「しかしおかしいな。こんなはずではなかったのだが」
リュークは理由を知っているが、慎み深く黙秘した。
こっちの方がスピード決着ついて面白そうだし。
「しかし、どうして呪物の受肉を?」
「それはもちろん、戦力を得る為だよ。戦いは数。そして僕にはカリスマと人望がある。だから、呪物は受肉させた方が有利なのさ」
「ああそう……」
「バレてしまったならバレてしまったでやりようはあるからね。後は足で人気を稼ぐさ。ねっ 僕を擁護してくれた順平君!」
「ヒェッ」
隠れている順平くんに声を掛ける。
「さ、未来について話そうじゃないか。僕は才能のある君が好きだよ。最も真なる意味で無才ものなどこの世にいないと思うけどね」
僕は順平くんの肩に手を置いた。
派閥政治は僕の好む所である。
「それと善きものが好き、ですよね?」
「もちろん。誰だって悪いよりは良い方が好きじゃないか?」
粛清はすでに始めている。
「僕は……五条先生に言われて気づきました。僕は、いじめっ子を……奴らを殺したいと思っていた。僕は善きものとは言えない……」
「ああ、順平くん。君は考えただけだ。そうだろう?」
「そうです、キラ様」
「それは、キラのする事だ。須く悪人はキラが裁く。だから、君は誰も憎む必要はなくなる。君は誰かを殺したいなんて考えなくてよくなるよ」
「キラ様……」
「三年だ。三年で、僕は呪術界を浄化する。善きものだけで編成し、持って生まれた特別な力を、呪霊を倒す、善なる目的にのみ使う、本来の形にして見せる。もちろん、術師達にはそれに見合うだけの見返りも与えるつもりだ。名誉、賞賛、そして金銭。異性もと言いたいところだけど、これは三つを手に入れれば自然とついて来るだろうからね」
「キラ様」
「もう、お母さんを心配させることはなくなるよ。安心させてあげられる」
「キラ様……」
ということで、僕は日車くんの力も使い、選別を開始していた。
呪霊を倒す。悪人も倒す。両方しないといけないのが裁きのキラ様の難しいところだ。
羂索は直接デスノートで殺せないので、やはり手駒を増やさないとだな。
ヒットマンが欲しい。
宿儺に効くかどうかは疑問だが、実験の結果、宿主が若ければ殺せたから、ある程度の質が保証されている千の呪物はやはり受肉させて手駒にしたい。
宿主? 僕が死刑リストを用意してあげたから、そこは安心して欲しい。
彼らは早晩、なぜか心臓発作になる者たちだから、受肉させるのにもなんの問題もない。
「うーん。どうしようかな」
「どうしたんだ、相棒」
「んー? キラとどうやって仲良くしようと思ってね」
「よくわからないが、好きな事を一緒にすれば仲良くなるんじゃないか?」
「そう、だね。そうしてみようか」
「あー。もうやぶれかぶれに月殺しに行っちゃダメかな」
「ダメだね。彼が死ぬと暴動が起きる」
九十九はキラ様の支援サイトを見せる。
そこには、月の計画が載っていた。
すなわち、呪霊の詳細と、宿儺の事、羂索の野望、呪術界のブラックっぷり。
それを全て是正するとの公約を。
それは瞬く間に拡散され、支持者を集めていた。
「あくまでも、彼を悪として葬らねば、君が手痛いしっぺ返しを喰らうよ。今は気を伺った方がいい。大丈夫。私も協力するから。むしろ、これを機に相手を利用するつもりで行こう」
頑張ったね、と九十九は笑う。
五条は、心配そうに自らの膝上で震える相棒を見た。
「それしかないか……」
夏油さえこんな状態でなければ、真正面から食い破ることも可能だったのだが。
何せ、夏油は多対多に便利な力を持っている。
本当に便利なのだ、夏油の能力は。
五条は知らない。
だからこそ、夏油に調略の魔の手が伸びることになる事を。
ここから先、五条が大の苦手な派閥や謀略の戦いとなる。
そう、五条には力しかないのだから、悪速斬に専念すべきだったのだ。
黒幕VS悪役系主人公の宴が始まる。
マシュマロ
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
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タイトルはもちろん、「話し合いなんてそんな野蛮な……ここは穏便に暴力で」から取りました。