ある日のこと。
またヘルメット団とアリスは戦っていた。
あの痛覚消失アリスの後も、何度かゲームの動きを真似していたアリスだったが、どれもやはり先生との相談の末戦い方をもう少し探すことに。
そして今日。
「お、今日は何も持ってないぞあの女!」
「M覚ハイニューとかやってこないんなら楽勝だな!」
ヘルメット団は舐めてかかっていた。
しかし、アリスは!
急に腕を前に伸ばした後に黒い粘着性のあるもので捕まえてヘルメット団員を引っ張ったのである!
それだけならさっさと立て直して逃げればいいが、捕まった団員の周りには紫色のデバフのような色をした時計のマークが回っている。
「え、え!?アリス!?」
「アリスはあなたを捕まえました!」
そう言ってから脇を見せるポーズをするアリス。すると____
アリスの肘から極太のビームが発射されてヘルメット団員に99999ダメージが入るではないか!
「ぎゃあああああああ!」
「おやおや」
「アリス!?」
先生は驚いて彼女に聞く。
「え、なに。急にゲームから脱却……してないなこれどうしたの急にボンドルドごっこして!」
「ボンドルドだけではないですよ!」
アリスは笑顔のまま盾を持っているスケバンの方を向く。光の剣を構えていると急に
「ヘルフレイム!」
と、叫んで赤黒いビームが発射された。
盾持ちはどんとこい!と言った感じで構えていたものの素早く飛んでくるそのビームは盾を貫通してヘルメット団員をえぐる。
「痛い痛い痛い!え、なにこれ!ティーパーティーのピンクミゲルに撃たれた時並に痛いんだけど!」
「知ってるヘルフレイムだ……」
「はい!アリスは全天1レオン3枚型のアリスです!」
「何言ってるのかわからねえよ!くそっ!撤退だ撤退ー!」
ヘルメット団は、急に毛色が変わりながらもめちゃくちゃな動きをするアリスに恐れ慄いてそのまま撤退して行った。
アリスは満足そうにしながらも、先生の顔色を少し伺うよう。
「どうですか、アリスの……」
「アリスってコンパスやってたんだ」
「はい!先生の持ちキャラは誰ですか?」
「桃鍋モンサアタリだけど」
「うわーん!ゴミカスです!」
「ゴミカスって言わないでよ、マルコスとコラプスが持ちキャラって言われるよりマシだから!」
「それ言うと一部の人がこの作品のコメント欄に突撃してくるかもしれないのでやめてください!」
「あれ推しですって公言してたら普通にブロックするしあれでリネットの声聞いた時拒否反応出たから、オルフェで治ったけど」
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎いを地で行かないでください!」
話が逸れる気がしたから、先生は話を戻すことにする。
「ところでアリス。急にコンパスのコラボヒーローの真似してるけど今回もまたウタハになんかもらったの?」
「プレナパテスからもらいました!」
「何やってんだプレ先!」
どうやら訳ありらしい。
「シャーレにはクラフトチャンバーってありますよね」
「ああ、あれね」
「あそこの横に生首のプレナパテスが居ましたよ!」
「なにそのエゼキエルみたいな」
「なんかずっとカオスパロボ見てましたよ」
「人の家に勝手に住み着いた挙句なに動画見てるの。というかアリスカオスパロボも知っているの?」
「全部見てます!」
「組み合わせは何が好き?」
「やっぱりカミューラ・ランバン砲です」
「いいよなああれ」
「先生は何が好きですか?」
先生は質問に悩む。
「サルファならやっぱりマックスのマクロス7じゃないか。アレ大好き」
「いつかあの船に乗ったら行ってみたいです」
「『泥舟の間違いとちゃうやろな』って言われるウトナピシュテムかわいそうだよ」
ともかくプレナパテスが発端らしい。先生は、細かいことを聞いてみることにした。
「なんでプレナパテスが居るんだ」
「本人からは『死んでたほうがいいんだけどなんかデータとして生き残っちゃったから頭だけ保存してそのまま喋れるようになったほうがいいかなって思ったから住み着いた』と言ってました」
「まず黒いシロコに会いに行ってあげればいいのに」
「今更会いにいくのは恥ずかしくてできないって」
「なんでそこ律儀なの!?」
「あの人は『今彼女は新しい人生を歩もうとしていて、新しい世界を楽しもうとしているのに足を引っ張ったら可哀想だから』って」
「そうなんだ。やっぱプレ先はすげえよ」
先生は自分に生徒を託した先輩に想いを馳せながら話を続ける。
「なるほど、それでアリスは全盛期の全乗せみたいな感じになったんだ。で、装備は?」
「プレナパテスがスキルとして後付けしてくれました!」
「課金アイテムとスパラグモスを?」
「はい!」
「うちの子をなんだと思っているんだ本当!」
アリスは笑顔になりながら、先生の手を取った。
「先生。これなら、アリスの努力も認めてくれますか……?」
「努力の成果が課金アイテムなの嫌だなあ。というかそれコンパスではあるけど元ネタ違うから、奪ってたら返さないとダメだよ」
「折角桃鍋も発動できるようになったのに」
「桃鍋アリスとか邪悪の権化だよ」
「そんな」
彼女は少し悲しそうな顔で、先生に寄る。
「アリスはずっと頑張ってきました。M覚バ2ハイニューとクロブの福νの動きを合わせて動いたりもしました。先生は何が不満なんですか?」
「邪悪なムーブしかしないと友達いなくなるからやめたほうがいいよ」
「そんな……アリスは通常が二発入って追撃も二発入るように頑張ったのに……」
「アインズシーズンの話しないで先生も心折れちゃうから」
先生もまた、宥めるように話す。
「大丈夫だよアリス。ゲームのように動けなくてもみんなそうなんだから、アリスがアリスに無理させないような動き、一人で全部なんとかしようなんて考えなくても大丈夫だよ」
「でも、全部頼りきりだと申し訳ないです」
「私だってそうだよ。みんなに頼りっきりだよ、戦闘面なんか特にそう」
先生はアリスを励まし続ける。
「私はずっと自分一人で身を守ることが出来てないからね。なんJ民に誘拐もされたし、普通にホシノが暴走した時ヒナの靴を舐めてまで助けを乞うこともする辛いだから。人には得意不得意っていうのは必ずあって、それを補っていくのが人間なんだよ」
優しく話し続ける先生。
「ゲームだってそうじゃないか。一人で全部解決できるキャラがいれば野良と固定なんて誤差なんだよ。でもそうはいかない、ゲームは基本そうできないように調整されているからね。現実なんてもっとそうだよ、手が短いと思わざるを得ないほどにもっと何もできない。
だからいろんな人を頼って手を広げていくんじゃないか」
アリスは素直に抱きつきながら、先生の言うことを聞いている。
「今までアリスはゲームの動きができるように頑張ってきたじゃないか。それらを何も考えずに再現すると味方との連携が取れなくなったりするから、自分なりに動きを変えるとかしてみてもいいと思うな」
「ようやく、ようやく認めてくれるんですか?」
「勿論頑張ってるよアリスは。
自分は強いから鍛えなくていい、戦い方や身の守り方を学ばなくていいと驕らないで頑張っているアリス、かっこいいじゃないか。そういう生き方ができる人って大人でもそういないから、アリスはすごいよ」
撫でられて嬉しいアリスは笑顔のまま。
「でもね、これからは先生に強化プランとかは相談して欲しいかも。もっとみんなと合わせれるような戦い方とか提案できるかもしれないから」
「はい!」
「だからこれからは、いやこれからも二人三脚で頑張ろうね」
一度アリスを離してから先生は言う。
「とりあえずはプレナパテスのところへ向かおう。人の家の電気代請求するか」
「分かりました!今からアリスも一緒に向かいます!」
二人は歩いてシャーレへ向かう。
今日の空は晴れである。