「Go over time&space……テレレー」
「急に歌い出し始めてどうしたのですか」
アリスの武器テストはまだまだ続いてる中で、その報告を待ちながら書類仕事をやっている先生とプレナパテス。先生はあまり仕事中に歌うような人間ではなかったので、プレナパテスは驚いているようだ。
「これ何の歌か分かる?」
「そんなカッコいい歌が……ギリギリアニメの歌ですか?2000年くらいの」
「なんで年は合ってるのに間違うかな……これ戦隊のOPだよ」
「戦隊のOP!?」
「未来戦隊タイムレンジャーだよ」
昔の戦隊にスタイリッシュなオープニングがあることに驚きが隠しきれない彼。
「自己主張が控えめなんですねタイムレンジャー」
「ん?もちろんちゃんとサビに戦隊名入ってるよ。タイムレンジャー brightening hopeって」
「そうなのですか……とはいえ、いきなり歌うとは思いませんでした。なにか思い出すような出来事でも?」
「ああ、あったよ」
先生がアビドスに行ったときに、どうやらカイテンジャーに出会ったようだ。
アビドスの生徒達も当然対抗しようとして戦隊になろうとしたらしい、が_____
『フィーバー!』
『タイムファイヤー!』
『エマージェンシー!』
『一筆奏上!』
『レッツ、モーフィン!』
『アバターチェンジ!』
みんな別々に言ったせいで、全く統率が取れなくなってしまった。
『みんな!一番大先輩の私に合わせてよ!』
『ユメ先輩、タイムファイヤーは1人用ですよ』
『ホシノちゃんは人の事言う前にチョイス古すぎて何に変身するか分からないと思うよ!?バトルフィーバーJっていつの時代だと思ってるの!』
『ん、デカレンジャーが一番塩梅がいい』
『シロコちゃんはデカマスターですよね◇』
『ん、多分ノノミもいるしジャッカーのほうが良かったかも』
『バトルフィーバーより古いよシロコちゃん!』
『アタシ結構真面目に新しいの出したのよ!?何で乗ってくれないのよ!』
『何を言っているのセリカちゃん。ゴーバスターズは10年も前に話ですよ……?』
『アヤネ、悪かったからガチトーンで言うのやめて、結構傷ついたから』
アビドス六人衆、そのままあれこれ話し合いに発展した隙にカイテンジャーを逃してしまったのである。捕まえれば借金返済の足しにはなったのだが、そうなってしまっては仕方ない。
「それで思い出したのですね」
「タイムレンジャーのOPかなり好きなんだよね、やっぱスタイリッシュだから」
「となると仮面ライダーのOPもJustiφ’sとか結構好きですか?」
「すごく大好きだよ」
そんな話をしていると、アリスからメッセージが来た。
どうやら戦闘が終わったらしく、その記録を回してくれたらしい。先生はアリスに確認するとメッセージを送ってから、映像を廻始めた。
『覚悟です!』
『くっそ、またお前か!』
しかし、アリスの視点的には宙に浮いている。そんな装備をいつのまに、と思う先生はそのまま見続ける。
最初は薄いバリアを展開して前に置いていくことで、割れるまではバリアの後ろから跳ね返るボールみたいなのを投げている。相手の攻撃を防ぎながらもしっかりダメージを与えていくが、やはり戦い方はアリスでは無い。
「うーん、なかなかアリス強いね」
「あれをリアルでやられたらゾッとしますね」
見続けていると、バリアが破られた様子。今度はアリスが左手を差し出すとブラックホールのようなものを出した。
『なっ……!?』
『おいおいおいおい』
不良達が一斉射撃を繰り出すが、そのブラックホールの引力に飲み込まれて攻撃が当たっていない。
『何だこいつ意味わからねえ!』
飲み込んでいった質量がバリア値に変換されたのか、アリスはもう一度バリアを出す。相手の攻撃をまた防ぎ、今度は後ろで壊されてできた瓦礫を両手の引力で集めて、バリアが剥がれた時に相手へと投げた。
相手の悲鳴は聞こえてないが、その質量攻撃の衝撃に耐えきれずに吹っ飛んだ様子。相手の後衛まで前衛が飛んでダウン。
『ゲームのようにその場でダウンとはならなかったですか』
アリスのガッカリした声がする。
『くそっ!?今日は異様に強い!いつもだけどいつも以上に相手にしたらならない気がする!』
『早めの撤退だ!』
不良達は撤退を始めたが、アリスは笑顔で言う。
『逃しません!』
吹っ飛んだ不良に走りながら近づいていく不良達を見て、アリスは手を構えた。
『宇宙が!歌ってくれています!』
そう言いながら構えて待っていると、大まかの不良達が細い脇道に逸れようとして詰まっており、結果的に大勢集まっている。
そこを狙って手を振ると、相手は浮かび上がった。相手はパニックになって絶叫。
アリスは手を下にやって、浮かせた不良達をそのまま急速に地面へと叩き落とした。ものすごい豪音と瓦礫が擦れて出来た煙が漂う。
視界が晴れると、不良達がその勢いで気絶して動けなくなっていた。
『これで追撃完了です!』
そのセリフと共に、映像は幕を閉じた。
「……開発部はすごいですね」
「正直シグマをちゃんと再現できるんだったら売り上げやばいと思うな。それを無責任に発売するのはかなり危ないけど」
「でも良いことでは無いですか、少しずつ装備が充実しているのは良いことです」
そうして二人が話していると、扉が開く音がする。
「ただいま戻りましたー!」
「お帰りなさい」
アリスが帰って来たようだ。オフィスの真ん中に何か大きい買い物袋を置いて、先生に寄る。
「どうでしたか!?」
「良い闘いぶりだった。これで相手もそこから離れていくだろうし、ゲヘナの治安維持に一歩近づいたというわけだ。ヒナも喜んでくれると思うよ」
「そうですか!?やったー!」
「でも今後は、本当にそれしか頼みの綱がないって限りは使わないで欲しいかな」
「そう、ですよね」
言われることは予想できたとはいえ、アリスはショックを受けている。
「あまりこう重力とかを好き勝手弄れるようになっちゃうと、割と取り返しのつかない事態になっちゃうんだ。乱用して環境がめちゃくちゃになるのは勿論だけれど、何よりもそう言った技術を狙う輩が後を絶たなくなってしまう。それだけは避けないと」
「では、アリス装備を地下室にしまいます」
「それは良い判断だね、あそこ基本人が近寄らないから」
アリスは付けていた装備を外す。
それをまとめている彼女に、テーブルの荷物を見たプレナパテスは質問した。
「これ、ケーキですよね。祝うようなことありましたっけ」
アリスは笑顔で答えた。
「ありますよ!」
「ほう」
先生もその話に興味を持ったのか、アリスの答えを待った。
「この作品のユニークアクセスが20000超えました!」
「ええええええーっ!?」
「マジで!?」
大人の男二人が大人気もなく驚いている。
「後感想件数が30超えて、総合評価も500超えました!」
大人二人は空いた口が塞がらない。
ああ、皆様のおかげでこの作品だいぶ伸びてます。いつもの閲覧、感想本当にありがとうございます。今年中に1000とか行くといいなあ(願望)。
そう言ったお祝い事は、結果という思い出を綺麗に飾るために必要だと考えたアリスのサプライズである。
「そういうわけでケーキを買って来ました!一緒に食べませんか?」
「勿論食べますとも!」
「丁度甘いもの食べたかったんだよね、食べよう!」
「チョコレートケーキですよ!」
三人は、大きなチョコレートケーキを食べるべくソファに仲良く座った。
17時ですら暗くなり、しかして雪は日中と変わらず降っている。
イルミネーションが、キヴォトスの夜を照らしていた。