「先生、仮面ライダーで好きな曲を挙げてください」
「ああ今回はそう言うノリ?」
「じゃないとまたポケポケの話するじゃないですか」
「新パック来たから話したいんだけど、ダメ?」
尚、ここは百鬼夜行の外れ。
「あ!いたぞ先公が!」
「おらあ突撃!」
アリス達に突撃してくるヘルメットの軍勢、のべ300はいるであろう。
ただアリスは怯む事なく、刀を構えた。
刀である。
「え?アリス?」
「任せてください先生、こう見えても訓練しましたから!」
「ぶった斬ったりしないよね?」
「峰打ち用の刀です!」
と、アリスは振り始めた。
彼女に向かって突撃し群れるヘルメット団であったが、アリスは怯む事なく攻撃をし始める。
基礎通りの振り方を実践しているが、アリスは機械。正確かつ力強い一撃、太刀筋がブレることはない。藁も竹も切れるだろう太刀筋だが、それでも峰打ちなので斬られると言うより吹っ飛んでいく。
「峰打ちというより吹き飛ばしじゃないかこれ」
なんて突っ込む先生。
だが、彼女の動きは止まらない。
「ふっ!」
構えては一太刀を浴びせ、ドヤ顔をするアリス。するとなんか刀が光ってる。
それを、さらに二度繰り返す。
「あれには一体何意味が?」
先生は疑問に思っていたが、その理由はすぐに明かされる。
持っていた刀が光り出すと、攻撃範囲が広くなって太刀筋が見えるくらい輝いていた。
その攻撃を浴びせ続けるアリスによって吹き飛び続けるヘルメット団。だが。彼女の勢いは止まることなし。すでに振り回しているそれで半数はノックダウンしており、アリスの動き方に恐ろしさを覚えるものさえ出始めた。
「くそっ!またアリスのせいで!」
「あのやろー!手加減しろー!」
なんて抗議をするが、アリスは関係なし。
するとそのうち、アリスがまた時間経過で失われつつある刀の光を取り戻すべく構えてから一閃かましてまたドヤ顔をする。
「ふっ!」
「ドヤ顔する意味ある?」
「大事なことです!」
中々自信満々に言う中、兵器と呼べるものは持ってきてなかったのかヘルメット団は撤退を始めた。
だがアリスは許さない。
「天に代わって成敗いたす!」
とロールプレイをやりながら、思い切って振り始めた。
相手側の動きが遅くなっていき、そのまま切っていくと相手は浮き始める。どう言う仕組みかは分からないが、とりあえずは広範囲で斬り続けながらその被害者を増やす形で動く。
ある程度当てたところで、アリスはしっかりとカッコつけて納刀する。
「うわああああーっ!」
「あーっ!」
「ぎゃあああ!」
「ぬぅあ!?」
などと、それぞれに汚い悲鳴をあげて爆発。
ここまでになってくるともはや隠す気のない暴れん坊将軍のテーマすら流れてくる始末であり、アリスは上様の真似をし切ってヘルメット団全員を成敗した。
誰も逃げること叶わずに、地面に倒れ伏している。エデン条約よりかはマシだが、それと比べられるほどにはひどい倒れっぷりのヘルメット団たちを二人は眺めていた。
「_____なんで上様なの?果たしてそれはゲームの真似と言えるの?」
「大丈夫です、ニコニコのネタがわかる人もいるのできっとわかってくれますよ」
「だといいんだけどなあ」
キキョウ達に後始末任せればいいか、なんて思った先生はその場から少し離れたベンチに座る。
「明らかに趣味に走ったけど、刀ならもっといいネタあったんじゃない?」
「八重桜の話ですか?」
「先生しか喜べないよ。ほら、もっとあるじゃん。こう」
「どうやら死にたいらしいな_____とか?」
「月華わかる人いるの?今の時代に?」
「でもBASARAはやったじゃないですか」
「刀ならたくさんあるよ!」
たとえば、と説明する先生だがどれも乗り気じゃない様子。
「ともかく今日は上様が良かったんです、カッコいいので」
「確かにカッコ良くはあるよな上様」
「おーい」
のんびりしていると、二人を呼ぶ声が聞こえる。
「あっプレ先」
「二人とも頑張ってるって聞いたので応援がてら来ましたけど遅れたようですね?」
「仕方ないさ」
三人になって、雑談を始めた。
「ところでシュロは来てないの?母校でしょ?」
「あー、今彼女はシャーレの居候組の手伝いをしてますよ。出る前はトリニティとの話し合いに代理で出てました」
「それシュロに回して良かったの?」
「ほら、定期確認ですよ。ティーパーティーとの」
「確認するためのマニュアルは置いておいたし大丈夫か」
仕事のマニュアルはしっかり作っておくタイプの先生だった。まあ、そういうタイプでなければ居候組に書類を任せたりはしないが。
「シュロの好きなものでも買って帰らないとね。そう言えば、居候組と一緒って言ってたよね。ケビン以外帰ったって話じゃなかったっけ?」
「帰ってきましたよ」
「帰ってきちゃった______じゃあ、あれか。アベンチュリンとかがいるのか」
「ええ」
「ドーナツを三箱買ったら足りるかな?」
「そうしましょうか」
アリスと先生は立ち上がって、プレナパテスを挟むように並んで歩き始めた。道はかなり広いのだから、邪魔になる事はない。
「そう言えば一つ気になってるんだけどさ」
「なんですか」
「今ホヨバ組がうちの一部占拠してるじゃん、ガスコイン神父はガタコンベに居るじゃん、そうなると他に誰がいるのかなって」
「一時期大量発生したのは戻ったそうですけど……ああそうだ、一応言っとこうと思って忘れてました」
「なにを?」
「シャーレの地下室めちゃくちゃ拡張しましたよ。いつもの地下室の冷蔵庫をどかすと、大きな部屋があります」
曰くそれは格納庫である、とプレナパテスは言った。
「人ん家の地下を増設した上にオーブみたいにしやがって。やばいもの置いてないよね?」
「マイフリ置いてますよ」
「うわーん!なんでぇー!?」
先生は突然のことで驚いている。
「誰だ!人んちの地下にマイフリを置いたバカは!」
「キラ・ヤマトとラクス・クラインが」
「えっそれ初耳なんだけど。いつの間に増えてるし他作品要素ありのタグが今泣いてるよ森田さんみたいに」
「キラさん曰く『僕たちのこと匿ってくれてありがとう。マクロ組んだりアプリ作るのは得意だから書類作業が進むようにしっかり頑張るね』と言ってました。実際アプリ使ったら便利でしたよ」
一時間中の人ランダムに入れ替わりの事件で居たラクスに、大感謝祭スペシャルの時一緒についてきてたキラがいる。
なおキラ・ヤマト入力するだけで大丈夫なマクロは先生が作ってくれたので、仕事用のPCならとAIによるアプリの立ち上げ及び共通部分の自動入力や仕事によっての申請内容を事前に把握しての入力などをしてくれるシステムを作った。
一方その頃ラクスは揚げ物を揚げていた。
「てか誰だよ人に許可なく勝手に匿ったの。まあいいけど」
「いいんですか?」
「しばらくはお尋ね者とかでどうせあちらは表に出れないんだし、それにキヴォトスじゃあんな人たちが増えても別にどうともしないでしょ。ただシッテムの箱がないからそこら辺はどうにかしないとな」
「今更すぎますよ先生」
「今まで来たのは物理攻撃受けても大丈夫な奴らしかいなかったから」
なんて話していると、先生の方に電話が。
「もしもし」
『もしもし?』
「シュロか。先生だよ、仕事押し付けてごめんね」
『別に構いませんよ。封筒入れてポストに入れて、なんて誰でも出来ることですから』
「シュロの好きな物でも買って帰るよ。特に今食べたいものがなければ」
『いちごのチョコを掛けたポンデリング食べたいです。今売ってると思うので』
「ほかは?」
『抹茶系と普通のオールドファッション一つ』
「他は?」
『三個でいいですよ。食べすぎると最近居着いたピンクの人に怒られるので』
「じゃ、買って帰るから」
『お願いしますよ』
そう言って電話は切れた。
案外シュロって素直なんだな、と思い切りのいいというかサバサバしてるというか。少なくとも友人として当たりなシュロに三人は笑顔になって、とりあえずは店へと足を運んでいく。
甘いものを食べたい、舌を満たしたいと思う時、その甘さは潤う舌が仄かに惑わすように、幻肢痛のように感触を与えるのだ。
そのピースを埋めるには、買って実物を口に収めることが大事。
パズルのピースを求めるように、雪道を踏み跡を残した彼女達は進み続けるのであった。