肌で、白い何かがついているドレスの女。

 

「こいつに見覚えない?」

「……あーっ!?」

 

 そう、この話で最初に出てきていたベアトリーチェなる人物がいるのである。

 

「ベアトリーチェじゃないか!」

「ええ!?なんだって!?」

 

 先生は急いで飛び起きてプレナパテスと一緒に近寄った。

 

 間違いなくベアトリーチェであるそれを不良と一緒に三人で囲う。息はまだしているが意識は戻っていないようだった。

 

「占めたもんだ!これで事態は進むよ!」

「とは言ってもどうしますか、シャーレに持ち帰って起きたら暗殺〜なんて事あったら大変ではないですか」

「地下室においてちゃダメかな?拘束具をかけてたらなんか良い感じにならない?」

「薄い本ですね。いやまあ、かけられるならかけた方がいいかと」

「黒服に?」

「ええ」

 

 しかし、黒服への電話番号を持っているわけではない。

 

 仕方ないので先生は、カイザー理事に電話をかけることにした。

 

『どうしたのだ先生』

「ベアトリーチェを拾ったのだけどどうしたらいい?」

『ユニバアアアアアアース!』

「ダメだこれ」

 

 先生は会話を諦めた。

 

 しかし、この惨状の片付けは諦めてはならない。

 

 めんどくさいが今はまだ昼、夕方に差し掛かってはいるが。

 

 天気は、雪のない乾いた風の晴れだった。

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