ヒロアカ世界転生者掲示板 〜AFOぶん殴りツアー 転生者御一行様〜   作:黒酢大葉マヲ(真ヨ中マヲ)

7 / 8
新 章 突 入
この章では、主にホシノ視点と掲示板回を中心に展開していきます。

キヴォトス最高の神秘こと暁のホルスの暴れっぷりをどうぞお楽しみ下さい。

追記:何度も再投稿してしまい申し訳ございません。


雄英入学〜体育祭編
おじさん、雄英受験するってよ


 

二月二十六日。

 

それはメディアが毎年飽きもせず大々的に報道する雄英一般入試実技試験の日だ。

 

今日も澄み切った冬の青空を映す雄英の巨大なガラス張りの校舎は、その狭き門を何とかしてくぐろうと努力を重ねてきた多くの人々で賑わっている。

 

「すっごい大きいねぇ〜…」

 

その人混みの中で、ホシノは正門を見上げていた。

 

「この規模と張り合おうとしてる桜葉って…先生って一体何者なんだろうねぇ…」

 

「おいアホ毛女!」

 

「うへ?」

 

背後から聞こえてくる聞き覚えのある怒鳴り声。

 

後ろを振り返ると、相変わらず姿勢と目つきの悪い爆豪が両腕をポケットに突っ込んだまま此方に歩いて来ていた。

 

「手が冷たいなら手袋着ければいいのに〜…あ、おじさんの貸してあげよっか?」

 

「んなモン要る訳ねぇだろ」

 

どこからともなく水色の手袋を取り出すホシノの提案を一蹴した爆豪は、片手をポケットから抜き放ちホシノの背中を指差した。

 

「盾はどこにやった?」

 

藍色のジャケットに水色のマフラーとポニテが揺れる背中。

 

そこにはいつも吊り下げている折り畳まれた盾は無く、代わりに黒く重厚な、どこか物々しいケースが背負われている。

 

「あ〜…盾は申請が通らなかったんだよねぇ…」

 

「…ハァ?」

 

「ほんとは持っていきたかったんだけど…おじさんの個性により深く関わるのは盾じゃなくて『コレ(固有武器)』だから、サポートアイテム判定になっちゃったんだよね」

 

ま、心配いらないよ〜、と、ホシノはケースを指差して笑う。

 

「はっ!誰がテメェの心配なんざするかよ!…言っとくが俺はガチだ。装備が違うからって負けても言い訳すんじゃねぇぞ?」

 

そう言うと爆豪は返事も待たずに再び手をポケットに突っ込み、人混みを掻き分けて校舎の中へと姿を消した。

 

「お互い頑張ろう!」

 

「っ!?」

 

その直後。

 

ホシノの隣をショートボブの女子が通り過ぎた。

 

(今のはお茶子ちゃんの声…まさか、見逃した!?)

 

慌てて振り返ると、そこに居たのは奇声こそ上げていないものの顔を赤くして固まる緑谷。

 

「うへぇ〜…こんなのってないよぉ〜…」

 

無慈悲にも遠ざかっていく背中。

 

爆豪のせいでデク茶:オリジンとも言うべきシーンを間近で見逃したホシノは、心の中で血涙を流しながらトボトボと校舎に向かった。

 

 

 

 

 

 

 ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 

 

 

 

 

 

『今日は俺のライヴにようこそー!エヴィバディセイヘイ!』

 

実技試験の説明は、ハイテンションなプレゼントマイクの一言で開始された。

 

当然ながら返ってくるのは沈黙である。

 

『Yokoso!』と返すような余裕のある人間は、この場の張り詰めた空気をぶち破れるほど多くないのだ。

 

「ボイスヒーロー・プレゼントマイクだ…!すごい…!」

 

「うるせぇ」

 

「様式美だねぇ…」

 

『こいつぁシヴィー!』

 

受験生の塩対応にもめげずにハイテンションを貫くプレゼントマイクは、その勢いのまま説明を続ける。

 

「受験番号連番なのに三人とも会場違うね」

 

「チッ…直で潰せねーのかよ」

 

ポイントの異なる三種の仮想敵について説明を終えたあたりで、受験生の中からビシッと手が挙がった。

 

「プリントには四種の敵ヴィランが記載されております!誤載であれば日本最高峰である雄英において恥ずべき痴態!───」

 

多分緊張でピリピリ五割増しな飯田の質問によって、0点のお邪魔ギミックにも説明が入る。

 

ついでにボソボソ喋っていたことを注意された緑谷は、誰が見てもわかるレベルで萎縮してしまった。

 

『Plus Ultra!!それでは皆、よい受難を!!』

 

プレゼントマイクが校訓で締め括る。

 

そして、受験生たちは動きやすい服装に着替えるべく移動を開始した。

 

 

 

 

 

 ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 

 

 

 

スタート地点に集まる学生の中で、ホシノは最終確認を行っていた。

 

(流石に実弾は持ち込めなかったけど…多分ゴム弾でも神秘込みなら通るよね〜)

 

片膝をつきながら愛銃(固有武器)『Eye of Horus』を抱え、側面のショットシェルホルダーに弾を収める。

 

慣れた手つきで作業を行うその姿は不思議と背筋が伸びるような緊張感を醸し出しており、可憐に彩られていてもなお健在であるショットガンの威容も相まって非常に注目を集めていた。

 

(銃身も千空くんの言う通り傷一つ着かないほど頑丈だし、近接はむしろコレ使って殴った方が早いかもね)

 

立ち上がり、右手で銃を構える。

 

せいぜい一年足らずの付き合いにも関わらずまるで元々身体の一部であったかのように馴染むグリップをしばらく握りしめた後、ホシノは両腕をだらりと脱力させた。

 

「よーし準備完了。それじゃ…」

 

『ハイスタートー!』

 

「行こっか」

 

何の予告もなく宣言される開始の合図。

 

原作を知っていなければまず間違いなく反応できなかったであろうそれが聞こえると同時に、ホシノは弾かれたように駆け出した。

 

『どうしたぁ!?実戦じゃカウントなんざねえんだよ!』

 

他の受験生は付け足された言葉でやっと状況を理解したのか、もつれあいながら慌ててホシノの後を追いかけ始める。

 

(めんどくさいけど…前に爆豪くんに『簡単には負けない』なんて啖呵切っちゃったからねぇ…)

 

「ま、適当にやるのもアレだし、とりあえず目標は──」

 

目の前の仮想(ヴィラン)の脇をするりと抜け出しながら、すれ違い様に銃床を叩きつけてぶっ壊す。

 

「──絶対に足を止めない事、かな」

 

飛び散る破片の霰を突っ切りながら、ホシノは目前の十字路に向けて駆け出した。

 

『ブッコロス!』

 

仮想(ヴィラン)が物騒な音声と共に横道から飛び出す。

 

「邪魔だよ」

 

右腕を払い除けながら逆向きにへし折り、側頭部に向けて強烈な蹴りを叩き込む。

 

サッカーボールの如く蹴り飛ばされ、勢いよくビルの外壁に突き刺さった頭部と逆パカされた右腕。

 

そのままホシノは突き刺さった頭部とビルの壁を足場に高く跳躍すると、眼下を通り過ぎる夥しい数の仮想(ヴィラン)に向けて淡く光る銃弾を撃ち込んだ。

 

神秘で強化された銃弾は敵の装甲を容易く貫くと、広範囲を巻き込む連鎖爆発を引き起こす。

 

爆風に靡き空を舞うポニーテール。

 

ついでに踏み潰される仮想(ヴィラン)の頭。

 

(…思ったより数倍弱い)

 

「やっぱり試験だとこんなもんなんだねぇ〜」

 

ホシノは休みなく仮想(ヴィラン)を壊しながら、頭の片隅でそんな事を考える。

 

そもそもこの仮想(ヴィラン)は、関節など装甲の薄い所であれば一般人が個性を使わずとも壊せる程度には脆く作られている。

 

故に『壁をブチ壊せるのが強者の証』などと揶揄されるキヴォトス人からしたら、仮想(ヴィラン)の耐久性など飴細工に等しい。

 

(それに、動きが直線的で…)

 

そしてついでに言うならば、

 

「駆動音もうるさい」

 

ホシノは()()()()()()()()()()()()()()の人間である。

 

目の前に斃れ伏す仮想(ヴィラン)の装甲板を剥ぎ取りながら一瞥もせずに放たれた弾丸が、背後から迫り来る群れをまとめて吹き飛ばす。

 

「よ~いしょっと」

 

気の抜けた掛け声からは想像もつかない勢いで放り投げられた装甲板が仮想(ヴィラン)の胴体に突き刺さり、カメラアイから光が失われる。

 

『ツブシテヤル!』

 

(1、2…)

 

「後ろ」

 

『ギッ…!』

 

頭部への容赦ない接射によって、瞬く間に限界を失った頭部が乾いた音を立てて地面を転がる。

 

とんでもなく頑丈な銃身による殴打によって、不恰好な断面を晒しながら細い胴体がヴィ/ランになる。

 

弾幕や飛来する破片を全く意に介さない突撃によって、むしろ弾き返された破片が更なる二次被害をもたらす。

 

「うへ〜入れ食いだぁ〜」

 

爆発によって続々と集まってくる妙に殺気立つ仮想(ヴィラン)を鎧袖一触に粉砕するホシノは、背後に鉄屑の山を残しながら宣言通り足を止めずに駆け抜けて行く。

 

「しまっ…え?」

 

「うへ〜大丈夫〜?無理しない方がいいよ」

 

途中で受験生を追いかける明らかに許容量を超えた数の仮想(ヴィラン)を見かけたので、撤退を促すついでに背後から弾丸を叩き込んで蹴散らす。

 

どちらかというと絶えず敵を引き寄せ続けているホシノの周りが一番危険なのだが…それはいうのは言わぬが花という奴だろう。

 

そんなこんなを繰り返して着々とポイントを稼いでいた時。

 

ようやく、この試験の肝は姿を表した。

 

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…!

 

会場全体が揺れ動くような振動と共にビルよりも大きな巨体をもたげた0ポイント仮想(ヴィラン)

 

重厚な脚はアスファルトを踏み砕き、巨大な手は掴んだビルを傾かせる。

 

事前に説明があったとは言えこんなのが唐突に出てきたらそりゃ誰だってパニックにもなろう。

 

コレを『倒すべき敵として見たらそこまで脅威ではない』とか言っちゃうあたり、やはり雄英…というか相澤先生はモノがチガウ。

 

「こんなのを気軽に出せるってすごいねぇ…」

 

試験内容のとんでもない規模とかかっているであろう費用の額に思わず呆れながらも、ホシノは降り注ぐ瓦礫を撃ち落としながら足元に向けて駆ける。

 

「おりゃ〜っ」

 

緩慢な動作で伸ばされる巨大な手を潜り抜け、傾いたビルの壁面を駆け上がり脚部に飛び移る。

 

装甲に覆われた脚部の関節に何発か銃弾を撃ち込むと、装甲は無惨に捲れ上がり、内部の軋む油臭い関節が外気に晒された。

 

「うへ〜いい眺めだ〜」

 

ホシノは歪んだ脚部装甲に掴まりながら片手で弾を込めると、関節の内部に向けて銃を構える。

 

「それじゃ…スパッと終わらせよっか」

 

神秘に覆われた光り輝く弾丸が銃口から吐き出される。

 

それらは振動によるブレをものともせず装甲の内側に吸い込まれ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『EXスキル《集中突破》』

 

 

マゼンタ色に、爆ぜた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………

 

……

 

 

 

 

 

 

 

 

 ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 

 

 

「実技試験の結果が出ました」

 

「まさか救助ポイント0で同率一位とは…なかなかお目にかかれねぇ結果だなぁ!」

 

「1ポイントや2ポイントは標的を捕捉して近寄ってくる。他の受験生は鈍っていったが、派手な個性を出し続けて目立って迎撃し続けた。タフネスの賜物だ」

 

「逆にこっちの一位は能動的に動いているな。救助ポイントも稼ぎながら常に敵を引き寄せつつ、得点の高い3ポイントも比較的多く狩っている。実に合理的だ」

 

「能動的すぎてアレまでブッ壊しちまったのは最高だったな!」

 

「ぶっ壊したと言えば、8位の子もそうじゃない?」

 

「そいつは途中まで個性を使わずに仮想敵を倒していた。恐らく強すぎる個性の制御がまだ出来ていないんだろう」

 

「彼、腕が複雑骨折していたもの。脚の筋肉も損傷していたし…」

 

「それでも、一撃で顔面を吹っ飛ばしたのは久しく見てないね。やはり今年も───」

 




ブルアカだと武装ヘリ三台を即墜ち二コマしたり、駅舎の頑丈そうな壁を三発でブチ抜いたり、ヘリから撃たれた対戦車ミサイルを盾で軽々受け止めてそのまま壁キックで乗り込んだり、岩を溶かすビナーレーザーを真正面から受け止めたり…

うん、やべぇわホシノ。
でも一番やばいのはそんなホシノに感化されてありえない成長曲線描いてる爆豪だったり…?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。