ハイスクールA-A   作:右眼

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待たせたな!


決戦③

(なんだ…なんでこいつは頑なに炎でこの俺に挑んでくる?)

 

ライザー・フェニックスの頭に疑問が過る

 

(それだけじゃない。俺と同じフェニックスであるレイヴェルがリタイアしていることも引っかかる…まさか炎しか使えないと見せかけているだけか?)

 

ライザーは目の前の少女、塔城小猫が手に灯す炎を見て思案する

 

(だが俺は負けない。不死のフェニックスだ。やられることなどまずない!)

 

だがライザー・フェニックスはここで選択を誤った

もしここで降参していれば心に傷を受けずに済んだというのに…

 

 

 

 

 

 

 

♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎

 

 

小猫side

 

 

 

 

「貴様が何を隠しているか知らないがこのゲームの勝敗は変わらない。この俺の勝利は揺るがない」

 

と、上空から偉そうに叫ぶ男、ライザー・フェニックスに対して小猫はただ冷たい視線を向けるだけだった

 

「さぁ!フェニックスと称えられた我が一族の業火!その身で受けて燃え尽きろ!」

 

火炎に包まれたライザーが高速で迫ってくる

小猫の眼前にはありえない質量の炎が広がる

そのシルエットは巨大な火の鳥そのものだ

 

 

 

 

 

「これで終わりだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰もがライザー・フェニックスの勝利を確信した

これまでの結果、そしてこれまでの経験その全てがライザーが勝つであろうことを物語っていた

だがそれは十日前まで

この十日間、リアス・グレモリー眷属に訪れたたった一つの転機

神、アダム・アークライトの出現

それにより全ての歯車が狂い始めた

そしてその元凶そのものの影響をモロに受けたのが塔城小猫だ

今の塔城小猫の実力は中級悪魔程度なら完封出来るほどにまで上がっている

 

 

 

「凶悪な一撃も炎を奪われればただの体当たりですね。その程度、『戦車(ルーク)』の私にとって痛くもかゆくもありません」

 

「なに!?」

 

「この光景に見覚えがあるでしょう?」

 

小猫は呟く

だがその呟きはライザー・フェニックスの精神を揺さぶるのには十分過ぎた

 

「貴様、まさか!?」

 

「因果応報、第四波動!!!」

 

ほぼゼロ距離で放たれたそれはいかに不死身のフェニックスであろうと無視できない威力となっている

 

仕留めるつもりで放ってきた炎を吸収したのだ

それは即ち仕留められるだけの威力を持っていることになる

 

「まさかこれ位で倒れるなんてことないですよね?」

 

小猫は倒れるライザーに向けて言う

 

「なるほど…あの自称神の弟子だけある。だが二度も貴様の技を喰らうと思うなよ。一度吸収するのなら吸収しきれない量の炎をぶつけてやる!」

 

炎の中から復活したライザーは先程とは段違いの質量の炎を纏い飛翔し、その質量の炎を保ったまま炎の爆撃を飛ばす

 

「これで終わりだ!」

 

その炎の一撃はライザー・フェニックスの中で一番といえるだけの威力を有していた

慢心もなければ油断もない

小猫を一人の戦士として認め、今放てる最高で最強の技をライザー・フェニックスは放ったのだ

 

それは寸分の狂いなく小猫に向かって行き直撃する

 

「これ程の炎を喰らったんだ!判定はまだか!」

 

ライザーは再び審判に判定を催促する

だが小猫のリタイアのアナウンスは流れない

 

 

 

「まさか…まだ…?」

 

ライザーは恐れの表情を浮かべながら自身の視界に映る炎の海を見つめる

 

 

 

 

 

「ふふふ…」

 

 

 

 

 

 

その時グラウンドに笑い声が響き渡った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ…あれだけの炎を受けて…体が焼けていないだと…?」

 

 

 

 

 

 

ライザーのこぼした言葉

それは小猫の現状を明確に示していた

 

「いくら炎に耐性があるとしても…ありえない!俺の炎は不死の炎だぞ!」

 

 

 

 

 

 

「何故だ!何故燃え尽きない!」

 

 

「馬鹿ですか?この状況、私の師匠の使った能力、そしてあなたの能力。なにか忘れていませんか?」

 

「なに!?」

 

「大昔の生物にとって酸素は触れるだけで死んでしまう毒素だった。けれど一部の生物がミトコンドリアを自らの体内に吸収することで進化、逆にエネルギーとすることに成功したんです」

 

小猫は静かにライザーを見つめながら語る

 

「最初に酸素を克服することに成功した生物はこう思ったでしょうね」

 

 

 

「私はこの星の王だ!」

 

 

 

 

「一体…なにを言っている…?」

 

 

「そして私も人にとって危険な炎を自らのエネルギーにすることに成功しているんです」

 

「まさか…貴様!」

 

「そう、私に炎が効かないのは耐性があるだけじゃない。ありとあらゆる熱エネルギーを吸収する能力を持っているからです。その吸収に限界なんてありません」

 

小猫は周りに広がる全ての炎の海を吸収しながらライザーを睨みつける

 

「あなたは言いましたよね、私に、私達に勝ち目はないって。でもそれは間違いです。初めから勝ち目がなかったのはライザー・フェニックスさん、あなたのほうです」

 

小猫は空中に浮かぶライザーに向かって跳躍する

 

「く…くるな!」

 

ライザーはそれから逃れようと羽ばたくがもう遅い

ライザーの目前には大質量の炎を纏う小猫の姿が広がっていた

 

「これで終わりです」

 

 

『特攻・ヴァルカンショック・リトルボーイ!!』

 

 

「そん…な…ばか…な…」

 

 

「判決!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

その強大な一撃をもろに喰らい倒れるライザー・フェニックス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「死刑!」

 

 

 

 

 

 

「ライザー・フェニックス様の『王』戦闘不能、よってリアス・グレモリー様の眷属の勝利です」

 

ライザーの姿が光に包まれこのフィールドから消えるとグレイフィアのアナウンスが流れ、リアス・グレモリー眷属の勝利が確定した

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