「この作品の作者は、昨日ヴァルモブの作品にて春原シュンを篠原シュンと言い、おまけにこの作品でゴンの攻撃倍率とHA倍率を間違えた極悪人にございます」
「わー!サイテー!」
「そうですよブルアカ好きじゃないんですか」
初っ端から抉るのやめてほしいんだけど。
「何か言い残すことはある?」
なんかまあすげえなんかでけえペロロジラ来てるんだけど。
「え?」
そう、彼らから一キロ離れた場所にペロロジラが!
今いるのはビルの屋上、はっきりと見える!
「なんか海から渡ってきてませんかあれ!」
「なんとかして処理しないと!」
先生二人が情けなく慌てている。突然の総力戦は流石に心臓に悪いようだ。
しかしアリスは落ち着いているどころか、少し興奮。
「大丈夫です!アリスに任せてください!」
「え?何かあるの?」
「ジャジャン!」
彼女が取り出したのは、なんと絵の具。
「え、それでどうするの?」
「見ててください!」
アリスがラクガキを開始した。
結構特殊な絵の具らしく、空に書くことも可能。ささっと線を書いてから、そのパーツに色付けしていく。
「えーっとコクピットが股関節……珍しいですよね。ガンダムでもいなさそうです」
「∀ガンダムは股関節だよ」
「そうでしたっけ?」
彼女の落書きは続く。
線ができてその分けたパーツに色付けしていくと、段々かなり淡くとも青みがかった色が基調のスマートなロボットが出来上がる。腕にブレードが付いているが、それでもかなりスマート。股関節の部分がコクピットもあって少し太めだが、それでもかなり精悍なデザインだ。
「なんだろうこれ見たことあるんだけど」
「見たことないとおかしいですよ。ほら、プレナパテスも描いてください」
「適当なのでいいですか?アリス」
「はい。先生絵心ないのであのペロロ見ててください」
「え〜」
先生はペロロジラの行動を見守るが、ゆっくり迫ってきていること以外は特にない。
プレナパテスは色々小さいものを書いている。何かのパーツだろうか。
アリスは予備でもう一機、今度は変形機を作っている。
「どうですか?そっち、完成しそうですか」
「ほぼほぼ完成します。アリスの準備が出来次第、切り札は使えますよ」
「ありがとうございます!」
変形機を書き上げるとそれも実体化した。
「先生!」
「なーに?」
暇だった先生はアリスの呼びかけにすぐに答える。
「あまり活躍の場はないですけど、あっちの動向を確認し続けてください」
「戦うことはできないからね、ここから?」
「はい。プレナパテス!」
今度はプレナパテスが、アリスが書いた可変機にすでに搭乗して指示を待っていた。
「今回はアリスの指示に従います。何をすれば?」
「それで少し攻撃して、こっちへ寄せてください!」
「了解です。アリスの方が精密射撃が得意ですから、任せますよ!」
彼はそう言って、変形機の方で発進。すぐに近づいてレーザーを撃つと、その痛みでペロロジラは怒りプレナパテスの方を追う。
「アリス!多分こっちに来ると思う!切り札……てかベクターキャノンいける!?」
「いけます!」
アリスはすでに最初に書いた機体、ジェフティに乗っていた。
彼女が何かの操作をすると、機体にプレナパテスが書いたものがくっついて出てくる。
《エネルギーライン、全段直結》
《ランディングギア、アイゼン、ロック》
《チャンバー内、正常加圧中》
《ライフリング回転開始》
ベクターキャノン前方にある丸いパーツ達が回転を開始した。
ペロロジラは暴走状態、先程までとは比較にならないスピードで先生達の方へ突っ込んでくる。
《撃てます》
チャージ完了したようだ。
それを確認して、アリスは叫ぶ。
「いけーっ!」
彼女は引き金を引く。
青白い光が出てきて、そのままの極太のビームがペロロジラに直撃。
相手は急な攻撃に怯んで動きが鈍くなっているが、アリスはそのまま当て続ける。
「よし!効いてる!このままいけば倒せる!」
「プレナパテスも攻撃を加えてください!」
「了解」
二人の攻撃で相手は動けなくなっていく。
攻撃を当て続けると、ペロロジラは致命傷までいったらしい。そのままその場に倒れるようにして消えていった。
「よし!」
「やりました!」
急な総力戦をやり切った3人は一旦ビルの屋上に再集合。
二人が機体を降りると、書いたものは消滅。どうやらずっと残ったりはしないようだった。
「ふぅ〜、大変でしたね。あれこれ書いて」
「そうですね。ありがとうございます、アリス」
「どういたしまして。先生もありがとうございます!」
「いつもの仕事よりも楽だったからお礼を言われるほどでもないさ」
三人揃って背伸びして、互いを見る。
落ち着いたのを確認して、先生はアリスにあることを質問した。
「ところでさアリス」
「はい」
「なんでジェフティ出したの?」
「これはミドリが勧めました」
ミドリの名前が出たことに驚く先生。
「え?別にあれレトロゲームじゃないと思うんだけど」
「2003年のゲームなので十分レトロだと思うんですけど」
「え」
先生は激しく狼狽える。しかし、プレナパテスはトドメを刺すように念押しした。
「あのもうすでに20年以上経っているので間違いなくレトロゲーに入ってくる時期だと思います」
「嘘だあああああああ!」
彼は狼狽えを超えてその場にへたり込む。
「そんな!そんな!はいだらーが20年以上経っているなんて!」
「時とは残酷なものですよ先生」
「くそ、くそー!」
しかし事実なのには変わらない。
先生は絶望しているが、事実を飲み込むように涙を引っ込めて話を続けた。
「話を戻すよ……その絵の具はどこから?」
「これはヘルメット団の捨てられた拠点から回収されたものです」
アリスは、ことの仔細を語った。
年を越す前にアリスはV-TOL爆撃を決行した時がある。その際に拠点がめちゃくちゃになってしまったのだが、その拠点は結局破棄されることになったらしい。修復不可だったようだ。
無論、色々を調べるためにもこれを無視するわけにはいかないヴァルキューレはめちゃくちゃにした張本人であるアリスを引っ張って調査した。
その時に、カンナと一緒に調べて出てきたのがこの絵の具だったわけである。
「これで色々絵を塗って楽しんでみたんですよね」
「最初は何やってたの?」
「その時にすでに使ってみたんですよ。説明書はなかったんですけど、寒いからと焚き火の絵を描いたんです。すると急に出てきて、アリス達の体を温めてくれました」
「そんなことがあったんだ」
「その時から少しずつ試してみてたんですけど、ちょっと絵を描くだけであれこれ出せるのはまずいなって思ってアリスは封印していました」
「えらいね」
アリスを褒めると彼女は嬉しそうにしている。
「だけど今回は流石に用意もなかった状態で、大人のカードをここで切ってしまうのも勿体無いと感じたので絵の具を使うことにしました。いずれ使ってたら切れるでしょうし、そうしたら脅威でもなくなるので楽になると考えましたから」
「うんうん、アリスの言う通りだと思うよ」
ことを理解した先生は、アリスとプレナパテスに言う。
「よし、じゃあ事は済んだし早く帰ろっか。このビルの屋上になんできたかは分からないけど!」
「ホテルがあるんだったら高い場所にも登りたくなるでしょう。私だってそうします」
「そもそも用事があってここに泊まってましたから、朝食食べて帰りましょう!」
アリス達はペロロジラを倒したことによって、ホテルの中へと戻ったら歓迎されることに。
腹が減ったので朝食を頼むとステーキが出てくるくらいには豪華だった。
目が覚めて活動して腹が減っている彼女達は、日の出を見ながらその豪華な朝食を口に運び幸せを噛みしめたのである。