あれよあれよとオーナーと挨拶を交わしてから診察に入る。お互いできることが別なので娼婦の皆さんには2回、僕とヴェーラさんの診察を受けてもらう。
「初めまして私の名はヴェーラ、こっちはシオ。まずは私たちの提案を受けて頂き感謝する。オーナーから聞かされているだろうけど改めて私たち2人で君たちを診る。既にオーナーから金は頂いている。何があってもこれ以上私たちは金を取ることは無いから安心して欲しい。お互いいい関係を築いていこう」
すげぇ、さっきの僕への態度とは大違いだ。これが大人の余裕ってやつなのかなぁ。
「ほら、シオ挨拶」
「え、あっ、初めまして。シオといいます。数ヶ月前から南の方で小さいながらも診療所をやっています。僕の専門は主に再生や解毒内臓の疾患ですが全力を尽くしますので、よろしくお願いします」
「身体のことは些細なことでも相談して欲しい。こんななりだがこの子は男の子。もし相談しにくいのなら私に」
全部で21人。骨が折れそうだ。
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「ジェーンよ、よろしく」
「シオです、よろしくお願いします」
いやぁ、こんなにも綺麗なお姉さん達に囲まれるともっと緊張すると思ってたけどなんか1周回って凄い冷静だ。なんでだろ。まぁいいや頑張って早く終わらせよう。
幸い僕の診療はこの身一つで完結する。
「手、失礼しますね」
僕の手から相手の手へ、ゆっくりと丁寧に魔力を流し込んでいく。その魔力は内臓、血管、筋肉など全身を駆け巡り弱った箇所を探し当てる。
「ねぇみんな凄い、なんかあれ。なんて言うんだろ。凄い身体がポカポカでゾクゾクする」
とジェーンという女性は度々後ろを振り返りながら朗らかに喋る。
結構集中してるから静かにして欲しいんだけど。
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「うわぁ、シオくん噂には聞いてたけどホントに魔法じゃん。これまた稀有な。にしてもあれは……
あぁごめんねアリサ、始めるわね」
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さてジェーンという女性、肝臓と喉に多少の異常と脚にいくつかの筋肉損傷あり、と。まぁ仕事柄色々あるのだろう。
「お酒の飲み過ぎですね。仕事柄控えてとは言えませんが1週間に1日くらいは飲まない日を作ってください。あと喉と脚に痛みや違和感はありませんか?」
「凄い、君ホントにお医者さんなのね。確かに最近ちょっと喉の様子がおかしいわ。脚は乱暴な客にね。ふふっ、赤くなっちゃって可愛い〜」
「からかわないでください、じゃあ治しちゃいますね」
「終わりました、次の「ありがとね、可愛いお医者さん」……」
軽いハグをされた。ドキドキしちゃうからやめて欲しい。
こうして色々ありながらも初めての健康診断のお仕事を無事に終えることが出来た。2人ほど初期の性病の疑いがあったのでこっそり治しておいた。これは後でヴェーラさんとオーナーさんに相談しなきゃだよねぇ。
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所変わってプロメオンの執務室。健康診断の結果をオーナーに伝える。
「どう? シオくんは何か見つけた?」
「基本みんなお酒の飲み過ぎや疲労ばかりですけど2人ほど初期のものですけど性病を確認しました」
「だよねぇ、シオくんに治してもらったって言ってたあの2人ね」
「まぁその………………粘膜と粘膜が…………」
そのニマニマしながらこっちを見るのやめて欲しい。
「とりあえず! 感染経路を探してください! その…………2人とも…………喉が……あれだったので…………」
「この子にこれ以上言わせるのは可哀想ということで、ねぇベルサ。ちゃんと記録は取ってあるんだろう? ここ最近でそういうプレイをしたやつに当たりをつけてくれ。出禁にするなり何なりと。もし悪質ならうちらで対処する」
「了解、恩に着るわ」
「さ、これで今日の仕事は終わり! シオくん、帰ろっか」
「ふぁい、凄く心臓が疲れました」
僕の名はシオ。
明日をも知れぬ闇医者さ。
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帰って家で寝ていたら帰宅したサルサに
「シオから女の匂いがする! ヤダ! 水浴びろ! 早く!」
と怒られた。不可抗力だよ。