クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~とあるノーマになった少年は   作:カオスサイン

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本編第Ⅰ部
EP1「始まる災厄」


自分がノーマになってしまった事を他の者に悟られない様にいつも通りにだが慎重に姉さん達との日々を過ごしていた。

「えい!えい!・・やはり使えないのか俺は・・」

日を置き何度も試してみるがやはりマナの力を使う事は出来ずにいた。

そしてあの日以来ケイはより一層家にいる事が少なくなっていた。

「ん?あそこに停車しているパトカー妙に多いな・・」

街のほぼド真ん中に多数のパトカーが停車されており警官隊が囲いを形成していた。

マナが使われるようになってからは犯罪率は格段に下がり警察がこんなに大勢出動する事は滅多に無くなっていた。

マナの力を悪用した事件かもしくはノーマ絡みか・・

俺の考えは後者が当たっていた。

「ふえええ・・・」

「おいおい、赤ん坊だと!?」

どうやらノーマ認定されたであろう赤ん坊が刑事にマナの結界を張られ泣いていた。

「クッ!?・・」

俺はどうすればいいんだ?・・あの赤ん坊を助けてやりたい所だがノーマになってしまった今の俺ではただ行方を影で見守る事しか出来ずにいた。

「駄目!」

母親らしき人が必死に叫んで赤ん坊を静止させようとする。

だがそれも虚しくマナの結界は赤ん坊が少し動いただけで破壊された。

「ああ!?」

「・・「ノーマ管理法」第一条の第三項に許ずきこの者を第100775ノーマに認定する」

淡々と赤ん坊がノーマ認定となった事を母親に告げる刑事。

「娘を・・娘を返して!」

それでも母親は諦めずに娘を取り戻そうと刑事に飛び掛かる。

「何をする!コイツ!」

「どうかお許しを!この子はまだほんの少しマナの扱い方が下手なだけなんです!」

一度は取り戻したが警官隊に母親はあっさりと取り押さえられてしまう。

そこに新たな者が介入してきた。

「それこそがノーマの証・・断じて見過ごす訳には参りません!」

「あの人は!・・」

「アンジュリーゼ様!?」

皇国の次期女皇候補であるアンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギその人がやってきたのだ。

ん?なんか雲行きが怪しいぞ・・。

「人類の進化の果てに手にしたマナの光それを否定するノーマは本能のままに生きる。

反社会的な化物・・今すぐにでも世界から隔離しなけれなりません」

はあ!?ナニを言ってるんだよこの皇女は!?

マナ至上主義か。

俺の胸の内からは段々と怒りがこみあげてきて今にも爆発しそうになる。

「あ・・アンジュリーゼ様!どうかお願いします!この子はきちんと私が育てますから!」

母親が必死に懇願するがアンジュリーゼは更なる追い打ちをかける。

「不可能ですよ・・ノーマは人間ではないのですから」

「!うう・・」

「早く忘れる事です。今度はノーマなどではなく正しい普通の子を授かるべきなのです」

この皇女命まで否定するのかよ。

周りのやじ馬連中もノーマを畏怖しているのであろう。

世界もおかしい・・何故こう人は本当の意味で分かり合えていないのか・・。

「うあああああー!」

「アンジュリーゼ様、危ない!「障壁」!」

その言葉を聞いて錯乱した母親が持っていた中身がまだ入っている哺乳瓶を皇女へと投げつけるが側近のメイドのマナによって防がれた。

「リーナアァァー!」

結局赤ん坊はそのままノーマ隔離ボックスに入れられどこかへ連れていかれてしまった。

あんなのが国の女皇候補だなんて冗談じゃないぜ。

「!」

「?」

事を終えた刑事が俺に気が付いたかと思うと今度はこっちに近付いてきて

ブウン!

は?・・俺は突然刑事にマナの結界に閉じ込められたのだ。

「んなっ!?オイ!これはどういう事だ!?」

「君にはノーマの疑いがかけられている」

「何!?・・」

何故だ!?どうしてバレているんだ!?

「匿名で情報が入ったんだおとなしくするんだ」

なんだと!?・・

「!?」

街のやじ馬の中にケイの姿があった。

彼はひっそりと不敵な笑みを浮かべていた。

「ケイ、お前ぇー!」

結界に閉じ込められていた事をうっかり忘れ破壊してしまった。

「結界が・・」

刑事と周囲の人間は驚きを隠せない。

人類初の男のノーマがいるのだから。

しまった!完全にケイの奴に嵌められた。

確信した。

密告したのはまず間違い無く彼だ。

「何故だ!?ケイィィー!」

俺はケイの所へ行こうとするが警官隊がそれを阻んでくる。

「カー君!」 「お兄ちゃん!」

友達から連絡を受けたであろう姉さん達がやじ馬をかきわけて俺の元へやってくるが残りの警官に取り押さえられてしまう。。

「俺の家族に手出しするなああ!」

「おっと!」

「ガッ!?・・」

俺は必死に振り解こうとするがすぐに刑事に手錠をかけられてしまう。

「あっはっはあー!良い気味だよ義兄さんこれで僕の恨みは少しは晴れたよ!お前なんか義兄さんとは認めない!さよならだよ!」

ケイの目つきは更に鋭くなり高笑いをし一言言い放ってその場からいなくなってしまった。

恨み?思い当たる節を探してみるがどうしても見つからない。

なんで俺はケイに恨まれているんだ?・・

「ほらとっとと歩け」

考えを張り巡らせていると痺れを切らした刑事に半ば強引にパトカーに詰め込まれてしまう。

「弟君!私嫌だよ・・こんな形でお別れする事になるなんて!・・」

「お兄ちゃーん!うう・・」

カリトが連れて行かれた後の街には二人の悲痛な叫びがこだまするばかりであった。

こうして俺は最愛の家族と最悪の形で別れを強いられることになってしまった。

 

 

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