変わらず面白みもない小説ですがどうぞご覧ください。
一誠side
昼食を食べ終えた俺達は、そのまま俺の家でオカルト研究部の活動をするために向かっている。向かっているんだけど……空気が重い!
何でかって? 理由は明白だ。一輝の周囲に、
その後ろから俺と木場、小猫ちゃんにアーシアがついていってるんだけど……いやマジで空気が凍り付いてるんだって!
アーシアはぷくぅと頬を膨らませて、今にも泣きそうな潤んだ瞳を一輝に向けている。庇護欲MAXの天使様が嫉妬顔なのは破壊力抜群だけど、それ以上に背筋が寒くなるのは小猫ちゃんだ。
いつもと変わらない無表情なのに……無表情のままで全身から怒気が溢れている! 「ゴゴゴゴゴゴゴ……」って擬音が視認できそうなぐらい、小猫ちゃんの周りの空間が歪んで見えるのは俺だけか!?
「……」
木場は相変わらずのニコニコ顔だけど、その頬には冷汗がツゥッと伝っている。お前も気づいてるんだな……この温度差を!
俺達の最後尾にいる竜崎が「相変わらずだな一輝は」と呟き、速水が「にゃっはははは! 何時もの光景だなぁ」と呑気に笑いながらついて歩いている。こっちは空気が氷点下なんだけどね!!
そんな二人の気を知ってか知らずか、一輝と桃達は和気あいあいと会話を続けている。その光景を見たアーシアはさらに頬を膨らませ、小猫ちゃんの怒気がギュンギュン強まる!
何で桃達が一緒に俺の家に向かっているのかと言うと、昼飯を食べ終えてオカ研の活動を行うために俺の家に向かおうとした時、桃が一輝に……。
『ねぇ一輝』
『ん?』
『一輝って今オカ研って部に所属してるんだっけ?』
『そうだが』
『そこに私達も入部出来ないかな?』
『……皆か?』
『ええ、是非。一輝が所属されている部活なら、私もお傍でお力になりたいですし』
『どうせなら皆で同じ部活に入った方が、放課後の時間を有意義に共有できますからね』
『あ、わ、私も……一輝君と一緒に活動できたら、嬉しい、かな……っ』
『にゃっはははは。皆が同じ部にいられるなら、退屈しなくて最高に面白そうじゃん?』
『ああ、一輝の面倒を見る奴は多い方がいいからな。頼めるか、一輝』
『……
……とのことで、全員共に行く流れになってしまった。
いや良いのか一輝!? オカ研はぶっちゃけ
それに絶対に部長が入部を簡単に許すとは思えない。何より部長も一輝に相当な好意を抱いているから、部長がこのハーレム光景を見たらどうなるか!!
…………ブルブルブルブル。想像しただけで悪魔の俺でも背筋に極寒の寒気が走るぜ。
そんな一抹の不安……いや、確実に巻き起こるであろう超巨大な爆弾を抱えながら俺の家へと向かうのだった。
そして俺ん家に到着。既に部長や朱乃さん、黒歌も到着しており我が家のリビングを完全に部室代わりにして寛いでいた。ちなみに俺の両親は、俺が友達を大勢連れてくると事前に伝えたら、「大変! おもてなししなきゃ!」と大急ぎでお菓子やジュースを買いに商店街へ出かけている。
さっそく一輝が部長に桃達を紹介して、オカ研に入部させてほしいと頼み込んだわけだが――。
「ダメよ」
案の定、部長はあからさまな不機嫌顔で
まぁ部長からすれば、現状でアーシアに小猫ちゃん、さらには黒歌という強力な
それに桃さん達はめちゃくちゃ美人だしスタイルも抜群だ。しかも一輝の周りにベッタリとくっついて離れそうにないし……それが部長の機嫌をさらに損ねさせている最大の原因だ。竜崎は無言で静観を決め込み、速水はこのドロドロしたやりとりを観客気分で楽しんでいるのか、ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべている。
「一輝、どうして彼女たちを入部させたいの?」
部長が紅茶のカップをソーサーに置く。カチンという静かな音が部屋に響く。彼女の鋭い瞳は冷ややかに一輝を捉えていた。
「生徒が部活に入部するのに、理由を一々説明しなければいけませんか? 部長さん、こちらは手順を踏んでお願いしている側なのですけれど」
一輝が言葉を返すよりも早く、紗雪が優雅な笑みを浮かべながら穏やかに言い放った。その口調は極めて柔らかいのに恐ろしいほどの棘があり、リビングの空気がピリッと張り詰める。
部長が氷のように鋭い視線で睨み返す。だが紗雪はその圧力をものともせず、余裕の笑みを絶やさない。
「あなたに訊いていないわ。私は一輝に訊いたのよ」
「ですが、一輝がお困りのご様子でしたので、僭越ながらお助け船を出させていただいただけですわ。……ふふ、何かお気に障りましたでしょうか?」
紗雪が優雅に小首を傾げる。その完璧に計算された一挙手一投足に、部長の美しい眉間の皺がどんどん深くなっていく。
「……随分と厚かましいのね、貴方。一輝とどんな関係かは知らないけれど、勝手に
部長が腕を組み、精一杯の平静を装いながらも一輝は私のものアピールが出ちゃってるよ!
「あら、それはお互い様ではありませんこと? まだ恋人でもないのにまるで
紗雪が静かに、優雅に、そして挑発的な余裕を崩さずに返す。
……って今、紗雪は部長の事を上級悪魔って言わなかったか? 何で転校してきたばかりの紗雪が、部長の正体を悪魔だって知ってんだよ!?
「……なんですって?」
部長の片目が吊り上がり、テーブルの上の紅茶カップが、彼女の身体から溢れ出る微弱な魔力の波動に当てられてカタカタと震え始める。
「ふふふ。上手く隠しておられるおつもりでしょうけれど、悪魔独特の気配などバレバレでしたわ」
「やめろ、紗雪」
一輝が二人の間に割って入ろうとするが、紗雪は「言わせてくださいませ」と一輝を制した。
「部長様のご心情はよく分かります。一輝は大変魅力的な殿方ですから……ライバルが増えてお焦りになるお気持ちは重々理解できますわ。貴女のような身分の方は、男たちに傅かれるのが当然と思っておられるのでしょうね。ですが一輝は貴女のご主人様でもなければ使用人でもありません。ましてや所有物扱いなど……あまりにも傲慢で露骨な独占欲をお見せになると――」
そこで紗雪はくすりと艶やかに笑うと、一輝の腕を自らの豊満な胸にしっかりと抱きかかえ、部長の目を真っ直ぐに見据えた。 しかもその際に豊満な胸が「むにゅう」と一輝の肘に押し付けられている! なんて羨ましい……いや危険すぎる光景だ!
「紗雪」
一輝が咎めるが紗雪は気にせず……。
「お顔に似合わず随分と
「ッ!」
ばっ!
次の瞬間、部長の背中から漆黒の悪魔の翼がバサリと展開された! やばいやばいやばい!! 溢れ出してる殺気が、マジで相手を消し去る気満々の本物だ!!
完全にブチ切れてる部長に対し、紗雪は表情ひとつ変えずに微笑んだまま。まさに一触即発の修羅場!! っというか、俺の家で魔力を撒き散らして壊すような真似はマジで勘弁してくれ!!
そんな危機的状況の中、冷ややかな一輝の声がリビングに響いた。
「いい加減にしろ紗雪。悪ふざけにも程がある。それと人前で腕を抱きかかえるなと言っているはずだが?」
「うふふふ……失礼いたしました。一輝のお困りの顔が可愛くて、つい少し揶揄いすぎてしまいましたわ」
いつもより一段低い一輝のトーンに、紗雪はあっさりと身を引き一輝の腕を解放した。だけど部長から放たれる氷のような視線は鋭いままだ。
「それでは、改めて部長さん。私達の入部を許可していただけませんかしら? まさかとは思いますが、個人的なご感情……要するに嫉妬だけで入部を拒否するほど小器なお方ではありませんでしょう? 入部を認めていただけるのでしたら、しっかりとオカルト研究部としての活動にも貢献させていただきますわ。勿論――
「………………」
改めて紗雪が部長の目の前に躍り出て、鞄の中から用意していた人数分の入部届を差し出す。だが、部長の表情は依然として険しい。そこへ一輝が援護射撃に入った。
「俺からもお願いします、部長。結奈達の腕は俺が保証しますので」
一輝にまでまっすぐな瞳で頼み込まれ……やがて部長は漂わせていた殺気をスッと収め、翼を背中に仕舞うと、深いため息を吐き出した。
「はぁ…………まず前提として確認させてちょうだい。貴方達全員、私達が悪魔だと認識した上で入部を希望しているのね?」
「ああ」
「んにゃ」
「ええ」
「はい」
「存じております」
「は、はい!」
竜崎、速水、桃、紗雪、静流、結奈が間髪入れずに答える。
「先に伝えておきますけれど、私達は悪魔に敵対する組織の回し者ではありませんわ」
紗雪が補足するように部長へ告げた。
「……なら教えてちょうだい。貴方たちは一体何者なの? ただの高校生でないことくらいは、今のやり取りで明白だわ」
さっきまでの嫉妬交じりの怒りとは違う、オカルト研究部部長としての鋭い視線で一同を見つめ直す部長。
「一輝、
桃が一輝に確認を取る。
「ああ。隠す必要もない、大丈夫だ」
一輝が頷いた直後、俺の目の前で信じられない現象が巻き起こった。桃さんたちの全身が……その姿が劇的に変貌していくのだ!
頭部からぴょこんと一対の獣耳が生え、腰からはしなやかな尻尾が伸びる。さらに皮膚の一部が美しい体毛へと変化し――いや、違う! よく見れば体毛だけじゃない! 竜崎だけは全身に硬質な鱗が浮き出て一回り身体が巨大化している……って、おいおいおい! 全員人間じゃねぇじゃん!!
獣人……でも、黒歌や小猫ちゃんみたいな
ちなみに結奈が体毛がふんわりとしている狐。桃は凛々しい白い虎。紗雪は美しくも鋭い銀狼。静流が紗雪と同じ狼だと思うけどその体毛は漆黒の狼。
速水は薄暗い黒色の猫で竜崎が蒼い鱗の竜人だ。
「か、一輝! 彼女たちは一体……!?」
俺が叫ぶと、一輝は落ち着いた声でその正体を口にした。
「結奈たちは、向こうの世界で
一誠sideの決戦を見たいですか?
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見たい
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見たくない
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どっちでもいい