クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~とあるノーマになった少年は 作:カオスサイン
完全オリジナルストーリです。
EPⅩⅦ「ローゼンブルムの再会の中で 前編」
アルゼナルから一時エスケープに成功した俺とリンナはアンジュ達と別れローゼンブルム皇国を訪れていた。
「この街の何処かにケイの奴が居るのは確かなのか?」
「うん、お姉ちゃんからの情報だと間違い無い筈だよ」
「そうか…」
ケイの奴…なんだってこんな所に?
不霊家のローゼンブルムの親戚も今はノーマ擁護派狩のせいで頼れる人がいない筈なのにだ。
とにかく此処で考えているだけでは拉致が明かない。
「俺は向こうの街裏の方を探してみるからお前は表街周辺を頼む!」
「うん!お兄ちゃんも気を付けてね!」
リンナと別行動を取る事にした俺は街の裏を探し回った。
勿論見回りの警備兵を避けながら。
「一体何処に居るんだケイ?!…」
義弟の身を心配しているカリト達が探し回っているその頃
~ローゼンブルム街裏通り~
「…」
「ちょっとどうしたの?お兄さん」
「んあ?…ああ、ちょっと考え事をしていた…」
義兄であったカリトを売り不霊家を飛び出した後ケイはローゼンブルムの街の裏で偶然出会ったノーマ狩から運良く逃れられる事が出来た名も無きノーマの少女達が集められた仮保護団体に所属していた。
「あんまり無茶な事はしないでね?ここの所この国の警備も厳しくなっていっている一方だから…なんでなんだろ?」
ケイの様子を心配したノーマの少女、リセはそう言って苦笑していた。
「なんでだろってこっちが言いたい…」
場の成り行き上所属する羽目になったケイは一人項垂れる。
自分がカリトを売った事をほんの少しばかり後悔しているからなのか?
それともただカリトの事が今も嫌いで別にノーマに嫌悪感を抱いてはいないからの行動なのか?
「ああもう!どいつもこいつも思い出したくないのに思い出しちまう!」
「おわっ!?」
ケイが愚痴を吐きながら歩いていると誰かにぶつかった。
それは…
「義兄さん!?どうして此処にいる!?」
此処に居る筈の無いカリトだった。
「ケイお前ようやく見つけたぞ!…お前がこの国に居ると姉さんから聞いて警備を掻い潜って抜け出してきたんだよ!」
誰かとぶつかったと思ったらまさかこんな所でケイに会うとは…
「はあ!?」
俺の思わぬ発言にケイは驚愕していた。
ノーマとして連行されたのに抜け出してきただと?
「…今更ノーマのアンタが何をしに来たっていうんだよ?!」
「ケイ…やっぱり名前では呼んでくれないか…」
「はっ!アンタの名前なんか口にしたくないね!もう一度俺が警備隊に通報すればアンタはまたお縄なんだぜ?」
「…」
ケイは全く話を聞く耳を持ってはくれず平行線になる。
が…
「ちょっとケイ!そんな所で何やっているの?」
「コイツ…話の邪魔をするんじゃない!」
「ケイの方が話を聞こうとしていなかったようだけど?」
「…」
「ええっとその子は?…」
俺は突然ケイの背後から現れた少女に問いただす。
「私はリセ 分かっているとは思うけどノーマよ貴方は?」
「俺はカリト、ケイの義兄だ」
「ケイの儀兄さん!?歴史上初の男で出たノーマの!?…」
「あ、ああ…」
リセと名乗った少女は俺の事を聞いて大層驚いていた。
「オイ…俺はお前にコイツの事を教えた記憶は無いぞ」
「ええっと…ケイのダダ漏れな独り言聞いちゃってたからね…」
「え?…それって…」
「余計な事を言うな!」
ケイは怒号し向こうに行ってしまう。
「ケイってばもう仕方が無いんだから!…カリト義兄さんでしたっけ?私を含むノーマの子達が仮保護されているこの団体、<ノーマプレイズエクステイル>についてとケイが此処でどういう風に過ごしていたのか教えて差し上げますよ!」
「ちょ!?…」
リセは面白い物を見つけた様な表情でそう俺の手を引いて随分と裏の街でも目立つ巨大ビルへと連れていくのだった。
三編構成になる予定です