アリスは花札をやっている。
最近はアソビ大全にハマっているのだが、せっかくなので実物を買って遊んでみているのだ。
相手は先生。そこそこ取った札にはカスが溜まっていた。
「満月、禁じられた時の間」
ノリノリで歌いながら芒のカスで五光を取る。
「不気味なほどに光る刀」
菊の短冊で、菊のタネを取る。
「七の月に咲く二輪の花見と月見で一杯、上がり」
「うわーん!手加減してください!」
「捲れたねえ」
なぜかシャーレに居るプレナパテスは先生達を見ていた。
「あ、プレ先」
「暇だからやってきましたよ。仕事は他の人に任せてます」
「そうか……やる?」
「あとでしましょうか。それよりも、一度聞いてみたいことが」
「なんだい?」
「花札って絵柄を合わせるってことさえ理解できれば基本やれますが、どれが何月の花かまで把握してますか?」
「____そう言われると自信ないな」
「アリスもありません」
絵柄をあわせ、適当に上がるのはちょっと面倒なトランプ程度に考えていた。
試合をしながら、二人はあれは何月の花か言ってみたりする。
「これもらいますね」
「いきなりだな」
鶴の絵があるカードの植物は、なんだろうか。
「これってなんなんでしょうね」
「なんかギザギザで先っぽが光ってるのってわからないよな」
「サボテンの葉はこんな感じです」
「じゃあサボテンか」
ずっこけるプレナパテス。
「あの花札は日本発祥ですよ?サボテンなわけ」
「でもウチワサボテンは茨城県にあったわけだし。その線あると思うよ」
「じゃあウチワサボテンの隙間からカッコつけてるんですね!」
「かもしれない!天才だアリス!」
「そんなわけありません二人とも!だとしたら鶴ロックすぎませんか!?」
「鶴の一声もロックでもおかしくないよ?」
「Fear,and Lothing in Las Vegasみたいな感じだと思います」
「どうしたらなんちゃらラスベガスみたいな鶴生まれるんですか!」
ラスベガスの曲で好きなのはParty Boysな先生は曲を流し始める。
「で、正解なんなの?」
「松です」
「これのどこに松要素ある?」
「ないです!」
先生の一手。
あのよろし、と書かれた梅の短冊をタネで取る。
「うわーん!文字付き取られました!」
「まあ、五光でかっ飛ばしたアリスよりは優しいってことで。流石にこれは梅だね」
「正解です。二月は梅です」
「でもアリスはまだ五光ふだがあります!」
今度はアリスが桜の五光で短冊を取った。
「これは___え、桜って何月ですか?」
「三月だと思うけどそうすると四月謎の紫触手なんだよな。この形のエロ同人で見たことあるよ」
「植物モノありますよね」
「昔のなんだと思ってるんです!?」
「え、どうなんだろ。プレ先、桜って三月で合ってる?」
「合ってますよ」
「じゃあこの紫触手が四月の代名詞か」
「それも花ですよ。四月の」
「赤色の触手は猪がいますね、先生!」
二人は触手だと笑ってた紫色の花について考える。
「プレっちヒントー!」
「基本旧暦で考えられてます。四月は旧暦だと夏です。なら、若干夏より、というより今で言えば春が終わった後かその直前くらいによく見るものはどうですか?」
「それで紫?えー、じゃあ藤の花か?」
「正解です」
「すごい先生!アリスよりも知ってますね!」
「なんかのテレビで見たんだよね。筑紫野かそこらのニュースで、福岡のどっかだったんだけど忘れた」
案外分かるものだ。と言っても初っ端はサボテンだったが。
そんな二人は話し合いながらも続けてる。
「あ、じゃあアリスコレで上がりますね」
「おお」
芒の五光札で三光達成。
「んで、話の続きなんだけど、五月は多分菖蒲じゃないか?」
「お、すぐに出ましたね。そうです、五月はあやめです」
第二ラウンド。
アリスはもう一度桜の五光で短冊を取った。
「六月は、どうなんだ。どれが該当するんだろうな」
「まず分かるのを埋めていくのはありだと思います!」
「じゃあアリスが分かるものを」
彼女が指差したのは12月の五光。
「これは桐です!」
「正解です。月は?」
「12月です!」
「よくできました」
「11月は確か柳です!」
「そうですね、知ってるじゃないですか。なんで一月のことサボテンって言ったんですか?」
「あれサボテンにしか見えません!」
先生と生徒みたいな風景だ。このキヴォトスでは珍しい。
しかし柳は割と有名、ならば分かるかもしれない。
「十月はまあ言われるまでもなく紅葉なわけで、九月は多分彼岸花じゃないか?」
「十月は合ってますが九月は違いますね」
「えー違うの?」
「彼岸花っていうには黄色が入ってるのはおかしくない?」
「えーじゃあこれなんだ」
二人は考えながらも札を取り合う。うまいこと役が噛み合わないので、早急にカスを集めたほうが勝ちになる。
「うーん、これで似てるつったらガーベラか?えーでもガーベラの和名なんだっけな」
「なんで英語の名前は出るんですか」
「ガンダム試作四号機とかガーベラストレートあるから知った。え〜、なんだっけ」
「先生!ガーベラストレートが菊一文字なら菊じゃないですか!」
「それだ!」
「おお、よくできました」
だんだんと埋まってきている。残るは6月から8月。
「八月は芒だね。ちょうど先生が五光奪ったやつ」
「なんでです?」
「芒の原は創作物じゃよく出るものだ。それこそ月見しながら酒を飲むなんて、いつもの和風ファンタジーじゃないか?」
「そういうもんですかね?」
なんだかんだ溜まってきている二人。話しながらなのかスローペースで、まだ決着はつかない。
「七月はどうですか?二人とも」
「うーん、七月ですか。ヒントはあります、藤と同じ感じの花ってことですよね!」
「ええ」
「じゃあ萩じゃないか?垂れてくる夏の花、雨季の代名詞だから六月だと思うが、七月でも全然見るし」
「おお、そうですね。先生の言うとおり、七月の花です。では、六月は?」
「「薔薇!」」
階段から転げ落ちるプレナパテス。
「そんなわけないじゃないですか!」
「ええでも赤くてでっかく咲いてるのはだいぶバルログだと思うけど」
「そうですよプレナパテス!アリスもそう思います!」
「一応これ日本のゲームですからね!?」
「えーっ、何これ」
「アリスもわかりません!」
二人して考える。
「六月を代表する花っていえばアザラシみたいな名前のあったよね?」
「えっと……そうです!紫陽花!」
「違いますよ二人とも」
「じゃあなんだって言うんだよえーっ」
「諺にありますよ」
「あれか?立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」
「そう、三択です」
「芍薬?」
「違います」
「百合です!」
「違います!」
「じゃあ牡丹じゃねえか!」
「ちゃんと考えてから発言してください大人でしょう!?」
プレナパテスのツッコミが入る
「本当にもーよくそれで先生やって来れましたねえ!?」
「いや仕方ないじゃんあんまり興味持ってなかったから」
「芍薬はまだわかりますよ、5~6月で被ってるので。百合は夏になってからでしょう?」
「芍薬どころか癪だよ先生は」
「でもいつもミレニアムでは咲き乱れてますよ。ユウカとノア先輩、チビメイドと_____」
「ストップ!やめよう!」
そんなこと言ってる間にも、アリスは上がることに成功した。
カスのめくり合戦は二人の引きの悪さから硬直していたが、アリスが捲りに成功して役を作ることができた。
「一個で7点!倍率が膨らむこの役は!えっと____月光蝶です!」
「花は残るけど札残らないじゃんか!」
アリスが勝った。
こういう遊びで仕掛けてくる不良も、もしかしたら花札をしようと言うのかもしれない。
そのあと3人は、変わるがわる交代して騒ぎながら花札をした。
そう、途中で花札がクソ強い百鬼夜行のシュロが来るまでは_______