クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~とあるノーマになった少年は   作:カオスサイン

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EPⅧ「ひとりぼっちの反逆<リベルタス>」

アルゼナル執務室

「三度の出撃でこの撃墜数とは結構結構。

今迄誰もまともに動かせなかったあのヴィルキスをこうも簡単にねえ・・それと発掘されたばかりのあの黒く変化した機体、ブレイヴス・スフィーアといったか・・」

「多分ヴィルキスもブレイヴスもあの二人を認めたのかもしれない」

メイがカリトとアンジュをそう考察した。

「じゃああの子は・・」

サリアがヴィルキスの事を心配する。

「はじめようとするか・・リベルタスを。

サリアは不満か?」

「・・すぐ死ぬでしょう・・私ならもっとやれる!私ならもっとヴィルキスを使いこなしてみせる!なのにどうして・・」

サリアはジルにヴィルキスの事にについて胸の内を語る。

「適材適所って奴さ」

「ヴィルキスに何かあったら・・」

「その時はメイが命を懸けて修理してみせる!それが私達一族の使命だもん。

だから・・」

「メイ・・」

サリアの心配事にメイがそう力強く言ってくる。

「お前はお前の使命を果たせ。いいね?サリア」

「指令・・」

「良い娘だ」

「忙しくなるねぇ」

「気取られないようにしろ特に監察官にはな」

ジルは何やら企んでいるような素振りを見せた。

・・・

「そこか?!」

ブレイヴス・スフィーアがスクーナー級ドラゴンを捕える。

が・・

「・・」

「あの野郎・・」

アンジュのヴィルキスに獲物を横取される。

「チッ・・」

「ふふん!」

アンジュもロザリーさんに横取されたようだ。

ま因果応報だな。

「だああ!?コイツ!・・」

「あの馬鹿・・」

今度はヒルダ副長が狙っていたガレオン級を横取しようと邪魔をしていた。

チームワークも何もあったもんじゃないなこれじゃあ・・どうにかしないと。

ジャスミンモールキャッシャー前

「撃破数スクーナー級3、ガレオン級へのアンカー撃ち込み。

弾薬消費その他燃料消費、装甲消費等を差し引きして今週分は十八万キャッシュ」

「チッこれっぽちかよ・・」

「まだ良い方だよ・・私なんか一桁だもん・・」

ロザリーさんが自己の戦果に納得いかないのか愚痴る。

それにクリスちゃんが付け加える。

「ヒルダは?」

ロザリーさんがヒルダ副長さんに聞く。

そして副長さんは三重の現金の束を見せびらかした。

「おお!」

それを見た二人は少し驚いていたのだが

「はい、五百五十万キャッシュ」

「!?一体誰が!?」

額の高さに皆驚く。

「・・」

「アイツかよ!・・」

「凄いじゃんアンジュやるぅー!」

「大活躍だったものね!」

ロザリーさんとクリスちゃんはうっとおしそうにアンジュを見、ヴィヴィアンとエルシャさんは素直に彼女を評価する。

当の彼女は無言のまま預金したようでそのままその場から離れた。

「はいそっちの君は五百五十五万キャッシュね」

「「!?!?」」

俺の更なる額の高さに流石に皆も驚きを隠せないようだ。

一瞬アンジュもそれを聞いたのか立ち止まっていたがすぐに我に戻ったのかまた歩いていった。

「カリト兄ぃ凄い凄い~!」

「あの野郎に邪魔されなければもっと稼げた筈だ・・」

「あ、ああ・・」

ロザリーさんも俺と同じ事を思っていたのか更に愚痴っていた。

「ジャスミンさんこれとこれを頼む」

「おや?武装は買ってくれないのかい?」

「まだ必要と思える武器が入っていないようですし資金もそんなに無いですからね」

「そうかいま、良イのが入ってきたらまた知らせてやんよ。

そいじゃ毎度ありぃ~!これからもジャスミンモールご利用を待ってるよ」

「楽しみにしておきますよ」

「おばちゃんコレいくら~?」

「お姉さんだろったく・・。ソイツァ千八百万キャッシュだね」

「喜んで!」

ヴィヴィアンは微妙に重量を食いそうな斧タイプの武装を即決購入していた。

一方の俺はジャスミンモールショップ内で必要な物資を購入する分だけ引出し後は預金し自室に戻った。

どこぞで見た事があるような気がする武装があったのは俺の気のせいだと思いたい。

「よしこれで作成出来るな!ほいほいほいっと・・・よっと後はコレを組み合わせて・・よし完成だ!」

で何をするかというとパラメイル外に出て戦闘する時の為の自作武器作成である。

アルゼナル内の書籍で知識を叩き込み自分の腕を信じ踏み切ったのだ。

でも作成するのは銃ではなくハンドブレイドだ。

かなりドラゴンに接近しなければ役に立たないが俺のブレイヴス・スフィーアの性能と俺のここ数日間で鍛えた身体能力でならばそれが可能になる筈だと。

後は隊の仲間達と己、そして機体を信じ、祈るだけだ。

教室

「ガス抜と思って見逃していたけどあまりにも目に余るわね」

「うう・・」

ロザリーさんとクリスちゃんが色々とアンジュに嫌がらせをしようと企てていたが彼女にはことごとく回避され挙句の果てにはエルシャさんのその・・うん・・アレだをアンジュの物と思い込んでお仕置きされ、サリアさんに折檻されていた。

「でも・・アンタ等何も思わないの?大切な仲間を殺しておいて、その上お姉様があんな事になって・・あの女はのうのうと生活している事にさ!・・」

「・・」

ロザリーさんは弁解する。

「まあまあ隊長もロザリーさんもその辺で・・」

俺はサリアさんとロザリーさんをなだめる。が

「貴方はちょっと黙っていなさい」

サリアさんに凄い勢いで黙らせられてしまう。

「でもアンジュちゃんはココちゃんのお墓も立ててあげたし戦場にも戻ってきてくれたし・・贖罪は果たした筈よ?」

そんな俺にエルシャさんが助け舟を出してくれる。

「ッ!~それだけで・・」

それでもロザリーさんは納得いっていないようだ。

「それにもしあの時カリト君がいなかったらゾーラ隊長さんもあの子ももっと酷い事になっていたかもしれないのよ?」

「そ、それは!・・」

エルシャさんの更なる助言により折れたのかロザリーさんは黙った。

「それだけで納得出来るの?」

がそれにヒルダ副長さんが反論してくる。

「指令も何を考えているのやら・・アイツにポンコツ機なんか与えてさ・・ああ指令も気に行っちゃったんだあの女が。

ま、そう考えれば変に優遇されているのにも納得がいくわ。

あの指令をたらしこむなんて大したもんだねえ・・皇女殿下はさぞベッドの上で・・。

アンタもそうなんでしょう?サリア」

ヒルダ副長はサリアさんにそんな事を言う。

「上官侮辱罪よ!」

「だから?」

その言葉にサリアさんはキレてサバイバルナイフをヒルダ副長に突き突けようとし対抗する副長は拳銃を向ける。

「お、おい・・隊長も副長さんもその辺にしておいた方がいいぞ?」

俺はなんとかその場を収めようと二人を仲介する。

「チッ!・・」

「これ以上アンジュに手出しするのは許さないわ!

今はこれで許しておくけど」

副長は止められた事に苛立ったのか舌打ちしサリアさんはなんとか気を収めてくれたようだった。

「でも隊長あの皇女さまの戦い方はなんとかしないとまた出なくていい犠牲が出てしまう可能性がある」

俺はさっき言いそびれた事をサリアさんに話した。

「そ、そうね・・もっと勉強しておくわ」

ゾーラの個室

クリスとロザリーを連れてゾーラの個室へと足を運んだヒルダは二人に語る。

「あの男も・・ゾーラの事を助けてくれた事には感謝はするけどアタシは認めないわ!・・

良い?二人もいくら恩があるからといっても絶対に気を許しては駄目よ」

「ヒルダ・・」

ヒルダのそんな言葉に二人は半ば混乱してしまい言葉を出せずにいた。

サリア・ヴィヴィアンの相部屋

「・・」{ジル・・約束してくれたではないですか・・ヴィルキスは私にって・・}

「うう~ん・・欲しいのがあり過ぎるなあ。欲しい物が無いって寂しいよねえ~。

ここでクイズ!」

「な、何?」

ヴィヴィアンが自前の購入予定リストを見ながらサリアにクイズを出してくる。

一人物思いにふけっていたサリアはハッと我に返って返答する。

「サリアは何を読んでいるでしょうか?」

「指導教本難しいわ」

「サリアまた怖い顔してるほら!」

「ちょ、ちょっと!?」

ヴィヴィアンがサリアがかけていた眼鏡を外す。

「いつものアレを読んでいる時の方が良い顔してるぞ?」

「アレ?」

ヴィヴィアンの話にサリアは?を浮かべる。

「ほれ引出の二段目にあるさ、男と女がチュッチュする奴」

「んな!?・・///」

ヴィヴィアンはそう言い本の内容をジェスチャーする。

「フォッ!?」

半ば顔を少しだけ赤らめながら慌てたサリアはナイフをヴィヴィアンの近くスレスレの壁に向かって投げ脅しをかけやめさせる。

「いい加減にしなさい?今度漁ったら・・」

「ご、ごめんちゃい!もうすぐ飯タイムだけどサリアも行く?」

「私はもうちょっと勉強してからにするわ」

ヴィヴィアンが部屋を出ていった後サリアはまた一人で思いにふける。

「・・ブレイヴス・スフィーア・・カリト・・貴方は・・」

サリアはふと気に入れる事が出来なかったカリトと彼に与えられたまるでヴィルキスと対を成した様な専用パラメイルの事を考えていた。

「・・///」

そしてヴィヴィアンにバレてしまった秘密の本の事を思い出して赤面していた。

食堂

「コレあげる!ここでクイズですこれはなんでしょう?」

「・・」

ヴィヴィアンがアンジュにキーホルダーを見せクイズを出していたがアンジュは顔を少し上げただけで無言を貫いている。

「ブー!正解はお揃ー!」

「・・」

「あぁっ!?・・」

ちょっと配色が不気味な三体の熊のキーホルダーをの内一体をアンジュに渡そうとしたヴィヴィアンだったがアンジュはうざったく思ったのかヴィヴィアンの手を払いのけてキーホルダーは三体共カレーにダイブしてしまう。

「言ったでしょ?私は一人でいいって」

アンジュは独りよがりで冷たい一言をヴィヴィアンに言い放って席を離れていってしまった。

「あのアホ・・」

みていた俺や他の人達も唖然としていた。

「・・あ・・カリトコレいる?」

「うお・・」

半ば泣きそうになっていたヴィヴィアンが俺に気付きカレーまみれになったキーホルダーを差し出してくる。

「ああ、ありがたくもらっておくよ」

彼女の好意を無下にする訳にもいかなかったのでキーホルダーを受け取りすぐに洗った。

その日の夜のゾーラ兼ヒルダの個室

「ゾーラ・・」

ヒルダはゾーラの義眼を握り締め考える。

半ばアンジュへの憎しみが募り義眼を握り潰しそうになる感情を抑え彼女は考え直す。

「アタシってばホント馬鹿だわ・・ゾーラの事を信用する事を一ミリでも諦めかけようとしたなんて・・」

それはゾーラを想う彼女の思いであった。

その頃の格納庫

「私頑張るからねお姉の分も・・」

ヴィルキスを整備し終えたメイは一人そう呟き退出する。

「・・」

それを見計らって格納庫に忍び込んだヒルダはヴィルキスの近くに行き何かを画策するのだった。

翌日

「総員騎乗!」

ドラゴン出撃警報が鳴る中サリアさんが号令をかける。

「そんじゃあサリア隊、カリト機ブレイヴス・スフィーア出るぜ!」

俺も急いでブレイヴス・スフィーアに飛び乗り出撃した。

「はあああー!」

「アンジュ!勝手に突っ込むな!」

案の定アンジュはサリアさんの命令を無視しドラゴンに突撃をかける。

「あの馬鹿!・・」

「アンジュ!・・」

俺とミランダちゃんはアンジュを止めようとするが自機に迫るドラゴンの駆逐に追われて対応が困難だ。

「「助けてやろうか?」」

「!?」

何故か一番アンジュの事を嫌っている筈のヒルダ副長さんが彼女を援護しようとしていた。

が・・

「!?なっ・・これは!?・・」

ふとアンジュはヴィルキスの異常を感じる。

「「何をやってるの!早く立て直すしなさい!」」

異常に気が付かないサリアさんはアンジュに命令する。

それを確認したヒルダは不敵に笑いを浮かべていた。

「ヴィルキス!?」

「ちょっとサリアちゃん何処行く気なの?!大きいのが最優先よ!」

ヴィルキスはブースターの異常で失速し海に墜落しそれを狙ったスクーナー級ドラゴンとの取っ組み合いの末に遂には海中に沈んでしまったのだ。

それにやっと気付いたサリアさんは慌ててヴィルキスを追おうとするがエルシャさんに止められてしまう。

「そんな!?・・ヴィルキスが!?・・」

そんなサリアさんにブリック級ドラゴンが迫ってくる。

「隊長危ない!」

エルシャさんと同時にブリック級に気付いた俺はブレイヴスを突撃させる。

「そっこだあー!」

俺は接近した所で急いでブレイヴスの外に出てドラゴンに飛び掛かりハンドブレイドを突き刺して再びブレイヴスに飛び移り乗り込む。

「後はコイツでぇー!」

怯んだドラゴンに俺はトドメの凍結バレットを撃ち込み撃墜した。

「隊長今はこっちに集中しないと!」

「「あ・・ありがとう・・」」

それでもサリアさんはヴィルキスとアンジュが沈んだ海中をずっと見つめていた。

数時間後

「・・・ん・・私は一体・・!?え?えええええー!?」

目を覚ましたアンジュは自分に何が起こったのかを思い出し起き上がろうとして驚き絶叫した。

何故なら隣には茶髪の男性が寝ており自分は裸にされてしまっていたのだから・・

 

 

 

 

 

 

 

 

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