はい!アリスは戦い方を学びます!ゲームから!   作:らんかん

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幕間:ミモリの勢いに付き合う先生

 先生達は珍しくピンチに陥っていた。

 

 不良から手にした情報によりミサイルを購入した奴らが受け取るのを阻止するために飛び出して交戦。

 

 しかし、事態は思わぬ方向へ悪化する。

 

「なんですかあれー!?」

「おいおい嘘でしょ!?」

 

 アリス達が戦っていた不良、当然戦力増強でゴリアテがいてそれは普通に破壊している。それはいい。

 

 だが、それよりも段違いにとんでもないものが出てきた。

 

「あれは……!」

 

 そう、それはモビルスーツだ。

 

 それもフェイズシフト装甲が施されたもの、ザフトのセカンドステージ機体ガイアガンダムとそれに連なるウィンダム軍団。

 

「げえっ!?」

「えー!?」

 

 一度戦闘を中断して、撤退しようとヘリを呼び寄せる。まだ気づいてないかつ、周りの不良達も撤退してるので急いで逃げないと、そう考えていた。

 

 ウィンダム集団は街を破壊し続ける。もはや先生達のことはお構いなしだが、向かっている方向はミサイルがあるところ。

 

(まずい!一度引いても間に合うかあれ!?)

 

 しかし、それを咎めるやつが居るのもまたこのキヴォトス。レールガンのような光が空を飛び、ウィンダムの腕を切り裂いた。

 

「あ!?」

 

 撤退用のヘリコプターの前に出るように、その主は急速接近して先生の前に降り立つ。

 

 そして突然流れ出すミーティア。

 

「先生」

 

 やってきたのは、マイティーストライクフリーダムinミモリである。ラクスのあのポーズもやっている。

 

 はしゃぐゲーム部一行。

 

「変な名曲流れてます!」

「すごーい!」

「いやそれよりも……え!?ミモリ!?」

「先生、間に合いました」

 

 ミモリがコクピットからアンカーに掴まり降りてくる。

 

「大丈夫ですか?」

「いやあまあこれがあるなら大丈夫だろうけど……もしかしてこれ地下から?」

「ええ」

「もしかして勝手に持ち出した?」

「時間が無かった上に丁度周辺に居たので……」

「後で謝らないとな」

 

 しかし、これが打開策である以上無碍にする訳にもいかないだろう。先生は、責任者として次のアクションを決めた。

 

「アリス達はそのまま増援を呼んできて。大軍が必要なら、それで押し潰す」

「先生はどうするの!?」

「このままこの機体で戦う!」

「大丈夫なんですかそれ……!」

「生徒一人に戦わせておけないし、勝手に持ち出した非礼もしっかり役立てて返さなきゃ!」

 

 先生の決意は固まった。

 

 ゲーム部は撤退用のヘリで一度前線から下がり、増援を呼ぶために全員帰還する事に。ミモリが突如持ってきたマイフリに先生と彼女は搭乗した。

 

 コクピットの左のサブシートのミモリ、メインコクピットには先生が乗る。

 

「随分とハイテクだな……」

「先生!敵が来ます!」

「やってやる!」

 

 先生は実体刀フツノミタマを取り出し、ウィンダムの方へ突撃。攻撃を受けたのをアリスのレールガンだと思ってまともにマイフリの警戒をしていなかったせいで後ろから上下に分断されて落下。

 

 他の機体もそれを感知して撃とうとするが、先生は錐揉み回転して避けて後ろに回った後に同じように関節を切りつけて破壊。

 

「そんな爆発で死ぬような体してないとはいえ、MSのやつは洒落にならないからな。死んでくれるなよ」

 

 MS軍団に突撃を続ける先生。

 

 まだ人が確認出来ているためディフェンダーの雷が悪影響を及ぼすと考えて刀一本で戦い続ける。

 

 扱いは全員不慣れである、というよりそもそもMSなんて全員使った事ないのが当たり前の世界であるのだが、先生はそれでもウィンダム軍団よりも安定して立ち回った。

 

 核動力の半永久的な動力に物を言わせた姿勢制御とスピードで相手の照準を合わせる早さとは比べ物にならない動きで飛び回る先生とミモリのマイフリは相手のウィンダム達の四肢を切り取る。

 

「くっそ数が多い!」

「先生!右!」

「ちぃっ!」

 

 急旋回キックでビームサーベルを振ってくる相手を避けながら蹴り落として、態勢を立て直してからそのまま前方の機体に突撃。それも上下に分けて破壊。

 

「どいつもこいつも!」

 

 先生は慣れないGに振り回されて疲労が急速に溜まっていく。

 

 生徒達の無理に付き合い続けた結果メンタルだけでなく身体もある程度丈夫になっているのでそうそうMS初操縦でくたばりはしないが、それでも初めてのことは精神の緊張も相まって彼の元気を削いだ。

 

 それをもっと早める存在が、ウィンダムの壊滅と共に姿を現す。

 

「ガイア!」

 

 そう、ガイアガンダムの存在。

 

 四足歩行と二足歩行で、陸戦というものに特化したとんでもない機体。それが両翼のビームサーベルを展開して突っ込んでくる。

 

 急いで上昇すると流石にGで眩暈がした。

 

「が、くあ……」

「大丈夫ですか!?」

「こんな……もん!」

 

 強がっているが相手はそんなのお構いなしに突っ込んでくる。後ろからも前からも、横からもカーブして飛び掛かってくるのを避け続ける。下手に着地したら狩られそうな物だが、どうやら相手も慣れてないらしい。数回繰り返すと流石にMA形態で派手に転んでから立ち上がった。

 

「相手も慣れてないのは当たり前か……なら!ミモリ!」

「はい」

「プラウドディフェンダーだけ取り外して操縦は!?」

「ちょっと待ってくださいね」

 

 ミモリが出てきたモニターを使うと可能らしい。

 

「ある程度のコントロールは出来るようです」

「分離して再装着することでやつの隙を狙う!」

「分かりました」

 

 作戦会議が終わると、相手もちゃんと気を取り戻したのか突撃してくる。

 

 さっきと同じ光景だが、先生は避けるのに専念。基本的に相手と同じ軸に立たない、真正面に位置取りしないことを心がけて相手の背中にあるビーム砲やビームライフル、両翼ビームサーベルを軽いステップで避けながらタイミングを見計らった。

 

「これだけ避けてれば痺れを切らして突っ込んでくるはずだ!」

 

 相手はかなり阿呆である。

 

 慣れてないのは当たり前だが、本来武装はバカスカ撃つと弾切れによって使えなくなる。それはエネルギーを発射する物でも当然の話で、相手はエネルギー切れを起こしかけているようだ、空しか飛ばないビームは切れ、ビームサーベルの出力も落ちている。

 

 だが、当たれば勝てる。

 

 ビームサーベルの出力に回して、相手は思い切り突撃してきた。

 

「今だ!」

「はい!」

 

 ミモリが操作を開始して、まずマイフリは空に上がる。相手も当然倒さなければ意味はないので、飛び上がった。

 

 その瞬間。

 

 マイフリはプラウドディフェンダーを外して、後ろへ飛ぶ。外した勢いで前に動いて落ちる本体。

 

 相手も驚いたようだが、どうやら一筋縄ではいかないらしい。空中で変形して、肩のビームサーベルを取り出した。

 

 しかし地の利は地に足付けたマイフリが有利。相手はビームサーベルを振り下ろそうとするが姿勢の自由は効かない。

 

「終わりだ!」

 

 先生はそのまま飛び上がって、相手の振り下ろしよりも早く、変形したガイアガンダムを、ウィンダムと同様に上下に分けて倒した。

 

 がたん、と地に付いたマイフリにプラウドディフェンダーが再装着。周りに敵影は無いようだ。

 

「勝った、か」

「勝ちましたね」

 

 ただ、機体の勢いに振り回された先生は一度モニターに膝をつき項垂れた。

 

「はぁ……はぁ……」

「大丈夫、ですか?」

「ねえミモリ……これどうする?持って帰ったあとさ、ちゃんと二人で怒られてくれる?」

「勿論です。私の先生ですから」

「その言い方ちょっと怖いな」

 

 そうだ、と先生は全天周囲モニターの一部を拡大する。

 

 ミサイルの方は拡大して見てみると、アリス達が手を振っているのが見える。周りには沢山の不良が倒れていた。

 

「みんな……!」

「どうやら私たちが戦ってる間に奇襲して制圧したそうですね」

「はあ、本当に無茶をやるよ」

 

 しかし、なんとなく達成感がある先生は少しだけ笑顔になっていた。

 

 ただ、元の持ち主に返す時を思うと_______

 

「……やっぱ、ミモリ。今から帰るのが怖いよ」

「私も同じです」

「どうしようね。キラに詰められたら先生怖すぎて仕方ない」

「でも、楽しかったですよ」

 

 ミモリは先生にそっと寄り添う。

 

「こういうヒーローの隣に居るのは、安心感と……高揚感があります。恋のような」

「きっとこれに乗ってた二人も同じような感じに……って先生別に付き合うわけじゃないからね!」

「ふふ」

 

 彼女のお淑やかさは、先生の慌てた発言さえ朗らかにした。

 

 マイフリはそのまま空へと飛び立ち、シャーレへと向かって飛び始める。戦乱の向こうから、陽の光が都市を照らし、二人を乗せた自由も輝く。

 

 _______ただ、その二人が後でこっぴどく怒られたのも忘れてはならない。

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