はい!アリスは戦い方を学びます!ゲームから!   作:らんかん

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バーチャロイドなアリス

 ある日。

 

 アリスは光の剣の代替品を抱えてやってきた。シャーレに入った仕事で、ゲヘナ郊外の不良を追い払ってくれとのこと。そんな依頼を受けた先生は、新しい装備を貰ったアリスと共にそいつらの根城へと足を踏み入れた。

 

「ここで会ったが100年目!」

「くっそもう来やがったかあの魔王!」

「アリスの素体はガンダムXではありません!」

 

 アリスには大きな剣のようなものと、肩にそれぞれ一つずつ推進器のようなものが。

 

「なんだそれ!?おまえ、いつもそんなもの持ってなかっただろ!」

「地下墓地に行ったら破壊されたので新しいものを用意してもらいました!それはそれとして光の剣も用意してもらっています!」

「くっそー!攻撃だ攻撃!デカくてもあれより射撃性能がないってなら全然問題じゃねえ!例のめんどくせえ女が来る前に片付けるぞ!」

「アリスを舐めないでください!」

 

 相手が集団になって襲いかかってくる。

 

 しかし、アリスは引いたり避けたりすることはしない。むしろ相手に向かって、肩の推進器を使ってキュイイイイイイイインと鳴らしながら突撃する。

 

「へっなんだこいつ。そんな馬鹿でかい剣を振り回そうったって、こんなに人数がいて銃撃があるとは思わなかったのかぁー!?」

「はい!思いません!そんな先生のアレみたいなサブマシンガンで倒されるとは微塵も考えた事ないです!」

「生意気がぁ!分からせてやる!」

「待って!先生のアレってアレ!?」

 

 先生の質問は無視されたが、それはそれとしてアリスに向かって銃弾が放たれた。

 

 はずだった。

 

「今です!」

 

 勢いが付いたアリスは一回転してから、自分が持っていた大きな剣の上に乗ってサーフボードのように動き始める。

 

「え」

「ええーっ!?」

 

 見た事ない動きに、不良たちは混乱。そうしているうちに、ブレードのエネルギーが展開されたアリスの剣はそのまま中央突破。三方向から挟み撃ちにしようとした挙句に、一方は壊滅。

 

「くそっ!中央部隊がやられたぞ!」

「大丈夫だ!挟撃するように射撃をすれば空中なら姿勢を崩すだろう、良いからやるぞ!」

 

 アリスを撃ち落とすべく、上にマシンガンを放つ不良たち。先生に手を出すことも考えたが、迎撃せず自由にしていたら先生を確保する前に倒されるとの判断だ。

 

 だがそれで倒れるほどアリスは弱くない。降下しながらスラスターで少し動きつつ剣の先から射撃を行って、そのまま相手を撃ち続ける。

 

「ぎゃーっ!?」

「大丈夫か!?う、うわああっ!?」

「射撃に一切ブレがない!そんなことがあり得るのか!?」

 

 相手が大混乱を起こしている間に残り二つのうちの片方の部隊が射撃によって壊滅。グループのうちの5割は戦闘不能になり、それを除いても3名が武器の喪失で戦うにも遅れをとる状態に。

 

「くそっ!撤退戦だ、無事なやつで援護に回れ!正面からの面射撃ながら大丈夫なはずだ!」

「アリス!集団を蹴散らす手段は!」

「あります!アリスは火力も耐久力も十分な勇者です、先生は少し下がってください!」

「ああ!」

 

 アリスは剣を両手で持つと、その剣が大きく変形。レールガンのような形になり、電子的なガイドが出てきた。

 

 相手は一斉射撃を始めるが、アリスそのものの耐久性もあるものの武装そのものが巨大化して前に置いてあるせいで中々ダメージが通らない。

 

 おまけに武装が硬いせいで破壊も狙えないようだ。そうこうしているうちにエネルギーが溜まってしまったアリスは、引き金を引く。

 

「これで!」

 

 アリスの持っていた剣から放たれた巨大な光は、そのまま相手の集団の真ん中に着弾。相手はなすすべもなく吹き飛んでいった。

 

 戦闘終了、アリスの勝ちである。

 

「やりました!先生、褒めてください!」

「ようし偉いぞアリス!でもクッソ古いねそれ。なんでテムジン?」

「ああ、これですか」

 

 彼女は武器について語る。

 

「開発部の人に事の顛末を話したところ、良い素材を買ったのだけど余っているからそれで代理の作るって言うので、その提案に乗りました。光の剣の補修もしてくれるそうなので安心したのですが……ミドリがバーチャロンやってたので」

「レトロゲーム好きだもんねミドリ」

「EXスキルをモンスターサーカスにすればいいのに」

「いやでもあれ今蔓延ってる毒と貫通に弱いから____だからそれでテムジンを?」

「そうです。と言ってもミドリとやったのはセガサターン版で、これは747J仕様ですけどね」

「カオスパロボ見てるしこっちの方がわかりやすくはあるな」

 

 ミドリの計らいで光の剣の代理武器がこのような形になったらしい。ゲーム開発部はかなり仲が良いのは知っていたが、こうして協力している場面を見せられると先生はとても嬉しくなるようだ。生徒同士が仲良くしているのは、彼にとってはこの上なく喜ばしい。

 

 どうやらミドリと開発部を主軸にしてアリスの今の武器が完成したようだ。使われていた素材はかなり硬度の高いレアメタルだったらしく、変形に使っても差して摩耗もしていない。光の剣もこの素材で修復する予定だともアリスは話していて、前みたいに斧が刺さって壊れてしまうことはないようにと考えているらしい。

 

「で、どうですか先生!この武器」

「やっぱテムジンゲーを作り出したってだけあってかなりシンプルで単独で解決しているね。光の剣とはまた別で持っておいたほうがいいと思うな先生は」

「そうですか!やったー!」

「アリスがあの動き出来るなら、まず間違いなく持ってて強いものだ。うーん、流石はアリス。数多の戦いでここまで強くなるとは感激だ」

「わーい」

 

 先生がアリスを撫でていると、大通りの方から足音がした。

 

 軽いヒールの音を聞くと、見知った顔が来る。

 

「先生?」

「ヒナじゃないか。ああ、こっちの仕事は終わったよ。増援としてあとで向かうって聞いてたけど、その必要はなかったね」

「そう」

 

 少しばかり不満そうな顔が見える。

 

「ああ……活躍を奪ったことを怒っているのかい?」

「活躍を奪っただけなら問題ないわ。仕事が減っただけだから」

「じゃあ……」

 

 先生はヒナを撫でる。

 

「これをされる機会が失われたこと、残念に思ってた?」

「……うん」

「そうだと思ったよ。ほら」

 

 そのまま先生はヒナを抱っこして持ち上げる。

 

「わっ」

「私がヒナを蔑ろにするわけないだろう?いつも頑張っているんだからさ、それにホシノの件の例もまだだった。これくらい良い思いをさせないと」

「せ、先生」

「今日はどうせこの後も予定はないんだ、私の父性に頼りなよ」

「わかった」

 

 ヒナは照れているが満更でもなさそうだ。

 

 先生も彼女に対してまとまった時間を作ってのお礼が色々あってできてなかったのもあったのだろう。こうしてアリスの活躍のおかげで何とか余裕が出来たことをいい事に、お礼をすることにした。

 

「いやあ、本当は活躍して褒められたかったのもわかるんだけど、今回はアリスの武器の代わりのテストも兼ねていたんだよ。ごめんよ?」

「気にしてない、けど……そんなにすごかったの?」

「ミレニアムのプレミアムってところだからね。破壊力はすごいよ、三つのグループを素早く壊滅できるくらいには素晴らしい出来だった」

 

 先生が話すと、それを肯定するようにアリスも口を開く。

 

「そうですよ!アリスの活躍も聞いていってください!」

「聞いてあげる」

「わーい!」

「じゃあ行こうか!適当に!」

 

 そうして三人は歩き始めたのだった。

 

 季節はもう冬にさしかかり、雪が降るようになっている。

 

 天気は雪、道端に水々しい白が積もっていた。




与太話
らんかんの両親はバーチャロンをやっていました。父親はフェイ・イェンをよく使っていて、母親はライデンをよく使っていたそうです。懐かしいや。
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