一輝side
一誠が
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ」
途中、公園で休憩を挟み腕立て、腹筋、ジャンプスクワットを百回二セット繰り返し、最後に武術の型を三十分程……帰りは軽いジョギングで戻り、家に着いたら庭で整理体操をして終了。
シャワーを浴びてリビングに向かうと、朝食の準備をしてる義母さんと新聞を読んでいる義父さんがいた。
朝食を済まし、準備を整えて学校に向かう。
……学校に学校に着くまで時間があるから、大雑把に
先ず、白騎士からは全てのアークと神聖魔法と精霊魔法が使える。ただ精霊魔法だけは月姫に変身中にしか使用出来ない。BLAZBLUEからは
中でもEAは特殊の類に入る。これは魔力ではなく精神力を消耗し発動する
例をあげるなら、剣から盾に。盾から槍。砂を津波のように操る事が出来る。しかし、身体の一部が触れていけないと発動できないデメリットがある。これは、アスファルトに足がついていても、壁に手が触れていないため壁をEAで操作する事は出来ない。小学校の頃。公園で練習してた時は、やりすぎて途中で気絶し警察に保護されて、義父さんと義母さんに迷惑をかけたこともあった。
学校に到着し、教室のドアを開け……。
「「大変だ一輝!!」」
ドゴバキッ!
開けた瞬間、
「急に近づくな」
眼を回し気絶してる二人を放置し教室に入ると、頬杖をつき空を見ている一誠がいた。
一誠side
「はぁ~」
大きくため息をつき、俺は自分の席で項垂れていた。原因は夕麻ちゃんに殺される夢を見ているからだ。しかもここ最近だ。彼女に殺される夢を見りゃ誰でも気が滅入るよな。
それと朝がダメになっていた。自分で起きることが出来なくなって、お袋が俺を起こしに来る毎日だ。逆に夜だとハイテンション状態になって、完全に夜型人間となっていた。
……おかしい。確かに夜更かしはするほうだったが、深夜の一時まで起きれたら奇跡と言えた。
今じゃ深夜の三時、四時まで余裕で起きれるし、日が昇ってくるのを確認してから床につく日々が続いていた。
「ハァ~……」
大きくため息を吐き項垂れる。どうしたものかね、俺の体。
「よー心の友よ! 貸したDVDはどうだった? エロかっただろ?」
「フッ……今朝は風が強かったな。おかげで朝から女子高生のパンチラが拝めたぜ」
肩を叩き、声をかけてきた松田と後ろからキザったらしい登場してきた元浜がいた。
……テンションが低いって時に、こいつらの顔を見るとげんなりするぜ。
「いいもん手に入ったぞ」
松田がバックを開け、中身を俺の机にぶちまける。
「ひッ」
離れた席で女子が軽い悲鳴を上げた。
まぁ、そりゃそうだよな。出てきたのが全部
「最低~」
「キモい」
「エロガキ死ね」
次に女子の蔑んだ声が聞こえてきた。
「騒ぐな! これは俺らの楽しみなんだ! 女子供は見るな見るな! 脳内で犯すぞ!」
相変わらず最低な発言だぜ松田。女子に向かって言うもんじゃないぞ。
……少し前の俺なら、『おお! 何だこの秘宝は!?』と眼を輝かせていただろうが、最近は朝がキツくて気分が乗らない。
そんなテンション低めの俺を見て、松田が嘆息する。
「おいおいおい。これだけのお宝を目の前にして何だよ、その顔は」
「おかしい。実におかしい。今までのお前らしくも無い」
隣の元浜もつまらなそうに言う。
「そりゃあ俺だって、『すげぇ! 何だよこれ! 俺を猿にする気か!』って言いたいところなんだがな、いかんせん、ここんとこ精力減退しててさ」
「病気か? いやまさか。エロの権化であるお前が風邪になるわけがない」
失礼な奴だな元浜。風邪でこうなるかっつうの。
その時、松田が何かに思い当たり手を叩く。
「あー、アレか? 俺には彼女がいましたーっていう例の幻想の……たしか
「……夕麻ちゃんのこと、マジで覚えていないのか?」
俺の言葉に二人は、可哀想な眼で見返してくる。
「だからさ、俺らそんな子知らないって。マジで病院いったほうがいいんじゃないか? なあ、元浜」
「ああ、何度も言うが俺たちは夕麻ちゃんと言う女の子を紹介なんてされていない」
……そう、俺が決まって夕麻ちゃんの話を振ってもこいつらは決まってこれだ。
最初はからかってると思ったんだけど、話し合った結果そうでないと痛感した。
けど俺は確かに、『お前らも彼女作れよ』と余裕の言葉を突きつけてやった。なのに二人は覚えてる所か、夕麻ちゃんがいたことさえ覚えていないんだ。
そんなはずは無い……ッて言いたいところだけど、携帯に登録した電話番号やメールアドレスが記録に残っていなかったし、夕麻ちゃんが着てた同じ制服の高校を見つけて彼女のことを尋ねてみたが、いなかった。
じゃあ、俺は誰とデートした? 誰と付き合った? あの夢は俺が生み出した幻想なのか? それに、深夜に湧き上がる得体の知れない力といい、朝日がダメだったり何かがおかしい。
はあ、俺に何があったんだよ……。
考え込む俺の肩へ松田が手を置く。
「まあ、思春期の俺らにそういうわけの
「それは素晴らしい。松田君、ぜひともイッセー君を連れて行くべきだよ」
「もちろんだよ、元浜君。俺ら欲望で動く男子高校生だぜ? エロい事しないと産んでくれた両親に失礼というものだ」
グフフと下品な笑い声を上げる二人。
変態だ。どっからどう見ても変態すぎる。まぁ、その中に俺も入っているが……。
「悪い。今日は遠慮するわ」
「「何……だと!?」」
気分が乗らないまま見ても、ただ空しいだけだからな。
誘いを断ると、二人は信じられないものを見たような目で見てきた。
「あの性欲の権化である一誠が断っただと?」
「おかしいぞ一誠……純粋な変態エロ魔人であるお前は何処へ行ってしまったんだ?」
こいつら本当に失礼な奴だな。
「今日は乗り気じゃないんだよ。また次の機会にな」
それだけ言い俺は頬杖をつき、何気なく空を眺める。
……ホンッッと、良い天気だな。
暫くボケっと空を見ていると、殴られた音がした後、近づいてくる足音がしたので振り返るとそこには同じクラスメイトの出海一輝がいた。
出海一輝。成績優秀、スポーツ万能。この駒学園の二大王子と呼ばれている一人だ。もう一人は、別クラスの木場祐斗だ。木場が爽やかイケメンなら、一輝はクールなイケメンだ。ただし一輝はアルビノだ。真っ白な髪に日焼けしたことがない白い肌に真紅な紅い両目。無口で無愛想で堅い表情のせいで一輝はイジメの的になっていたんだ。俺達とは中学からの付き合い……ってわけじゃないんだが、俺が興味半分に声をかけたのがきっかけだ。ただ他生徒とひと悶着あったため、直ぐに転校してしまった…………で。まさかの駒王学園での再会。本当に驚いた。なにせまた一段とカッコよくなってんだからよ。
でも高校に入学してからは当然女子から人気が高くて、常にアイツの下駄箱にはラブレターが入っていた。しかも全学年から。一度、全学年男子で殺ろうってことになって襲い掛かったが、逆にボッコボコにされて敵わないと痛く思い知った。
ホント堅い表情で何考えてるか解んないけど、今じゃ何かと愚痴を聞いてくれたりテスト勉強を教えてくれる良い奴なんだよな……イケメンだけど。
「元気がないが一誠。どうかしたのか?」
「あぁ、ここ最近朝がダメでさ。逆に、夜だと異常に
「何時からそうなんだ」
「え~と、確か夕麻ちゃんとデートした日からかな……! そうだ一輝。お前、夕麻ちゃんのこと覚えてるか!?」
夕麻ちゃんの事で思い出した俺は、一輝に公園であった事を思い出して聞いてみた。松田と元浜が覚えて無くても、あの場にいた一輝なら覚えているはず!
「天野夕麻……。
しかし、少し考えた後逆に聞き返された。
「え? 嫌々、覚えてるだろ! 可愛くてスレンダーな美少女で、俺の彼女だ! って紹介したろ!?」
俺の必死の言い分に、一輝は考えるだけで覚えてはいなかった。
「証拠は?」
「え?」
「いたと断言できる証拠がなければ、言ったところで何も変わらないぞ」
……一輝の言ってることは正しい。俺がいくら夕麻ちゃんの事を話しても、千輝や松田に元浜を納得させるには明確な証拠が必要だ。登録した電話番号とメールアドレスが残っていない以上、証明が出来ない。
時間が過ぎる中、予鈴がなったので一輝が自分の席に移動していった。
そして何事もなく一日が終わり、帰宅しても俺は夕麻ちゃんや今の自分の変化の事で一杯だった。
一輝side
大分落ち込んでたな……。
夜。何時も以上に落ち込んでいる一誠の姿が思い浮かぶ。
本当は覚えてるんだが、口に出さないと部長と約束した以上ウソを言うしかなかった……しかし何とも言いがたいな。
バイトが終わり家に帰ろうとした時、悪寒が走った。
ゾワッ。
これは……殺氣!?
氣配を探ると、二つの気が尋常じゃない速さで移動……いや、
俺は駆け出し、二つの氣配を追いかけた。
一誠side
夜遅く。俺は体の内から溢れ出てくる力の疼きが酷くて、散歩がてら町をぶらついていた。
やっぱりおかしい。五感が以上に鋭くなっている。
聴覚、視覚、周囲の家の中から会話が聞こえてきたり、街灯の光が届いていない場所まで鮮明に見えてくる。
俺、どうなっちまったんだよ……。
自分の異常さにわけが解らなく、家に帰ろうとした時、足が止まった。嫌、正確には視線の先のスーツを着た男性が俺を睨んできているからだ。
変質者!? 危ない人!? 帰り道に変質者に遭遇かよ俺! 運悪すぎ!!
「これは数奇なものだ。こんな都市部でもない地方の市街で貴様のような存在に会うのだものな」
? 何を言ってる? やっぱ頭がイッてる人なのか!?
ゆっくりと後ずさり距離を取ると、男が近づいてきた。
「逃げ腰か? 主は誰だ? こんな都市部から離れた場所を縄張りにしている輩だ、階級の低い者か、物好きのどちらかだろう。お前の主は誰なんだ?」
何なんだよ……わけが解らないっつーの! 俺は振り向き様、全速力で走り出した。
異常な速さで夜の闇を掻き分け、見知らぬ道を曲りただひたすら逃げた。
暫く走り続け、空けた場所に出た。公園だ。
走りから徐々にゆっくりと歩みに変える。息を整えながら、噴水の辺りまで歩を進めたところで、不可思議なものに囚われた。ここの公園は……そうだ。俺が夕麻ちゃんとデートで最後に訪れた場所だ!
偶然か? それとも奇跡? まさか無意識に向かったとか?
ゾクッ。背筋に冷たいものが走る。
振り返ると、黒い羽が俺の眼前を舞った。
「逃がすと思うか? 下等な存在はこれだから困る」
黒い翼を生やしたスーツ男が俺の前に現れた。あの黒い翼……夕麻ちゃんと同じだ。
「ふむ。主の気配も仲間の氣配もなし。消える素振りすら見せず、魔方陣すら展開しない。状況を分析すると、お前は
物騒なことを口走り、手をかざすと夕麻ちゃんと同じように鈍い音が響き、光が集まり槍が形成された。
殺される! 俺は振り返り走り出した瞬間、槍が腹を貫いていた。
ゴボッ!
口から大量の血を吐き出し、その場で膝をついた。
超痛ぇぇぇぇ! 激痛なんてもんじゃないぞ! 手で槍を抜こうと触れてみたら、手に痛みが走った。
熱い! 掌を見れば槍に触れた部分が火傷していた。
「グ……アァァァ」
余りの激痛に、意識が飛びそうだ!
「痛かろう? 光はお前らにとって猛毒だからな。その身に受ければ大きなダメージとなる。しかし、光りを弱めで形成した槍で死ぬかと思ったが、意外と頑丈だな。では、もう一撃放とう。今度は少々光の力を込めるぞ。安心しろ。すぐに楽にしてやる」
ダメだ! 今度こそ殺される!
そう思ったとき。
「凍てつけ!!」
聞き覚えのある声。直後、俺の真横を何かが走り、黒い羽根を生やしたスーツ男を吹き飛ばした。同時に冷たい空気が肌を撫でる。
寒い。これは……冷気?
激痛のショックか、俺はそこで意識を失った。
一輝ide
二つの氣配を追いかけていると、見知った場所にたどり着いた。ここは、あの時の公園か。
中に入ると、一誠が槍に貫かれていて、堕天使の男がトドメを刺す寸前だった。まずい!
「凍てつけ!」
咄嗟にユキアネサを顕現させ、掌を相手に向け吹雪で相手を吹き飛ばす。
「む! ぐぅおッ!?」
攻撃に気づき防御するが、直撃し吹き飛ぶが、羽を羽ばたかせ急上昇し背後にあった木に叩きつけられるのを逃れる。
その間、一誠を庇うように立つ。
「貴様。そうか……
スーツ男は忌々しそうに俺を睨みつけて光の槍を形成し殺氣を飛ばしてくる。
黒い羽で大方察してはいたが、あの
「だったら何だ?」
「貴様がいると我等の計画に支障を来たす。この場で始末してくれよう」
光の槍を投擲してくる堕天使。
「二人に触れないでちょうだい」
そこには紅い髪をした女性、部長がいた。
「貴様、何奴だ!」
再び槍を形成し投げつけるが、上空から小猫が降りてきて槍を弾き飛ばす。弾き飛ばされた槍を堕天使は受けとめ突っ込んでいく。
とっさに
スガ―――ンッ!
堕天使の眼前に、雷が落とされ吹っ飛ばされたからだ。
「紅い髪……そうか。グレモリー家の者か」
「リアス・グレモリーよ。ごきげんよう、堕ちた天使さん」
「フッフフ。これは、この町がグレモリー家の次期当主の管轄であったとわ。そこに倒れている者とそこの神器所持の人間はそちらの眷属か?」
「いいえ。眷属はあの子で彼は私の契約者よ……でも私の大切な二人にちょっかいを出すなら、容赦しないわ」
「まぁいい。今日のところは詫びよう。だが、下僕を放し飼いにしないことだ。私のような者が、散歩がてら狩ってしまうかもしれんぞ」
詫びると言う割には、
「ご忠告痛み入るわ。私のほうも今度こんな真似をしたら、その時は躊躇なくやらせて貰うからそのつもりで」
「そのセリフ、そっくりそちらに返そう、グレモリー家の次期当主よ。わが名はドーナシーク。再び見えないことを願おう」
翼を羽ばたかせ、空高く飛翔し消えていく
「迂闊でしたわ。まさか堕天使と接触するとわ」
「……このままだと死にますね」
「死なせはしねぇよ小猫」
一誠に近づき、腰のポーチからピンボール位の玉を取り出す……はずが今日に限って無かった。最悪だ。キチンと確認していなかった。
なら……あまり得意じゃないが治癒魔術で。この位なら大丈夫だ。
「我は癒す斜陽の傷痕」
両掌を腹に向け詠唱し魔術を発動。光が傷口を徐々に治療していく。
……数秒もすれば穴が塞がり元通りになった。なんとかなったか。やっぱり
「これで傷は大丈夫です。ただ、失った血液までは保障出来ませんがっ」
「傷を治してくれただけでも十分よ」
リアスは一誠に近づき魔法陣を展開させる。
「二度もこの子を救ってくれてありがとう。一輝」
「傷を塞いだだけです。瀕死に変わりありません」
「大丈夫よ。この子は私に任せて頂戴。明日、裕斗を使いに出すからこの子と一緒に部室に来てちょうだい」
「了解です」
俺が承諾すると、小猫と朱乃も魔方陣の中に入る。
「一輝君。また明日」
「一輝先輩、ありがとうございます」
「礼を言われるほどじゃありません。小猫もまた明日な」
ニコニコ顔で手を振る朱乃先輩、綺麗にお辞儀してく小猫に言葉を返すと魔方陣が強く光り
残った俺は、再び血だまりを