度重なるアリスの暴走に嫌気がさしたのか、はたまた足元を掬うために何かをやっているのか、ヘルメット団もその他の不良も全員鳴りを潜めていた。
プレナパテスが地下にいることを公表すると色々騒ぎになりかねないので、四人はひっそりと地下でお菓子を食べながら話している。
「ねえ、知ってる?」
「なんですか?」
「この話書いてる人アベンチュリンの光円錐引こうとして間違えて黄泉のガチャ引いたんだよね」
「え」
「それであと十連で光円錐確定なのに今頑張って石集めてるんだ」
「ん、やはりちゃんと話は書くべき。アビスに呪われてる」
「いやもうこの小説自体もう小説の体なしてないから今更だよ」
お菓子を食べながら、四人は会話を続けた。
「でさ、この小説結構伸びいいんだよね。いや、伸びって言ったら変なんだけど」
「ほほう」
「更新した時の閲覧数一時間で160超えてた。すげえや、ゲージ真っ白だよまだ」
「ちなみにこの作品の評価は9と8が一つずつです!」
「ん、0がついてないのが不思議」
「そりゃまあギャグ時空ってそれだけで心が休まるし____まあこのネタって大体あにまんでやった方がお得かもしれないけど」
「アリス知ってます!掲示板の扱い方わからないんですよね!」
「やめてアリス、それ割と先生傷つくから」
そんな話も、アリスが見せたいものがあるという発言で終わりを迎える。
「そういえば、アリスの後追いでモモイもゲームの動きを真似するようになったんですよね」
「なんで急にそんなことに」
「ゲームやってた時に何かを思いついたみたいです。でも……うまくいかなかったみたいで」
「生身の動きだとついていけないからね、アニメと現実の区別はつけれた方がお得だよ」
モモイが一体何をしたのか気になる三人は、アリスの話を望む。
「何をしたの?」
「えっとね、最初は稲光____ってやろうとしたんです」
「あー雷電将軍の。そのまま真似したら刀身で怪我しそうじゃない?」
「その前にある理由で真似できなかったそうで」
「まあ紫色の雷出してそれで無傷で引き抜くなんて」
「身長と胸が足りなかったと」
「そっちなんだ」
アリス曰く前準備は全部開発部が済ませたが、演出ができなくて断念したとのこと。
モモイはユウカチェッカーに引っ掛かるほどのロリである。と言うより、体型の話を言うならゲーム部が全員ユウカの琴線に引っかかるロリとも言える。
「あなたたちのせいだよー!って八つ当たりして勝ったそうです」
「いったい何を」
「映像が残ってたので持ってきました」
アリスはスマホを起動して、ある映像を用意した。
先生、プレナパテス、シロコ*テラーは三人で覗き込む。
「私の胸と身長が足りないのはあなたたちのせいだよー!」
「そ、そんな!おとなしくフック様のコスプレをしていれば済んだのに!」
「中の人の話は禁止!」
「フック様ってあのミレニアムオオフトモモのタイプなのかな。アリスコンプレックスも防御範囲内なら入ってそうだけど」
「どうだろう、ユウカの好み分からない」
「うわあ急に落ち着くな!」
「じゃあ発狂するね!」
不定の狂気が入ってそうな態度のモモイは、刀を逆手持ちにして声を上げる。
「エレナアアアアアアアアアーッ!」
「えっなに急に叫んでしかもその人誰!?」
モモイが叫ぶと彼女の周りから青白い光が放たれる。
一度再生を止めた先生は、アリスに問う。
「急になんか180度くらいジャンル変わった気がするけど何これ」
「モモイ曰く『ミドリに勧められたゲームをやったら真似できそうだった』とのことで」
「あのね。原神からガン×ソードは急に話が変わりすぎて先生びっくりしちゃったよ。で、これどうなったの」
「えっと」
大暴れのモモイのシーンが再生される。
「チェエエエエエアアアアアアアア」
すると、刀からオレンジ色のビームが伸びて相手のゴリアテを叩っ斬っているではないか!
「えまたこいつらゴリアテつくってるんだ。飽きないなあ」
「いやいや先生待ってください、モモイがこれやってる時点で何かツッコミを」
「モモイはなんかキャラ崩壊しても別に良いかなって、どうせみんなあにまんでキャラ崩壊させてるし別にこれもさして問題は……いや大有りなんだけどね。公式から『刀で戦うわけにはいかない』って放送で明言されてたし」
「でもこのモモイは戦ってます!」
「先生が刀持ってて銃弾はじき返す概念もあるらしいですよ」
「無茶言わないで欲しいな」
そんな雑談をしながらも、場面は最終局面へ。
装甲車で逃走を図ろうとするヘルメット団に狙いを構えたモモイはそのまま飛びかかった。
「チェストオオオオオオオーッ!」
ミレニアム製の仕掛け満載の太刀はそのままヘルメット団の装甲車を一刀両断!
そのまま勢いで爆発して、ヘルメット団の不良たちはギャグの如くどっかへ飛んでいったのでありました。
モモイも刀を構えてから納刀。このシーンを持って、再生は終わった。
「えーっと、もう突っ込む気力はないんだけどまずミドリは何を勧めたの?スパロボなのは分かるんだけど」
「Kと30です」
「いやあ、ゴリアテは強敵でしたね______」
「霧が出てきたな」
先生はポテチを頬張りながら話を続ける。
「しかしまあ開発部も協力してくれたもんだよ、金積んでも協力してくれなさそうだもん」
「それに関しては先生、又聞きなんですけど開発部の方が最近は熱心だそうですよ」
「ウタハ達____」
彼は頭を抱える。
「しかしそれはまたどう言う風の吹き回しで?」
「アリスが聞いた時には『コスプレとかで突き詰めていくと色々な再現の時に考える必要があり、その時に新しい技術等も出てくるからやってみる価値がある!』といってました!ちゃんと運用方法とかをプレゼンすれば作ってくれます!」
「やってる内容はともかくとしていいね。そちらもだいぶプレゼンを学べてるんじゃない?」
「ゲームの開発と同時並行なのでなかなか疲れますけど_____楽しいです。アリス達も他の技術を学べているので、そのおかげで赤点も回避できてます!」
どうやら開発の流れはこうらしい。
まず、アリスを主軸にしてどう言う闘い方を真似したいか主軸を決める。その時には、現時点で知っている技術を含めてどれくらい再現できるかを認識し、それを提示できるように資料をまとめる。
そのまとめた資料を開発部に渡し"自分たちでも再現できると判断した部分"と"自分たちではどうしようもできない部分"を軸に相手へとアプローチをかけ、後者の解決を主に担ってもらう。また、その時には自分たちはこう言う動きをしたいから具体的にはこう動けるような補助が欲しいなど具体的な要望を盛り込む。
そうして何度か会話をしていくと、あれこれ装備が出来上がっていくというわけだ。これまでの流れは全部突拍子もなかったが、それなりの準備はしていた様子。
「金銭に関しては開発部の研究費ということで落ちるようですよ。アリス達のプレゼンもあるので、しっかりと研究として認められているそうです」
「すごいなあセミナー、まあでもユウカとか生真面目だからちゃんとやってますよーって証拠があって実験というなの暴走をして、で迷惑かけてもあまり問題ではないヘルメット団の被害だけでしょ?そりゃユウカも目を瞑るどころか肯定だってするよ」
「でもゲーム部に甘くないです!」
「それはそれだよ、ゲーム部としての本責を果たしてないのは誰だって咎めるから」
ゲーム部もちゃんと頑張って色々ゲーム作ろうね、その言葉で話は終わった。
暖房は暖かい。