ある日。
アリスが同じ技をリアルで擦って倒したヘルメット団に襲われていた。
「キエエエエエエエ!」
「ヤァ!」
先生はアリスに指示を出して、相手の攻撃を避けるように指示を出す。
「アリス避けて!」
「分かりました!」
アリスは、上に飛んだ!
そのまま光の剣を構えて……と思いきや、その光の剣がどんどん変形して弓になっていくではないか!
「え!?」
先生は驚いた。
いつの間にアリスのレールガンにそんなものが!と言うより、弓モードになったところでそんな意味があるとは思えない。
だが、アリスはそのまま弓矢モードで弾を放ってヘルメット団員に直撃させてから、飛び込んでいくがその時に光の剣は今度はジェットパックに変形した!
「なになになになにアリスまたなんか変なの覚えたの!?」
先生が大困惑する中で、またまた光の剣を変形させる!
「きゃあああああ!」
「あ、あれなんか見たことあるぞこれ!」
そして、アリスの光の剣は!
でけえ大剣となった!
「わ、わ、わぁ!」
先生は唖然としながら、そして相手は発狂しながら逃げていくがアリスは敵を逃さない!
一人の団員に超接近したアリスは、そのままその大剣を左右に一回ずつ振るが______
最初の一振りを外して、振り返しの二発目を当てる!
「ぐえっ」
と言う悲鳴をヘルメット団の団員は上げるが、その二発目で軽く浮かせて少し後ろに飛ばしたアリスはそのままステップを踏んで二発目を当てて飛ばしてステップを繰り返す!
もはや悲鳴も薄れて物がぶつかりまくる音の方が大きくなって、餌食になってたヘルメット団員は力尽きてその場に落ちた。
「や、やべえ!あの女前よりやばくなってる!」
「逃げるんだぁ……勝てるわけがないっ!」
「逃しません!」
逃走を図るヘルメット団を、また光の剣をバックパックに変更して追従するアリス。
近づいたらまた剣にして振り、相手にぶつける。また2段目を当ててステップを踏むという動きを繰り返しながら、アリスは倒しては追って倒しては追ってを何度もやる。
相手は銃撃を勿論するが、キヴォトスの生徒は異様に固い!言ってしまえば常時スパアマみたいなものだ!しかもアリス自体は小さいからそうそう当たる物でもない!
同じ動きを相手の動き関係なしに擦り続けるアリスだが、そもそもアリスはアンドロイド。パワーが桁違いに強く、ヘルメット団員が思っているほどその剣を振り回せる速度を見誤ってそのまま当たる。
当たったやつを倒してから、最後撤退しているヘルメット団員に前の戦いで作ってもらったブレードを投げてから相手を転ばせてそのままコンボへと持っていく!
そんな動きを繰り返した結果、アリスは単体攻撃を素早く繰り返してヘルメット団を一人で半壊させるに至ったのである。
「あ、待ってください!アリスの赤い一撃を喰らってください!」
「絶対にいやだ!!!!」
そうしてまた、ヘルメット団はアリスによって撤退を余儀なくされた。
被害で言えばこの前の敵にも味方にもきてほしくない動きしてたアリスの時とは桁違いだ。相手のガスマスクやヘルメットは思い切り粉々に割れてるし、死屍累々と言っても過言ではない景色が広がっている。
「やりました!アリス、一人で相手を倒しました!アタボがとんでもないことになってます!」
「キヴォトスの住人であるアドバンテージ活かしすぎだよアリス______」
また変なことを覚えたのか、と思った先生はまたアリスに近づいて聞くことにした。
「また今回も変な動きを覚えたねアリス。その汚い透かしコンどこで覚えたの?」
「汚い透かしコンって言わないでください。これは、エンジニア部の人からお薦めされました!」
「誰から?」
「ウタハさんから!」
「何やってるの!」
先生は頭を抱える。
「というかその剣ほんとに剣?」
「これ自体は厚みがあって切れる物ではないです。」
「で、そのウタハさんから何を教わったの」
「前に先生にやめてって言われたことを伝えたら『勿体無い!もっとすごい動きが出来るようにする』って言われて_____そしたら、光の剣も変形して戦えるようになりました」
「○刀流赤枠改の動きをこんな無垢な少女に勧めるウタハ並行世界探しても絶対いないよ!本当に何やってるの!?」
「あと、アリスの持ち機体赤枠改になりました!」
「ちなみに前は何乗ってたの?」
「ゴッドガンダムです!」
「うちのアリスも多分並行世界探してもいないと思う」
なんにせよこの戦い方も少し問題だと思った先生は、アリスに話し続ける。
「ねえ、アリス。この戦い方も残念だけどやめよう」
「でも一人でこんなに倒しましたよ!」
「リアルで痛失やってたら本当に人の痛みが分からない子になっちゃうよ」
アリスは注意されて落ち込んだ。
「前の戦い方もダメだったのに、今回もダメなんですか……?」
「アリス、世の中にはね、第一印象っていうのがあるの。すでにアリスのことを知っているゲーム開発部の子だったり、C&Cの子達だったり、エンジニア部の生徒たちは多分問題ないと思うよ。でもね、たとえばこれが他校の生徒……ゲヘナはともかくとしてトリニティとかになっちゃうと、アリスは野蛮な女王として恐れられる可能性があるんだよ」
「アリス、悪い魔王になるんですか……?」
「ほとんどなってるよリアルで痛失ムーブのは流石に怖いよ。エクバやってる浅上藤乃くらい邪悪だよ今のアリス」
「そんな……アリスは頑張ってるのに」
「言ってしまえば悪い時のユウカになっちゃうよ。それはダメでしょ?」
「うわーん!それだけは嫌です!」
ユウカの話をすると借りてきた猫のようになるのでありがたい。ただし、そう言う悪名を使ったことに関しては後で当人に謝らないといけないが。
そういえば前の話でネルの一件もあったな、と思い出した先生はその話をしてみることにした。
「そうだ、ネルから何か教わってないの?前一応習おうって話をしてたじゃない」
「チビネル先輩にあの戦いを見せたら『アタシも戦い方変えてみるのアリだな』ってでかいハンドでなんかやってました」
「あーもうだめだこのキヴォトス。ダメすぎて滅亡しなさそう」
「腕をワイヤーで伸ばして捕まえて、って考えてると言ってました!」
「生身でコードギアスするのやめてもらっていい?ここの色違いC.C.は自称ナナリーなんだよ?」
自分が頼りにしていた最強のメイドがまさか同調するとは思わなかった先生は頭を抱え続けるが、ともかくアリスには純粋に育ってもらいたい。まだ望みは捨てないと先生はアリスを諭す。
「ね、アリス。もう少し、背伸びしてネルやホシノ並に強くならなくてもいいから普通の戦い方を探そうよ。出来るだけ、みんなと一緒に戦える方法をね」
「でも今回はアリスしかいませんでした。それでも、ダメなんですか?」
「今のアリスは戦い方が極端すぎるんだ。無論、身を守る術を開拓するのはいいことだよ。この世界は過激だからね」
先生はアリスに目線を合わせて、話を続けた。
「今の戦い方は確かに誰にも迷惑をかけないし、一人で暴れる分には全然問題のない戦い方だと思う。だけどね、あんな戦い方をしたらどんなに痛みに鈍くてもいつかは死んじゃうよ。アリスを大事に思ってくれる人がいるから、あまり怪我をすること前提の戦い方はやめてほしいかな」
「アリス、ダメな子ですか?」
「いいや、ちゃんと戦い慣れてるネルの発言を受け入れて模索するのはいい事だよ。アリス自体が特別だから、既存の戦い方じゃどうにも動きずらいのも知っている。だけどね、できそう!とか、この戦い方をしてみたい!ってなった時に今度から考えてみてほしいことがあるんだ」
アリスを撫でながら、先生は言う。
「自分が出来る限り傷つかない戦い方をしよう。前の戦い方をしてて、近接にすごく弱いという弱点を克服するためにアリスは今勉強してる、それはとっても偉いよ。でもね、今の戦い方を主軸にしちゃうと、自分を顧みない戦い方だけが上手くなって、いつかはダメになっちゃう。そうなりかけた子を知っているから、先生はやめてほしいなって言ってるんだ」
先生個人としても、あまり前のホシノのような戦い方をする生徒が増えるのは良くないと考えている。ゲームの真似でそのような戦い方が板についてしまうのはもっと良くない、そうしてアリスに色々言っている。
「だからね、アリス。次からはこんな戦い方をしないようにしてね」
「分かりました……アリス反省します」
アリスは俯いて、反省する。
「よし、とりあえず帰ろう。今回の戦いだけは絶対にしない、それだけ約束してくれたら先生からは言うことはないよ」
「約束します」
「それでいいよ」
そうして、二人は手を繋いでミレニアムに帰ることにした。
今日の空はなんとなく曇っている。