呪術界でデスノを拾ったら   作:かりん2022

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ついに来た日

「受肉っていうのはね、呪物を取り込み、呪霊が持ち主の体を乗っ取る事を意味するんだ。君が君のままでいられる事は100パーない。術式を得られるなんて誰が嘘をついたのかわからないけど」

「あ、私が使うんじゃないです。まだ悩んでるんですけど、使いたい人がいて」

「は? 他者に呪物を使うって普通に殺人だけど?」

 

 言われてみればそうである。

 脹相達は呪肉の時点で1人殺しているのだ。

 

「そっかぁ……。そうだよね。じゃあ、すでに死んでる四番から九番なら買い取れます? それなら危険性も少ないでしょう?」

「……なんで君がそれを知っているかも疑問なんだけど。呪物は毒だよ。誰が使いたいって言ってるの」

 

 困ったような五条先生。

 

「んと。使いたいとかじゃなくて。えっとですね。教祖様が亡くなられたじゃないですか。あっ本物じゃなくて偽物の方のことです」

「……そうだね」

 

 まだ飲み込めきれてないのか、少し落ち込んだ様子の五条先生。

 

「教祖様の秘蔵っ子に宿儺の檻がいるんですよ。というか、教祖様が作った呪胎九相図の後継に当たる最高傑作で、来年度から高校生らしいんですけど」

「はぁ?」

「宿儺すら、一気に大量に指を飲まなければなんとか封印できる器で、兄である4番から9番であれば、問題なく取り込んで術式を得られる、はずなんですけど」

「それほどの逸材が放置されるのはあまりにも勿体なさすぎるかな、と。宿儺って厄ネタを処分出来るチャンスはこれきりかもしれないわけですから。でも、かといって宿儺強すぎて、後世に先送りするのも立派な作戦だし、宿儺の指を半分くらい取り込ませて殺すのが一番ベターかなとは思うんですけど、それはあまりにも人の心がなさすぎるかなって。とりあえず、4番から9番なら危険もないし、ひとまずそれで術式手に入れてもらって呪術師勧誘するのはどうかなぁって。でも一般人を術師に誘うのも十分残酷ですよね。五条先生。私はどうしたらいいと思います?」

「何もしないで欲しいかな……。あと、ちゃんと報告はしようね」

 

 私は、羂索の最終目標とその為に準備していた死滅回遊、千の呪物、天元様と真人を使った呪術師激増計画、そして虎杖悠仁についてゲロった。あと裏梅という宿儺復活を狙う呪詛師についても告げた。

 

「そもそも、私が捕まって受肉させられかけてたのも、死滅回遊の為なんですよね。だから、私としても関係者ですしなんとかしなくっちゃって」

「それ関係者って言わないから。お願いだから何もしないで。報告だけして。あと何か黙ってることある?」

「えっと。メカ丸って子が健康な体を欲しがってるから勧誘できそうって話してました」

「君、実は教団の幹部だったりする?」

「気にする必要もないくらい路傍の石です。受肉させられるくらい死んでいい存在です……」

「そ、そう……」

「日車さんと高羽さんには特に期待してたみたいですけど、いい術式があっても脳みそが術師にできないんじゃ駄目ですよね。呪霊操術で真人を操ることももうできない訳ですし、呪霊と取引も難しそうですし。死後の暴走による呪霊被害も凄かったみたいですし、教祖様が死んでやったーにはならないんですね……」

「君、もしかして羂索ぶっ殺してない?」

「出来ると思います?」

「思わない……」

 

 それにしてもラスボスが死んだのは私を守る為。私の責任でもあるんだよね……。

 私が悪いとまでは言わないけど、いっぱい人が死んでて、宿儺が倒せなくなるかもしれなくて、才能ある虎杖くんが孤児として路頭に迷うかもしれなかった。

 

「とりあえず、虎杖悠仁は裏梅ってのに攫われる前に保護する。君はこの部屋から出ちゃ駄目だよ」

 

 なんと。

 

「お手洗いは?」

「すぐ戻ってくるからおとなしくしててね、まじで」

 

 それから、私はもう一度、上層部の前でお話しする事を強いられた。

 虎杖 悠仁の処遇はめっちゃ揉めたらしい。

 既に宿儺の指も取り込んでいたという事もあり、完全な嘘ではなさそうということで、結局、4番から9番を取り込ませてみるという話になった。

 

 悠仁、術式ゲットである。術師の脳も無事ゲットできたらしい。良かった。

 狙われているという事もあり、悠仁は強制入学である。なんと、試験免除! ずるい!!!

 あと、私は反省文と報告書をぎっちり書かせられた。あと写経。酷い。

 

 

さて。入学式である!

 

 

 

「後から合流する野薔薇も含めて、今年の一年生はこの4人だよ! 仲良くしてね!」

 

 五条先生のご命令なら、存分に仲良くしないとねぇ!

 

「虎杖 悠仁っす! 実験体らしいけど、一応育ちは一般人っす! 色々教えてください! 目標は、俺のにーちゃん達に体を用意すること! よろしくお願いしゃーす!!」

「夜神 月だよ! 私も一般人なんだ。足引っ張っちゃうかもだけど、よろしく!」

「伏黒 恵。おい、偽一般人。虎杖じゃねぇ、夜神の方だ。呪物を飲まされた奴はどうにかなんねーのか。俺の姉が呪物を飲まされたかもしんねーんだ」

「えー? 解呪はめちゃくちゃ大変だよ? 死んじゃうかもしれないし」

「!! 方法があるのか!?」

「偽物の教祖様がしていた封印を解いて呪物達を受肉させるの。呪物って要は過去の術師を呪具にしたものなんだけど、その中に、受肉体を引き剥がせる可能性を持つ天使って奴がいるから、そいつを探して、お姉さんを倒して取り押さえて術式使ってもらうの。候補者は確か来栖華って名前だったかな……」

「それは……!」

「る、なー? 僕それ初耳だよ?」

 

 ああ!! 実はわりかし寛大で生徒に甘い五条先生が怒っておられる!!!

 

「ぴゃあああああああああ」

 

 そうして、私は反省部屋に入ることとなったのだった。

 私は教団幹部でも切り捨てられた偽教祖様の右腕でもないってばー!

 うう、入学前に前途多難……。

 

 それから、ちょくちょく呪霊に殺されそうになりながらも、平和に二ヶ月が過ぎた。

 

 野薔薇ちゃんが入学である! 女子が増えるよ、やったー!

 

 あ、呪術師の名前付きの写真も順調に増えてます!

 

 五条派閥を中心に、ちょこちょこデスノート無効化してるけど、神経使うし、休日に優子に会いに行かないとだし、なかなか大変である。

 

 この努力が水泡に帰すといいんだけど。

 

 それはそうと、五条先生が連日の対策会議と実際の対策と普段のお仕事で忙しすぎて過労死しそう……。とても心配だ。一体どうして五条先生ばかりがこんな苦労を背負わなくてはならないんだ。

 

 やはり、私がなんとかしなくては。

 

「五条先生は私が守る!」

「おお! 俺も先生には恩があるし、手伝う!」

「元気ねー」

「今度は何するつもりだ」

「問題児みたいに言わないでよ!? 何もしてないし! 何もできてないし!」

「五条先生に初めて胃薬を飲ませた女が何言ってんだ」

「えっ 私知らない。一般人出の術式なし呪力なしでどうしてそんな事できるの?」

 

 話していると、強めの力で肩を掴まれる。

 

「お願いだから何もしないでね?」

「「「五条先生!!」」」

「駄目もとで月に聞きたいことがあるんだけど」

「はい! なんでもお聞きください!」

「不安だなぁ……」

 

 そうして私は呼び出された。

 要件とは、犯罪者に増加する心臓麻痺の不審死についてである。

 ついにきたか。

 ニュースはチェックしてたけど、呪術界は上手に隠蔽していたみたいです。

 

 それはそうと、そんな重要案件、なんで私に相談するんです?

 




マシュマロ
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