「ほう、これが授業参観とやらか」
アークライトは昼間の学園内を歩いていた
理由は単純である
授業参観に興味を持ったためである
「ここが兵藤一誠のクラスか」
アークライトは教室の扉を開け中に入る
すると教室内は一気に静まり返った
当然である
突然真っ赤なコートのような服を着た銀色の髪の男が現れたのだから
「……あ、アークライトさん?」
思わずとイッセーはアークライトに向かってなぜここにいるのかと言った風に名前を呼ぶ
だがそれを黙殺しアークライトは腕を組みただ黙ってその授業風景を眺めている
そのアークライトに対して周りの人たちはひそひそと
「誰?」
だの
「すっごい格好」
だの
「銀髪だ」
などと言われているがその全てを無視している
「どうした?早く続きをしないか」
とアークライトは催促する
その言葉で我を取り戻した教師は授業を再開する
「つまらんものだな。学校というものは」
ちょっとした騒ぎを起こした当の本人はつまらなそうにそうつぶやいて授業が終わった後に教室からでていった
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昼休み、アークライトはこの学園内ではサーゼクスを除いてかなりの魔力を察知しその場へと向かっていた
「ほう、貴様のような小さき者でもその身に宿す魔力は膨大か」
アークライトはその魔力を宿す者の前でそう話しかけようとする
その者は魔女っ子と呼ばれるもののコスプレをした少女だった
周りからはその姿を写真に収めようと必死にフラッシュを焚いている人達が群がっていたがアークライトが現れたことでそのフラッシュが一斉に止んだ
「オラオラ!天下の往来で撮影会たーいいご身分だぜ!」
だが一人の少年が人々の壁を掻き分け写真を撮っていた人達を解散させアークライトは話しかけることはなく終わる
「あんたもそんな格好しないでくれ。もしかして親御さんですか?そうだとしても場にあう衣装ってのがあるでしょう。困りますよ」
とその少女に注意を促す少年
アークライトはその少年を見て面白そうに口元を歪める
それは子猫を自分の最初の弟子と決めた時にした表情と全くの同じだった
「えー、だって、これが私の正装だもん」
と魔女っ子の方も魔女っ子の方で聞く耳を持たない
「あ、貴方ってもしかしなくてもあの有名なアダム・アークライト?」
とアークライトの存在に気付いたのかその姿を見て結論付ける
その言葉を聞いてぎょっとしたように振り返りアークライトの姿を捕らえたのは注意を促していた少年だ
「え?え?」
とあたふたする少年
当たり前といえば当たり前だろう
世界を騒がせている伝承なき神であるあのアダム・アークライトが目の前にいるのだから
その時
「何事ですか?サジ。問題は簡潔に解決しなさいと…」
とメガネの少女が現れこの場を見た瞬間言葉を止めた
「ソーナちゃん!見つけたっ!」
と魔女っ子はその少女を見るなり嬉しそうに抱きついていく
「おや、アークライトにセラフォルーか。君たちもここに来ていたんだな」
と紅髪の男、サーゼクスが現れ声をかけてくる
その名を聞いて少年の方は驚いたと飛び上がる
「え!?え!?サーゼクス様。この方があのセラフォルー・レヴィアタン様ですかっ!?」
「え?うん。そうだよ。そして彼女、ソーナ・シトリーの実のお姉さんだ」
「嘘ォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」
と少年の絶叫が廊下に木霊した
「ほう。通りで…」
アークライトは一人頷き納得する
朱乃から聞いてはいた四人の魔王の話を
その中の一人だと言うのだからこの魔力を納得せざるを得ないだろう
だがそれでもアークライトが注目したのはセラフォルーでもその妹であるソーナ・シトリーでもない
ソーナ・シトリーの眷属であるサジとよばれた少年である
「黒き龍か…」
サジを見てアークライトは呟いた
彼がその身に宿す神器を見抜いたのだ
「だが幾らかに別れ、その本来の力は封印されている。まるで私と同じだな」
アークライトはそのままサジに近付くと
「貴様、名はなんと言う?」
と問いかけた
「へ?お、俺っすか!?」
今いるメンツの中で一番声をかけられることはないと思っていた為か裏返った声で返事する
「お、俺は…匙、匙元士郎です」
「長い。では匙よ。貴様、力が欲しいか?」
その言葉に全ての人が目を見開いた
サーゼクスは驚きを、セラフォルーは興味を、ソーナ・シトリーは戸惑いをその目に宿していた
そして当人である匙元士郎は
「………」
夢を見ているかのように固まっていた
「貴様からは子猫と同じものを感じた。貴様に私の能力を与えてやろう。どうだ、来るか?」
「あ…え、っと…」
戸惑いながら匙はその目を自らの主であるソーナ・シトリーに向ける
彼女はただ目を瞑って頷いただけだった
「あ…はい。お願いします」
きょどりながらも頭を下げる匙
「では決まりだ。貴様は明日から放課後に私の元へ来るがいい。場所は知ってるな?」
「オカルト研究部…ですよね?」
「そうだ。あの哀れな
とアークライトはまるでサーゼクスに挑発するように言い放つ
「哀れな
「それ以外に誰がいる。その点貴様はいい主を持ったようだな。そこの娘がそうなのだろう?」
アークライトが指し示したのはセラフォルーが嬉しそうに抱きついていたメガネの少女だ
「はい。俺の主のソーナ・シトリー先輩っす」
と匙はアークライトに紹介する
「ソーナ・シトリーよ。少しの間匙を借り受ける。なに心配するな。殺しはせん」
「ソーナちゃん受けときなさい。彼、傍若無人だけど育てることはちゃんとするみたいだから。リアスちゃんのとこの眷属を見ればわかるでしょう?」
「ですが…そのリアスが…」
ソーナ・シトリーの心配はそこだった
自分の親友であるリアスがアークライトに潰されたのだ
もっともアークライトは素質がない為に突き放しただけでその素質を見出された匙を突き放しすことは無いのだが、どうしてもリアスのようになりはしないかと心配なのである
「会長!大丈夫っす。俺、強くなって来ますから。会長守れるくらいに」
既に当の本人はやる気に満ち溢れておりそんなことを口にする
「サジ。きっとあなたが一番弱いわ。でもみんながみんなあなたに合わせてくれるかといったらそうはないでしょう。だからこれだけは言わせてください。あなたの帰りを待ってます」
ソーナ・シトリーは匙の手を握り心配しながらも送り出す旨を伝える
「決まりだ。今日は会合とやらがある為に無しだ。明日からに備えていろ」
「わかりました!」
匙の返事を聞くとアークライトはその場から去っていった