呪術界でデスノを拾ったら   作:かりん2022

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おはようございます!
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報告!! 名家の貞操感姫が奪われましたー! 尚も殿を狙って進軍中!

「伏黒 恵が器だと!?」

 

 この報告は、総監部にも混乱と困惑をもたらした。

 

「だとしても、何故そんな事を知っている……? いや」

 

 奴ならやりかねないって? やっぱり羂索のこと知ってるだろう、総監部。

 

「対策を取らねばならん。やはり、宿儺の檻に受肉させては」

「危険だ!! 本当に檻として機能するかどうかわからないではないか!!」

「いっそ死刑にしてしまえ」「バカな。伏黒恵を処刑するとでも?」「虎杖の方だ!」「それこそ馬鹿な。伏黒が狙われるだけだろう。宿儺は知っているのだから」

 

 議論が紛糾する。

 受肉させるのか。どこまで受肉させるのか。ほんと悩ましい。

 あの問題児達に力を与えていいのかという切実な問題も。

 

 議論に参加しようと口を開いた時、尋問官が駆け込んできた。

 

「五条様!!! 大変です!」

 

 はぁぁ。

 

 

 

 僕は胃を抑える。普段目隠ししてるから大丈夫、じゃないだろ。

 顔と名前さえわかれば僕にも通用するって事? 

 目隠しに命がかかってるなんて聞いてないから、普通に素顔晒す事もあるよ。

 あるよね。どうだったっけ……。

 

「ご、五条先生! 大丈夫ですか!?」

 

 他人事の顔をして心配面するな。でも、本当に心配そうなんだよなぁ。多分本気で僕のこと心配してる。羂索はこういうとこある。もしくは愛弟子かもしれない。なんにせよ、犯人を捕まえられるというのなら、マッチポンプでも何でもいいからとにかく犯人を捕まえてもらわないと。

 

「……ふぅ。月。君には任務を与える。この事件の犯人の捕縛だ。恵と悠仁がどうであれ、この事件は解決しなきゃでしょ。何かあっても僕が守るし。むしろ宿儺からの方が守りやすいまであるし。何より、早く解決しないと、名前と顔で殺せるって恐怖が広まったら、その術式を持った呪霊がでてしまう危険性がある」

「そう……ですね」

 

 乗り気ではなさそうだ。そこに恐怖はない。面倒くささもない。

 何か問題があるって顔してる。

 僕はそこに突っ込むのはやめた。これ以上は胃がもたない。

 最終的になんでもいいから解決すればいいのだ。

 僕は伝家の宝刀を抜いた。イケメンに弱いこいつなら効くはず。 

 

「犯人捕まえたらデートしてあげよっか」

「ハロウィンまでには検挙します。呪術師になったからにはハロウィンデートしたいし」

 

 断言して、自ら即座に期限を切ってきた。

 

「やっぱ犯人知ってるだろお前」

 

 尋問官は告げる。犯人を告げ口するだけの簡単な作業である。茶番はいいからさっさと教えろ、月。

 

「知らないんだなぁ。でもまあ、公的機関に手伝ってもらえるなら、近々捕まえる自信はあるよ」

 

 自信満々に月は言う。やっぱり何か知ってるだろ。

 

「どうするつもり?」

「まず、ネット情報は冤罪による殺しが心配だってテレビで大々的に報道して、テレビではあえて重犯罪者の顔と名前を報道する」

「それは……」

 

 明らかな政府の敗北宣言と生贄だ。やっぱり人を殺す事に躊躇はないね、この子。

 

「で、嘘の死亡情報とか名前とかで誤魔化しながら、報道地域で発表する犯人を変える。さりげなーく学校とかのカリキュラムも行事とか入れたりして、殺しをできない時間を別々に作る」

「な、なるほど」

 

 死者を出すこと前提の作戦。犯人を捕まえるまでに、何人殺させるつもりだろう。

 だが、悪辣ではあるが、意外なほどに真っ当な捜査方法だ。

 すでに知っている犯人をリークする、という形ではない。本当に犯人を知らないのだろうか。

 呪物か呪具を放流したとかだろうか。ありうる。

 

「あとはそれで絞っていって、罪に対する考えとかもプロファイリングしていって、表ではなるべく穏便に弱腰に対応しつつ、裏ではバレないように特定する。あとはサクッと強襲、と。もちろん、秘密厳守で各種専門家の手は借りる。あと、学生の家族がいる警察に情報を流す時は罠も織り交ぜて慎重に。これは勘だけど、おそらく、犯人は呪術に関して無知。恐怖を広げることに無頓着だからね。となると、指揮は呪術界がとった方が良さそう。さらに言えば、やってる事から警察官や裁判官……警察官かな。憧れがありそう。身内に警察官がいる線は十分あるよ」

「さすが五条悟に胃薬を飲ませる女、悪辣だな……。対応策について上に挙げておこう」

「くれぐれも犯人を刺激しないでね。追う姿勢を見せたら、犯罪者だけでなく警察や呪術師まで手を出そうとするかもしれない」

「じゃあ、ハロウィンまでに捕縛をお願いできるかな? 僕のために」

「お任せください!!!」

 

 月はクソデカボイスで答えた。

 最初からこうすれば良かった。

 

 自分を餌にするのはどうかと思うけど。

 ついでに、自信満々のようだから対策も任せよう。

 ただ、呪術師の写真と名前を網羅したお友達帳を持っている以上、当然ながら監視は必須だ。外部にそれを持ち出す様子を見せたら問答無用で捕縛である。

 

 月に捜査はさせるが、月が犯人や犯人の協力者であっても大丈夫な体制を引く。

 

 事件対策だが、幸い、世は感染症対策で大騒ぎ。

 なので、術師や政府要人に対しては、マスクを徹底させる事で自然に顔を隠せるだろう。

 

 以上の事を報告して、月の考案した対策を次々と打ってしばらくして。

 

 ネット上で僕を犯罪者だと告発する書き込みがめちゃくちゃ増えた。

 それを皮切りに、グッと犯罪者の告発のサイトが増える。

 明らかに顔と名前で殺せるという情報が流出している。

 

 対策の冤罪の注意喚起と正しい報道、犯人への呼びかけをすぐに行ったとはいえ、被害者は少し出てしまった。呪術師の被害者だ。呪術師にも効くことが判明してしまった。残穢は相変わらず出なかった。どうやって殺してるんだ、マジで。

 即座に晒されている被害者達をピックアップした日本のインフラを支える重要人物としての政府サイトでの公表をする。僕の顔と名前もそこに載った。

 

 これで安心かというと、全くそんな事はない。

 月が危惧したように、犯人がやけになったら逆に公表されたメンバーが狙われる可能性は高いからだ。

 今更命を惜しいとは思わないが、こんな死に方は嫌だな、と思う。

 

 月を閉じ込めているのは、存在を隠す意味合いもある。

 今、月を殺させる訳には行かないし、あんなのでも大事な生徒だからね。

 

 特定作業はもりもり進んでいるようなので、このまま犯人が大人しく捕縛されてくれるといいのだが。

 

 なお、その月だが、逮捕が終わったら二級の呪霊の討伐依頼を任せる計画があるようで、やっぱり灰原の時やってやがったなと僕は確信するのだった。

 

 受けさせないよ? 受けさせるわけがないじゃん。

 それに月は、一応悪い事をリークはしても悪い事はしてない。多分……。

 

 そうだ、降った決定について、悠仁に言わなきゃ。

 受肉させる事が決まった。決まってしまった。

 その後の秘匿死刑だけはなんとか防いだけど……。

 僕が悠仁に決定を告げて、受肉させるんだよな。マジで胃がいたい。

 

 

 

 

 

「えっ 宿儺取り込む事になったの? また俺、術式増えて強くなれるな! やったー!」

 

 ペカー! と悠仁がいい笑顔をする。

 やったーじゃないんだよ。胃が痛い胃が痛い。

 




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