雨の音が聞こえる。
もう終わる世界のはずなのに。
そんな事を思いながら少女は一人〖あと数時間で終焉を迎える世界〗に別れを告げる。
悔いは無いし思いも無い。
次に訪れるのはどんな世界か、その好奇心だけが少女の心を動かしていた。
「イリヤさん、もう朝ですよ、起きて下さい」
白髪のエプロンを着けた女性、セラがイリヤスフィール・フォン・アインツベルンに声をかける。
「ん〜・・・」
イリヤはゆっくりと起き上がり、眠そうに目を擦った。
「朝食は既に出来ています。早く召し上がらないと遅刻してしまいますよ?」
セラが心配そうな顔をしてそう言う。
「ふぁ〜い・・・」
イリヤはそう返事をしてベッドから降り、制服に着替えて、部屋を出て、階段を降りてリビングに向かった。
いつもは寝坊しないイリヤだが、この日は何故か寝坊してしまったようである。
その後イリヤは急いで朝食を食べ、学校に登校した。
その日の夜、奇妙な喋るステッキに騙されたイリヤは色々あって魔法少女になった・・・のはいいのだが。
英霊の力を宿す「クラスカード」相手に苦戦していた。
相手はライダーのカード。
動きが素早く、イリヤの攻撃が全くと言っていいほど当たらなかった。
イリヤを魔法少女にしたステッキの元マスター、遠坂凛のサポートによりあと一息のところまで追い詰め、トドメを刺そうとした刹那
「刺し穿つ死棘の__」
呪いの朱槍を手にした少女がライダーの英霊にトドメを指した
はずだった。
「遅いよ」
呪いの朱槍よりも早く、英霊を穿った者が居た。
長い黒髪の、星を纏った様な衣装の少女。
その手には拳銃を持っていた。
「な・・・」
「ライダー・・・か、私は〝もう持ってる〟し、あなたにあげるよ」
そう言って先程まで朱槍を持っていた少女にカードを手渡す。
「じゃ、私はこれで。また明日学校でとか!」
「ちょ、ちょっと待ちなさい!」
少女がその場を後にしようとした瞬間、凛が少女に声をかける。
「アンタ、何者なの?」
「何者って・・・ただの行き場のない小学生だよ?」
「行き場のないって、まさか・・・」
「オーホッホッホ!情けないわね、トオサカリン!」
「こっ、この高笑いは・・・!」
凛は声のした方に顔を向ける。
そこには凛と共に冬木にやって来ていた少女・・・ルヴィアの姿だった。
「ミユもお手柄でしたわ。ライダーのカードはこちらで回収させてもらいますわ!」
「・・・ルヴィアさん、そのカードはその、私が回収したんじゃないんです」
ミユと呼ばれた少女はもう1人の少女に視線を移す。
「・・・あの子、何者なんですの?カード回収の部外者ではなくて?」
「あの子とかアンタとか、ちょっと酷くない?私には優って名前があるの」
「ユウ、あなたは何者なんですの?」
「何者・・・かぁ」
優は美遊に視線を移し、こう言った。
「美遊と同じような感じ・・・かなぁ?」
暫くイリヤ達は優と話し合った結果、優は遠坂凛の家に住むことになった。
「いい?アンタは私の義理の妹って事よ。わかった?」
「はーい、義姉ちゃん」
「・・・はぁ、ルヴィア、アンタの力はほんとに借りたくないけど、この子の戸籍やら何やらやっておいて頂戴。報酬は私の持ってる宝石3割で」
「やっすいですわね・・・まぁいいでしょう。とりあえずは今日のところは私達も帰ります」
「・・・優」
美遊が優に声をかける。
「何?美遊」
「あなたもしかして、カードの使い方・・・」
「さぁ?どうだろーね」
優はその質問に対し適当に流すかの様に答えた。
次の日、イリヤが学校に投稿すると担任のタイガー・・・藤村大河がこう言った。
「喜べ男子諸君!今日は転校生が2人も来たぞ!くれぐれも・・・ナンパとかしないように!では転校生、かもーん!」
ガラガラとドアを開けて入ってきたのは__
「美遊・エーデルフェルトです」
「遠坂優です!皆、よろしくね〜」
(や、やっぱりこうなる!?)
と心の中で思わずイリヤは叫んだのであった。
その後優のおかげもあってかカード回収はスムーズに行う事が出来た。
ライダー、セイバー、アーチャー、ランサー、アサシン、バーサーカーと次々回収を終えていった。
「私の計算が正しければこれで全部のはずよ」
カードを数えながら凛は言う。
「まだ。地下から物凄い魔力反応がある。」
そこに優が口を挟む。
「多分…カードはあと1枚ある」