クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~とあるノーマになった少年は 作:カオスサイン
新年の目標?オリ作でデビュー!
リセと名乗ったノーマの少女に此処、<ノーマプレイズエクステイル>へと半ば強引に連れてこられた俺は其処の社長らしき男性と話をする事となった。
「やあやあ君がかねがねお噂にされていた史上初の男性ノーマだね?
私はこのノーマ仮保護団体の団長をしているガンザ・ルマノフスという者だよろしく」
「ああ、カリトだよろしく…」
「裏の街だからこそあえて目立つ物をそれがウチの団体のモットーです」
「ああそういう事か…」
「所で君を含めたノーマが収容所から抜け出してきたのは…」
「ええ…」
ルマノフス氏にアルゼナルの概要は国家機密レベル情報なので伝えず俺とアンジュ達の目的だけ話せる事を話した。
「ふむ…ケイ君と君は義理の兄弟であったか…大丈夫彼は此処では問題無く業務を果たしてくれているよ」
「そうですかそれは大変よかったです」
とりあえずケイの粗暴は無いようでホッとした。
「団長」
「お?そうか。カリト君、君はリセ君にこの施設を案内してもらいたまえ」
「そうさせて頂きます」
ルマノフス氏が別の社員に呼ばれたので話はそこで終わりリセにケイの此処での生活の詳細を聞きながら施設案内をしてもらっていた。
「ケイは三ヶ月前に街のある不良グループに入っていて喧嘩をしていた所に団長が仲裁に入って止められました。…というより私が喧嘩を止めるキッカケになったんですけどね」
「どういう事だ?」
リセの話に俺は疑問を投げかける。
「ケイがマナの力でブーストして団長に手を出してきたので私が庇ったんです。
その不良グループにはある決まりがあったようなんです。それは…」
「「ノーマには一切手を出さない」…だな?」
「そうです」
そういう事か!マナは打ち消せても拳の勢いまでをも殺す事は出来ない。
俺の様にマナの力は絶対では無いという事を感じた者の集まりであったのだろう。
そういう決まり事があってもなんら可笑しくない。
方法は間違っているが。
「偶然とはいえそれで決まりを破ってしまった事になったケイはグループ内で吊し上げを喰らう羽目になってしまいそれはもう酷く傷だらけになってまたこの裏街を彷徨っていた所を私が見つけて此処に連れてきて団長に頼み込んだんです」
「そうか…ありがとうなそこまでケイの事を気にかけていてくれて」
「お義兄さん程ではないですよふふ…ケイもきっと後悔しているからこそ此処を出る事は無い筈ですよ」
リセからアイツの話を聞いて俺も「そうだな」と返した。
「…」
「あ…」
リセと話込んでいるとケイの姿があり目が合うが彼はすぐさま逃げ出してしまう。
「アイツ!…」
俺も急いで後を追っていき先の休憩室らしき所で疲れ果てていたケイを見つけて今度は逃げない様に肩を掴みながら言った。
「そう謙遜するな」
「義兄さん…」
相変わらずケイは俺を睨んでくるが構わず話を続ける。
「彼女から大体の話は聞いたよ…影で彼女達を支えていてくれた事やその他の事もな…なあ俺とお前の間の枷は…」
「…これだから義兄さんは…マナを介さない事が得意だからっていっつも僕が影なんだ!…とにかくリンに聞けばいい!」
そう言ってケイはまた逃げ出していってしまった。
「むう…」
とりあえず連絡をまだしていなかったリンナにこの事を伝え、また原因を聞き出す為に集合場所へと一旦戻った。
リンナは既に待ちくたびれていたようで少し怒っていたがケイの無事を知らせると急ぎ足で俺についてきた。
そしてリセにも話を聞いてもらおうとしたのだが彼女はルマノフス氏に呼び出されたようでいなかった。
「じゃあやっぱりお兄ちゃんは忘れてるんだねあの事を…」
「俺が忘れている事?」
「四年前の事なんだけど…じゃあ話すね…」
そうリンナは話し出す。
その内容は…
~四年前、不霊家~
俺はまだ幼かったリンナと一緒に家の仕事を一段落終えてくつろいでいた。
そこにマナ通信がアリヤ姉さんから入ってきた。
『「カー君、リンナも連れて急いで来て!」』
「ケイは?…」
『「ケー君にはこの事はまだ伝えない方が良いと思うの…」』
凄く慌てた様子で姉さんはそれだけ言って通信を終えた。
「何だろう?ケイにはまだ知らせたくないっていうのは…」
俺は不安を募らせ街の方へ急いで向かった。
其処には野次馬が大勢集まっていて見ると…
「なっ!?…」
「おにいちゃんどうしたの?」
「リンナ見るな!」
「あー!?おにいちゃん何するのー」
とても信じられない光景が目の前にはあったので慌ててジタバタするリンナの目を覆った。
それは…義母さんと父さんが搭乗していた筈の車が事故を引き起こし、店に突っ込んでいたからだ。
「カー君、リンナちゃん!…」
アリヤ姉さんがとても暗い表情をしていた。
「姉さん!一体これは!?…まさか!…」
ふと見えてしまった光景に己の目を疑う。
「義母さん!?」
「……」
やはりうちの車で間違い無かったようで義母さんが車に挟まれてしまっており血だらけで倒れていた。
「嘘だろそんな!?…」
義母さんはもう息をしていなかった。
これではマナでの治癒も意味を成さない。
「うう…」
そのすぐ付近で苦しむ声が聞こえたので見ると
「父さん!?」
父さんは運良く車に挟まれず外に投げ出されていたようでかろうじて意識があった。
だが酷い怪我である。
「お父さん早く病院に!」
父さんは救急車で病院に担ぎ込まれマナによる手術が行われた。
それは約三時間に渡った。
「先生!お父さんは…」
姉さんが先生に問いただす。
「手術は成功しました。ですがしばらく入院する事になるでしょう」
先生の返答を聞いてほっとした俺達はしばらくして父さんに面会した。
「お父さん!」
「体調はどうなんだ?」
「ああ…お前達か。まだまだ痛むよ…」
「おとーさん抱っこしてー」
「コラ!リンナ、父さんはまだ駄目だぞ。向こうで待っていなさいな」
リンナが父さんに抱っこをねだろうとしたので慌てて外に出して本題に入った。
「義母さんは…もう外傷がより酷くて亡くなったよ…」
「そうか…俺が不甲斐無かったばかりに…すまなかったな…」
父さんはまだ虚ろな目でそう言いながら俯いていた。
「父さん、一体どうしてあんな事に?」
「ああ…」
父さんは重い口を開いた。
あの事故の原因は父さんのマナによる車運転操作の些細なミスによって起きてしまったと…
「本当にすまない!…」
父さんはまた頭を下げてきた。
「なあ父さん…」
「なんだ?」
俺は父さんにある提案をした。
「俺が…代わりになろうか?」
「カー君!?」
「カリトお前…自分が何を言っているのか分かっているのか?」
姉さんも父さんも俺の提案に驚きを隠せないでいる。
そりゃあそうだよな…
「…分かっているからこそ言ったんだ。もしもケイにこの事が知られたら父さんまで嫌われてしまう!
それは駄目なんだよ!
ケイに嫌われるのは俺一人だけで十分なのだから…」
「カー君…」
「お前…」
俺はそう決意を露わにした。
姉さんは渋々納得していたようだけど父さんは納得等はしていなかったが黙るしかなかった。
父さんの退院後を見計らった後日、家族会議を開いて事を話した。
俺も父さんと義母さんと一緒に搭乗していて運転していた父さんにちょっかいを出してしまい事故が起きてしまったという半分の嘘を交えて…
「どういう事なんだよソレ!?…」
「ケイ!…」
やはりケイは俺を睨んだ後しばらく家を飛び出していってしまった。
それからだ家の中が険悪になっていったのは。
その数日後、父さんは何も言わずに突然俺達の前から姿を消してしまった。
それは分かりきっていた事だったのかもしれない…父さんの自責の念が耐えられなかった結果が蒸発という手段だったのだろう…。
「…これが全ての事の顛末だよお兄ちゃん」
「なっ!?…そうかそんな大事な事を俺だけ忘れていたんだな…」
俺はその全てをリンナから聞いてようやく思い出した。
「そうかだからケイは…」
ケイは俺の嘘をまだ信じていて父さんが失踪した原因でもあると思って苦しんでいたんだ。
逆に苦しめていたのは俺だったという事か…、
「俺、ケイに真実を話してみるよ」
「うんその方が良いと思うよ私も!」
俺達はケイに真実を伝えようと思い立ったのだが…
「あれ?ケイの奴なんであんなにソワソワしているんだ?」
発見したケイはどこか慌てた様子だった。
「一体どうしたの?」
リンナが聞きにいくとケイはこう答えた。
「リセが…リセが何処にもいないんだよ!」
「何だって!?」
事の真実を思い出した矢先ケイからリセがいないと言われ、カリト達も彼女の捜索に協力するが見つからない…そこでカリトは彼女が呼び出されたという事を思い出しルマノフス氏、そして<ノーマ・プレイズエクステイル>に疑問を抱く。
そしてケイとの仲は…次回「ローゼンブルムの再会の中で後編」をお楽しみに!