「ほぇぇえ!お前イリナかよっ!」
部室の一角で一誠が声を上げる
呼んだ名前は栗色の髪の女の子の名前である
「なっつかしいなぁ。てかお前女だったのかよ」
「あの頃はやんちゃしてたからね。今となっては恥ずかしい位だけど」
と過去の懐かしい話に夢中になっている中また別の場所では真剣な表情で話をする三人が居た
その三人とは
リアス・グレモリー眷属の
神 アダム・アークライト
である
「実は先日、カトリック教会本部ヴァチカン及び、プロテスタント側正教会側に保管、管理されていた聖剣エクスカリバーが奪われました」
「貴様らが持っていたのもそのエクスカリバーとやらだそうだな。つまりそのエクスカリバーは複数本存在すると?」
「アークライト様。聖剣エクスカリバーそのものは今現存しておりません。エクスカリバーは大昔の戦争で折れてしまい、その破片を拾い集め、錬金術により新たな姿としたのが彼女達の持つエクスカリバーです」
「その時に7本作られた。私たちが持つのはその中の二本、
「それで他の何本かが奪われたと。だがこの地になんの用があってきた?」
「カトリック教会、プロテスタント、正教会共に二本ずつの聖剣を管理している残る一本は行方不明になっている。その中で各陣営にあるエクスカリバーを一本ずつ奪われた。そして奪わった連中は日本に逃れこの地に持ち運んだ。と私達は聞いている」
ゼノヴィアはアークライトの問いに出来るだけ怒りに触れないように答えていく
「ほう、わざわざ私がいるこの地を選んだとはな。そのエクスカリバーを奪った連中とはどこだ?」
「奪ったのは
その言葉を聞いた瞬間アークライトは笑い姫島朱乃は疑惑の目を向けた
「な、なにがおかしい?」
2人の反応に思わずゼノヴィアは問いかける
「私の
「奪った主な連中は把握している!幹部のコカビエルだ!」
アークライトの問いにムキになって声を荒げるゼノヴィア
「ならば組織で奪ったのではなく個人又はその協力者だろう」
「っ!!!」
「私の父様は堕天使なのですが、その時に聞いたのですが堕天使側は今3大勢力のイザコザを止める、つまり休戦を望んでいます。そんな時にわざわざ争いの火種が産まれるような事をおこなうとは思えません」
「それは本当か!?」
「あぁ、本当だ。嘘偽りない」
アークライトは即答する
「だがどこにそんな根拠がある。我々教会側にはそのような情報は届いていないぞ」
「当たり前だ。悪魔側にもその情報は流れていない。唯一堕天使の上層部以外に知っているのは姫島朱乃と私のみだ」
「だが、だがそれがまだ真実と決まったわけではない。教会も堕天使側、
「この中で最弱な兵藤一誠にも負ける貴様らが堕天使の幹部に勝てると思っているのか?聖剣を持っているから勝てるとでも思っているのか?」
「ぐ…だが聖剣の力は絶対だ!」
「だが使い手の貴様らが未熟だ」
アークライトは冷たく言い放つ
「姫島朱乃。先の戦闘を見て思ったことを素直に嘘偽りなく答えろ」
「はい」
と姫島朱乃は口を開く
「まず、紫藤イリナさん、ゼノヴィアさん二人に共通して言える事は実戦経験の無さ…だと思います。いかに強力な武器を持っていてもアークライト様の仰る通り使い手の二人の腕が付いて行っていないなと」
「そうだ。だから貴様らは兵藤一誠にすら勝てないのだ。あいつは既にマッハ1での戦闘を可能にしている」
本人ですら自覚していない事実を告げるアークライト
なぜそれを自覚させないかは上を目指す者が現状で満足するといけないからである
特に兵藤一誠のような人間は自惚れるととことん落ちる
今より上を目指し続けてこの男は初めて強さを得る
「それでも愚かな貴様らは二人でエクスカリバーの奪還を、コカビエルとやらを倒しに向かうのか?」
「うぐ…」
「私はエクスカリバーの奪還を諦めろと言っているわけではない」
「は…?」
アークライトのこぼした呟きに悔しさの表情を浮かべていたゼノヴィアは間抜けな表情にその顔を変える
「私とてこの地に不用意に踏み込んだ不届き者を放置しておくつもりはない。貴様らはエクスカリバーを奪還したい。私はそのコカビエルとやらを潰したい。利害は一致していると思うが?」
「それは…でも、それでいいのか?」
恐る恐るといった感じに問いかけるゼノヴィア
願っても無い申し出に信じていいかわからないといったようである
「丁度いい。貴様らも神である私の力を見ているといい」
アークライトは立ち上がる
「姫島朱乃」
普段の修行の時のような声ではなく、ただ業務的に命令を下す
「コカビエルとやらを探せ。そうだな。此方から戦線布告といこうじゃないか」
「はい。わかりました」
それを了承する朱乃
「見つけ次第我が学園の校庭に来るように告げよ。この私が直々に正面から堂々と捻り潰してやるとな」
「はい」
朱乃は悪魔の翼を展開すると部室から飛び立つ
「木場祐斗、兵藤一誠。貴様らはいつもと同じようにしていろ。死ぬ気でな」
「ひっ!」
「わ、わかり…まし…た」
「は…はい!」
紫藤イリナはアークライトの放つ重圧にビビり声をあげ木場祐斗はそれに潰されないように返事をし兵藤一誠は突然向けられたアークライトからの重圧に一瞬怯むがすぐに持ち直し返事を返す
「小猫は私と共に来い。貴様の猫の力も有効に使う」
「わかりました」
小猫はアークライトに呼ばれるとその隣にちょこちょことかけていき横に並び立つ
今この部室にいる人物のツートップだ
「兵藤一誠。貴様に一つアドバイスをやろう」
「…え?」
木場祐斗との訓練に出ようとしていた兵藤一誠を突然呼び止めるアークライト
「アークライトさんが…俺に?」
今まで何一つアドバイスというものを与えず殴り合い(一方的)という訓練のみを行っていたために驚きの声を上げる
「神器とやらが思いの力で覚醒するのは知っているな。だがそれだけではダメだとも教えたはずだ」
「はい。特に俺の神器はドライグそのものが宿ってるから倍加だけが能力なはずがない。それを無意識に抑えてるのは俺の体が保たないからだって」
「だが今の貴様なら覚醒してもいいはず、だがその兆候がない。それは何故か。答えは簡単だ。きっかけが必要なのだ。私のPF-zeroが相手の能力を見る、喰らうなどをして鍵を開けるのと同じように。貴様には貴様の鍵がある。それを見つけろ。いや、こればかりは違うな」
アークライトは考え込む
そして再び口を開く
「自分が変わるきっかけを逃すな。自分の進化を革命を覚醒を逃すな。私が言えるのはこれだけだ」
そしてアークライトは微笑むと小猫を連れて部室から出て行った
「なぁ、木場、イリナ」
「なんだいイッセー君」
「どうしたの?」
「今、アークライトさん笑ったよな?」
「そうだね。それに自分が変わるきっかけを逃すな…か。ほんとあの人はなんでも分かるみたいだね。本当に神様なのかもしれないな…」
木場は笑う
「え?アークライトさんって神様じゃねぇの?」
木場の言葉に反応する一誠
「君の中の赤龍帝も言ってたよね。あの人のことを伝承なき神って。普通神様なら伝承があるはずなんだよ。なのにあの人にはそれがない。それってあの人が神クラスの力を持った最も神に近い人間だってことになるんじゃないかな?」
「人間…」
イリナはあり得ないという顔をしているがそれを見てもなお構わず木場は語る
「あの人と一番最初に出会ったのはイッセー君、君だ。君があの人に助けられるまで僕達は
「そういうことね。神なら何処かに伝承が残ってないとおかしいから…」
イリナは何かを察したように呟く
「そう。だから僕はあの人を神様だとは思ってなかった。けどやっぱりあの人は人間の域を超えてる。それどころか僕達悪魔の域すら軽く超えていると思う」
「じゃああの人はなんなんだよ」
「だからわからないんだよ。もしかしたら異世界の神様だったのかもしれないね」
と冗談めかして笑う木場
その考えが事実であると知らずに
「ん〜。考えても仕方ねぇしアークライトさんが言った通りにやっとくか。イリナも一緒にやってくか?」
「え!?いいの?イッセー君?」
「お前のエクスカリバーも中々面白い能力だったし木場は強いけどあんな戦い方はしないからな。色んな状況に対応出来ないと意味ないしさ」
「それならゼノヴィアも一緒にいい?」
「ゼノヴィアってもう一人の方?」
「そう!私達も強くなりたいしさ!」
イッセーの手を握り身を乗り出しながらお願いするイリナ
「お、おう。いいんだけど、アークライトさんならこう言うと思うってのだけ教えとくわ」
「覚悟なき者に力は宿らない」
「んじゃ修行いくか」
兵藤一誠は部屋から出て行く
「あの、イッセー君ってあんな人だったっけ?」
イリナは木場に問いかける
「そう思うんだとしたら変わったんだろうね彼は」
そう答えると木場も部室から出て校庭に向かう
「あ!待って!ほらゼノヴィアもいくよ!」
「あ、あぁ」
残った2人も部室を飛び出す
その日の修行は悲鳴と笑い声が響いていたという
あれ?アーシアがいない…