「リオって実はそんなにセンスは悪くないと思うんだよね。どう、プレナパテス」
「あんな先行者一歩手前のもの使っててそれはちょっと」
「んぶふっ!」
こたつをバンバン叩く先生。
「先行者一歩手前て!ちょっと〜笑っちゃったじゃん!」
「アバンギャルド君の中華大キャノン」
「アヒャオッヒョォwwwwww」
とんでもない笑いを見せてしまう先生だが、プレナパテスは表情を変えずに対応する。
「あ〜私も機械になったので中華大キャノン付けられないかなあ」
「プレ先それでいいの?」
「この体で交尾してどうするんですか」
「でもアレからビーム発射するの嫌じゃないか」
「それはそうかも」
そんな感じの話をしていると、ケイとアリスがやってきた。
「失礼します」
「お邪魔しま〜す」
「あらいらっしゃい」
二人を招き入れて、四人でこたつを囲むことにした。
「わあ!たくさん猫がいますね!」
「なんでだろうね」
そう、シャーレは今空前絶後と言えるくらい猫が集まっていた。
ハチワレ、三毛猫、黒猫、銀の猫_____ちょっとふっくらしてて可愛いのが多め。
特に女性に懐くのか、アリスとケイに近寄ってくる。
「わーい!」
「もう、仕方ないですね」
二人は満更でもなさそうに、猫を抱えては撫でている。なかなか可愛いものだが、本当にいろんな猫がいる。
ハイランダーの生徒みたいに駅長の帽子被ってレールを見ていたりする猫、高級クッションで包まっては威厳を放っている王冠を被った猫。
そして、水色の髪をして半密閉式の猫ベッドに頭を突っ込んで伸びている男。
「あの人は誰ですか?」
「まんぞくさんだよ」
「
ケイにとってはあまりに不審者なので、様子を見にいっているようだ。
「あ、あの、大丈夫ですか?」
「忘れちまったぜ、誘発ケアなんて言葉_____」
「鉱山じゃないので大丈夫でしょう」
彼女は布団に戻ってきた。
「あの人に何をしたんですか」
「デュエル挑まれたからやったんだけど初手ドロバで止めてユベルとかモンスミ立てたら死んでしまった」
「何をしてるんですか、恥ずかしくないんですかそんなことして」
「インフェルニティはほら、誘発なんて下手に積もうものなら永遠に手札ゼロにならないから」
「まるでやったことがあるみたいな言い方」
「忘れてしまったよ、誘発なんて言葉」
「じゃああれは」
「寒空の下に晒したらあれだろうし頭を突っ込んでおいた」
「それは歓迎じゃないんですよ?」
ケイにツッコミ入れられまくってる先生は、気分直しに猫を撫でる。
「その子可愛いですね」
「この子は多分マンチカンかな。足が細くで毛が長いし、顔もかなり可愛いよりだ。ほら」
彼女に抱っこさせてみると、マンチカンはケイのことを気に入ったのか喉を鳴らしながら擦り寄っている。
「可愛いですね」
「その言い方だとちょっと別の思い出すからやめて」
「素晴らしい」
「やめてくれよ、今もちょっと戦うの嫌なんだよボンドルド」
「アリスもちょっと____苦手です」
「王女からクレーム入ったのでやめます」
「先生の頼みも聞いてよ」
猫に囲まれながら、四人は話をする。
「ところで先生、アリスたちがやってきたタイミングでだいぶ笑ってましたけど、何か?」
「ああ、リオのセンスってどこからって話をしてたら先行者が出てきて笑ってただけだよ」
「そうですか。まあでも、あのセンスがどこから来るかは気になりますね」
「アリスも!」
まあ、それに関しては今後要望も合わせてデザインはお願いすれば最悪聞いてくれそうなので、これ以上は言わないことにしようと先生は言った。
猫はまだ沢山いる。
白毛の赤い目をした、ユキワラシのようなものを被っている猫。ドレスやスーツを着て、一緒にパラソルの下でゆっくりしている猫。
そして、目がキマってる猫。
「先生」
「なんだいプレ先」
「あそこの目が拓也さんみたいにキマってるねこですよろしくお願いします」
「ぎゃあああああああーっ!」
先生はプレナパテスに飛び蹴りを喰らわせて気絶させる。
「なんで!?なんで収容違反起こってるの!?」
「アリスたちが対処します!」
「大丈夫なのそれ!?」
「私たちは徹頭徹尾機械ですから、そこの生体CPUとは違うんですよ」
「僕は!僕はねぇ!」
「先生!?」
あんまりな状況に錯乱した先生を放置して、二人はそのねこを捕まえた。
「なんと言うかこの猫なんか下手な絵みたいな感じですね」
「でも見慣れたら可愛いですよこれ」
「可愛いのは可愛いですけど、他にも被害に遭うと相当ですからこれは暗闇で、こちらだけで管理できるようにしておきましょう。丁度、神の鍵なる場所が保管されてる奥に空き倉庫があったでしょう?」
「じゃあそこに持っていきましょうか」
______10分後。
そうして、保管して戻ってきたアリスたち。
「おかえり、ごめん任せちゃって」
「仕方ないでしょう。こればかりは先生ではどうにもならない事ですから」
「むしろ先生に頼られてアリスは嬉しいです!」
「できそうな事は元から生徒たちに任せるつもりでいるよ」
「嬉しい限りですね」
ケイも素直になってるが、これは先に素直になって頼ってる先生に対する信頼だろう。
「にしてもこの猫たちは一体どこから来てるんでしょうね」
「先生もそれ不思議なんだよね。ただ、キヴォトスって都市としてかなり発展してるでしょ?もしかしたらどっかの通気口とかから入ってきてたりするんじゃないかって思ってるんだよ」
「そんな広くて抵触することってありましたか?」
「うちの地下今マイフリ置いてあるって話したっけ?」
「なんですって?」
「マイティーストライクフリーダムがもっと奥の方で入ってるよ」
「受け入れはよく考えてやりましょう?オーブじゃないんですよ」
「いやまあ神の鍵と比べたら安全だよ」
「そう言う問題じゃありません!」
もはやオカンと化したケイに怒られる先生。しょんぼりした顔をしながら、彼は話を続けた。
「まあ、それでも居候代わりにあれこれ手伝ってもらってるんだし、それくらいは許してるよ」
「____今度からは私にも相談してくださいね?」
「そうするよ」
二人が話し終えると、アリスは何かを持ってくる。
「お腹が空いたので色々持ってきました」
「わーい!」
「先生がはしゃいでどうするんですか」
持ってきたのは辛い角煮まん。
落としても大丈夫なように取り皿を3枚配ってからアリスも座る。
「プレ先の分はいいの?」
「多分あれだと当分起きないので____というよりあっても私たち以上に機能ないんですよ」
「でも唐揚げ食べてたよ?」
「えっ」
「まあいいか、どうせ持ったまま食い切るつもりだし冷めるまではおいておくだけだから一枚を共有するよ」
「ごめんなさい」
「気にしないでいいよ」
アリスを撫でてから、先生は角煮まんを一個食べ始めた。
あれこれ喋っているうちに丁度よく食べれる温度になったのを食べる先生。
「辛っ!なんだこれ」
「言ったでしょう辛角煮まんって」
「いやそうだけど思ったより辛かった。なんの準備も無しに蒙古タンメン口に放り込まれた気分。ああでも美味しいね、しょっぱな入れたらすごく驚くんだけど、その分タレが甘めかつくどくないものを使ってるからか食べた後の爽快感は半端じゃないよ」
「そうでしたか、なら良かったです!」
「私達も頂きましょう」
そうして、角煮まんを食べ猫と戯れながらこの日は過ぎていく。
そろそろ雪も降らない寒いだけの日が続く。その虚無しか感じない日も、こうして誰かと繋がっていれば耐え切れるというものだ。