クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~とあるノーマになった少年は 作:カオスサイン
俺の学友、妹が、そしてアンジュの側近メイドさんであるモモカさんが俺とアンジュの機転でアルゼナルに留まれる出来るようになってから数日が経った。
「おう、ちゃんとやってるな」
「おう!おかげ様でな」
「ちょっと大変だけどね」
俺の妹であるリンナは個室で一緒に過ごし、俺の親友達は俺が頼み込んだ末レントがジャスミン・モールの店員、テンタがパラメイル整備班、アンナがマギーさんの助手を務める事となった。
今は休憩時間のレント達と話していた。
これまでの経緯を彼等に一通り話した。
「大変だったんだな」
「ああ・・」
俺はココちゃんの死、そしてゾーラ隊長の怪我をふと思い出し沈みそうになるがなんとか気を取り直し続ける。
「一応言っておくがアンナ以外お前等はマナの使用は極力控えてくれよ?
此処にいるのはノーマの子達なんだから」
俺はレント達にそう注意を促す。
此処にいるノーマの子達の中にはマナを使える普通の人間を憎んでいる子だって少なからずいるものだから・・
「分かってるって!カリトお前もユヒィの事を頼むぞ」
「ああ」
レントに言われ思い出す。
ユヒィは俺と同じ第一中隊に配属された。
まだ訓練期間中であるが中々の筋らしい。
彼女も決意しているという事か・・。
サリアさんがそう言っていた。
何故かご機嫌斜めな表情だったが・・なんでだ?
俺もユヒィを含め仲間達をより一層バックアップすると決めた。
「しっかしドラゴンにノーマにしか動かせないパラメイルねえ・・そんな存在がひた隠しにされているとはな・・だからってノーマの子達をこんな所に押し込めてそんな事に利用しているなんて国のお偉いさん方には怒りを覚えるぜ」
「そうよそうよ!」
レントとアンナがそんな愚痴を零す。
「はは・・だけど俺達ノーマがドラゴンと戦わなきゃ全世界が大変な事になる。
そうなってほしくなんてないからな」
「カリトお前は変わってないなそういう所」
「お前等もな」
そう交し合う。
「おーいレント!休憩時間はとっくに過ぎてるよ!
手伝っておくれ」
ジャスミンさんがレントを呼びに来る。
「ヤッベ!早くいかねえと・・んじゃまたなカリト」
「ああ」
レントは慌てて店に戻っていった。
「私達も持ち場に戻るわね」
続けてアンナ達もそれぞれの持ち場へと戻っていった。
その頃、ユヒィの個室
「カリト君・・」
ユヒィは訓練を終え一人風呂に入りふと思いにふけっていた。
パラメイル操縦訓練に付き合ってもらった時のカリトの様子を思い出す。
彼は隊長のサリアと一生懸命自分の為に議論していた。
その時の彼とサリアの様子が彼女にはとても楽しそうに見えたのだ。
「あら?ユヒィちゃんじゃない」
「先に上がってたんだね」
「チャオ♪」
「あ、ヴィヴィアンちゃんにエルシャお姉ちゃん、それにミランダちゃん」
思いにふけっているとヴィヴィアン達が入浴しにくる。
「なあに?一人で黄昏っちゃって」
「もしかしてカリトの事考えてたのかな?」
「ええ!?えっと・・そ、それは・・///」
ヴィヴィアンが率直にそう言ってきたのでユヒィはあたふたする。
「アハハ顔真っ赤っ赤~!」
「こぉら!あんまりからかっちゃ駄目!」
「あで!?たははご、ゴメン・・」
ヴィヴィアンが狼狽しているユヒィをからかうがエルシャに折檻されすぐに謝る。
「・・あ、あの!・・」
「なあに?ユヒィちゃん」
「か・・カリト君が此処に来てからの事詳しく聞かせて頂けませんか?」
ユヒィは日々の訓練のおかげでカリトとゆっくり話せる機会が無かった為この機会にエルシャ達に話を聞こうと思い立った。
「良いわよ!」
エルシャ達はユヒィに語る。
アンジュの身勝手な行為のせいでミランダの親友だったココが死んだ事、ミランダの窮地をカリトに助けてもらった事、前隊長だったゾーラの意識不明、隊長を後任せされたサリアを補佐した事等色んな事を語った。
「そうだったんですか・・お話ありがとうございました」
そうお礼を言ってユヒィは上がった。
「・・サリアちゃんの話の時にユヒィちゃん凄く食いついていたけど・・」
「そういえばカリト兄ぃって戦闘中隊長の傍にいる事多いよね?」
「そういえばそうだねえ~」
「「「もしかして?・・」」」」
三人は同じ事を思うのであった。
「へっくち!・・鼻が急にムズムズしてきた・・」
当の本人はそんな事を知る由もなかった。
前中後編でやりきるか・・長い