最近先生は睡眠不足、というか三轍している。
そもそも先生の休みは不定期で体にオンオフのスイッチが作れてない、それ以上に仕事が多くてストレスが多くかかっているせいか横になっても寝れない、身体の疲労感が精神を凌辱する程度にならないと眠れないという悪循環を抱えていた。
それでもこの世界の先生はマシな方である。プレナパテスの存在もそうだが、手伝ってくれるメンバーが他の世界のキヴォトスよりも圧倒的に多い。とはいえ仕事の量がそこまで減っているかと言われればこれまた微妙。結局最後の確認は先生が確認しないといけないものが多いのは、仕事の多さではなくシャーレが超法規的な組織としての側面のせいだ。
最近の先生は目にクマが出来ており、いつもの軽口もツッコミもできない、なんならたまに会話が成り立たないくらいに脳の負担が掛かっているのに寝れない。
ただやはり先生は虚勢を張るのも変わらない。困ったシャーレのメンバーは、先生を寝かせる算段を立てることにした。
「先生!」
「ああ」
今にも死にそうな笑みを浮かべる先生。
「大丈夫ですか?寝れてますか?」
「大丈夫だよアリス。最近急に忙しくなってるけど、今までのんびりしすぎてたし何より新年度だからね。アリスも大丈夫?」
「アリスは平気です!でも先生は平気じゃないです!」
「気にしすぎだって」
「じゃあ、今からほんとに大丈夫か聞いてもいいですか?」
「うん」
まずは会話をさせることで笑わせたりすることを狙い、リラックスさせてから疲労感を出す作戦。
「黄泉さんの聖遺物ビルドを教えてください」
「赤テレ緑周カノダブスト周囲カウンター」
「誰もキルアのデッキを教えてくださいっては言ってませんよ」
「あ、あれ?違ったっけ?」
「しかも中の人クラピカです」
「そうだっけ」
割と限界のようだ。手足も限界で震えてるのを見逃さなかったアリスは、まだ撤去していなかったこたつの中に入れて話を続ける。
「先生疲れてるなあ____書類の方は確認が多めだから問題ないけど、にしてもだいぶ削れてる」
「なんで寝れてないんですか?」
「それがわからないんだよな。寝る時間はもらってるのに全体的な筋肉の緊張感が取れなくて。恥ずかしい話消化も上手くいってない」
極度のストレスに晒されてると、筋肉に余計な力が入ってリラックスできない。予想通りの状態なのを確認したアリスは、指で隠れているプレナパテスに合図を出した。
「ただまあ、新年度になればある程度余裕が出来るだろうからそこまで気にしなくていいよ」
「それじゃダメだからこうして話しているんですよ」
「そうかあ。じゃあ、なんか話そうか」
「コンパスのアニメ化が決定した話とか、それこそ最近どんなことしたかでも。先生がリラックスできるのが大事なので」
「うーん、じゃあ最近のスタレの話する?」
「また低評価食らいたいんですか?」
「ネタバレ要素になったらタフ語録で誤魔化すし、原神と違って突っかかってくる人は少ない傾向にあるよ」
なにっ。
「まあ、最近のスタレの環境?と言うか、キャラの強さで話したいなって思うんだよね。最近虚構叙事とか末日の幻影とか、記憶もそうだね。マダムヘルタでめちゃくちゃ蹂躙してから片方を軽く取って星3クリアです!って言うのが非常に多い気がするんだよね」
「トリビーさんとジェイドさんと霊砂さんとで解析を溜めまくるパーティですね」
「そうそう。トリビーの追撃と通常範囲広いからSP貯めつつ債権回収でジェイド追撃の流れ強すぎてね。片方は絶対それで破壊してあとは余ったやつで破壊する!みたいな感じ」
「余ったやつと言っても大半強いキャラ多いですから事欠きませんね」
「でも今結構片方は絶対マダムヘルタ安定って感じがするんだよな。クリア自体は他のキャラでも全然可能なんだけど、絶対片方彼女居ないと安定しにくいと言うか」
「ホヨバ系列はインフレが激しめな傾向がありますが、そうじゃないとクリアできないっていう難易度にはスタレはなりにくいですね。やはり難易度調整はしっかりしてる感じでしょうか」
「たまに忘れて初期ンチュリンみたいなカスのボス出てくるけどな」
「今僕のことカスって言った?」
「いや初期の頃やばかったじゃん!」
「あーそれは確かに。でも今反省してるから許してほしいな、例えるならモンハンライズ以降のクシャルダオラみたいな」
「確かに……っておい!」
いつのまにか話に混ざってるアベンチュリン。このキヴォトスではシャーレのヘルパーでもあるのだ。何故。
「強いキャラが実装されがちだけど3rdは基本長く使えるしな。アクションだけどここ最近ずっとやべーキャラ多いから強さそのものは頭打ちだけど種類は増えてる。なんなら昔のキャラずっと使えるしな。Sのリタとか」
「学園の話は?」
「アリス、逆に聞くけど崩壊学園やってる人周りに見たことある?」
「ないですね……」
「じゃあやめておこう」
「しかし先生、僕結構一年前に出てるけど使われてるよね。お陰で凄く疲れるけど、すごくない?」
「アベンチュリン以降優秀な存護が出ていないし、結局追撃パだと余すことなく性能発揮出来るから必要なんだ……火力貢献しながら自分でも火力出るから、なんで?」
「十の石心だから」
答えに納得した二人。
いつのまにかコタツを囲んでる人間が三人になってきたが、雑談は続く。
「まあでも、そう言う意味ではパーティの数が増えて優劣は出てくるけど使えなくなるわけじゃないって言うのが大きいよなスタレ。1.0から出て強化されまくる将軍もそうだけど」
「でもアタッカーは結構飲まれがちだから助けてあげてほしいです。特に巡狩とか……」
「折角スタレにも実装されてスポットライト浴びた上メインストーリーで活躍したのに使われないなんて辛いですよね、苦しいですよね……」
後ろから声が聞こえたが先生は振り向けない。
「先生怖くて後ろ振り向けないよ。ヒヨリがスタールイーファントムかましてきたらシッテムの箱ごとやられちゃいそう」
「うわぁぁぁん!振り向かないでください!」
「その言い方は本当に振り向けなくなるからやめて!」
しかし勢いで後ろを振り向くとなんともない先生と、冷蔵庫から生ハムをモッツァレラチーズに巻いて食べてるヒヨリの姿。
「なんだ普通にヒヨリじゃないか……って何食べてんだぁ!?」
「こ、これ秘蔵だったんですか!?先生にしょっ引かれる前に全部食べてしまいます!」
「まあいいか。アリウスは今だに食いっぱぐれる時もあるって聞くし」
「安心して先生、あの程度なら後で僕が買ってきてあげよう。酒もいる?」
「ありがとうアベンチュリン……」
「どういたしまして」
ヒヨリは部屋の隅で食べている。
「まあでもあれか。キャラの調整が入るって明言されてるし、古いキャラもいつか使われる時が来るかもね」
「あの純美の騎士とかは余裕ある時の復刻で引かれて欲しいね」
「Ver.3のうちは引かれないのでは……?」
「黄金裔強すぎる」
さて、そんなこんなでリラックスしたらちょっとは身体が緩んできた先生。
「よし、じゃあ先生は仮眠室で寝ることにするよ」
「え、でもまたあそこで仕事を意識したら今のやつも無駄になるのでは?」
「そんなことないよ〜。仕事残ってるし、大変なのには違いないけど流石にねれるって」
アリスは仕事に今は近づけさせない方が良いと判断した。
彼女は指で合図をすると、後ろからプレナパテスがやってくる。
「おや、先生」
「ああプレ先。お疲れ様」
「お疲れ様です」
「何かあった?仕事の件なら今でも乗るけど」
「では、遠慮なく」
そうするとプレナパテスは先生をがっしりホールド。体格差と力強さはプレナパテスの方が上、先生は足掻き始めた。
「何すんだお前!?流行らせゴラ」
「そのままじっとしていろ!」
「えっなにこれ」
プレナパテスもアリスに指示。
「さあやっておしまいなさいアリス!」
「分かりました!アリス歌います!」
「寝かせるってそう言うこと?こんな状態でこもり歌聞かされても多分寝ないと思うよ?」
「レッドツェッペリンのイミグラントソングです!」
「うっわ絶対寝れないやつだそれ」
アリスは歌い始めた。
なんと言うか絶対寝れないというか、やってることはカービィのマイクと同様。つまりうるさい。
しかし先生はそれを感じることはなく、一瞬で眠りについてしまう。
「えぇ……?それで寝ていいの?末代までの恥だよレッドツェッペリンで爆睡したって」
「良いじゃないですかアベンチュリンさん。こういう日も必要です」
「アリスちゃん。もうちょっと、なんか良いのなかったの?」
「先生じゃなければモモミドASMR一緒のお泊まり編を聴かせれば解決するんですが……先生が生徒に劣情催しかねないからって必要な時以外聴かないんです」
「なるほどね」
とりあえず先生はこたつに戻して寝かせ、あとの三人も特別やることはないので分かれることにした。
アベンチュリンは書類の処理に向かい、プレナパテスは買い物に出かけ、アリスはスイッチを開ける。
「とりあえずポケモンの厳選しますか」
今は朝の9時。
アリスは一人の時間を楽しく過ごすため、厳選に没頭した。
《後書き》
こんにちは、らんかんです。
今回はシンプルなお願いです。
評価欄も数が50も付くとゲージが満タンになるそうです。シャーレ前交番ともども、面白いと思ったら是非評価をお願いします!
らんかんより