艦これ大家族   作:サムライダー

3 / 3
一日目・後半戦

そこには酒瓶を片手に桜の木の枝に立っている瑞鳳がいた。

 

「あははははは!たのしー!」

 

「ず、瑞鳳!?お前、危ないから降りて来い!」

 

「んぁ?提督?提督が三人いるー。あはははは」

 

「お前、それ飲みすぎだ。危ないから降りて来い!」

 

「提督心配しすぎらお。ゴキュゴキュゴキュ」

 

酒瓶の酒を一気に煽る瑞鳳。

それを光明が見守る。

 

「ぷはっー!ヒック・・・はれ~?なんらかふわふわして・・・あ~」

 

「あ゛ぁ゛~!」

 

瑞鳳が酔いすぎて木から落ちてくる。

光明は落下位置を確認しながら受け止める。

なんとか無事に受け止め、安堵のため息をつく。

 

「ったく、無茶しやがって」

 

「では、私が瑞鳳さんを部屋まで運びます」

 

「ああ、頼んだ赤城」

 

「赤城さん、部屋でもう一杯軽く飲みましょう」

 

「ええ、いいわよ」

 

「まだ飲むのかよお前ら!」

 

加賀と赤城の背後には山のようになった缶ビールや焼酎の瓶が積み上がっていた。

恐るべし一航戦。

そんなことをしている間に榛名と鈴谷のバトルが終わったようだ。

二人共疲れて寝ている。

 

「ははは、俺だけまた大破だよ」

 

天龍がボロボロの姿で転がっていた。

かわいそうに。

榛名と鈴谷は疲れたのかすやすやと寝息を立てて寝ていた。

 

「私は鈴谷を運びますので榛名さんをおねがいしますー」

 

愛宕が鈴谷を背負う。

光明は頷いて榛名を背中に背負って部屋へと連れて行く。

ちなみに金剛はまだ騒いで飲んでいる。

榛名を部屋まで送り届けて光明は工廠場を見に行った。

そこでは妖精さんたちが艦娘を生み出し終えていた。

 

「お、終わったようだな」

 

光明は中に入り、生まれた新しい艦娘に挨拶をする。

 

「ようこそ。今日からお前も家族だ大和」

 

生まれてきたのは戦艦の大和だ。

 

「はい、よろしくおねがいします提督」

 

光明は満足そうな顔をして工廠を出て寝室へと戻った。

そして次の日、提督は真っ青な顔をして布団に仰向けに寝ていた。

その理由とは何か。

それは、光明の周りで寝ている艦娘たちの存在だ。

龍驤に天龍、瑞鳳に愛宕、鈴谷に部屋に送ったはずの榛名まで光明の部屋で寝ていた。

 

「こ、これはまずい。急いで部屋をでなければ」

 

と、その時だった。

部屋の扉が勢いよく開かれた。

 

「Hei、提督!朝だデスヨ。早く出撃・・・・何をしたのデスカ?」

 

「もう俺が何かしたこと前提で話を進めようとするな!てか、艤装展開しないで!」

 

「私というものがありながら提督は他の艦娘と・・・・」

 

「待て!誤解だ!てか、何言ってんだお前」

 

「問答無用デス!オシオキデス!」

 

光明の悲鳴が鎮守府内に響いた。

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(必須:5文字~500文字)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。