そこには酒瓶を片手に桜の木の枝に立っている瑞鳳がいた。
「あははははは!たのしー!」
「ず、瑞鳳!?お前、危ないから降りて来い!」
「んぁ?提督?提督が三人いるー。あはははは」
「お前、それ飲みすぎだ。危ないから降りて来い!」
「提督心配しすぎらお。ゴキュゴキュゴキュ」
酒瓶の酒を一気に煽る瑞鳳。
それを光明が見守る。
「ぷはっー!ヒック・・・はれ~?なんらかふわふわして・・・あ~」
「あ゛ぁ゛~!」
瑞鳳が酔いすぎて木から落ちてくる。
光明は落下位置を確認しながら受け止める。
なんとか無事に受け止め、安堵のため息をつく。
「ったく、無茶しやがって」
「では、私が瑞鳳さんを部屋まで運びます」
「ああ、頼んだ赤城」
「赤城さん、部屋でもう一杯軽く飲みましょう」
「ええ、いいわよ」
「まだ飲むのかよお前ら!」
加賀と赤城の背後には山のようになった缶ビールや焼酎の瓶が積み上がっていた。
恐るべし一航戦。
そんなことをしている間に榛名と鈴谷のバトルが終わったようだ。
二人共疲れて寝ている。
「ははは、俺だけまた大破だよ」
天龍がボロボロの姿で転がっていた。
かわいそうに。
榛名と鈴谷は疲れたのかすやすやと寝息を立てて寝ていた。
「私は鈴谷を運びますので榛名さんをおねがいしますー」
愛宕が鈴谷を背負う。
光明は頷いて榛名を背中に背負って部屋へと連れて行く。
ちなみに金剛はまだ騒いで飲んでいる。
榛名を部屋まで送り届けて光明は工廠場を見に行った。
そこでは妖精さんたちが艦娘を生み出し終えていた。
「お、終わったようだな」
光明は中に入り、生まれた新しい艦娘に挨拶をする。
「ようこそ。今日からお前も家族だ大和」
生まれてきたのは戦艦の大和だ。
「はい、よろしくおねがいします提督」
光明は満足そうな顔をして工廠を出て寝室へと戻った。
そして次の日、提督は真っ青な顔をして布団に仰向けに寝ていた。
その理由とは何か。
それは、光明の周りで寝ている艦娘たちの存在だ。
龍驤に天龍、瑞鳳に愛宕、鈴谷に部屋に送ったはずの榛名まで光明の部屋で寝ていた。
「こ、これはまずい。急いで部屋をでなければ」
と、その時だった。
部屋の扉が勢いよく開かれた。
「Hei、提督!朝だデスヨ。早く出撃・・・・何をしたのデスカ?」
「もう俺が何かしたこと前提で話を進めようとするな!てか、艤装展開しないで!」
「私というものがありながら提督は他の艦娘と・・・・」
「待て!誤解だ!てか、何言ってんだお前」
「問答無用デス!オシオキデス!」
光明の悲鳴が鎮守府内に響いた。