TS魔法少女性癖バトルロワイヤル 作:青碧
向かうのは東京から遠く離れた離れ小島。舟でおよそ二時間ぐらい。ゆらり、揺られて目の前にゆっくり見えて来たのが。
「此処が……噂の場所か」
性癖島と言われている島だ。
俺はネットでしょうもない記事をを書いている、しがないライターだ。主に都市伝説とか噂とかそんなモノを好奇心のまま好き勝手に突っ込んで、読者にそれを伝えるのが仕事だ。
って先輩は言っていてまぁ、俺も大方同意見だったんだが。……そんな事を言っていたせいか先輩は好き勝手突っ込んで、一ヶ月前を最後に何処かへ飛んで行ってしまった。それでつい最近先輩のデスクを片付けていたら、この性癖島の資料が出て来た。
ネタも無かったし、丁度良いかと思ってネットで下調べしてから現場へ向かう事にした。それで先程の流れになる。結果から言うとネットの情報はバラついていた。如何にも、ネットの噂話と言うレベルの感じだ。
例えば、島へ行くと性別が変わるだとか。一度入ると抜け出す事が出来ないだったり。でも、そんなのは序の口で俺が一番巫山戯てるなって思ったのは性癖で戦うって言う奴だ。そいつが言うにはその島では男は居らず、全員女で自分自身の性癖こそが一番だと主張していて、話じゃ通じないので拳で語り合って分からせているらしい。
頭おかしいだろ何だよその島。それが最初の俺の感想だったのだが、そんなおかしい島に足を向かわせている俺も人の事を言えない。それもこれも全部先輩のせいだ。さっさと連れ帰って仕事をさせよう。俺は強い決意を持ち船に乗り、その間船員に渡された島へのアンケートを記入して待っていた。
『お待たせしました。性癖島へ到着致しました』
船長のアナウンスが聞こえた後、物凄い形相で男達が我先にと出口へと駆け出した。その光景は昔ニュースで見た最新型の携帯を奪い合う客の図に近いなと思いながら、俺は一人ゆっくり出た。……にしても変だな。そんな急いで行く様な物なのか?変と言えばアンケートも変だったな。
個人情報全部+今までの経験、嗜好や性癖を全て書き出せとかさ。もしかしてネットに書いてあった事はあながち間違ってないのか?性癖を聞かれた理由を考えながらも、島へと一歩。
踏み出した瞬間、身体がビリッと痺れた。受け身も取れずそのまま倒れて。
その後の事は何も覚えていない。
《──ブ》
ん。
『──そろそろ起きるモブ!』
謎の声と共に尻が叩かれて目が覚める。一体何が起きたのかと周りを見渡してみると、その原因はすぐに見つかった。
『逃げるにしても、戦うにしても!まずは立たないと何も出来ないモブ』
目の前には、俗に言うニチアサに出てくる魔法生物みたいなのがいた。きっとコイツが俺のケツを叩いたに違いない。そう思うと、腹が立ったので手を伸ばしお返しにヤツのケツを叩いてやった。
『イッタァ!急に何するモブ!?って、そんな事をしてる場合じゃ……』
ニチアサの妖怪が一人ギャアギャア騒いでいるのを無視していると足音が聞こえた。その足音はこちらへと段々近付いて来る。
『あーあ。来ちゃったモブよそんな事してるから』
「来た?」
『アイツらは初心者狩りモブ!此処はビギナーの初期リスポーンスポットとして有名だからそう言う奴が良くいるモブ!』
「そう言うのは運営から禁止されるんじゃ無いのか?」
『バランスを整えてくれるから、色々な理由があって運営からしても一方的に減らすことは出来ないモブ』
「なぁ、負けたらどうなるんだ?」
『?何言ってるモブ〜。負けたら死ぬモブよ?此処は異世界やゲーム世界じゃなくて現実なんだから、敗北する時はリアルな死が待ち受けるだけモブ』
……いつの間にデスゲームに参加してたんだ?俺。何、この島。何でそんな平然と恐ろしい事を言うんだコイツは。絶対に死ねない。こんな性癖の島で死んでたまるか。
「おい、要はリアルなサバゲーって事だろ?なんか武器は無いのか?矛とか刺股とか。バットとか」
『そんな物騒な物はこの島に無いモブ。唯でさえ、最近コンプラで煩い世の中モブだからそこん所はちゃんと押さえてあるモブ』
「でも、あいつらは俺を殺しに来るんじゃ無いのか?そのまま殺されろって事か?」
『武器ならあるモブよ。それが、
「え?」
もう一度聞き返そうと思ったが、それは出来なかった。何かが飛んで来たからだ。
「こんにちは〜一発お願い出来ませんか?」
「は?」
その何かが、人間だと分かって俺は固まった。凄い綺麗な美少女だったからだ。
『あ、最悪モブ。コイツは後藤巢汰。コイツの性癖は……』
「安心してください、気持ち良くしてやるからさ!」
『
性癖とは、色々な意味があるが。この場所では単純に、性的嗜好の事を言う。そして性癖が武器らしい。
「ちょっと待った。私もいるんだが〜?」
また一人、今度はギャルっぽい女がやって来た。これまた凄い美女だ。
『また増えたモブ』
「いや、二人?」
その背後には瓜二つの女が仲良く並んでいた。
「せぇーかい。あたし達は二人で一人。それがあたし達のセーヘキだからね」
嘘だろ。もう、俺死ぬの確定してるじゃねえか。クソ。と言うか何で入島したら死ぬなんて大事な事を掲示板に書かねえんだよ。
『終わりモブ……ビギナー狩りの、いや道程狩りの二人が来た以上もう生きれないモブ。来世に期待するか、性癖に掛けるしか無いモブね』
そうだ。何でこんな事が起きてるのか?とかこれが現実なのかとかは今、どうでも良い。生き残らないと。俺の性癖は、何だ?俺は何が一番好きなんだ?そんなの突然言われてもなぁ。
『アンケートに書いた性癖がそのまま力になるモブ!死にたくなければ、早く!』
そうか、考える時間だけは死ぬ程あった。だから、良く考えれた。それで出した俺の答えは……!
「俺の性癖は──時間停止モノだ」
その瞬間、全ての生物(犬以外)が動きを止めた。