今回はかなり悩みました
何に悩んだかは多分読んでもらうとわかると思いますけれども(笑)
では今年もよろしくお願いします
『アークライト様。コカビエル及びその共犯であると思われる男を捕捉しました』
アークライトの元に届けられた報告は今回の騒ぎの主犯を見つけたという報告だった
「よくやった。奴らに私が直々に洗礼をくれてやる。私の映像を届けることは出来るな?」
『少し時間をくださればすぐにでも術式を展開しますわ』
そう言うと隠れ家を見つけた人物、姫島朱乃は通信を切る
術式に集中するためだろう
「ふん、無断でこの地で何かを企めると思うな」
アークライトは今校庭で木場祐斗、兵藤一誠、紫藤イリナ、ゼノヴィアの四人の修行を見ていた
『アークライト様。術式の展開が終わりました。繋ぎます』
そう朱乃が言うとアークライトの正面にカメラの様なものが展開された
「初めまして…私はアダム・アークライトだ」
アークライトは自身の名を告げる
side out
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『初めまして…私はアダム・アークライトだ』
突如として現れた画面に映る男が放った言葉に頭がついていかない堕天使幹部のコカビエル
そしてそれについている研究者バルパー
「伝承なき神…だと…?」
『ほぅ。何故私が…と言った様な顔をしているな』
アークライトはなんの感情も込めずに淡々と話を進めていく
『貴様らは私の言葉を聞くだけでいい。貴様らの言葉など聞くつもりはない』
「なんだと!?」
思わず声をあげるコカビエル
だがそれに対する答えを告げないままアークライトは話す
『貴様らがこの街にいることは分かっている。貴様らの隠れ家も割れている。よく私のいるこの街に無断で侵入してきたな』
「それは…」
『貴様らの答えなど聞いてない。私が言いたいのはこれだけだ』
すぐさまアークライトはコカビエルの言葉を遮り自分が逆に用件を告げる
『今からパーティを始める場所は駒王学園。こなければどうなるか分かっているな?』
画面越しからでも分かる圧倒的プレッシャー
それを肌で感じ取った二人は頷くしか無かった
『ではお早い到着をお待しております』
最後にそう言うと画面は消えアークライトが放っていたプレッシャーも感じなくなる
「なぜ伝承なき神がここに…」
「今はそれを考える暇はない。バルパーよ。既にあの計画は最終フェーズに突入しているんだろう?」
「あ、あぁ。もう間もなく完成する。だが伝承なき神に対抗できるだけの使い手はいない」
「あぁわかってる」
「分が悪すぎる。伝承なき神を相手に完全体ではないエクスカリバーでは勝つことなど不可能だ」
「あぁ。しかしこんな情報が入っている。教会の使者がこの街に来ているらしい。それもエクスカリバーを二本携えてな」
コカビエルは不敵に笑う
「五本のエクスカリバーの能力を合わせればたとえ伝承なき神が相手だとしても負けることはないだろう」
その考えがどれだけ軽率な考えなのかも知らずにコカビエルは自信たっぷりに語り出す
「た、確かにそれならば行けそうだ。だが使い手は…」
「安心しろ。既に見つけてある」
コカビエルが笑う
「そいつがあの伝承なき神を倒せるとは思ってない。精々捨て駒だ。だが5本の半完全体エクスカリバーなら弱らせることは出来よう」
そう言うとコカビエルは一人の少年を連れてくる
「さぁ憎き神を斬り殺すチャンスをやろう。なに、安心するといい。最強の剣とお前の腕があれば殺せるさ」
「あぁ、やっと斬ることが出来る。何年憎んだか…何年望んだか…」
その少年の顔は憎しみと怒りとそしてなにより殺意に満ちていた
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「ふん、きたか」
アークライトはすぐさま四人の戦闘を止めると校庭のど真ん中に佇む
「随分遅かったな。エクスカリバーを合体でもさせていたか?」
見下したような目でやってきた2人を見つめる
「なっ…ふん!いくら貴様といえど聖剣で斬られればダメージは負う。勝機は此方にある」
「そうか。低俗な考えだな。どうせこちらにある二本のエクスカリバーを合体させ5本分の能力を駆使すればこの私でも倒せるとでも考えているのだろう?」
そう言うとアークライトはイリナとゼノヴィアから聖剣を奪うとコカビエルとバルパーに向け投げる
二人は突然自身の剣が奪われた為に反論しようとしたが相手がアークライトなので口を紡ぐ
「やってみるがいい。そして慄くがいい。最強が誰か。無敵とは何か。その身をもって知るがいい」
アークライトは自信たっぷりにそう告げる
その目はもう自身の勝利を疑ってはいない
「その判断が間違っていたと後悔することになっても知らんぞ!」
「かまわんやれ」
アークライトは告げる
己が力を誇示するようにただ堂々と佇んでいる
その姿はまさに神
ありとあらゆるものの頂点に君臨するが如き風貌である
「ぐ…やれ!バルパー!エクスカリバーを合体させろ!」
そのアークライトに気をされたか恐れを隠すようにバルパーへと声を荒げて命令する
「わかっている。お前の方こそ使い手はいるんだろうな」
「あぁこいっ!ハイネ!」
コカビエルが人の名前を叫ぶ
するとコカビエルのすぐ傍に一人の青年が現れた
「はい。コカビエル様」
青年のその瞳にはアークライトに対するものなのかはわからないが物凄い敵意に満ち溢れていた
「なかなかの目だな。そんなにこの私が神が憎いか?」
「あぁ憎いね、でもあんたを殺せるチャンスがあるなら俺はどんな事だって耐えられる」
青年ははっきりと答え、合体したエクスカリバーを手に持って握り締める
「五本のエクスカリバーの能力覚えられるなら覚えてみろ」
すると青年は人間とは思えないスピードでアークライトに向かって駆け出した
完全にアークライトの虚をついた行動
様子を見ていたイリナとゼノヴィアは揃って目を閉じる
それもそのはず青年の刃は的確にアークライトの心臓を貫いていた
「なんだ。その程度か?」
「なん…だと…?」
青年は全く意に介していない様子のアークライトを見てとっさに飛び下がる
「俺は確実にお前の心臓を貫いたはずだ」
その言葉通り確かにアークライトの心臓は貫かれた
それによって血も流れた
だが次の瞬間には自身を貫いているエクスカリバーを握り締めつまらなそうに青年を見下ろすアークライトが居たのだ
「何をした!?どういう事だコカビエル!!」
気が動転しているのか自分の主人であるコカビエルに対して呼び捨てで吐き捨てる
その言葉を向けられたコカビエル自身も驚愕の表情を浮かべている
「なぜだ。確かに今貴様は死んだはずだ。流れた血の量、刺された場所共に死は確定しているはずだ。なのになぜ…」
「教えてやろう」
アークライトは両手を広げ見下すように下卑な笑みを浮かべながら言う
「それは私が『神』だからだ」
「ありえないっ!!」
コカビエルは叫ぶ
神が存在する事などありえないと
その様子はまるで幽霊を見ているかのように怯えが現れている
「聖書の神は死んだ!あの大戦で!!もうこの世に聖書の神はいない!!!」
この場で、この状況で言い放っただけありその言葉に信憑性は見られる
というよりも元より事実だ
確かにこの世界に聖書の神は存在しない
だがアークライトは別世界にてこの世界の聖書の神に該当する存在のキリスト・セカンドをその身に喰らっている
言うなればアークライトそのものがこの世界における聖書の神といっても過言ではないのだ
だがコカビエルが言ったことはまぎれもない事実
その真実を知ったイリナとゼノヴィアは自分が今まで信じてきた主がいない事を知り絶望にへたりこんでいる
「なにかと思えばそんなことですか…」
そんな状況を壊すように言い放ったのは小猫だった
「アーシアさん。言ってやってください。本当の神が誰なのかを」
その言葉に間髪入れる様子もなくアーシア・アルジェントは即答する
「なにを言ってるんですか?そんな当たり前のことを聞くなんて。小猫さんらしくないですね。そんなのアークライト様に決まってるじゃないですか」
「確かにそうだね。僕もあの人は本当に神だと思うよ。でなかったらこれまでのことが説明つかないからね」
と木場も続く
木場はアーシアのようにアークライトの事を狂信しているわけではない
だがそれでもこれまでの事からアークライトは神であると結論付けていたのだ
「イッセー君…どういうこと…?」
三人の言葉に疑問を持ち問いかけるイリナ
「アークライトさんが言ってるだろ?私は神だって。あれは神みたいに強いってわけじゃなくて本当にあの人は神様なんだって意味で言ってるんだ」
「バカなっ!あの人は完全に人間の気配だぞ!?」
ゼノヴィアはイッセーの言葉を否定する
「ほぅ、なら見せてやろう。これが
アークライトはその特徴的なマントのような赤い服を脱ぐ
そしてそのままあるものを静かに呟いた
「エデンズシード、解放」
するとアークライトの身体にある痣のようなものが浮かび上がる
「な…なんだ!?この神性は!」
堪らずコカビエルは叫び出す
「何をしている!ハイネ!早く奴を殺さんか!」
「言われなくてもやる!」
青年は5つのエクスカリバーの能力をフルに使いアークライトを攻撃する
だがそんなものエデンズシードを
全ての攻撃はアークライトに届く前にアークライトの中にある無数の能力によって相殺されその体まで届かない
「この、バケモンがぁぁぁぁぁぁ!!」
青年の全力の一撃
怒りに満ちた青年はその一撃に全てを賭けるようにアークライトに向かって聖剣の刃を向ける
「誰に向かってその刃を向けている?」
だがやはり現実は非情である
圧倒的力の前に青年、ハイネの持つ聖剣は粉々に砕け散る
その砕け散る様を絶望に染まった顔で見届けていく
「過去にどれだけの偉業を成し遂げた聖剣だろうと贋作では私に届かない」
そしてアークライトは目の前で涙を流す青年の顔面を掴む
「覚悟はしていたんだろう?死ね」
零距離から放たれる第4波動を受け完全にこの世からその体を消失させる
「さて、堕天使よ。問おう。何故上に話さずこのようなつまらん事をした?答えによっては…」
アークライトは
「がはっ!」
「死が待っているぞ?」
アークライトは嗤う
この空間を支配しているのは完全にアークライトだ
その圧倒的力とカリスマ性で味方には絶対の希望を敵には絶対の絶望を与えている
「くっ…」
まるで苦虫を噛み潰したような表情を浮かべるコカビエル
「私は!」
「うるさい死ね」
とバルパーの時と同じく水のレーザーでコカビエルを撃ち抜こうと放ったがそれがコカビエルに届くことはなかった
「今になって介入か」
アークライトは自らの攻撃を弱体化させた張本人に向かって睨みをきかせる
「悪いね。こいつを連れて帰ってこいってのがアザゼルからの命令でね」
「ふん。自身の部下の手綱を握れないようではあの男の器も測れるな…」
「あんたに比べたら誰だって小さいさ」
アークライトと普通に会話をするのは真っ白な鎧を着た男?である
会話の内容からしてアザゼルからの使い、といったところであろう
「では俺は帰る。目的も達したからな」
と飛び去ろうとする男に向かって兵藤一誠がいや、正確には一誠に宿る赤い龍が声をかける
『無視か白いの』
『起きてたのか。赤いの』
と男の鎧の宝玉のようなものから声が聞こえてくる
『以前のような敵意は感じられないな。お前、変わったな』
ドライグは敵意のこもった声色で話す
『ふん。そんなことよりも興味がある事が出来たのでね。今はそれを愉しんでいる』
『ほぅ、まぁこっちだってこんなイレギュラーな状況だ。言っとくぞ。今回こそお前を負かしてやる』
『楽しみにしとこうじゃないか』
と龍同士の会話が終わると男は飛び去っていった
「アークライトさん…」
木場はアークライトに声をかける
「見ていたならわかるだろう」
「はい。あのエクスカリバーを持った人は…以前の僕自身だ。復讐に囚われた哀れな道化。でも今は違う。僕は確かに聖剣を、エクスカリバーを許すことは出来ない。でもそれでもエクスカリバーに殺されたみんなの分も纏めて全部背負って生きていくと誓いました。僕はああはなりません。もう二度と絶対に」
その時木場の中で何かがはじけた
『あの少年は至った』
その時ドライグがそういった
「へ?なんだよ。至ったって」
『あの少年はいつあぁなってもおかしくなかった。だがそれでもそうはならなかったのは心の中で過去に囚われていた、復讐に囚われていたからだろう。神器は思いに左右する。過去から解放され、復讐から解放され未来を、これからを願うようになったことによってあの少年は次のステージに辿り着いた』
『
「これ…は…」
木場の胸の前には一振りの剣が浮かんでいる
その剣は禍々しさと圧倒的存在感を放っていた
そしてその剣からは言いようのない吐き気が込み上げるような拒絶感が溢れている
「っ!!」
その剣を見た一誠は全力で後方に飛んだ
「どうしたの?イッセー君!?」
さっきまで隣にいたイリナが一誠に向かって問いかける
「やばい。なんかわかんねぇけどそれやばいんだって。こう全身からその剣に近づいちゃダメだってそう訴えてる」
『木場祐斗よ。その魔剣には強力な
「ふん。その程度しか感じられないとは二天龍と恐れられた貴様らも惚けたものか…」
アークライトは木場に近寄る
「木場祐斗よ。貴様のこの私との戦いは何時だって私が放った能力を打ち消し隙を作るような戦い方だった。この魔剣にはその戦い方が反映している。これは
アークライトはその剣を木場に握らせる
「この世界全ての者に対する抑止力といったところか。この私ですらその能力の範囲内とはな」
一人で納得し笑うアークライト
「なるほど。そういうことですか…アークライトさん。ありがとうございます」
「ふん。その名も無き魔剣に早く名を与えてやるといい。名を与えられ始めてそれは意味を成す」
「はい、世界への抑止力。ありとあらゆるものへの絶対的な弱点特化。この魔剣に相応しいのこの名前しかない
木場はその握られた魔剣の名を口にする
弱点を突こうといつも試行錯誤してきた
それにより開花した木場のその能力は簡単に説明するならば全てのもの、どんなものだろうと例外なくこの魔剣は弱点となる
先のように兵藤一誠とドライグが全力で拒絶したのもこの為である
ドライグは
木場の持つ
「これがあれば貴様は今ここにある分のエクスカリバーは砕け散ったが残りのエクスカリバーを破壊することも容易くなった」
「えぇ、でももういいんです。あんなものに囚われていては僕は先に進めません。今を持って僕は本当に以前の僕を卒業します」
魔剣を握りしめながら木場祐斗という男はアークライトに宣言した
「ならばよい。精々この私に傷を付けられる位に成長することを望む」
そう言うとアークライトはいつもの部屋に向かって歩いていった